今年の夏休み旅はいつにしよう。いつものように8月後半というのも少し物悲しくていいんだけど、今年はちょっと夏真っ只中に休みをとって夏感を体中頭中で感じてみるのもいいんじゃないか!ということで7月後半に5泊6日の夏休み旅に行ってきた。
しかし今回の旅は初っ端からツイてなかった。まず台風が私の夏休みに合わせたようにやってきて、強雨強風を嫌がった私は出発を2日も遅らせたものの台風が来ても大して雨も風も吹かなかったみたいだし、それに加えて湯西川温泉で泊まりたかった宿がことごとく予約できず、早々に言ってしまえばタイトルにある高房ホテルは失礼ながら4番目くらいの候補だった(それでも結果的には結構よかったんだけど)。いつものように8月後半ならこんなに宿がとれないこともないんだけど、時期が違えばこんなに変わるのかと痛感した次第だった。
というわけで、このブログを見てくださってる方の中にはもしかしたら「あれ、今年はいつもより短い夏休みの旅なのね」と思われた方もいるかもしれないけどそれはこういう理由もあって、まぁ他の理由も後々出てくるんだけどとにかくツイてない旅の始まりとなったのだった。
[2日目]
さて、そんな影響力の弱い台風も去った旅の初日、相変わらず意識化では興奮していたようで2時間くらいしか眠れず、それでもムリクリ体を起こして「ちょっと家出るの早いかしら」なんて思いながら深夜の2時半くらいに出発した。
まぁその道中はそんなに書くこともないんだけど、トラックに怯えながら4号線を北上して空が白み始める頃にはさすがにあくびが止まらなくなっていた。ただ出発前から懸念していた出発時間早すぎ問題も実際のものとなってきていたので、ここらで時間つぶしもかねて道の駅で少しばかり眠ることにした。出発前に十分に寝られればいいんだけど、釣りと旅の前はどうしても寝られなくなるんだよね。
どこか適当なところで入った道の駅。もちろんまだやってない。時間は6時前くらいだったろうか
トラックが結構止まっていてアイドリングの音がうるさい。でも寝られそうだ
トラックの運ちゃんくらいしか人もいないので、適当なベンチで横になって眠る私。出発の当日、こんなところで仮眠をとるなんて多分初めてのことだと思うけど、この自由気ままっぽい感じも嫌いじゃない。でもあんまり寝すぎないように、目覚ましを1時間後くらいにセットして朝寝に入った。
そこから目が覚めたのが30分後。体的にはまだまだ寝足りないけど、やはり慣れない青空睡眠ではそう上手いこと熟睡はできないらしい。しかも荷物もあって微妙に警戒心もあるから尚更だろう。ただ、それでもまたなんとか眠ろうと思って結局後30分はダラダラ横になってたのだった。
休憩後空もすっかり青くなって気温も高くなってきたので、汗をかかないうちに再出発。ふたたび4号線の流れにのってさっきよりも多くなったトラックに怯えながら進むも、「もう勘弁して!」と我慢の限界が訪れたので4号線には見切りをつけ、特に予定にはなかったけど宇都宮の市街地へと向かったのだった。4号線は道路の端にバイク専用レーンみたいなのがあって多少走りやすいイメージもあったんだけど、今回でそのイメージが完全に崩壊してしまった。いやぁ疲れた。。
さて、そんな感じでトラックに揉まれたおかげですっかりお腹が空いてしまったので、ここ朝の宇都宮で朝食でも摂ろうと色々と検索してみたところ、どうやら朝ラーというのをやってる店がちょくちょくあるらしい。旅の外食ではラーメンが多い私は「ほう、朝ラーか・・・」と少し興味が引かれはしたものの、調べるとそんなに食べたい感じのラーメンでもなかった。なのでじゃあ食堂は、と調べて見たところ、どっか市場化かなんかの目の前にある食堂が朝から開いているということで一目でそこに決めて、早々に原付を走らせた。
