この間今年初めての原付一人旅行に行ってきました。
今回の旅行のメインは釣りだったので、なるべく早く釣り場に着くために夜中の2時に家を出発。目的地である山梨の上野原は毎年原付で行っているのですが今年は初なのでちょっぴりワクワクしながら原付を走らせました。
もう慣れた道なので特に問題もなく相模湖あたりに到着。まずは上野原に着く前に一つ手前の藤野で釣りをしようと決めていたので陣馬山方面へ。というのは以前泊まった陣渓園のおじいちゃんにポイントを教わっていたので、そこへ行くことが今回の旅行の目的でもあったからです。
良い感じに白んできた空だったのですが、陣馬の湯方面の道は木がうっそうとしていて薄暗く、少し不安になりながらも教えてもらったポイントに到着。そこは道の手前にゲートがある西沢という沢でした。
薄暗い中釣りの準備を整えて西沢の林道を進んで行くのですが、陣渓園のおじいちゃんが「ここから下の方では熊がでる」と言っていたので熊の遭遇に怯えながら、前日に100均で買っておいた火薬銃を時々鳴らしながら林道を行く。
しかし道の脇を流れる川の水量が少なすぎたので、途中で「これは釣りにならんな」と独り言を呟きながら釣りを諦めて引き返し、次に西沢が流れ込んでいる栃谷川を陣馬の湯の姫谷より上流から攻めてみようと思ったものの、これまた水量が少なかったのでほんのちょっと竿を出して終了。おじいちゃんに教えてもらったスポットは一時間もかからず終了してしまいました。増水の時のみ釣りになる所のようです。
出だしがしょっぱかったのでこの日一日の釣りが不安になりましたが、とりあえず原付を走らせて上野原に流れる鶴川へ。鶴川もそんなに沢山攻めてきた川ではないのですが、以前釣りをしたポイントを見てみると水が少し少なめで川を遡るのもちょっと楽そうだったので、釣り支度を整えていざ出陣。
最初の堰堤で15センチに届くか届かないかくらいのヤマメを釣ったことで少しほっとして、ここから本格的に釣りを開始。この日は曇りの予報だったのにいきなり強い日差しが差し始めて一気に夏の雰囲気に早変わりでしたが、渓流釣りはこうでなくてはいけません。気分も一気に釣りモードです。
身体中に夏を感じながら流れのあるところに餌を流していると、いきなりグイッと餌を持って行かれたのでそのまま軽く合わせ、力強い引きだったので抜き上げるか迷いながらも結局そのまま抜き上げるとなかなか良いサイズのヤマメが釣れました(こういう力強い引きがくると一人なのに「お、これはでかいな」とか「そっち行くなそっち行くな」とか独り言を言ってしまうのは私だけではないはず)。
25センチくらいの渋い色をしたヤマメ。良いサイズのが釣れるとやはり嬉しい。
その後も川を遡上して行ったのですが、結構魚影が濃い目なのに驚きました。まず最初の堰堤の上にあった溜まりからしてそれなりのサイズのヤマメが泳いでいたし、遡上している途中でバラしたヤマメも大きく、私に(恥ずかしながら)気づいて逃げていくのやそこらを泳いでるのもよく見かけました。やはり鶴川は侮れません。
そんなこんなでいくつかバラしたりチビヤマメ(この日私史上最小を記録)を釣ったりしていると工事中で落石の危険があるからと縄が張ってあったので残念に思いながら退渓。とんでもなく汗だくになりながら念のため最初にヤマメが釣れたポイントに再び餌を流すと25センチくらいの綺麗なニジマスが釣れ、ある程度満足して原付へと戻りました。とりあえずこのままでは色々と体力的にヤバイと思ったので道をしばらく戻って地域密着型のコンビニで麦茶を買ってがぶ飲みし、ひと休憩してからまた別のポイントへ向かいました。
コンビニ裏のベンチから。汗だくですが夏を感じながらの休憩も最高です。
またまたしばらく走ってポイント近くの木陰に原付をとめて3度目の出陣。このポイントにある橋の下の淵にも泳いでる魚が良く見えていたのですが、スレているのか餌に見向きもされず。しかしその淵の先の瀬に餌を投げ込むと一発で餌をひったくられてこれまた走る走る。手前の岩の向こうに走られたのですが、さっきのヤマメの抜き上げも大丈夫だったので少しヤマメの勢いが弱まったところで抜き上げて無事キャッチ。これも食べるには美味しそうな良いサイズのヤマメでした。
