[神奈川] 江ノ電が見える快適宿 かきや旅館 [鎌倉]

神奈川

ちょっと前の日・月に今年最初の旅行として鎌倉に行ってきました。
本当は群馬に行きたかったのですが、目星をつけていた2つの宿両方からお一人様お断りをいただいたので急遽鎌倉へ予定を変更したのでした。しかし急な変更とはいえ行きたい理由はちゃんとあるのです。それは後ほど。

当日はカラッとした晴天で朝7時に家を出発。鎌倉までは大して遠くないので2〜3時間で着くだろうと思っていたら案の定10時前には到着。しかし暖かかったこの日は花粉がひどく、鼻水を何度もかみながらマスクを持ってこなかったのを後悔していました。

原付を適当な駐輪場にとめてまずは鎌倉の顔とも言える鶴岡八幡宮へ。さすが有名観光地なだけあって10時前なのに割と人が歩いていました。八幡宮に行く人たちの流れに混じって私も小町通を歩きます。小町通の真ん中を通る参道は工事中で歩けませんでした。

ほどなくして到着。周りにはツアーの集団やカップルが多く、やっぱりいつきてもここには出店が出ているなぁと思いながら、そんな中ぎんなん売りの店がぎんなんを炒るために回している不思議な機械のカラカランといった面白い音を聞きながら本殿へ。

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良い天気で気持ちが良い。花粉以外は。

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舞殿

本殿の手前にある舞殿では何かの準備をしているようでした。周りを見てみると「ブライダルフェア」と書いてある看板があったのでここで神前式でもやるのでしょうか。こういうイベントは大好きなので後でまた来ようと思いつつ本殿へ。

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ここも昔の記憶と相変わらずで安心しましたが妙に警備員の数が多いように感じました。フェアをやっているからなのか最近はいつもこうなのか。階段はしっこのところで座って休憩をしていた男の人がすぐに声をかけられてどかされてました。
さて、本殿脇には稲荷があって私はいつもそこにも参拝しているので今回も久々に向かいます。

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私の先に既に参拝している若い女の子がいましたが、きちんと参拝手順を守ってお参りしているのには関心しました。しかし私は稲荷が好きで旅先でも必ずどこかには行くのですが、最近は稲荷に訪れる若い女の子が多い気がします。何かあるのでしょうか?まぁとにかく私も久々の挨拶をすませて次の目的地である鎌倉宮へ向かいます。
鎌倉には何回も来たことがありますが鎌倉宮というところに行くのは今回が初めて。目当ては授与品の獅子頭。こういう変わった授与品はついつい欲しくなってしまうのです。

八幡宮の研修道場側から道なりに進むと道案内の看板があるのでそれに従って歩きます。まだ10時を少し過ぎたくらいだというのにこのルートもちょこちょこ人がいました。昼頃くらいからこの道も混んでくるのでしょうか。「人が少なくてよかった」などと思いながら歩いていたらすぐに到着。案外近い場所にありました。

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赤白の鳥居は初めて見たかもしれません。空が晴れているとよく映えますね、綺麗な鳥居です。境内にはあまり人はいませんでしたが、本殿横にあった身代りさまあたりにはちょこちょこ人がいました。

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各地にある身代り不動尊のようなものでしょうが、こちらは「護良親王の身代わりとなってなくなった武士、村上義隆の像」みたいです。お祈りしている木造の武士が面白いですが私は今の所悪いところはないので参拝をすませて授与所へ。
授与所では眠たそうな巫女さんが何か作業をしながら店番(?)をしていました。そんな巫女さんを横目に棚を見てみると早速獅子頭を発見。何やら大中小とサイズがあって、それぞれ見た目が可愛いです。しかしこれ結構値が張るんですね。一番小さいのでも千円したので少し驚きました。正直500円くらいだろうと思っていたのでちょっと残念でしたが折角きたので一番小さいのをいただいて鎌倉宮を後にしました。

お次は鎌倉宮に行く途中にある荏柄(えがら)天神社へ。ここは特に予め行こうと決めていたわけではなかったのですが見かけたので行ってみました。

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鳥居の前にある木。とても印象的。

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ここは鳥居の前にある木がとても印象的で、ここをくぐるのがちょっと楽しかったです。その向こうにある本殿へと続く階段を昇るとちょっとだけ賑わってました。

