2023年夏休みの旅1日目後編です。 前編
いざ館内へ
なんとかビショビショにはならずに宿に入ることができた。
外はどんどん雨脚が強まってるのに対して館内はいたって静か。
フロントには誰もおらず、宿の人はどこかに行ってるらしい。
とりあえず濡れたヘルメットやら荷物を拭いていると左の廊下からおじさんがやってきた。
どうやら宿のご主人らしいおじいさんは「すみません、ようこそいらっしゃいました」と、すごく丁寧に挨拶をしてくれて、少し雨に濡れた私の心配をしてくれている。
腰が低くてとても柔らかい雰囲気のご主人だ。
とりあえずすぐに部屋へ案内してくれるらしい。
私は「なんとかギリギリ大丈夫でした」と言って荷物を持とうとすると「お荷物、お持ちしましょうか?」とご主人が手を伸ばしてくれたけど、さすがに宿の人とはいえおじいちゃんに重い荷物を運ばせることはできないので自分で運ぶ。
チェックイン早々、なんだかほっこりするやりとりでもうこの宿が好きになりつつある。
このランタンが置いてある引き戸の向こうに露天風呂があるらしい。
入る時はここでスリッパを脱いで今入ってる合図にするらしい。つまり基本的に貸切状態で入れる!
ありがたや。
ちなみに夜は露天風呂にライトなどないのでランタンを持っていくんだとか。なんか楽しそうじゃない。
部屋に入ると隅にある縦置き型の冷房をつけてくれた親切なご主人。
説明によるとお風呂は24時間入れて、食事の時間は夜は18時半、朝は8時かららしい。
手短な説明が終わると「すぐアイスコーヒーをお持ちしますので」と去っていったご主人。
ここはウェルカムドリンクがあるのか。
コーヒー好きとしては嬉しすぎて「え、アイスコーヒーいただけるんですか」なんて言ってしまった。
最高だよ水清館さん。。
窓からの景色も歴史を感じさせる母屋が見えて個人的に好きだし、客室もいたって清潔で最初から布団が敷いてあるのもありがたい。
あたりも静かだし、今日はめちゃくちゃゆっくりできそうだ。この窓辺に座ってただぼ〜っとしてるのもいいかもしれない。なんか心落ち着く宿ですなここは。
雨が降ってると「これから散歩行きたいのになぁ」とか「明日は大丈夫だろうか」なんて思いが浮かんでくるけどこんな素敵な宿であれこれ不安になるのも時間の無駄だ。
今はとにかくこの瞬間を楽しむのみ。しかし、さっき木の俣渓谷で遊んでた人たちは大慌てだろうな。
そんなことを考えてるといきなりノックの音と共に「失礼します〜」と女性の声。
「はい、どうぞ〜」というと女将さんらしき人(というか絶対そう)が
「バイク濡れちゃうからあそこの屋根があるところに入れてください。好きなように駐めちゃって大丈夫ですから」
と私のバイクを心配してわざわざ言いに来てくれた。
ご主人と同様に女将さんもまた凄く丁寧で愛想が良い感じ。せっかく来てくれたんでそのまま女将さんと玄関まで行って、傘を持ってバイクを屋根があるところに駐めさせてもらった。
部屋に戻ってのんびりアイスコーヒーを楽しんだ後はさっそく風呂へ行こうと立ち上がる。
久しぶりの長距離走行で多少疲れてるんで、ここで一気に体をほぐしておこう。
歴史ある温泉
やっぱりここまで親切な宿だから冷蔵庫ぐらいは普通にあるか。
今度来るときはぜひあのパスチャライズ牛乳とか持ち込みたいところ。まぁ今日は美味しい湧き水を楽しもう。
なんかひっそりと秘密の温泉みたいでワクワク感がある露天風呂。
石造りの浴槽には温泉がなみなみ注がれていて、これをいつでも貸切状態で入れるっていうんだから贅沢このうえなし!