私は釣った魚はその場でワタとエラ抜きをするのですが、これまでに釣ったヤマメのどちらも胃袋がパンパンに膨れていて餌をよく食べているのがよくわかります。それだけ餌が豊富な川ということなのですが、このヤマメの大食っぷりが釣果に繋がっているのでしょう。ありがたいことです。
さて、2匹目を釣り上げてすっかり気持ち良くなった私はさらにその先へ。少し行くと結構な深さの溜まりがあって結構な数の魚たちが見えていたのですが、これまた橋の下の淵と同じくスレているのかまったくかかりません。かろうじて警戒心の薄いチビヤマメが一匹釣れましたが他は全くでした。
休憩中。堰堤を登ろうと小さな魚達が滝登りを繰り返していましたが全て失敗に終わっていました。
休憩が終わって堰堤の上を遡上していくと良さそうなポイントの連発。そしてここもまた魚影が濃い。針がかりしないアタリも多いけどハヤも少なくてとても楽しい。そんな中多少深めの流れのあるポイントを攻めるとククッと引いたので、すぐにアワセるとさっき釣った彼以上に物凄く走りながら岩陰に逃げ込もうとする。それを必死に喰い止めつつ、今回は半ば強引に水面まで持ち上げてそのまま水上バイクのごとく岸へ滑らせてキャッチに成功しました。
食いでがありそうなヤマメがこの時点で3匹釣れたことで気分はもうウッキウキです。しかもどいつもこいつも力強い連中なので非常に釣り甲斐があります。今回はいつもよりも楽しい釣りだ。
そんな感じでウキウキ汗だく状態で、しかし熊に十分に注意を払いながら時折火薬銃を鳴らしつつ(これが結構楽しい)進むとまたもやヒット。前のヤマメを釣ってからハリスを交換したので難なく抜き上げに成功しました。
今までのヤマメよりかは少し細めですが、やっぱりパワーが凄かった
今日はツイているのか私の腕が上がったのかはわかりませんが良く釣れます。これだけ食べるに良いサイズが釣れると大満足という他ありません。しかも皆なぜかとても力強いので、かかった時にウキが(私はもっぱらウキで渓流釣りをしています)グイっと沈んだ時の興奮がたまりません。
その後さらにヤマメを2匹追加してしばらくは食の足しになりそうな分は釣ったという事と、もう足が限界に近づいていたので退渓。へとへとになりながら原付へと戻ると時間は3時前だったので、そのまま宿へ向かう事にしました。
この日の宿泊地である檜原村へは棡原から道が繋がっているのでなんとなく便利。とりあえず最初休憩したコンビニでポカリと菓子パン(夜食用)を買って檜原村へ向かいます。
グーグルマップで道を事前に確認した時には距離もそんなになさそうだったからすぐ着くだろうと思っていたんですが、思っていた以上に山道だったので少し時間がかかってしまいましたが難なく檜原村へ到着しました。
この道を左に曲がってしばらく行くとすぐに宿の名前が書かれた看板がありました。
看板に従って橋を渡ると民家が何軒か並んでいて、それを抜けると大きな広場に出ました。一体どれがこむかい山荘なのかちょっと迷いましたが、広場を左に行くとありました。
広場、というか山荘の横に建てられているトイレ。後で聞いたところによると観光客用に作ったらしいです
トイレの建物の横に原付を駐めていると赤ちゃんを抱っこしたお母さんに挨拶をされましたが、この人は山荘のおばあちゃんの娘さんだったようで、宿泊棟横の(おそらく)家族用の建物の中でおばあちゃんと一緒に話をしているところに声をかけさせてもらいました。
名前を告げると「はい、いらっしゃい」と優しそうなおばあちゃん。予約の電話の時は愛想のない感じだったのですが、実際は全く違いました。
「こちらへどうぞ〜」とおばあちゃんが部屋へ案内してくれたのですが、その部屋が一階の二間続きの部屋でかなり広い。これは贅沢です。
玄関を部屋側から撮影。この薄暗さが古民家の民宿らしい風情を感じます
部屋の様子。この広さは嬉しい。ちなみにエアコンや扇風機はありません
「この時期にここまで暑いのは今までないですよ〜」といいつつ首にかけてるタオルで汗を拭きながらお茶を淹れてくれるおばあちゃん。ここからしばらくお茶をすすりながら雑談が始まりました。
「今日はここに来る前に上野原で釣りをしてきたんですけど、とんでもなく汗かきましたよ〜。でも良く釣れたから良かったです」
「あら〜そうなんですか。私は川魚のヌルヌルがダメでこれまで生きてきて2回しか食べたことないんですよ」