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境内にある梅。

中高生らしき子供を連れた家族が大半で、どうやらここは学業の神様を祭っている神社みたいでした。この写真の逆側では受験生らしき子達が一生懸命絵馬に何がしかを書いていました。
「自分には縁がないか」とも思いましたが境内の梅や授与所にある甘酒に梅酒なんかは結構そそられるものがありました。梅酒が飲める神社は初めてだったので是非飲みたかったのですが、授与所には誰もいなかったので断念。今度来るときは花が綺麗であまり人がいない時にゆっくり梅酒でも飲みたいものです。結構綺麗な神社でした。

その後八幡宮に戻るとやっぱり舞殿で神前式が行われていました。

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神前式の重厚な雰囲気はやっぱり良いですね。舞殿の前に供えられている神饌がいかにも神前という雰囲気を醸しています。新郎新婦も終始緊張した面持ちでしたがそれも当然でしょう。野次馬根性丸出しでしたが、ついつい最後まで見てしまいました。

その神前式を見終わったら時間も12時前ということでカレーで有名なキャラウェイの前を通ったのですが、なんとなく「もう少し後にするか」と思ってとりあえず次の目的地の佐助稲荷へ向かうことに。道中には佐助稲荷と銭洗い弁天へ行く人たちが結構いました。やっぱりどちらも人気なんですね。群衆を追いぬかすために少し足早に歩くと割とすぐに到着しました。

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相変わらずの鳥居の多さ。伏見稲荷の縮小版といったところでしょうか。ここにも何回も来たことはありますがこの連続した鳥居をくぐっていく非日常感は良いですね。
階段を登りきると拝殿がありお稲荷様に久しぶりのご挨拶をすませた後授与所脇にある麦茶をいただいて小休憩。この日は結構暑い日だったのでこの冷えた麦茶がとても助かりました。

少し休憩した後は授与所で目的のきつねの根付けを・・・、と思ったのですがよくよく見てみると赤いきつね面の手ぬぐいが!どこかでこの手ぬぐいはある時期の限定品と書いてあるのを見て「もう売ってないのか」と少し残念に思っていたのですが普通に売っていました。少しテンションが上がったのですが値段を見てみると1600円とその時の私の所持金としては少し高く、それに加え手ぬぐいに描かれているきつね面のデザインが少し気に入らなかったのでいただくのはやめておいて根付けだけにしておきました。
根付けを買った後は更にこの上にある本殿に参拝しようと思ったのですが、賽銭箱の前で若いカップルが長い事何か話していてどく様子もなかったのでそのまま参道を下って鎌倉旅行最後の、そして最大の目的地へ向かいました。

鎌倉駅から由比ヶ浜へ向かう途中にある下馬の交差点を右に曲がって少し行くとある手作りの風鈴屋さん「鎌倉ベルズ」が鎌倉に来た一番の目的です。私は風鈴が好きで今までいくつか買ってみたものの中々良いものに出会えず、いろいろ調べた結果「ここならば!」と思いこの風鈴を買うために鎌倉へとやってきたのでした。
てくてく歩いているとすぐに発見。情報通り凄く小さな店舗でした。

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店の横の写真をとっていると店の中で流れているユーミンの曲にあわせて歌をくちずさむ声が。なんだか面白そうな人だと思いながら入店しました。
「少しみせてもらっても良いですか?」と聞くと「ええ、いいですよ〜」と店主。その後雑談が始まったのですが、その内容の濃さたるや、とてもタダの風鈴屋と呼べるものではありませんでした。
まず「人が最も心地よく聞こえる音は「ラ」の音なんです」から始まって風鈴の上の部分と下の部分の音の周波数の違いを建長寺の鐘の音の周波数(グラフ付き)の話も交えながら説明してくれて、動物と人間のだす音の周波数と聞こえる周波数の違いや、更に自分がこの風鈴を作るようになったいきさつからTV取材の裏話や、店主(キクチさんという)の持つ鎌倉観など、他にも非常に濃厚かつ多様な話を聞くことができました。その全部はとてもここで書くことができませんが(長すぎて)、キクチさんはこうやって直に相手とコミュニケーションをとった上で風鈴を売りたい人のようなので行ってみれば私が聞いたのと同じような話が聞けると思います。なので遠隔地からの売って欲しいという声には応えられないんだそうな。

まぁとにかくそんな話をしていたら二時間近くたっていてもう昼飯という時間でもなくなってしい、もっと話をしたかったのですがこの日の宿にもチェックインしたかったので適当なところで話を切りあげて風鈴を買ってお店を後にしました。