ただ露天といっても見ての通り眺めが良いわけではないけど、夜にランタンの明かりだけで入るこの温泉はもう今から楽しみだ。
とりあえずは内風呂に先に入るつもりだから、露天は食事の後にでも入りに来ようかな。
脱衣所もシンプルながら年季が入った印象。
でも他と同じくしっかり掃除されてるからとてもキレイだ。
写真には写ってないけどちゃんと扇風機もあるし、個人的に必要十分!
さっさと服を脱いで板室の湯を味わおう!
風呂場へのドアを開けるとふんわり温かい湯気が体を包む。
その先に待っていたのは無色透明の清らかな湯。それを湛えるは扇形のタイル浴槽。レトロでとってもいいじゃない!去年泊まった大和屋旅館の浴槽を大きくしたような感じだ。
すぐさま入りたいのでパパッと体を洗って念のため足先からゆっくり入ると、自分的に温度はちょっとだけ熱めだけど快適に入れそうだ。
そのまま肩まで入れば柔らかいお湯が体を包んで一気に体の力みが抜けていくようだ。
泉質はアルカリ性単純温泉ということで特にこれといったわかりやすい特徴はないけど、湯のなめらかさと肌がツルンとする感じはなんとなくわかる。
これから始まる旅の第一湯目としては、優しくて最高の出だしと言えるかも。
これが1000年以上もの歴史があるという温泉ですか。めちゃくちゃ安らぎますな。。。
相変わらず外はザーザー雨が降ってるみたいだけど、ここは至って平和な温泉天国が広がっている。
温泉は24時間入れるということなんで、この後なるべく早く明日の宿の予約をとって、30分くらいでも昼寝の時間がとれれば夜も満足行くまで温泉を楽しめるでしょう。
今日は初日ということでそれなりの距離を走ったから、なるべく疲れを残さないようにしたいな。
その後部屋に戻ったらまずは湧き水をがぶ飲み。
外側から板室の湯、内側からは板室の湧き水で浄化。やっぱり美味しい水だこれは。
温泉で力が抜けて、部屋に戻って座椅子に座ると一気に気持ちがだらけモードになってしまった。
もうこのまま何も気にせず横になったりテレビでも見たい・・・ところだけど、あまり後回しにもしたくないからすぐに宿の予約を終わらせちゃおう。
宿予約〜散歩へ
というわけでまず第一候補の宿に電話をすると、なんともあっさり「明日はお休みなんで」と断られてしまった。
「どうもすいません〜」と申し訳無さそうな女将さんに「いえいえ、どうもありがとうございました〜」と答える私だが、その胸中はというと「マジか〜」という残念一色の曇り空だ。
これは縁起が悪いと思いながら続けて次の宿に電話をするも「ちょっと明日は・・・」と言って断られ、以降「明日こそは休もうと思ってたんです」とか「明日はいっぱいなんです〜」と連続で断られまくってちょっと心が折れそうになってきた。
これまでこんな断られたことあったかしら。。
コロナ明けやら円安やらで外国人観光客がかなり増えてるみたいだけど、まさかここにも詰めかけているのか?それとも一人客だから敬遠されてるのか・・・。
さすがにここまで予約が取れないとちょっと悲しい、、というか不安になってきた。このままでは宿なしか宿泊地を変えることにもなりかねない。
とりあえずあと2軒だけ残ってるからこのどちらかに希望を託すしかない。頼むぞ神様!
というわけでドキドキしながら電話してみたところ、なんと「素泊まりなら・・・」と、微妙に歯切れの悪い感じだけどここにきてOKが出た!これで宿なし回避!
でももしかしたら最後の1軒が食事付きで泊まれるかもしれないので、とりあえずここは一旦保留として最後の宿に電話をかけてみると「ごめんなさいね〜」と残念ながら断られてしまった。
なのでさっきの宿に再び電話して素泊まりで泊まらせてもらうこととなり、無事に宿確保!
