[静岡] 廃校を利用した懐かしい宿、やまびこ荘 [伊豆]

静岡

もうとっくに冬ではありますが、今年最後の旅行としていつもの友人と二人で伊豆へ行ってきました。
この旅行の前に日帰りで檜原村へ行ったのですが、その時の寒さに命の危険を感じたので防寒対策はばっちりきめて伊豆に備えました。

当日は友人といつも通りのコンビニの前に夜中の1時30に集合。気温が少し暖かいのか防寒がばっちりなためか寒さはあまり感じずに到着すると、友人はありとあらゆるものを着込んでブクブクに太っていました。
今回の旅行について軽く雑談を交わした後すぐに出発し、途中高校生暴走族に囲まれたりしましたが6時前には小田原に到着。ここからr135を熱海まで走るのですが、この道が恐ろしいほどに街灯が少なく真っ暗で、しかも走る車やトラックは中々に飛ばしていて常にヒヤヒヤものでした。少しでも間違えば海に突っ込んでいってしまいそうな恐怖に耐えながら走っていました。もう二度と暗い時間にこの道は通らないでしょう。

さて、そんなこんなで7時頃には熱海についたのですが、この日の最初のプランとして、熱海にある共同浴場の山田湯に行こうというプランがあったのですが、まだこの温泉の営業時間まで一時間あります。思ったより早く着いてしまったのでやる事もなく、しかも途中から雨が降っていて体が冷えていたので、この時間からやっていそうな温泉を探すことに。
すると友人が「この近くにあるみかんの木ってところが24時間入れるみたい!」と嬉しい情報を放ってきたので早速みかんの木へ。いた場所から本当に近かったのですぐに着いたのですが、どう見ても24時間日帰り入浴を受け入れてる雰囲気ではありません。「おいおい大丈夫か?」などと言いながらもとりあえずフロントは明るかったので中へ入ってみると、どこかシンと静まり返った雰囲気(当然か)。そのうち仲居さんが通ったので聞いてみると、「いえ、まだ日帰り入浴は受け付けておりませんが・・・」「どこで調べられてきましたか?」と若干不審者をみるような眼差しで対応されました。
がっくりきて外にでて確認してみると、彼はどうやらみかんの木のHPにある「24時間入浴できる」という文言を「日帰り入浴24時間OK」と勘違いしたみたいでした。よくみてみるとそれは宿泊者は24時間入れるという意味で、日帰り入浴の受付時間はちゃんと書いてあったのです。。

温泉に入れると思って上がったテンションがすっかり落ちてしまいましたが、もうしょうがないので近くにあったジョナサンに8時まで滞在することに決めて、ジョナサンで軽く朝食を食べたあと少しだけ睡眠をとり、目的の山田湯へ。
この山田湯も近かったのですが少しわかりにくい場所にあるため少し迷いながらも5、6分で到着。着いても少し分かり辛かったのですが地元のおばちゃんが向かって行ったので場所を確認でき、バイクを止めた後向かったら、何やら先程のおばちゃんが女湯のドアの前で携帯で話していました。会釈してさぁ温泉へ!とドアノブへ手を伸ばすと何やらドアのガラスに張り紙がしてあり、「12日午後から13日はお休みしましす」との悲しい張り紙が貼ってありました。当然ドアノブをガチャガチャやっても開くはずはなく、私たちが来るのを狙ったように休んでいる山田湯を前に、友人と二人我が身の不幸を呪いました。すると電話を終えたおばちゃんが「今日はやってないみたいねぇ」と話しかけてきて、「そうみたいですね、残念です」と返すと、「お兄さんたち遠いとこからきたんでしょ?ここからちかいとこにある福島屋さんに行ってみたら?」と嬉しい情報が。「この時間でもやってるんですか?」と聞くと「やってるやってる。あそこの温泉はいいわよ、私は歩きだから行かないけど」と道のりを教えてくれた後去っていきました。

