[福島] 飾り気はないけど実力派な温泉宿 井戸川温泉 [郡山]

福島

夏休み「毎日違う温泉で湯治旅」8日目です。 [7日目] [9日目]

宿に着いたところから読みたい方はこちら

山を降りてまずすべきこと、それは今日の宿を取ること。
天気も曇りだったのでその辺に適当にとめて電話をすることにした。

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晴れてくれたら嬉しいんだけど

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この辺で電話

旅の前からチェックしておいた井戸川温泉という宿に電話してみると「空いてますよ〜、大丈夫です」とすんなり予約することができた。話し方からして人が良さそうな感じだったけど「何時からチェックインできますか?」と聞くと「う〜ん、いつでもいいですよ」となんともゆるい感じの返事が返ってきて非常に好印象だった。というかいつでもいいというのも凄い返事だ。

そんなわけで難なく今日の宿が取れた私は颯爽と最初の目的地である土湯温泉へと向かった。
土湯温泉まではそんなに距離もないし、坂道ではあるけどそれも大したものではなかったのですぐに到着。天気も段々と晴れてきて、今日は期待が持てそうだった。

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土湯温泉到着

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駐車場のから見える滝(?)提灯は近々祭りがあるための準備だろうか

温泉街に入ってすぐの駐車場に行くと何やら工事のおじさんが数人いて、温泉街奥のほうでちょっと大掛かりな工事をしているのが見えた。ちょっと風情に欠けるけどしょうがない。天気は晴れているのでプラマイゼロとして温泉街へと歩き出した。

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しかし人がいない

駐車場の時点でわかってたことだけど平日ということもあって全然人がいない。お店は開いてるけど、街にいる人との比率は地元民・観光客・工事の人で2:1:7くらいだろうか。まぁまだ午前様だというのもあるんだろうけど。

でもそれはともかく、温泉街自体は寂れた印象もないし、私の好きな組み合わせである温泉街+川という環境も中々良い。ただ川は先日の雨で濁流化してるけど。

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川にもすぐにおりられそうだし、条件は良い

実はここも泊まろうか迷った土地だったんだけど、この川の状態と工事をしている現状から泊まらなくて良かったと思った。ここに泊まるなら川も澄んでいて工事していない時にのんびり釣りでもしながら泊まりたい。
そんなことを考えながら街を歩いてみたけど、温泉街自体は大して広くなくこじんまりとしてすぐに歩き終わってしまう広さだ。お土産やはそれなりにはあるものの、飲食店はそこまではない。私は歩きながら、お土産やが大きく売りにしていた温泉卵を目ざとくチェックしておいた。

道をまっすぐ行くと橋があったけど、とりあえず橋は渡らずにまっすぐ行くと奥はもう宿だけしかなさそうだったので引き返そうとすると、斜面に作られた階段の上のほうに神社があるようなので行ってみることに。しかしその途中思いがけない生き物に出会った。

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そう、それはミヤマクワガタでした

まぁ周りが自然だらけだから不思議でもなんでもないんだけど、このクワガタがいたのが木ではなく道路上で、しかもじっとしてたんであやうく踏み掛けるところだった。しかしクワガタを触ったのは何年ぶりだろう。久しぶりに触ってなんだか嬉しかったので、彼に神社までお供してもらうことにした。

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神社到着

ここは聖徳太子を祀っている神社、ではなくお堂でした。由来はよくわからないけど、とりあえずは簡単に挨拶させてもらいながらの参拝をすませる。ここもこじんまりしてるけど大事にされてそうなので、今でもちゃんと何がしかの行事が行われているんだろうと思う。しかし温泉にはつきものの薬師如来が祀られた場所だと思ってたので意外だった。

このお堂を後にする時、階段の途中にあった木にさっきのクワガタくん(お供)を放してあげて私は散歩再開。
お次はさっき渡らなかった橋を渡ってみるとすぐに足湯があったので、特に疲れてないけど休憩がてら足湯に浸かってみることにした。