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風鈴職人のキクチさん。ここの風鈴は手作りのため一つ一つ音が違って、低い音から高い音まで様々でした。しかしどの音も非常に澄んだ音で今まで私が買ったものとはあきらかに違っていて期待通りだったので迷うことなく購入しました。暖かくなってくると購入者が増えて生産がおいつかなくなるため今の時期から作りだめしているそうです。買うなら今くらいが確実なのかもしれません。見た目とは裏腹にすごく話しやすいおじさんなのでした。
ちなみに最初キクチさんを見た時「井上陽水に似てるな」と思ったのですがやはり(?)本人も井上陽水が好きみたいです。

鎌倉ベルズを後にしたらバイクの置いてある駐輪所へ戻りました。もうキャラウェイに行ってしまったら夕食がきつくなってしまうような時間だったのでコンビニでチキンを食べてから宿へと出発。渋滞している海岸沿いをひた走って腰越へ向かいました。

途中江ノ電が街中を走る箇所があるのでそこを線路沿いに行くとすぐに到着しました。この日の宿、かきや旅館です。

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かきや旅館は食堂であるかきやが運営している旅館。旅館(写真下)は上の写真の本館の斜め向かいにあります。
ここはとあるサイトで部屋から江ノ電が見られるとの情報があったのでそれを楽しみに予約しました。とりあえず原付を駐車場に止めてチェックインです。

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ロビーの様子

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受付。有名人のサインが沢山ありました。

旅館に入ると受付奥のドアから女将さん(らしき)女性が出てきてくれて色々と親切に館内について説明してくれました。とても丁寧な人でまっすぐに目を見て話してくれるのが印象的でした。説明がすんだ後は部屋まで案内してくれました。

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ロビー奥から入口側を撮った写真

このロビーからすこし奥に行ったところに階段がありそこを上って二階に客室がありました。

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階段を上がって右にいったところから階段側を撮った写真。部屋はこの逆側。

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部屋。上の写真の逆側です。私の部屋は一番左の部屋でした。

部屋の前まで案内されて少しとまどう私。「この部屋から江ノ電は見えないのではないか・・・?」と嫌な予感がしたのですがそれが正に的中しました。どうやらこの日は他に2人宿泊客がいたようで、江ノ電が見える部屋はその二人が泊まっているようでした。ちょっとがっかりしましたが愛想の良い女将さんの前で悲しい顔はできません。涙を飲んで笑顔を作っていました。

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部屋の様子。

部屋は一人で泊まるには十分な広さ。しかもとても清潔でした。少しの希望を胸に窓を開けてみましたが目の前は隣の建物の壁。もうしょうがないので即座に気持ちを切り替えました。すこし休憩した後に館内チェックに向かいました。

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宿の説明あれこれ。

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アメニティ。

ちなみに部屋の写真の反対側には畳まれた布団が置いてありました。自分で敷く形式の宿ですね。その他アメニティは浴衣に歯ブラシ、タオルと全て揃っていました。しかも館内は全客室無料wifiがとんでいるのでネットにつなぎ放題。非常にありがたいです。廊下には

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共用の電子レンジと冷蔵庫

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一回のロビーには冷水機もありサービス満点です。

ここは非常に過ごしやすい宿ですね。江ノ電が見られる部屋ではありませんでしたが設備に大満足の私は既に期限がなおっていました。館内は普通のマンション風ですがここまでサービスがよければ無問題です。

さて、ひととおり探検がすんでもまだ時間は4時をちょっと過ぎたところだったので江ノ島に行くことにしました。原付に乗るために外にでたら丁度江ノ電がきたので写真を撮った後出発。かきや旅館から江ノ島は非常に近いので5分くらいで到着しました。

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部屋から見たかった!でも近くていい感じ

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参道入口

久しぶりにきましたが本当にすごい数の人でした。もう人がひしめきあっています。そんな中たった一人で江島神社へ向かいました。

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ここも凄い人

神社に到着してもやっぱり人は多く、参拝するのに結構な人が並んでいました。初詣でもないのにここまで並んでいる神社も珍しいですね。さすがに長蛇の列に加わる気力もなくひととおり見学した後に参道を戻りました。

実はこの日は江ノ島の民宿に泊まろうとも思っていたのですが江ノ電がみられるという情報もあってかきや旅館を選んだのでした。しかし江ノ島には昔から泊まってみたいと思っていました。江ノ島はいままでいつ来てもこの参道周辺を歩くばかりで路地を入って島民が住んでいるあたりを散策したことがなかったのでそこらへんに興味があったのです。なのでこの日は泊まらないかわりに少しだけ路地に入ってみました。