市場の朝は早い、ということでそこで働く人のためにと早くに開けているんだろう。それが私のような早くに家を出すぎた旅行者の役にもたつんだから世の中わからないものだ。なので当然食堂にお客さんはいたんだけど全員が市場で働いてると思われるような人たちで、そんな中明らかに旅行者といった風貌の私は少しばかり申し訳なさを感じつつ中に入ると、店のおばちゃんは「そんなこと気にすんじゃないよ^^」とばかりに爽やかに、そして優しく迎え入れてくれたのだった。
食べてる途中に撮った写真。私が入った時には5人くらいお客さんがいた
しかし申し訳ないと思いながら入って来たけども、こうして知らない土地の食堂で朝飯を食らうっていうのも結構旅情があっていい。これから旅が始まるんだ!という気分がむくむくと湧いてくる。そしてそんな気分をさらに高めてくれるのは地方のテレビ番組なわけなんだけど、そこでふと流れた天気予報を見ると少し午後の天気が怪しい感じ。。でももはや行くしかない、せめて少ない被害で済むように祈ろうなんて考えていると、おばちゃんが頼んだものをもってきてくれた。それは
私は朝からステーキだって食べられる人間なので朝からスタミナ定食なんて容易いこと。しかもこれからの道のりもまだまだあるのでここでしっかりと食べておかないと色々と辛くなってしまう。というわけで目をひん剥いて肉を貪り、全ての食材を血肉に変えて食堂を後にした。ちなみにスタミナ定食は900円。大変美味しゅうございました。
外に出るとさっきよりも日差しが強くなっていて、昨今の夏らしい異常なまでの暑さがジワジワと姿を現し始めていた。ここまではまだ夜中早朝と走って来たのでそれほど暑さは感じなかったものの、これからの時間は要注意だ、さっさと山間部に入って少しでも涼しい環境に入りたい。
というわけでもう大通りは走りたくないと思ってたんだけど、やはり色々考えると大通りを行くのが近道ということでナビの通り走り市街地を抜けると、ようやく辺りに木々が増え始めた。よし、旅らしい感じになってきた。
日光に至る並木道。つまりに日光街道に入ったのだ!テンションあがってきたッ
うん、そういえばこういう並木道は昔見たことがある。小学校だかの修学旅行で行った日光への道中で、確かにこんな道を通った記憶がある。多分あれ以来東照宮とかその周辺は行ってないはずだ。なんだか懐かしいな。まさか大人になって原付で(多分)昔通った日光街道を走ることになるとは。ここに来るまで全く考えてもみなかったけど、なんとなく不思議な気持ちだった。
途中なんとなく気になった小道に入ってみた。そうそう、こういう光景を待っていた!
旅が始まったって感じがする。しかしこんななんでもない水路の水がえらい澄んでいた
待ってましたこの景色。普段の私の生活では全く見ることのない山+田んぼ+川の景色。もうここから数日はずっとこういう風景が当たり前の生活になるということが最高に嬉しいぜっ。めちゃくちゃ暑いけど、今回の旅の始まりを実感して一人嬉しがっていた。
ちょっと走ると日光街道に戻ってしまった。でもこの道も涼しくてイイ
なんだか道の端に大きなユリが目立つようになってきた。調べてみたらヤマユリらしい。大きくて綺麗だ
近づいて来る。日光が近づいて来る!でも、その前に寄りたいところが一つある。これから通る今市市にあるワークマンだ。