さっきからずっと私の心に充満していた不安の雲が一気に晴れて、虹がかかった青空のような開放感をひしひしと感じたのだった。ああよかった。。
予約に時間がかかっちゃったからもう昼寝は諦めて、今のうちに温泉街散策だ。
見たところそんなに広くないから、夕食の時間にもちゃんと間に合うでしょう。
平日+雨ということもあってか外を歩いてる人は全然いない。
しっとり濡れた温泉街は風情があって、奥に行くほど道が狭まって建物の密度が高くなっていく。
左の建物は2016年に国登録有形文化財に登録されたという加登屋旅館。
現在お客はこの本館ではなく少し下ったところにある別館で宿泊ということになっているようで、この風情たっぷりの建物に泊まれないのはなかなかに残念だ。
公式サイトを見ると昔の本館の味わい深い写真が載っていて、自分も客室の張り出しに腰掛けてゆっくりしたいと切に思うけど、もう一度泊まれるようになる日は来るんだろか。
橋の向こうの右側の建物は日帰り温泉で左側は自然遊学センターという建物らしい。
自然遊学センターでは見学無料でかつマンホールカードがもらえるらしく、私もぜひカードをもらいたかったんだけど15時に閉館なので全く間に合いませんでした。
川沿いは遊歩道になってて歩きやすく、散歩にもってこいの好ロケーション。
ここらへんは浅いから子供でも安全に楽しめそうだけど、川に入るには向こう岸からのほうが良さそう。草が茂っていてこっちが側からはちょっと川に降りづらい。
今足をつけてるのは栃木・茨城県を貫いて太平洋に流れ込む一級河川那珂川、らしい。
以前訪れた馬頭温泉あたりでは鮎釣りが有名だけど、上流部は板室温泉を流れていたのか。
ということはあの木の俣川はこの那珂川の支流なのかな。
こんなキレイな流れを見てると釣りをしたくなるけど、ここらへんはまぁまぁ遊漁券が高いから気軽にやろうとはならないんだよなぁ。連泊するならもちろんやりたいけど。
部屋に戻るともうすぐに夕食という時間。
部屋の隅で小さく「ゴーー」と冷風を吐き続ける縦型冷房は、どういうわけか部屋全体を涼しくする力はないようで、室内の温度はそんなに涼しくなっていなかった。
たくさんの美味しい夕食!
散歩でちょっと体温も上がったので、冷房をこちらに向けながら座椅子に座ってテレビを見つつ夕食を待っていると、ちょうど18時半に「お夕食お持ちしました〜」とドアをノックする音が。
「よし来た!」とばかりにすぐさまドアを開けると、女将さんが相変わらず丁寧な物腰で中に前を運んでくれた。
食べ終わったら廊下に出しておいてということであっさり去っていく女将さん。
と思ったけど去り際に「冷たいお水とかお持ちしましょうか?」とありがたい声かけをいただいたのでありがたく頂戴することに。
個人的に夕食事はお茶よりも冷たい水が飲みたいので大変ありがたい。
よし、じゃあここからは一人食事に集中して、温泉宿の食事を楽しむ時間だ!
いや種類も豊富だし量も多いし最高の夕食だねこれは!