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かじかの湯

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今までの経験上ホースがある=熱いである

注意書きで「熱かったら水でうめてね(意訳)」とあるのでやはり私の推理は正しかったようだ。でも温泉そのままの温度を味わわずに水を投入するのも粋でないので、靴を脱いでそのまま入ってみたところ「グあっつ!」とあまりの熱さに飛びのいてしまった。
一体何度同じことをしたら学ぶんだといった感じだけど、しかし予想以上に熱かったし粋であることをを優先したのだからしょうがない。なので本当は濁流を見ながらゆっくりしたかったんだけど、それは諦めて散歩を続行することにした。ちなみにこの足湯は硫黄の匂いがしました。

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やっぱりここにもこけしが。工事はとても景観を損ねていた

このかじかの湯あら先は坂道になってるんだけど、この先に私が目当てにしていた錦滝旅館というのがあって、そこで日帰り入浴しようと楽しみにしていたので坂を登っていく。どうやら前情報によるとやってない時が結構あるらしいのでどうなるかわからないけど、とりあえず旅館の佇まいだけでも見たいので行ってみた。

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途中こんな水船のようなものが。これは飲める水なんだろか

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かじかの湯から少しだけ登るとこんな感じでちょっと怪しい雰囲気になってきて

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登り切ると錦滝旅館が現れた

思っていたより大きい旅館で、しかも古ぼけ方も中々良い。これは期待が持てそうだと進んでいくと、玄関前に貼られている白い紙が目に入って何やら嫌な予感がしてくる。近づいて見てみると「今日は日帰り入浴やってません(意訳)」とのことだった。
ここは土湯温泉でも一番気になっていた宿だっただけに日帰り入浴できないのは非常に残念だ。まぁその楽しみはいつか泊まりに来た時のためにとっておくことにしよう。それまで営業していてくれよ、と思いながら踵を返したのだった。

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とりあえず橋を戻っていく。しかしこの工事は非常にマイナスだ

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来た道とは違う道に入ってみるとこちらも色々店が立ち並んでいた。しかしやはり人はいない

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溝から突き出たホースから勢い良く出てきている水もあれば

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今度は水船じゃないにせよたっぷりと水を貯めている岩の槽も

ここはなんでこんなに水が貯めてあるのか気になるけど聞く人もいないので謎のままだ。恐らく沢の水を引き込んでるんだろうけど、そうであれば多分飲用ではないだろう。色々気になるけど、でもこういう風景は好きなので気持ちは良かった。

途中いくつかこじんまりした足湯があって少し浸かってみたりした後(そこの温度は適温だった)、あんまり隈なくまわると次回の楽しみが減るのでほどほどにして駐車場へ向かった。

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駐車場前の観光案内所の前に日帰り入浴情報があったのね。気づかなかった。でもこれは便利

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ソフトクリームが売ってたけどあんまりお腹もすいていなかったのでやめておいた

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ここにも水溜めが。やはり飲めないらしい

土湯温泉は複数の源泉があるのか宿によって泉質が違うようだ。泊まりに来た時にはいくつか日帰り入浴してみて温泉の違いを楽しむのをよさそう。また楽しみが一つ増えて嬉しかったし、出来れば祭りの日に来てみたいと思った。

ちなみに最初にチェックしておいた温泉卵はブランド化してるのか中々良いお値段だったので、購入は諦めて土湯温泉を後にした。

土湯温泉からまた少し山道を登っていくと道の駅があったので寄ってみることに。

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山の上だけあって景色も良いし人も多い。しかしここにこれだけいるのに土湯温泉にはほとんどいなかったのが悲しい

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道の駅つちゆ

この道の駅は小規模で、土産物屋にはめぼしいものがなかったので早々に退店して、少し景色を堪能してから出発することにした。ここは道路が入り組んでいて分かりづらかったけど、案内通りに進んで次に向かうは岳温泉。ここからは坂道で天気もそれなりに良好だったので気持ち良く進むことができた。

この道の駅から岳温泉までは大した距離もないのですぐについたけど、時間的にはもう昼時だったのでとりあえず飯どころを探すことにした。

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岳温泉到着!