おばあちゃんはおそらく70は超えている感じでしたが、その人生の中で川魚を2回しか食べたことがないというのは筋金入りの川魚嫌いなようです。「ということは夕食に川魚は出ないか?」と少し残念に思いながらも雑談は続く。
おばあちゃんはとにかく檜原村に若い人がいないことを残念がっている様子で、しかしそれを受け入れざる終えない現状を非常に憂いているようでした。「昔ガラス工場があったころはここらへんも凄く潤ってたんだけど、中国製の安いガラスが入ってきた頃からダメになっちゃった」と言っていました。
昔はいくつかあった小学校も中学と統合されてしまって、当然グラウンドも少なくなってしまった結果
「グラウンドがあったころは合宿でうちに84人も泊まってったこともあったんですよ」とおばあちゃん。「この建物に84人!?」と思いましたが、この他にもコテージの様な建物もあったので全てフル活用したのでしょう。今でも合宿は受け入れている様ですが、そういう用途の利用は今はないみたいです。ですがそういった経験からバーベキューの道具なんかも全て揃っていて、今でも夏にバーベキューをしにくる若者がいたりするみたいです。
他にも
・檜原村には伝統芸能が沢山残っているが、ここらの部落にはない。両隣の部落には残っている
・若者がいないことから伝統芸能を続けていくかやめるかで揉めているらしい
・ガラス工場の跡地は変な宗教が施設を建てて使っている
・ホタルは何匹か飛んでいるのを見ることもあるが、この近くにはほとんどいない
・昔昭和天皇の墓が檜原村の奥地に建てられる計画があったがキャンセルとなって八王子になった。しかしその計画のおかげで道路が整備された
などなど、かなり興味深い話を聞くことができました。まぁいつも言ってることですが、その土地に長いこと住んでいる人の話っていうのは本当に面白いです。こういう話を長々と出来るのが民宿の良いところの1つですね。
まぁそんな話をしていると途中から檜原村特産のジャガイモの話になり、その流れでふかし芋を2つ持ってきてくれました。箸がなかったので熱々を手で食べることになりましたが、これが中々うまい。「ウマイですね、腹が減ってるからなおさら」というと「ここはジャガイモだけは美味しいですから」と笑っていました。おばあちゃん、良い感じです。
ジャガイモも食べ終わったころ「じゃあそろそろ」と言っておばあちゃんが立ち上がったので「お風呂は今から入れますか?」と聞いてみたら何やら広間の奥へ消えていき、戻ってきたら「お湯がちょろちょろ出てるから20分くらいしたら入ってください」ということでした。
じゃあとりあえずゆっくりしようと(アメニティチェックも兼ねて)改めて部屋を見回してみると、浴衣や歯ブラシやタオル類がどこにもないことを確認してしまった私。「ここはアメニティ無しの民宿だったか!」と若干の残念感が漂いました。というのも歯ブラシは旅行の時は毎回持って行くし、今日は汗だくにはなりましたが着ていた服は上下ともに速乾のサラサラ生地だったのでまぁいいかと思ったのですが、温泉などに立ち寄る予定はなかったのでタオルは持参してきていなかったのです。
「風呂場にもなかったら借りに行こう」と思いながら更にあたりを見回すと、畳の上には小さな何かしらの小さなゴミなどが落ちていたりと掃除もあまりされていない様子。まぁ私はあまりそういうことは気にならないのでいいのですが、気になる人には厳しいかもしれません。いつもこういう状態かはわかりませんが。
まぁとりあえず時間もあるので、次は外の散策に向かいました。
奥の布団が置いてある部屋から渡り廊下で繋がっている浴室。湯沸かし器がピピピ、ピピピとずっと鳴っていました
外には川へ降りる道があり、その途中に
川に降りる道あたりからの宿の様子。2階はどんな部屋なのか気になります
可愛い水道。おばあちゃんが沢の水を引いて使っていると言っていましたがこれもそうでしょうか
コテージもあります。合宿の人たちはここに泊まったのでしょうか
橋からの様子。ここまでで釣り人は一人も見ませんでした。おばあちゃんも「釣り人は全然見かけない」と言っていました
ある程度散策も済んだところで20分も経っていませんでしたが風呂に向かうことにしました。一体どんな風呂なのかワクワクです。