なんか天ぷらも見たことのないような食材含めてんこ盛りだし、となりの豚しゃぶも家庭的な感じがしてほっこりする。
あと気になるのは右にある白い巻物。これは一体。
というわけでワクワクしながらどすんと座椅子に座り、地元のテレビ番組を流しながら早速一口目。
一番気になっている右の白いやつ、よくよく見てみると多分湯葉をクルクル巻いたやつだ。
箸でつまんだ感じフニュッとしてるけど密度が高いのがわかる。
早速醤油につけて食べてみるとこれはやっぱり湯葉で、柔らかい甘みと豆腐の素朴な味わいがかなり美味しい。噛んだときもちょっと弾力のあるティラミスをかじったみたいでなんか可愛い食感だし、これは食べるのが楽しいぞっ。
そういえば日光あたりは湯葉が有名だけど、これも日光産なのかな。
続いて天ぷらは見た目通りよくわからない野菜?山菜があるけどどれもサクサク温かでかなりウマい。中でも姫竹なのかな?タケノコの天ぷらがヤワヤワで甘く、しかも旨味が濃くて一番好き。
そんな感じで豚しゃぶ→ナスの煮浸し→etc と食べ進んでいくけどどれもしっかり調理されていてどれもこれも美味しい。
ブリの照り焼きについてるはじかみなんて普段はあんまり食べないのに、添えてある味噌が美味しくて全部ポリポリ食べてしまった。
こりゃ素晴らしい夕食であるっ。
氷がたっぷり入った満杯の冷水、これで一旦口の中をリセットして再びそれぞれを味わおう。
しかし改めてこれはなかなかの量だ。
中でも左下のさつまいもの煮物が割りと大きめなブロックになってるからこれが結構お腹にたまる。
もちろん美味しいから完食はできるだろうけど、これはかなりの強敵となりそうだ。
ここはひとつ、冷水とタッグを組んで挑むしかないだろう。
そんなことを考えながらバクバクと食べ続け、お腹もすでに10分目に到達している中、やはり最後に残ったのはさつまいも。
そのさつまいももさっきタッグを組もうと約束した冷水の力を借り、やっとのことで全て流し込み無事完食にいたった。
いやもちろん美味しいんだけど、さすがにデカさつまいも2つはお腹にクるものがありますね。。
無事に食べ尽くしたのはいいけど久しぶりにこんなお腹パンパン状態になった。
この後暗闇露天風呂を楽しみたいところだけど、さすがにこのまま行くのはよくなさそうなのでしばらく横になってから行くことにしよう。
食後は1時間くらいあけて入浴するようにってどっかの宿にも書いてあったし。
真っ暗露天風呂 そして夜食と就寝
いやランタンを持ってきてもかなり暗いなぁ。でもこの暗さがなんか非現実感があって楽しい!
しかも温泉に入るとほとんど源泉が流れ込む音しか聞こえないから、暗いことで温泉に集中できて良いかもしれない。
なんか普段と違った入浴体験で面白いなこれは。
誰も来ないんで、少しのぼせそうになったら床に寝転がるのも貸切風呂の楽しみ。
ここは周りが囲われてるけど下の方は空いてるから、寝転がると下から入ってくる風がそよそよ体をなでてくれて眠たくなるほど気持ちイイ。
余計な音もなく温泉も気持ちよく、しかも洞窟みたいに暗いから個人的にめちゃくちゃ居心地良いっす。
そんな露天風呂をだいたい40分くらい楽しんだは部屋に戻って再びダラダラ。
宿の空いた時間のためにkindleに何冊か気になる本を入れといたけど、今日は何も読まずにこの静かな山の宿の雰囲気をのが一番良いな。
とか思いながらも地元のテレビはしっかり見る。だってローカルの地元密着型な番組ってなんか知らない土地に来た感があって好きなんだもの。
何度も温泉に入ったおかげで体の疲れはかなり取れた。
これで良き時間に寝たら明日は元気100倍で出発できることでしょう。
さすがにあれだけ夕食を食べたんでお腹はまだそんなに空いてないんだけど、夜食用に買ったものはなるべく食べておきたい(特にとうふドーナッツは)。
ブルーベリーなんてそのまま食べたことなんてほぼないからちょっと楽しみではある。
完熟で甘いと書いてあったから一体どれだけ甘いのか、ブルーベリーの力はいかに!