友人と地元のおばちゃんに感謝しつつ福島屋さんへ。道はまっすぐ行くだけだったのですぐに着きました。しかし宿の玄関の前の張り紙に「日帰り入浴 11時〜」という衝撃の案内が貼ってありました。もはやここまでくるとため息すら出ません。さっきのおばちゃんの情報はなんだったのでしょうか。ただの勘違いなのか、それとも昔は朝早くからやっていたのか・・・。しかしここまできて熱海の温泉に入らずに次へ向かうのは体力てきにも体温的にも得策ではありません。もう一度朝から日帰り入浴を受け付けているところを探してみると、なんとここから近いみのやという宿が朝8時から日帰り入浴を受け付けているとのことで早速向かいました。

着いてみるとみのやは完全に道路に面している宿ですが中々趣があります。「またダメなのでは・・・」と少しドキドキしながら入ってみると、ものすごく愛想の良い仲居さんが快く応対してくれて、バイクを屋根のあるところに止めさせてもくれました。ここまで裏切られ続けた私たちとしてはこの仲居さんの態度だけでも救われる思いでした。ある程度の説明の後料金1000円を払っていざ浴場へ!(タオル類は貸してくれました)

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左が脱衣かご、右の階段を降りたら浴場です。

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幸せの湯気が立ち込める浴場!

すぐに温泉に入りたい欲望から撮影もさっさとすませて浴場へ向かい、体を洗って温泉に入りました。事前に仲居さんから、「うちの温泉は塩分が強いから目に入ったらしみるよ」という旨のことを言われていたのですが、確かに温泉を舐めてみると海水のようなしょっぱさで、顔にかけてみると目が少し痛くなりました。以前入った遠山郷のかぐらの湯もしょっぱかったのですがここはそれ以上です。海の近くだから、ここらへんはこういう温泉なのでしょうか。
しかしそんなことよりも温泉の温度がちょうどよく浴槽も広いので、誰もいないのをいいことに友人と「ア”ーーーっっ!」っと大きな声を出しながら温泉に浸かれた気持ち良さを十分に表現していました。外は雨、体は冷えて疲れている体に温かい塩分を含んだ温泉が染み渡っていきます。「もう外にでたくない。。」と思いながら温泉に出たり入ったりして十分にみのやの温泉を堪能した後温泉からあがり休憩所へ。

休憩所からは熱海の海を一望できる素晴らしい眺めで、椅子に座りながら備え付けの冷水機で水を汲んで一気飲み。今までの不幸が続いた分最高の幸福感です。しかしあまり長居はしていられないので、ある程度休憩した後みのやを後にして次なる目的地、土肥温泉に向かいます。

r135を更に下っていくと80号に繋がるので、そこからは山道です。こちらは温泉であったまっているので寒さは全く感じなかったのですが、雨が降っているのでそれが少し怖い感じです。山道を登っていくと「路面凍結 スリップ注意」の看板が沢山でているのでスリップに気をつけながら山を越えて行きました。その後山を下ったところにあったバス停で一休み。

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バス停にて。うっすら雨の降る静かな集落は心落ち着きます。

その後は修善寺方面にでて136号に乗り、再び山を越えて土肥温泉へ向かいます。途中ガソリンスタンドに寄ったりしながらも13時前には土肥温泉に到着し、早速発見した足湯に駆け足で入湯しました。

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適度な温度の足湯にみのや以来の幸福感を覚える。

足湯の周りには中国人観光客がいて色々うるさくしていましたがそんなことは気にもせず足湯に浸かっていました。ここまで来るのに体は大丈夫でも手や足先は冷えていたので最高に気持ちが良い。惜しむらくはこの日が雨だったということでしょうか。晴れていたら景色も良かったろうに。すぐ横は川が流れていて川音も気持ちが良いですし。
しばらく浸かっていると足が赤くなってきたので足湯を出ることにして、目の前にあった地場産センターのような店に入店。野菜や果物、加工品が非常に安くて中でもサンマのみりん干しが三匹で300円だったのに強く心を揺さぶられましたがクーラーボックスもないので断念。みかんも沢山入って200円とかだったので買おうかと思ったのですがなぜかやめました。(後々後悔しました)