この手前にちょうどよくガソリンスタンドがあったんだけど、給油は出発する時にするのがよかろうと判断してとりあえず目の前にある成駒というお店へ。ここは中々評判がよろしいようで(実は道の駅でチェックしていた)、すぐに店に入れそうだったので駐車場の端っこに原付を駐めて入店した。

店内は観光客や恐らく仕事の昼休みで来ている人などちらほらいたけど席は十分に空いていたのですぐに座れた。
ここはどうやら福島らしくソースかつ丼が売りのようだったので当然それを注文。1000円ちょっとだった気がする。

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これが成駒のソースかつ丼(ヒレだったと思う)

この肉がまた分厚くてソースもたっぷり絡めてあるので濃い味好きの私は見た瞬間から大満足。味もやっぱり美味しくて、肉も厚さの割に柔らかい。観光地の店といったら値段も高くて味もイマイチで量も少ないみたいなのが多いけど、ここにはその方程式は全くあてはまらないと思うほどの満足感だった。岳温泉に入っていきなり見つかる店でこのクオリティは嬉しい限りだ。入って正解でした。

大満足で完食した後店をでてみると駐車場になんと湧き水(蛇口式)があるのを発見した。こんなところにいきなりあるのが憎い。湧き水好きの私は速攻で水筒に水を入れ、その場で少し飲んでみたけど冷たくて美味しい水だった。成駒は素晴らしい食堂だ。

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これは凄くありがたい

その後は岳温泉を散策。旅前に祭りを調べている時にここの仮装盆踊りのことを知ったけど実はこの次の日が祭りの日で、岳温泉のメインストリートには櫓が設置されていた。祭り好きな私だけどこの仮装盆踊りはアニメやらなんやらのコスプレをして参加している人たちもいるみたいで、私としてはそこがちょっと引っかかってこの祭りはスルーしたんだけど、でも現地に来てみると景観が結構素敵なので一度は来てみる価値はありそうだと思い直したのだった。

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なんかボケちゃったけど、メインストリートは中々良い感じ

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道の真ん中には川、というか水路が設けられている

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水路状の櫓

多分この二本の道路をぐるぐる回るようにして踊るんだろうけど、想像しただけで中々風情がありそうだった。水の流れを中央に据えて踊るなんてなんて雅なんでしょう。出店なんかも出るんだろうし、ごちゃごちゃ言ってないで参加してみればきっと楽しいんだろうと思う。でも今回は機を逃してしまったのでそれはまた別の機会に。

祭りの前日にしては観光客はあんまりいないけど、空は燦々と太陽が輝いてるので正に夏といった感じ。そんな陽が照りつける坂道を少し額に汗しながら登っていくと涼しげな神社があったので立ち寄ってみた。

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夏はやっぱり神社だね

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大きな大黒様がいた。ここも明日の夜はもっと良い雰囲気になるんだろうな

ここは温泉神社ということだったので、これから岳温泉の湯に浸かろうと思っていた私はしっかり参拝して、この涼しい境内で少し休んだ後来た道とは反対の道から下っていった。

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提灯のある風景ってのはやっぱり素晴らしい

この道には宿とか商店とか飲食店が立ち並んでいるんだけど、その中にやっぱり温泉卵を売っているお店を発見。でも値段がちょっと高かったからか一パックに入ってる数が多かったからか忘れたけど買うのはやめて、そのまま成駒の斜め向かいにある岳の湯という施設に向かった。

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ここは宿泊施設でもあるようだ

中に入るとちょっと薄暗い店内の受付におじさんが気だるげに座っていたので、そこで入浴料(350円)を払っていざ浴場へ。浴場は地下(というか坂道なので厳密な地下ではないんだろうけど)なので階段を下って下って脱衣所に到着。

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ここは自炊で素泊まりできるらしい。いつか利用したい

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なんか素っ気ない感じだけど期待は高まる

コインロッカーがあったので、まぁ大丈夫だろうとは思うんだけど一応リュックを入れてから脱衣所へ。

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ぼけててごめんなさい。脱衣所は中々広い

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先客が3人くらいいる

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岳温泉は酸性泉

注意書きに「浴槽でおならをしないでください」と書いてあったのが少し面白かったけどマナーとしては当然の事。私も紳士的に温泉に浸かろうと改めて自戒して浴場に向かった。