ということで贅沢に手のひらいっぱいにブルーベリーをとってポイと口の中に放り込む。
うん、いかにもブルーベリーって感じの味にジューシーな果汁が口いっぱいに広がる・・・・けど思ったより甘くないな。
さすがにブドウとかほど甘いとは思ってなかったけど、なんだかちょっと水っぽいというか薄い甘さ。
どうなんだろう、今までそんなに食べたことがないからわからないけど、これくらいがブルーベリー的には甘いってことなのかな。
ちょっと今後また食べてみないと判断できないけど・・・、まぁこれはこれで美味しいからいいか。
そしてお次はとうふドーナッツ。
こちらは大分時間がたっちゃったから本来の美味しさは失われてるかもしれないけど、それでも一口食べてみると少しもちっとしてて良い食感。
これはとうふと言われなきゃわからないくらいドーナッツだ。美味しい美味しい。でもお腹はキツイです。。
結局とうふドーナッツは完食できたものの、さすがにブルーベリーまでは食べきることができなかったんで、これは明日も夜食として食べることにしよう。
さて、じゃあまたお腹もいっぱいになったんで、そろそろ寝るといたしましょうか。
怪しい天気と健康朝食
さっき6時頃に目が覚めた時も降ってたけどまだ止んでいなかったか。。
今日はどんどん山の中に入っていくからこんあ天気が続いたら辛いんだけどなぁ。
まぁ那須とか日光の天気は変わりやすいことで有名だから、これから晴れてくれることに期待するしかない。
とりあえずはよく眠れたから良しとしよう!
その後朝風呂に入りに内風呂へ。
なんか昨日よりも肌がモチっとしてる感じがするな。これが板室温泉の効果か。
しかし朝風呂は寝ている体が驚いたようにちょっとビリビリくるのが凄くイイ。今日はこれからどうなるかわからないからここで気合を入れておかねば。
おお、やっぱり天気が変わりやすいところだけあってもう晴れ間がみえてる!
このまま雨雲がどっかにいってくれればいいけど、、しかしやっぱり旅の朝は青空に限るな。なんか元気が出てきたぜ。
そうして窓辺で外を見ていると「ご朝食お持ちしました〜」の声が。
ぼ〜っとしてるうちにもう8時になっていたらしい。
昨日満腹はどこへやら、もうお腹はすっかり空いているので朝食もしっかり食べさせてもらうとしよう。
なんだか朝食も手を抜いてない感じがしてとても好感が持てる。
私の好きな温泉卵があるのは最高だし、野菜が多いのも体に優しくて嬉しいところ。
普段あんまり野菜を摂らないから、旅が終わるといつも健康になってるんだよね。
う〜ん、これは非常に良い朝食だ。
朝から種類豊富に色々食べられるのは宿ならでは。外からそよぐ風を感じながらゆっくり食べる、これぞ旅の醍醐味。
しかし外はまだ晴れてるけど、これからどうなるかなぁ。
雨が強く降るようなら途中どっかの日帰り温泉でゆっくり昼寝でもしたいところだけど、果たして良さげなところはあるだろか。
祈ることしかできないから辛いぜ。
そんなふうに色々考えながら食べること30分、膳にある小鉢たちはすっかり空っぽになってしっかり完食。大変美味しゅうございました。
しかし空は一転曇り模様。なんだか不穏な感じが漂っている。
一晩お世話になりました
膳を廊下に出したら、あとはチェックイン時間までやることもないので一眠りすることに。
ちょっと現実逃避っぽく、起きたら晴れてますようにと願いながらゴロンと横になった。
宿の中は静かで落ち着いている。
フロントに来たら昨日は見かけなかったおばあさんが新聞を読んでいたので挨拶をして、ちょっとだけ外の様子を見てから部屋へと戻る。
昨日のあの団体客は結局宿の人の親戚とかじゃなかったのかな。
そしてあの新聞読んでたおばあちゃんはどこの部屋に泊まってたんだろ。昨日全然他の人に会わなかったからちょっと不思議な感覚だ。
とそんなことを考えながら部屋に戻った後は出発の準備。
もう雨の中走ることになるのは確定だからリュックをごみ袋に包んで(雨のときはいつもこうしてます)、靴下は履かないスタイルでしっかり雨対策しとかないと。