その後は事前に調べていた食事処のしま長へ向かいます。この足湯から店が見えるような近いところにあったので徒歩で向かいます。もうお腹もペコペコだったので期待が膨らみます。
(以下全ての写真がぶれていて申し訳ありません)

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一番奥の座敷席に座りました。

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これがメインメニューのようです。

入ってみるとお客は一組だけ。もっと混んでるかと思いましたが運がよかったです。
ここは事前に調べた情報によると、ボリュームが半端ではなくしかも美味いということで非常に期待してここまできました。
私は煮魚定食(アコウ鯛の煮付け)、友人は天丼を注文。しばらく店内のテレビを見ていると天丼が先に到着。天ぷらが山のように乗っかっていて友人も驚いた様子。友人には先に食べてもらっていると私の煮魚定食もきました。

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うまそう!

画像ではわかりにくいですが凄い量です。特に煮魚が。大きくて分厚い身が二切れも入っていて、その他小鉢で漬物やら刺身やらもついてしかもご飯はおかわり無料ときたもんだ。空腹にこの膳はなんとも言えない衝撃です。煮魚を一口食べてみると、甘くてプリッとした食感がたまりません。いい感じに煮付けてあり、金目鯛の煮付けにもひけをとらない美味しさです。特に皮が美味しく、ゼラチン質っぽい感じに味がしっかり染みていて素晴らしい。しま長に来て良かったと心から思いました。
二人でうまいうまいと言いながら食べ終えたらお腹はもう十二分目くらいでパンパンでした。動いたら若干辛くなりそうなくらいの満腹感です。このままバイクに揺られるのは少しキツイのであたりを散策することにして店をでました。

しま長からすぐ近くのところに土肥金山という大きいお土産や兼食事どころがあるらしいのでそこへ行ってお土産を買うことにしました。
着いてみると確かに結構広く、車も結構泊まっていました。店内に入ると地元の土産物が沢山です。

土肥は白枇杷が有名らしく、その白枇杷から作られる酒があるとのことでさがしてみたところすぐに発見。白枇杷酒と白枇杷ワインがあったのですがワインは2000円以上したので諦めて白枇杷酒にしようとおもったのですがリキュールだったので少し迷ったのですがやめて、かつおの塩辛にしました。友人はいつも利用するクリーニング屋のおばちゃんのために白枇杷ゼリーを購入していました。彼はいつもクリーニング屋のおばちゃんにお土産を買っています。

買い物を終えると14時を少し回っていたのでそのままこの日の宿に向かうことにしました。宿は堂ヶ島の方にあるのであと少しです。
海が見える道を気持ち良く走っていると良い感じの浜を発見したので寄り道です。

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どうやら二枚目の奥の入り江のようなところから遊覧船が出ている様子。当初この遊覧船に乗るプランもありましたが今回は諦めました。

画像では曇っていますが実際は少し晴れ間が見えていて中々気持ちが良かったです。海は綺麗で、夏なんかは絶好の海水浴ポイントでしょう。友人が「水切り勝負しよう!」というので何回か水切りをした後出発することにしたのですが、どうやらここからすぐ近くに沢田公園という公園があり、そこで露天風呂に入れる様子。ここもプランの中に入っていたのですが、夕日が沈む頃に行きたかったので後でまた来ることにして出発しました。

海沿いに136号を下って行くと59号にぶつかるので59号にのって山間部へ向かいます。途中綺麗な川が流れていてなかなか釣りによさそうな渓相です。「夏にまた来るか」と心に決めてどんどん道を登っていきます。
思っていたより結構走ると大きな看板があり、もう少しでやまびこ荘があることを確認し少し走らせるとやまびこ荘を発見しました。(以下やまびこ荘の写真はこの日と翌日の写真がごっちゃになっています)