まぁさすがに浴場内部の写真はないんだけど、湯はサラサラで薄い乳白色をしていてなんだか肌によさそうな湯だった。この旅は蔵王温泉あたりから酸性泉に妙に縁があるけど、この温泉は特にピリピリすることもなくそういう意味では入りやすい。じゃあどういう意味では入りにくいのかというと、この温泉もまた素晴らしく熱いのだ。
まぁ土湯温泉の足湯みたいに飛び上がるほど熱いわけではないんだけど、頑張って肩まで入っても1〜2分浸かってるのがやっとぐらいの熱さで、他の地元民らしきおじいさんたちも長湯できている人はいなかった。入っては出て体を冷やして(といってもあまり冷えない)また入っての繰り返しだったけど、それでもこの温泉は中々に気持ちが良い。乳白色というのは視覚からも気持ちよさを上乗せさせる。でもやっぱ熱さに耐えられないので早々に上がりました。

脱衣所で扇風機の前に陣取ってしばらく体を冷ましてから岳の湯を出る。それなりに体を冷ましたつもりだったけど、外もまた日差しがきつくて暑いのですぐに汗がでてきてしまった。なのですぐ目の前にあった観光案内所(だったと思う)でしばらくじっとしていた。それでもどんどん汗がでてくるあたり、夏の日差しを差し引いても岳温泉の湯の温まり方は凄いと思った。

そんなわけで岳温泉の湯にも浸かれたので、まだ見所はありそうだったけどガソリンスタンドで給油してから出発。あとはもう宿に向かうだけとなった。

目的地の井戸川温泉までは40キロちょいなのでこれから迎えばまぁ3時くらいには着くだろうとの計算だ。だったら土湯温泉とかでもうちょっと観光すれば良かったとも思うけど余裕を持って行動するのが一番なのでとにかく宿へと向かう。
天気も相変わらず晴れで道も大して複雑じゃないので気持ち良くドライブしてたら感覚的にはあっという間にすぐ近くまで来てしまった。

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こんな田園風景の中を行くとあるらしい

しょうじき夜食にお菓子とかを買いたかったけどここらへんにコンビニなどはなく、こんなに遠くない郡山市街地まで行けばあるはずだけどちょっと面倒だったのでそのまま宿に向かった。

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もうちょいみたいだ。古ぼけた看板がかえって期待させる

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そこから少し進んだら到着した。日帰り入浴をやってるとはいえ宿っぽくない看板だ
ここを曲がるとすぐに井戸川温泉が見えた。駐車場には何台か車があるので先客がいるんだろう。地面は砂利で不安定だったけどなんとか原付を駐めて宿へ向かった。

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井戸川温泉到着!宿の古び方と看板の新しさシンプルさがなんだかミスマッチに感じる

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う〜ん、いいね

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蒔でたいてるのだろうか、湯気がのぼっている

宿は平家の横長宿。入るとすぐにフロントがあるんだけど、その周りには土産や食べ物、それになぜか服やらなんやら色々売ってたりして雑多な感じが面白い。かといってしっかり掃除してあるので不潔さはない。結構良い感じの宿だった。

フロントで声をかけると奥のキッチンの方から人の良さそうな旦那さんがでてきてくれた。なんだか電話で話した通りの良い雰囲気のおじさんと少しばかり話した後すぐに部屋に案内してくれた。途中休憩室もあったんだけど、お客さんがのんびり寝てたりして結構地元民が愛用してるのかもしれない。

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入ってすぐの様子。ここはマッサージもやっているようで、写真左側にはマサージ用スペースもあった

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入って左側の通路奥からフロント方面を撮ったところ。写真左側は休憩所だ

部屋に入ると旦那さんは簡単に色々説明して去っていった。ここは部屋に置いてあるお茶なんかはないようで、その代わりキッチン前には冷水が入ったジャグがあるのでそこから持って行くシステムらしい。多少面倒だけど大した問題でもない。むしろ冷水はありがたかった。というかおじさんも親切な人だから言えばお茶のセットもくれそうだけど。

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部屋!