というか昨日あんなに宿が取れなかったんだからここで2泊くらいしても良かったな。
そうしたら雨の中走らなくても良かったかもしれないし。
なるべく部屋をキレイしてからいざ母屋へ。
フロントで「すいませ〜ん」と声をかけるとすぐに奥から女将さんがやってきて、「雨になっちゃいましたね〜」と雑談しながら精算をすませる。
その後もなんやかんや雑談をしていると「もしよろしかったらアイスコーヒーお飲みになりますか?」
と大変嬉しいお誘いをいただいたんで「ぜひ飲みたいス!」というと、「じゃあお座りになって待っていてください」と女将さんはキッチンへと消えていった。
あのアイスコーヒー美味しかったからまた飲みたいなぁと昨日から思っていたんでこれは凄く嬉しい。しかも去り際に扇風機を私に向けて置いてくれる親切さ。なんて気遣いのできる女将さんなんだ。。
なんかちょっとジ〜ンときてる私がいる。
丁寧にお礼を言って、アイスコーヒーをいただきながら再び女将さんと雑談。
色んな話を聞かせてもらったんでちょっとまとめると
・木の俣川は去年から料金を入れる機会が導入されたらしい。
コロナ中は遊びに来る人が本当に多く、路上駐車もひどくて待ち時間2・3時間の時もザラだったんだとか。
以前は誰も来ない知る人ぞ知る渓流だったみたいだけど震災後あたりから人が来始めて、ここ数年は本当にひどい状況だったみたい。
そのおかげで駐車場に誘導するおじさんの腕はめきめき上達してったんだとか。
・水清館は昔はネット予約できたんだけど今は全部やめちゃったらしく、今は電話だけでリピーターさんがほとんど。常連さんは2ヶ月に1回来る人やひと月くらいいる人もいるらしい。
最寄り駅からバスが出てるから案外来やすいみたい。
・今は那須の御用邸に天皇ご一家が泊まりに来てるらしい。
泊まりに来てるとヘリが飛ぶから地元の人はすぐわかるんだとか。
などなど他にも色々話したけど色んな面白い話を聞かせてもらった。
女将さんは案外おしゃべり好きなのか、終始笑顔で話してくれたのが印象深い。
そんな女将さんでも木ノ俣川の話ではちょっと表情が曇りがちだったから、地元民からしたら駐車場が整備されるまでは本当に迷惑だったんだろうなって想像した。
まぁあんな広くない道で駐車待ちの車が何時間も列になってたらそりゃ迷惑よね。だからあんなにコーンが置いてあったのかと納得した。
と、そんな感じで話していたら女将さんがご主人に呼ばれたので、では私もこのへんでということで重い腰をあげて出発することに。
最後女将さんに「めちゃくちゃ良い一晩でした、また来ますね」というと、女将さんは「いえいえそんな、ありがとうございます」と深々とお辞儀をして見送ってくれた。
最後まで丁寧な女将さんと別れを告げるのは寂しいけど、「それじゃあまた」と宿を後にしたのだった。
女将さんと話しているうちに雨はやんでいたけど空は依然として曇り模様。
これはまた必ず降るだろうとしっかりカッパを着て、アームカバーも装備してから素敵な宿に後ろ髪引かれる思いで原付きを走らせた。
以前から来たかった板室温泉と水清館。
建物は良い年月の重ね方をして落ち着きがあり、宿のご主人女将さんはとても謙虚で愛想よく、温泉街の静けさの助けも借りてとても気持ちよく、リラックスした一晩を過ごすことができました。
館内はしっかり掃除されて清潔だし、虫は多少は出るものの小さな羽虫が多少飛んでるくらい。
ご飯は量も多くておいしいし、夜の露天風呂は暗くてなんだか冒険チック。
全体的に、当初思っていた以上に素晴らしい宿で、いつものことではあるんですが二泊くらいすれば良かったと心底思いました。
なかでもやっぱり宿の方の心遣いが至るところに感じられたのが一番響きました。
アイスコーヒーのサプライズはもちろんですが、話していると優しく柔らかな人柄がお二人共に感じられて、やっぱり人柄というのはとても大事なんだなと再認識させられました。