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少し高台にやまびこ荘はありました。登って行くとグラウンドへ続いていて何台かの車とバイクが停めてありました。
私たちも屋根のあるところにバイクをとめると、やまびこ荘の窓からおじさん(よりかは少し若い)が顔を出して「どうも、いらっしゃいませ〜」と挨拶してくれました。「向こうからお入りになってください」とのことなのでやまびこ荘前にまわると、私も友人も「お〜、いいねぇ〜」とテンションも上がります。多少綺麗になっているものの小学校そのままの建物に感動を覚えました。早速中へ入って受付をすませます。

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入ってすぐの写真。右側が受付です。天井が高い!

管理人さん(と言ったらいいのか)はとても人当たりの良い感じで優しそうなお人。ここまでの道中の苦労を労ってもらった後すぐに部屋に案内してくれました。

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私たちの部屋は2の1でした。なんだかオシャレです。

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画像でわかりませんが天井が高く気持ちが良い。

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部屋の逆側に押入れがあり、布団やらと一緒に浴衣がありました。

夕食の時間へ風呂の事など一通り説明を終えると管理人さんは去って行きました。
部屋には冬らしくコタツがあってヒーターも設置してあり、窓は大きく外が綺麗に見えます。部屋もそうですが建物内は驚くぐらい清潔にされていて管理人さん達のもてなしの心が伝わってきます。

もう想像以上の宿のクオリティに友人と狂喜乱舞です。ここまで雨にうたれながら来た甲斐があったというものです。とりあえず荷物を置いて興奮冷めやらぬうちに宿内を探検にでかけることにしましたがその前にアメニティチェック。どうやらここはタオル類はなく(一応小さいタオルは100円で売ってますが)、歯ブラシもありません。普通の宿なら「なんだよ・・。」と思うところですが、ここではそんなことはなんの問題にもなりません。歯ブラシも持参してきていましたし、そんなことは瑣末なことなのです。
さて、では宿内の探検にでかけます。

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部屋を出て右側、玄関から入ってきたところです。浴場の手前にはソファのあるロビーが。

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上の画像のスロープの横には本が置かれています。学級文庫とはまた可愛い。

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部屋の左側、奥へ続く通路です。二階へ続く階段がなんだか良い感じ。

通路には電気ポッドや湯のみ、茶筒などが置かれていて各自必要なら持っていくという形式。ここでは布団出しや食器片付けなどセルフサービスを求められる場面が多いですがそれすらも楽しいです。

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掲示板の貼り紙。

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電気ポッドたち。

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一階一番奥の部屋。

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通路奥にある洗面台。とにかく綺麗です。

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洗面台の下にある踏み台。子供にも優しい。

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階段横にある洗濯機。

なんだか歩いているだけで楽しいです。正直小学校らしさはそこまで色濃く残ってはいませんがところどころでその面影をしっかりと残しています。わくわくしながら通路奥の引き戸をあけて外へ。

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外へ出るとプールに続いていました。このやまびこ荘のお風呂は温泉なのですが、なんとプールも温泉とのこと。春先からプールの合宿などで使われるようです。なんだかとても懐かしい気分。こんなところでプールに入りたいですが今回は断念です。
プールの横にある建物は一階が更衣室に、二階が給食室になっていました。夕食はこちらでとることになります。夕食の時間は17時30分から!

「はぁ〜、いいなぁ」などと郷愁にひたりながらお次は二階の探索へ向かいました。

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階段を上がって右側の様子。晴れた日のこのベンチでゆっくりしたい。

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二階の様子。この日は二階に泊まるお客さんがいなかったため暗いです。

二階は天井に梁が見えていておしゃれです。二階の部屋からの景色も素晴らしいでしょう。
一階にもあったのですが、二階にも奥に冷蔵庫があり、これらは宿泊者が共用で使用することができます。ここは持ち込みもOKなので、ひやしたいもの、凍らせたいものを保存しておけます。ただし自分のものはそれとわかるようにしておく必要があります。洗濯機もあり冷蔵庫もあり、通路にはスロープありと過ごしやすさを追求している点が本当に素晴らしいです。