ブレていますが脱衣所の様子。タオルがあることに少しホっとしましたが私のために用意してくれたものかわからない感じです。一応使いましたが
左横にはトイレが。しかしサンダルが揃えられてもいなければトイレットペーパーもありません。そう、ここはタイトル通り何もない宿なのです
トイレの様子を見て「よくこれで宿の経営が成り立つものだ」と思いながらもなんとなくこの雑なサービスの宿を良い意味で受け入れている自分もいるという妙な気持ちになりました。それもひとえにおばあちゃんの人柄の良さに大きな要因があるような気もしますが、そもそもこういうのをあまり気にしない性格というのもあると思います。
まぁ何はともあれ楽しみにしていた風呂が目の前なので、早速服を脱いで浴場に向かいました。
竹が惜しみなく使われた風情のある浴場ですが、風呂用洗剤なんかも出しっぱなしです
いつごろから使われているのかわからないソープ類。ボディソープはありませんでした。そしてこのソープ類が置かれた奥の浴槽は最近使われていない感じ
もっと小さな浴場かと思っていたのですが中々良い感じに広くて雰囲気もグッドです。しかしやっぱりところどころ掃除の不十分さが目立ちますが。
とりあえず体を洗おうとシャワーを捻ると民宿によくあるショボショボシャワーだったので、浴槽に溜まった湯で体を流して洗うことに(ちなみに後で気づいたことですがパイプからの湯を止めたらかなり勢い良くシャワーが出ました)。
ボディソープはなかったので小さくなった石鹸で体を洗い、頭は1つだけあったシャンプーで洗いトリートメントはしませんでした。そんなこんなで一通り体を洗っていざ浴槽へ。
浴槽は割と深めに作られていて首までしっかり浸かることができました。この日1日中釣りをして疲労困憊だったのでとにかく風呂が気持ち良い。この湯も沢の水なのかはわかりませんが、コックを捻ればどんどん湯が勢い良く出てくるので常に掛け流し状態で入れてそれはそれで贅沢な感覚に浸れます。温泉でないにも関わらずその気持ち良さから少し長湯してしまいました。
風呂からあがって縁側で休憩していたらあっという間に夕食の時間。最初の雑談で昼ごはんはおにぎり1つしか食べていないと言ったら「じゃあちょっと早めの夕食にしましょうか」と気を利かせてくれて、夕食を5時40分くらいに持ってきてくれました。ということで夕食は部屋食。静かに川の音と虫の声を聞きながらのんびりといただきました。
「どうぞごゆっくり〜」と去っていったおばあちゃんを見送ってから待望の食事開始。やはり川魚はなかったが野菜中心でなんとチキンもついた夕食でありました。恐らく買ってきたものでありましょうが肉が食べたかった私はちょっと嬉しかった。ちなみにてんぷら(カニカマと何かの野菜のかき揚げ)は熱々ではあるもののサクっとしてるわけでもないのはご愛嬌ですが、でもこれはこれで美味しい。しかし何より左の大根の煮付けが美味しかった。冷えた状態で食べる品のようで、上にシソの葉が小さく切られて乗っかってるのが素晴らしい。全体的に量も十分多かったので結構腹いっぱいになりました。美味しゅうございました。
食後は一応トレーごと全部戻しに行ったら「あら〜わざわざすいません」とおばあちゃん。別に持っていかなくてもよかったっぽいですが別に大した労力でもないので「おいしかったです〜」と感想を言ってから食後の散歩に出かけました。初夏なのでまだまだ辺りは明るい。徐々に涼しくなっていく山間の道路を走ってきました。
当初茅葺屋根の残る檜原村の最奥である数馬まで行こうと思ったのですが案外遠そうで、暗くなって虫に当たられながら帰るのも嫌だったのでその手前まで行きました。
なんか気になったので撮影。一体どんな暮らしをしてるのか想像するのもまた楽しい
特産のこんにゃくを製造販売している井上食品の向かいにある空き地。後でおばあちゃんに聞いたところここはかつてグラウンドだったそうな。だから遊具があるんですね。今ここで遊ぶ子はいるんでしょうか
なんか店っぽいですが完全な民家でした。ここも後で聞いたところ、かつて民宿をやっていた家らしいです。民宿にしてはやたら屋号が立派ですね。泊まってみたかったです
キノエネ醤油ってなんだ、昔ここらに存在した醤油醸造かと気になって調べたら、今でも営業してる千葉県の醤油醸造でした