部屋は狭すぎず広すぎずで十分な広さ。窓の向こうは田んぼが広がているので一面緑だから涼しげで良いし、夜には虫やカエルの声が楽しめそうだ。網戸もちゃんと綺麗に張られているので虫の侵入も最小限だろう。扇風機があるのも良いね。

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網戸にピントがあっちゃったけど外の様子

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アメニティも浴衣・歯ブラシ・フェイスタオルと必要最小限はある

窓の外を眺めたりしてちょっと休憩した後で、早速温泉に入ろうと浴場へ向かう。
すると旦那さんの息子さんらしき子供(小4くらい?)がいつの間にか帰ってきてたようで、マッサージ用の台の上で横になっていたのがちょっと面白かった。ここは色々と自由な空間らしい。

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部屋の前には洗面所

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冷水ジャグと売り物の服。この通路を奥に行くと風呂場だ

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やはり先客がいるようだ

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手書きの注意書きが良い。脱衣所は綺麗だった

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ドライヤーあり。ハエたたきもあった

先客は一人。話好きのおじさんならきっと色々話が聞けるだろうと少し楽しみにしながら用意して風呂場へ向かった。今んとこ宿泊客は私一人だけのようだから、このままいけばどうせ夜には貸切状態で入れるだろう。

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これが井戸川温泉だ!

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ソープ類もしっかりある

ここの温泉はHPによると硫酸塩冷鉱泉ということらしい。またもや酸性湯だけどここは一体どういう味わいなのだろうか、ささっと体を洗ってするりと温泉に浸かってみた。
旦那さんの最初の説明で「顔にかけると目が痛くなる」といっていたのでどれだけのものかと思ったけど蔵王の湯と比べると全然大丈夫(多少は痛い)。体のピリピリ感も程よく、何より温度が非常に適温で凄く気持ちが良いし、窓が大きいので入って来る風がまた爽やかでよろしい。今日は熱い湯にばっかり縁があったので、こうしてゆっくりと温まれる温泉はやっぱり良いもんだと再確認した。

外には小さめの露店があるのでそっちはどんなもんだろうと行ってみる。するとやっぱりこじんまりしていた。

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まぁ4人くらいが限界かな

露天風呂はさすがに外にあるだけあって内湯よりも温度は低め。まぁぬる湯とまでは言わないけど、こっちなら内湯よりも大分長湯できそうだ。でも多くはないもののブヨがいるのでちょっとそこは注意。でも内湯と露店共々、井戸川温泉は中々質の高い温泉な気がする。これは地元住人がよく利用するのもわかるというものだ。さっぱりして気持ちが良い。

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露店からの眺め。前面は開かれて物凄く開放的

この眺めのすぐ先には細い川が流れていてせせらぎが優しく聞こえてくるのもポイントが高い。釣りはできそうか見てみると、まぁできないことはないかくらいの水量だったので、後でちょっと降りられる場所があるか見てみよう。

綺麗さっぱりした後さっき見えた川へ降りられる場所を探しに外へ出てみたけど近くにはなさそうだったので簡単に諦め(どうせ餌もないし)部屋に戻る。これからは特にやることもない。市街地へ行く気力ももう完全に失っていた。ダラダラしよう、ダラダラ。

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井戸川温泉は食堂もあるんだけど、そちら側の入り口。生活感ありまくり

とりあえず冷水を飲もうと備え付けのコップで飲んでいたら、旦那さんが「こっちのコップにくんでお部屋にもってってもらっても大丈夫ですよ」と大きめのグラスを渡してくれた。やっぱり親切な旦那さん。お言葉に甘えて部屋にもって行き、既に敷いてある布団に寝転がって寝ることにした。

その後起きたらまた風呂に入り、またダラダラしてから食事となった。ここは19時から夕食ということだったけど、18時40分に声をかけにきたので食堂へ移動した。
ちなみに入浴客は5時を過ぎたらパタリといなくなった。暇そうな息子さんはテレビを見ていた。

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食堂の様子。この時に撮った写真はぶれぶれだったので、これは翌朝の写真

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ちょっとぶれてるけど夕食の様子

夕食は旦那さんが作って女将さんがもってきてくれた。ご飯もたんまりあるし、おかずも美味しそうで食が進みそうだ。
実際食べてみると、家庭的な料理ながらも味が本格的でおいしい。特にカツと魚の煮つけが私的に大ヒットでおかわりしたいくらいだった。これなら日帰り入浴できて昼飯をここで食べても十分美味しいものが食べられそう。宿の雰囲気はゆるいけど温泉も食事はしっかりしてて非常に好印象だった。