さて、探検も終わったので一風呂浴びてくることにして部屋に戻って準備です。友人はタオルを持参していなかったので受付でタオルを購入して浴場へ向かいました。

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入って正面の洗面台。ドライヤーもあります。友人が少し写り込んでしまいました。

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脱衣所。

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すぐさま服を脱ぎ温泉へなだれ込みます。熱海で温泉に入っていたので体は簡単に流した後早速湯に浸かりました。
温泉自体は無味無臭ですが温度も暑すぎすぬる過ぎずでいつまでも入っていられそうな温度で気持ちいいです。窓を開けると目の前の道路から丸見えですが通る人もそんなにいないでしょう。全開にして入りました。

「フゥ〜↑↑↑」と喜びを全開にして友人と湯に浸かります。本当に良い気分です。やはり旅行には温泉がなくてはなりません。ここまで気持ちがよく疲れがとれるのですから。なによりここは元学校ということで普通の宿に泊まるより気分が違います。この浴場はもともとは職員室だったようで、それもまた面白い。

メインの浴槽の横には一人分くらいの浴槽があり、こちらは沸かしていない源泉がそのままためてあるので結構ぬるいのですが、この二つを行き来して入るとちょうどよくのぼせることなく入れます。しかしまぁとにかく最高な温泉なのです。
ある程度浸かったら私は先に出てロビーにてコーヒー牛乳を買うことにしました。

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出てすぐのロビー。普通の自販機の横に牛乳とコーヒー牛乳が売ってる自販機が。

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時代を感じさせる自販機。

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誰が描いたのでしょうか、こういうのは大好きです。

大木美瑠久さんも「牛乳飲んでよね」と言っているのでありがたく買わせていただきました。伊豆のコーヒー牛乳なのでどんな味なのか楽しみです。部屋に持って行ってコタツに入って飲むことにしました。

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コタツの上には先生が使っていた例のあれが置いてあります。中身は宿の詳細でした。

部屋の窓を全開にして寒さと温かさが入り混じった空間でコーヒー牛乳をいただきました。中々甘くて美味しい。森永とかが売っているやつとはまた違った味わいで、牛乳の濃厚さがよくでている感じです。結果的に泊まっている間に3本も飲んでしまいました。お気に入りです。
飲み終えたあたりで友人も帰ってきて、彼もコーヒー牛乳を買っていました。温泉から出て友人とコーヒー牛乳とはオツなものです。

もうここらへんで来る途中に「後で来よう」と言っていた公園の露天風呂に行く気は完全に失われていました。ここまでまったりしてしまってはもうあの道を戻ることなどできるはずもありません。まだ時間は16時40分くらいでしたが夕食の時間までダラダラして過ごすことに決めました。
しかし夕食の時間が17時30というのは予想外に早かった。私はいつも夜中0時くらいに夜食をとるのですが17時30なんかに夕食を食べると腹が減るのは必至です。しかし夜食を買ってきているわけでもなし。あたりに店がないのは承知の上で念のため管理人さんに聞いてみたがやっぱり店はないとのこと。土肥あたりでみかんを買ってこなかったのが本当に悔やまれます。受付の横にタオルと一緒に「純子さんの作った花梨ジャム」が売っていたので、友人が「お腹へったらジャムを食べればいいよ」と言うのですがそれもあんまりなのでそれは本当に最終手段にしようと決めました。

さて、友人と二人でコタツで横になるとなんだか体がなんとも言えない感覚に満ちて力が抜けていくようでありました。1分も目をつぶっていたらすぐに眠ってしまいそうです。もうすぐ夕食なので友人と話をしながらなんとか起きていると17時になって大きな音で何やら音楽が。どうやら17時になるとかかる町内放送のようで、夕焼け小焼けが流れてきました。東京に住んでいるとこういうのもあまり聞かないので懐かしい気分になりました。