あたりはまだまだ明るいですがここらへんを散歩していて通行人を見たのは帰宅途中の中学生のみ。なんだかのんびりしていて良い感じです。大人になると田舎で育った子供をちょっと羨ましく思います。
さて、まだまだ外は明るいですがここらで一旦引き返すことに。山はすぐに暗くなるので油断はできません。途中自販機でコーヒーを買って宿へ戻りました。
宿へ戻るとおばあちゃんの旦那さんが仕事から帰ってきていたので軽く挨拶してから部屋へ。特にやることもないので川の音を聞きながら縁側に置いてある長椅子に座ってぼんやりと外を眺めていました。
綺麗なコントラスト。もうヒグラシの鳴き声も聞こえていました。素晴らしい時間です
夕焼けのオレンジが消えてしまうのもあっという間でしたが、結局暗くなるまで30分以上ぼーっとしていました。都心から(原付で)3時間程度で来れてしまう近さでこんな環境に浸れるのは素敵です。ヒグラシの声は夏の終わりを感じさせますがむしろこれからが夏本番。私の夏は最高のスタートを切りました。
あたりがすっかり暗くなったらさすがに電気をつけて虫の侵入を防ぐため戸を閉め(残念ながら網戸はありませんでした)、再び風呂へ向かいました。昼と夜では風呂の雰囲気も全然違うので楽しみです。
夜の浴場。コックを閉めて湯を止めるとあたりはシンと静かになってとても落ち着きます
夜風呂をすっかり楽しんで部屋に戻ってうちわで涼んでいると、やはりちょろちょろと虫が入り込んできます。田舎の民宿での虫の侵入なんてのは当たり前にあることなんですが、戸を閉めてる割に妙に虫が入ってくる。小さな蛾なんかもいて一応退治したのですが、その後さらにでかい蛾が入ってきてさすがに私も少しビビりながら退治したもののどうもおかしい。どこか開いてるのかと調べたところ玄関の戸を閉めていなかったことに気づき急いで閉めて一応巨大昆虫の侵入は防げましたが、その後も小さな虫がちょくちょく現れたので玄関に置いてあった蚊取り線香を焚いて、テレビを見たり虫退治をしたりしながら11時ごろには就寝しました。
翌朝7時ごろに目覚めるとお尻と足がとんでもない筋肉痛になっていました。前日あれだけ渓流を移動していたら当然っちゃ当然ですが結構痛い。「ぐおお」と呻きながら立ち上がって戸を開け放ち、最後に玄関の戸を開けたら朝食を持ったおばあちゃんがちょうど玄関の前にいて「うおっ」と声を出してビビってしまいました。おばあちゃんは「おはようございます〜」と若干笑いながら朝食を渡してくれて、起きて早々食事の時間となりました。
朝はさすがに少し寒かったので布団をかぶりました。落ちている薄い雑誌は虫退治に使用しました
朝は特産のジャガイモを中心に据えた健康に良さそうな献立。こんにゃくも案外沢山あり全体的に量は十分。恐らく女性では完食できないくらいの量で、私も結構腹いっぱいになりました。朝食もおいしかったです、特にこんにゃくと大根が。
食後トレーを戻すのは後回しにして朝風呂に向かい、熱いシャワーを浴びてぬるい風呂に浸かってから(この入り方が最高でした)部屋に戻り、トレーを戻してから川へ降りに行きました。この日は帰るだけなので時間には余裕があります。せっかくだからのんびりしていきましょう。
川に降りたところ。谷底なので涼しくて気持ちが良い。水も透き通っていて綺麗です
釣りに良さそうな淵がありますが見えるのは小さい魚のみ。流れがゆるやかなので泳ぐにはよさそうですが、沢の水で冷たいのであまり泳ぐ人はいないとおばあちゃんが言ってました
ここでしばらくぼーっとしてから部屋に戻り、テレビを見たりしながらのんびりして9時30分くらいに宿代の清算へ。母屋には来た時と同じく娘さんと赤ちゃんがいて、娘さんが深々とお辞儀をしてくれたのが印象的でした。おばあちゃんは原付の駐めてあるところまで来てくれて、そこでまた少し雑談してから出発しました。宿を出る時はいつも名残惜しいものですがここもまた然り。タイトル通り何もない宿でしたが良い時間を過ごせました。
帰りは道の途中にあるやまぶき屋という直売所でこんにゃくを買い、テラスでアイスコーヒーをいただきました。
やまぶき屋。以前にも1度来たことがありますが、テラスは初めてでした
しばらく待っていると店の人が持ってきてくれました。これで150円は嬉しい価格です
テラスでコーヒーを飲みながら、店内では地元のおじいちゃんと店員さんのおしゃべりの声。なんともゆるい時間が流れている檜原村です。ここは是非また休憩しに立ち寄りたいですね。