ここまで走って来てわかったんだけど、この日差しはちょっと尋常ではない。去年は日焼け止めも何もせず結局真っ黒焦げになった私だけど、今年はほっとくと日焼けどころか病院に行かなければならないレベルで火傷になるおそれがありそうなのが、もうこの時点で明らかだった。でも日焼け止めはなんだか嫌だし、塗ってもすぐに汗で流れそうだから私は人生初のアームカバーというものを購入しようとついさっき決めたのだった。全く、いいところにワークマンがあったもんだぜ。
ワークマンに行く途中作りかけの道?なのかなんなのかよくわからないけど気になったのでとりあえず撮っておいた
もうめちゃくちゃ暑いのでクーラーが効いてる店内に入るだけでももはや天国。そんな中アイスアーマーなるアームカバーと、できれば速乾で薄地のパーカーかなんか欲しかったけど、パーカーの方はあまりいいのがなかったのでアームカバーのみ購入。どうやら冷感素材でひんやりするみたいだけど、さてどんなもんだろうか。
早速アームカバーを腕にはめてみると、腕へのフィット感はなかなかいい感じだ。生地も薄すぎず厚すぎずといった感じで、そんなにすぐダメになりそうな感じもしないな。で、気になるひんやり感なんだけど・・・・う〜ん、ちょっとまだわからないけど、まぁ暑くはないのでこのままつけてても問題はなさそうではある。多分もっと汗をかいたりとかしたらわかってくるんだろう。これからに期待だな・・・・なんて思いながら出発した。
とりあえず市街地はすっとばして進む。アームカバーもまぁまぁ気持ち良い気がする
さてさて市街地はスルーしたものの日光へとやってきた。もっと奥へ進めば東照宮に到着なんだけど、実はちょっと行くべきか行かざるべきか迷っている。まだまだ時間は早いから東照宮を見て回る時間は十分にある、というかそうしないと時間が余りそうな感じだけど、正直言って今はそんなに東照宮に興味はない。門や猿の修復工事の結果とか気になるところはあるんだけど、わざわざ行くほどでもないし・・・でもせっかくこんな近くまで来たんだからなぁ・・・なんて考えに考え、結局東照宮に行くことにした。道も混んでないし、東照宮も大して混んでないだろうし、せっかくだしね!
そんな道中、もうあまりに暑かった+横に川が見えたので、通りにあったコンビニ寄ることにした。そしてひんやりした店内に入った瞬間、体に感じた以上のひんやり感が腕を包む!「おお!」と心で思ったくらい腕が涼しい!すごいぜアイスアーマー!と思ったけど、暑い外でこそこのひんやり感が欲しいわけで、涼しいところでさらに涼しくなるっていうのも嬉しいけどちょっと本筋からは逸れている気がする。まぁ私は日焼け対策として買ったからまぁいいっちゃいいんだけど。
と、思いがけないところでアームカバーの力を実感した私は、コンビニでコーヒーを買って川へ向かった。川は大谷川という日光を横断する形で流れているまぁまぁ幅のある川だけど、前日も雨が降っていた影響かほんちょっと濁り模様だった。
流れも多分いつもよりは強いはず。それでも、やっぱり川はイイ!
川で足を冷やす。長いこと入れてるとジンジンしてくるくらい冷たくて気持ちいい!
いやぁ清々しい!こんだけ暑いから余計に川の水が気持ちいい。さっき買ったコーヒーも数分でぬるくなるくらいの日差しは、逆に川の心地よさを際立たせてくれることに一役買っていた。さっきはワークマンでアームカバーしか買わなかったけど、もし次に見かけたら水着かそれに代わるようなものでも買うか。今までも欲しいとは思っていたけど、そろそろ本当に水着を買うときが着たようだ。これは泳ぐしかない!
そんなことを思いながら完璧に足が冷え切ったタイミングで休憩を終え、これから東照宮へ向かう。冷え切った足にビュンビュンあたる生ぬるい風が体の熱を奪って言ってくれるようだった。うん、いいね!