さらにダラダラすること数十分後、夕食の五分前くらいになるとなんと校内放送が流れてきました。生徒(という設定)の女の子が「給食室から連絡です。夕食の準備ができたので皆さん給食室に集まってください。」「保険の先生から連絡です。食中毒防止のため、給食を部屋に持ち帰るのはやめましょう。」といった感じの内容の放送がかかりました。ここまでやるのかやまびこ荘。なんとニクい演出でしょうか。これを聞いて私はなんだかニヤニヤしてしまいました。友人も「おお」といった感じの表情。そう、ここに泊まっている間はお客さんは皆やまびこ荘の生徒なのです。私たちは模範の生徒とならんため速やかに給食室に赴きました。

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給食室の様子。友人が再び写り込んでしまいました。

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ごはん

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入り口の横で売ってた梅干しと柿。

給食室に行くと私たちが一番乗りの模様。もう一組は三人程のおじさんグループでした。早速席に着こうとすると奥の台所から給食のおばちゃんがでてきて色々と夕食の説明をしてくれました。ご飯やお茶は自分でよそったりついだりして、酒が欲しい場合は給食室内にある自販機で購入するみたいです。ここの管理人さんと同じくとても愛想の良いおばちゃんで優しい笑顔が可愛らしい人でした。すぐにご飯とお茶を用意して夕食にありつくことにします。

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夕食!

なんだか懐かしい感じのプレートに盛られたおかずと大量の具材が並べられた鍋が夕食でした。小鉢に入っているのは明日葉の胡麻味噌和えのようなもので、おばちゃんの家の庭でとれたものとのこと。初めて食べたのですがクセがなく美味しかった。刺身こんにゃくにはもろきゅうのような味噌が乗っていてつるりと食べられます。唐揚げも一個が割と大きくて嬉しい。鍋が煮立つまでの間に「うまいうまい」と言いながら食べていましたが、まだ昼食が少しお腹に残っていたのでこの大量の鍋が食べられるか少し心配になりながらも箸が進みます。

途中友人が「水をもらおう」というのですが特に水が入った容器がなかったので聞きに行ったら蛇口から直接とのこと。私の分までもってきてもらったのですが氷を入れなくてもそのままで結構冷たくて美味しかったです。水のことを聞いたときにおばちゃんが「味が濃かったですか?」と心配そうにしていたのがなんだか可愛くて、「親切な人なんだなぁ」と思ったのをよく覚えています。

さて、そうこうしているうちに鍋も煮立って中々美味しそうに出来上がっています。鍋の中はしいたけ、エノキ、カニ、エビ、白菜、鶏肉、ホタテ、しめじ、にんじんなど種類豊富な内容でした。スープはあっさりしていましたが鶏肉と海鮮の出汁がよくでた旨みたっぷりのスープで、野菜たちもよく味がしみて食べ応えがありました。特に太くて大きなエビが美味しく、カニも殻まで食べてしまいました。
しかしそんな楽しい食事も友人には早くに終わりがきてしまったようで、やはり昼に食べた天丼が効いて鍋の具を結構残したまま私に丸投げしてきました。「美味しいけどもう限界」という友人ですが鍋以外のおかずは全て食べきっていたので彼なりに中々頑張ったようです。私も多少満腹感はありましたが、鍋が美味しかったのと夜食を持ってきていないという理由から全て食べきろうと思い箸を進めました。

しかしあと残り三分の一といったところで私も限界に近づいてきて、もう食べれないという友人に無理やり半分食べさせてついに完食。その後一息ついたらおばちゃんにご馳走様を言って部屋に戻りました。
(※やまびこ荘では食べ終えた食器類を自分たちで片付けるのですが、この時私たちはそれを知らずに片付けないまま出て行ってしまいました。おばちゃん、どうもすいませんでした。。)