食後、部屋に帰る時にwifi使えますという張り紙を見つけたので女将さんにパスワードを聞いて部屋で繋いでみたけど、これが非常に弱かったので使い物にならず、wifiは利用せずに色々調べ物をしてからまた風呂に入った。
夜の温泉もまた虫の声と風が気持ちよく、露店で長湯してしまった。ちなみに温泉は21時ぐらい(あくまでぐらい)で朝は9時からということだったんだけど、お湯の量が少なくてもいいんだったら9時前でも入れるとのこと。

入浴後は部屋で明日のルートを調べたりテレビ見たりその他色々やって就寝。思った通り虫の侵入も少なく、快適に眠ることができた。

翌朝空が白んでくる時に目がさめると外は大雨。「こりゃあ止まなかったらまずいな」なんて思いながらもまた寝直し、その後7時すぎに起きたらすっかり雨は止んでいたので一安心。普段ならここで朝の散歩に行きたいところだけど、周りには散歩できそうな場所もないので食堂に向かったら朝食ができていた。旦那さんと女将さんが笑顔で挨拶してくれたので、そのまま気持ちよく朝食となった。

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朝食はいたってシンプル。でもこのくらいが丁度良い

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食堂の様子

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ありがたいことに外はすっかり晴れている

女将さんがテレビをつけてくれたのでテレビを見ながらゆっくり食事。普段食べるのが早い私だけど、こういう時はのんびり食事をするのもいいもんだ。朝食も文句無しに美味しかったので米粒ひとつ残さず完食。ごちそうさまでした。

食後はまだ9時になってなかったけど旦那さんに温泉に入れるか聞いてみたところ「お湯の量がまだ少ないですけどそれでもよかったら」ということだったので気にせず風呂場へ。たしかにお湯は少なかったけど十分入れる状態だったので一番風呂を堪能させてもらった。さすがに露天風呂はお湯の量的に少し寒かったけどやっぱり貸切状態でしかも一番風呂というのはやっぱり良い。最後に十分堪能させてもらった。

この井戸川温泉はチェックインが午前9時からでチェックアウトが翌日の16時というとんでもなく長い滞在時間を許してくれてる非常にありがたい宿なんだけど、さすがにそこまではいられないので10時前くらいには出発。フロントに向かった。

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一晩ありがとう!

フロントで会計をしながら少々雑談。

旦那「どうしてうちを知ったんですか?」
私「ネットで見て評判がよかったので、気になってきてみました」
旦那「そうですか、ありがとうございます」
私「ここは地元の人の利用が多いんですか?」
旦那「そうですね、でも会津とか白河とかから来られる方もいますよ」

とのことで、結構井戸川温泉ファンはいるみたいだ。確かにこの宿の雰囲気と温泉は何かクセになるし、旦那さん夫婦の人柄も良い。しかもご飯もうまいんだからファンがいてもおかしくはない。日がな一日ここでゆっくりするのも良いじゃないかと思わせる宿だと思う。

そんな風に雑談した後、旦那さんの「どうぞまたいらしてください」という声を後に井戸川温泉を出発した。私の夏休みももう終盤も終盤。悔いが残らないように今日も思い切り楽しもうと思った。


※今回泊まった井戸川温泉のゆるさは、適当な私にとっては凄く居心地の良い宿でした。しかし本文にも書いた通り、温泉と食事でしっかりと締めてくれるのでメリハリが効いていてだらしないわけではなく、結論としてはやっぱり良い宿でした(適当)。古びてはいるものの決して不潔ではないし、なによりロビー(と言っていいのか)の若干混沌とした品揃えが面白くて個人的に好印象でした。地元産の野菜なんかも売ってるので、車できたら買っていたと思います。ご夫婦の人柄も良いし、私としては満足度の高い宿でした。次に来たらマッサージを受けてみたいと思います。

これまでの肌スベスベ度(通常時★1つ)
★★★★★ ←相変わらずスベスベ!

井戸川温泉 : 一泊二食付き 6800円