店を出たら後は帰るのみ。道中ワークマンに寄ったりしながら昼頃には家に着いて無事旅行を終えました。
※今回とまったこむかい山荘は人によっては結構残念に思う宿かもしれません。なんせアメニティは(タオル以外)一切ないし掃除も十分とはいえない状態なので。でも個人的にはそれを補って余りある田舎の自然と古民家の心地よさ、そしておばあちゃんの温かさがなんとも心に残る宿でした。よく宿の謳い文句で「何もないがある」というような文言を見かけますが、こここそ正に真の意味で何もない宿なのではないでしょうか。
バーベキューやキャンプファイヤーも出来る(おばあちゃんからするとバーベキューが一番楽らしい)ので、今度は友人達と来たいと思います。
こむかい山荘 : 一泊二食付き 7000円(税込)
いやあ、丁寧な説明、ありがとうございます。
明日、こむかい山荘に泊まります。
タオルや寝間着類、歯ブラシ、石鹸、シャンプー、全部持っていきます。
情報ありがたいです。
このブログを読まなかったら、手ぶらで行ってしまうところだった。
九州の国境の島、対馬や、瀬戸内海に面したうさぎの島の目の前の忠海の民宿に泊まった時なんか、これより安くて、浴衣も、タオルも歯ブラシもシャンプーも全部あったし。
でも、それらの土地より、東京都の檜原村の方が、ずっと寂れているのだと思う。
私、檜原村好きで、新宿区から原付で20年くらい前から行っている。
東京都にこのような場所があるのは、貴重だと思う。
釣りをしたのに、どうして、ヤマメの塩焼きを食べないのですか。
お宿へ持って行って、焼いてもらうのだと思っていました。
まさか、河原で焼いて召し上がったのではないですよね。
>白猫さん
どうもコメントありがとうございます。白猫さんは今頃こむかい山荘で過ごされている最中でしょうか。このブログを見て宿選びの参考にしてもらうことが私の本意なので、こちらとしても嬉しく思います。
そうですね、私も今まで泊まってきた宿では歯ブラシがないとか浴衣がないとかはたまにありましたけど、こむかい山荘ほどアメニティが揃ってないのも珍しいです。でも私としては良い宿だったので、白猫さんも気持ちよく過ごされていればいいんですが。
>東京都の檜原村の方が、ずっと寂れているのだと思う。
私も檜原村は好きですが、多分遠くから東京に来られる方で檜原村に行こうと計画される方は多くはないんじゃないかと思います。多くは都会を感じるために来られると思いますから。東京都民からしたら都心からほど近い所にある自然ということでありがたいんですけどね。
白猫さんは20年前から檜原村に行っているということですが、その頃と今とでは結構村の感じは変わってきたのでしょうか?気になるところです。
>どうして、ヤマメの塩焼きを食べないのですか
山の宿では大体夕食に川魚が出る(確かこむかい山荘では出なかったと思いますが)のでお願いしないことがほとんどですかね。それに大抵はお腹いっぱいになるくらいの量が出てくるので、釣ったヤマメを存分に味わうには家でそれだけをおかずにして食べるくらいがちょうどいいから、という感じの理由です。
釣ってすぐに河原で焼いて食べるというのもいいんですが、焚き火でちゃんと焼こうとすると結構な時間がかかってしまって釣りをする時間が減ってしまうので、河原で焼いて食べるということはほとんどありません。焼いて食べてる人も見たことないですね。
すいません、なんだか思いがけず長い返信になってしまいました。
では、これを言うにはもう遅くなってしまいましたが、どうぞ良い旅を。
ちゃんと、シャワーの使い方、書いておいて下さったのですね。
私はそこをきちんと読まなかったから、どうして、こんなにしょぼいシャワーなのだろうと思って、仕方なく、湯船のお湯を桶ですくって使いました。
そうですか、元栓を止めればいいのですか。
そんな大切なことを知らずに夜と、朝風呂と2度にわたって入ってしまって、あらあら、失敗しました。
寝ている時に手にヤモリが触ったので、飛び起きてしまいました。
普通の女の人には耐えられないかな。
檜原村の宿には、4ヶ所くらい泊まりましたが、これはすごいわ。変な意味で。
ま、景色が良かったから、別に気にしないことにします。