部屋に戻ったら昼の時と同じように満腹の腹をさすりながらのダラダラタイム。まだ時刻は18時15分ほど。このままコタツに入ってダラダラしたいところなのですが、実はこの日、友人は仕事の都合でこのまま東京に日帰りしなければならないのです。
旅行の前日に友人からラインがきて、二日目に急な予定が入ってしまったと連絡がありました。当然テンションが下がる私なのですが、友人はとりあえず伊豆には行く、でも日帰りになるというかなりキツイ予定でここまで来ることを決めたのでした。ということで彼は19時頃にやまびこ荘を出発し、次の日の朝9時には出社という予定なので、あともう少しダラダラしたら友人は我が家へ向けて出発です。

正直こんな真っ暗の中(やまびこ荘の周りは真っ暗です)山を越えて東京まで帰るというのはゾっとする行為ですがしょうがありません。私は彼の無事を祈って送り出す以外ありませんでした。
19時にはもう用意も終えて友人の分だけ宿代を払い(朝食の分は引いてくれました、感謝です)、真っ暗なグラウンドに驚きつつも友人は「それじゃあ!」と元気よく去っていきました。休憩の際にはラインで連絡を送るように言っておいたので私は無事な連絡を待つばかりです。

その後は私は再び温泉に入った後コタツでのんびりしていたらいつの間にか眠っていて、友人の無事を知らせるラインで目が覚めて再び夢の中へ。結局彼は夜中の2時には無事に自宅へ到着しました。私は極度の疲れから布団も敷かずにずっとコタツの中で寝ていたのでした。

翌日は7時頃に目が覚めました。起きるなりすぐさま朝一番で温泉に浸かり、出てきたら例の校内放送が鳴ったので給食室へ。昨日と打って変わって朝は一人での食事です。

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朝食!

朝食は丁度良い量で、みりん干しの魚とカニの味噌汁がとにかく美味しかった。他のものも普段食べたりはしないようなものでしたが一瞬で食べてしまいました。温泉に入ってさっぱりした後に朝食というのはとても気持ち良く食べられます。
昨日とは違う給食のおばちゃんにご馳走様を言った後、今度はちゃんと食器を片付けて部屋へ。小休憩の後あたりを散策するために散歩にでました。

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グラウンドにあるバーベキュー場。中々広いです。

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バーベキュー場脇から撮ったグラウンド。

朝は少しだけ晴れ間が見えていて、温泉と食事で温まった体に気持ちよい寒さでした。まだ紅葉も残っていて、見逃していた私には嬉しい限りです。

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やまびこ荘の横には神社が。

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神楽殿の様子。お祭りなどで使ったりするのでしょうか。

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本殿の様子。

やまびこ荘のすぐ横に小さな神社があり、簡易なベンチなどもあって良い雰囲気です。夏の暑い時期にこんな場所でアイスを食べたり遊んだりしてみたいものです。こういうところは大好きです。

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やまびこ荘の裏手。

神社を少し降りると横に上に伸びる細い道があったので行ってみることに。

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そこには墓場がありました。

眺めの良いお墓です。こんなところにお墓があれば亡くなった方達も迷わず成仏できる気がします。しかしやまびこ荘もすぐ横に神社と墓場があるので、ここを訪れた子供達にはたまらないでしょう。
そんなこんなで散歩も終了。戻ったらコーヒー牛乳を買ってコタツで飲んだ後しばらくダラダラ。九時前には帰りの準備を終えてやまびこ荘を後にしました。(受付前で「純子さんの花梨ジャム」なるものが売っていたので二つ購入しました。美味しかったです。)

帰りは

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こんなふうな濃霧にヒヤヒヤしながらもスイスイと原付を飛ばし、16時くらいには我が家へ到着しました。友人と二日目も一緒にいられなかったのは残念でしたが、このやまびこ荘に泊まれた事がとても良い思い出になりました。良い旅行でございました。皆さんも機会があれば是非どうぞ、おすすめです。

やまびこ荘
一泊夕朝食付き 約6000円