個人的に全てにおいて大満足な宿です。値段を考えたら素晴らしいの一言。
どうぞみなさんも泊まりに行ってみてくださいね。心までゆったりできること間違いなしです。
水清館 : 一泊二食付き 8,850円(税込)
ネギ様
返信ありがとうございました。偶然かもしれませんが昨日から有給を頂き夜勤明けでスクーター9時間の旅路でした😑
新潟の村上市桑川まで途中宿泊です。桑川は遊覧船が面白かったです。そしてその地元の海鮮割烹民宿なみ司さんに宿泊中です^_^親父さんも親切で嬉しかったです。温泉はありませんが料理は味、量とも凄かったです。
今日はこのまま鶴岡に向かい、本命の温泉、羽根沢温泉と湯田川温泉に向かいます。またでは👍
田中さんコメントありがとうございます( ^ω^)
スクーター9時間はなかなか大変でしたね。桑島って初めて知りましたが、なみ司さん海沿いの宿だけあって食事がめちゃくちゃ美味しそうで羨ましいす(‘ ‘ )
寒くなってきあ時期の海の宿って旅情たっぷりでいいですね〜。
羽根沢温泉って初めて知りましたが、どちらも小規模な温泉地で居心地よさそうですね!羽根沢温泉の加登屋旅館さんめちゃくちゃツボです。いいものを教えてもらいました。
今はもう旅行から戻られたんでしょうか。無事に買えられていることを祈ります(._.)
ネギさん、こんにちは。
夏旅が再開されてよかったです!福島編も楽しみにしております。
板室温泉は勝風館に日帰り入浴しただけで、こちらの宿は知りませんでした。外観、お部屋、食事、真っ暗な露天風呂とタイルのレトロ浴槽、全て好みのタイプです。ぜひ泊まりたいいです。
11月の3連休に新潟の方に行きました。関温泉の中村屋旅館に泊まってきましたよー!ネギさんの記事を見てからずっと行きたくて。露天風呂、紅葉も見れてとてもよかったです。
渋滞を避けるために、仕事終わりに出発して長野で布下温泉きじま荘に前泊したんですが、とってもいい宿でした。夜着だったので夕食は食べませんでしたが、朝食がとても美味しく、食事は間違いないと思います。ウェルカムスイーツがシャインマスカットだったのも高評価^_^!
ネギさんもきっと気に入ると思いますよ。
まいらーさんお久しぶりです( ^ω^)
板室温泉行かれたことあったんですね(‘ ‘ )
水清館は道から奥まったところにあるからちょっとわかりにくいかも知れないですね。
まいらーさん的にだいぶお好みみたいなんで(もちろん私もです)ぜひ泊まってみてほしいです。記事内では書いてませんが、もしかしたら帰り際にちょっと面白いものがもらえるかもしれません(笑
比較的行きやすいところなんで、私もまた行きたい・・・というか常宿にしたいくらいです。
>関温泉の中村屋旅館に泊まってきましたよー!
おお、中村屋旅館行かれましたか!
私が行ったときは露天風呂でアブに攻撃されてゆっくりできませんでしたが、紅葉の時期に行くとアブもいなさそうで景色も凄く綺麗でしょうね〜( •̀ᴗ•́ )
私の時は温泉街にもほとんど人がいなかったですが、この時期は結構観光客がいたりするんでしょうか。
まいらーさんの行ってきた報告を受けると私もまた行きたくなってきますね。
布下温泉きじま荘見ました。もう外観からして大好きです(笑)周りの風景ものどかでいいですね〜。
見たところ布下温泉と名乗ってるのはここだけなんですね。長野らしくシャインマスカットもいただけるとは、宿の方の優しい心遣いが伝わってきます。
ここは完全に行きたい宿リスト入りですね!さすがまいらーさん、ありがとうございますm(_ _)m
そういえばこの近くにある井出野屋旅館が閉館してしまいましたね。とても素敵な建物でしたが・・・、再開されることを祈るばかりです。
もう冬になりますが、私もそろそろまた旅に出たいですね。そう簡単にいかないのが原付きのツラいところですが。
その分まいらーさんの旅の報告を楽しみにしてます( ^ω^)
それでは、今記事を執筆中なのでもうしばらくお待ち下さい〜。