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路地からの風景

適当な路地に入ってみると「民宿ゑじま」があり、そこをさらに行くと海に出られるようになっていました。夕日がとても綺麗で空にはとんびが沢山。浜へ降りてみると子供連れの家族や老夫婦などがゆっくりと夕方の時間を楽しんでいました。今まで知らなかった江ノ島の姿を発見できて大満足の私。次来るときは必ず江ノ島に泊まると決めました。

江ノ島をひととおり散策してもまだ5時ほど。ちょうど夕日が沈む時間だったので江ノ島ビュータワー内にあるオッパーラというカフェで夕日を見ながらコーヒーでも飲もうと思っていたのですが、いざ行ってみると何やらDJイベントをやっていたのでがっくりと肩を落としながら退散しかきや旅館に戻りました。

その後食事の時間に指定した6時30までのんびり過ごし、時間になったので夕食を食べに向かいました。朝食・夕食は斜め向かいにある本館でいただきます。
本館に行くと客は私一人。厨房からおばちゃんがでてきて席に案内してくれてすぐに夕食をもってきてくれました。

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すごい量の夕食

次から次へと夕食が運び込まれてきます。さすが食堂が経営している旅館だけあって夕食の内容は非常に良い感じ。この時期はしらす禁漁のため生しらすはありませんでしたがそれでも十分かつ非常に美味しい夕食でした。
しらすの天婦羅も初めて食べましたがこれも美味しかった。メインのしらす丼を食べ終わったところでおばちゃんが「ご飯のおかわりいるかい?」と言ってきたので「これ以上食べたら腹が破裂しますよ」といったら笑ってお茶を注いでくれました。その後全部食べ終わったあとにデザートのわらび餅も持ってきてくれて大満足。久々に腹がパンパンになるほど食べました。ちなみに夕食のメインはこのしらす丼か蕎麦か選べるようになっているみたいでした。

完食後少し店内で休憩してたら外国人のお母さんとハーフの子供の二人が店に入ってきておばちゃんと親しそうに日本語で喋っていました。ここら辺に住んでいる常連さんみたいでこういう光景も中々良いものです。ほのぼのした私はおばちゃんにごちそうさまを言って本館をでました。

本館の横には夜9時までやってるスーパーがあるのでここで夜食のためにパイの実を買ってから部屋に戻りました。部屋に戻ってからは特にやることもないのでさっそくお風呂へ向かいました。お風呂はロビー横、一階にあります。

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脱衣所

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注意書き

お風呂は鍵がかけられて家族風呂として使えるようになています。赤ちゃんが座れる椅子みたいなのもありました。
かきや旅館のお風呂は光明石を使った準温泉とのことで、温泉の少ない鎌倉・湘南エリアでは嬉しいお風呂です。

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お風呂の様子

お風呂にはビート板と同じ素材の蓋が浮いていてそれをどけて入浴します。浴槽の横にはシャワーがたしかみっつほどありました。民宿などではシャワーの出が悪いところも多いですがここは結構勢いがよくてよかったです。まぁ一人で使っていたからかもしれませんが。
お風呂もジェットバス付きで深さも程よくとても気持ちがよかったです。ここは24時間お風呂に入れるので結局3回くらいお風呂に入りました。ありがたいです。

その後部屋に戻って本を読んだりテレビを見たりしてゆっくり過ごして就寝。翌朝は7時30に朝食をお願いしていたのでその時間にまた本館へ向かいました。

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朝食

食堂に入ると今度はおばさんではなくおじさんが応対してくれました。どうやらかきやの主人のようでこちらもとても愛想の良い人で、朝食もすぐにもってきてくれました。さすがというべきか朝食にもしらすがあるのは嬉しかったです。あと何気にポテトサラダが美味しかった。大満足で完食です。

ここでは宿泊費はこの食堂で支払うことになっているので支払いを終えた後「それじゃ、お世話になりました」と言ったら「はい、またいらしてください」と笑顔で送ってくれました。食堂を出た後は帰りの準備をして部屋の鍵を受付の鍵入れに入れてそのまま宿を出て帰宅。無事迷うことなく2時間ちょっとで家に着きました。

今回の宿は思っていた以上に快適で宿の人たちも気持ちのよい人たちでした。宿は24時間出入りできるので次に来たときは真夜中の海辺の散歩でもしてみたいものです。

かきや旅館
一泊夕食付き 8640円