そうしてしばらく走り、もう東照宮は目の前というところで道が渋滞し始めた。私も列に並んでいるが、これがなかなか進まない。この道の先に何があって渋滞してるのか定かじゃないけど、まぁ十中八九駐車のための渋滞だろう。平日だっていうのに、東照宮というブランドはこんな渋滞を生み出すほど巨大になってしまっていたのか(適当)、なんて思っていた。
こんなとこなら下の方で適当に原付を駐めて歩いてくればよかった・・・なんて思ったけどここから駐車場まで、更には東照宮までどんくらいあるかもわからないのでそれもちょっと不安か。せめてもの救いは木々が日差しを遮ってくれてることだけど、それにしたって暑いものは暑いし、それになによりさっきから気になってたんだけど空模様がちょっと怪しいのだ。私が来た向こうの方はさっきまでと変わらずに青すぎる空が広がってるんだけど、それに向かって山側から雨雲がじりじりと忍び寄って来ているような感じで、遅かれ早かれここらに雨が降るのは確実そうだった。そうなるとこの後原付を駐められたとしても散策中に雨が降ったら最悪だし、その後の道中もちょっとメンドくさくなてしまう。この状況だといつ駐車できるかもわからないし・・・・・ということで、ここは思い切って東照宮観光は諦め、列を抜けて先へ進むことに決めた。こんなに並んだ列を抜けるのはちょっともったいなかったけどね。
そんなわけで来た道を戻り、これからはまっすぐ今日の目的地である湯西川温泉へと向かう。が、その途中にも鬼怒川温泉や川治温泉なんかの観光地があるのでちょこちょこ寄り道はするけども、とりあえずは鬼怒川温泉の風に聞くさびれっぷりを拝見させてもらうため走って行く。
いやぁでもこれはマズそうだな・・・・。なんかたまに光ってるし。。
まだ上を見上げればギリギリ晴れてるけど、もうすぐそこまで雨雲は迫って来ていた。こりゃあ雨に襲われるのも時間の問題だな。だって向かってる方の空はもう完全に曇ってるんだもの。。
そんなもういつ降ってもおかしくないような状態の中走っていると、ついにポツ・・・・ポツ・・・・と水滴がシールドに当たり始め、これはもうカッパを着なければいかんか、なんて思っていると一気に雨が降り出してきた。こりゃいかん、どっかなるべく雨の当たらないところはないか!と思っているとちょうどよく一時退避できるような場所があったのでカッパに着替える間だけ軒先を借りることにした。
ここでカッパに着替え、リュックもゴミ袋で覆って覚悟を決めて出発。山の天気は変わりやすいとはいえ、この雨じゃ到底すぐに止むとは思えない。初日からこんな大雨にあうのはツイてないなぁ。でも行くしかないので元気を出すためにスマトラ警備隊を歌いながら走っていった。
本来なら撮りたい場所は沢山あったものの大雨のためそれもできず、満足に鬼怒川の廃墟を拝むこともできずに鬼怒川温泉を通過し、次に向かうは川治温泉。ここには周りから丸見えの露天風呂がある公衆浴場があってそこに入るつもりだったので、そこまでの辛抱とさらに覚悟を決めて愛車に鞭打つのだった。
ここは龍王峡駅近くの閉まってる店の軒先。さすがに雨が強くてここで一息つかざる終えなかった。この龍王峡も天気が良ければ是非観光したいポイントだったけど、こんな天気じゃ全くそれどころじゃない。台風が去ったら晴れるもんじゃないのかよ・・・と天を憎みつつ、しかしどうにもできない力なき人間である私は、ただただ降りしきる雨を睨むだけだった。
その後適当なところで出発し、川治温泉に着く頃には雨は結構小降りになっていた。これなら温泉に入った後町を散策なんかもできるかもしれない。でもまぁまずはとにかく、この体にまとわりついたべたつきを落とすため、川治温泉は薬師の湯へと向かった。
ただこの薬師の湯に行くまでのルートが微妙に分かりづらく、少しばかり迷ったあと、本当にこの先に公衆浴場があるのかよと思うような道を抜け、発電所かなんかの施設の横にある薬師の湯に到着したのだった。
駐車場から少しばかり歩いて薬師の湯に到着。温泉の前にここでジュースを飲んで一息ついた
休憩後中に入って700円を払い、ひとまず内湯へ。なんだかどこにも露天への案内がないんだけど、露天は内湯から行けたりするんだろうか。
脱衣所を見る限り先客はいないようだ。ここまでキツイ思いをしてやってきての貸切風呂とは気が利いている。ありがたいことこの上なし!なので誰かがやって来る前に温泉を堪能すべくすぐさま浴室へ向かう!
この内湯、珍しいことに洗い場と浴室(洗い場も浴室だろうけど)がドアで繋がっている造りで、それぞれ別室となっている珍しい形態だった。なんでそうなってるのかはわからないけど、まぁそんな細かいことはどうでもいいのでさっさと、でもしっかり体を洗っていざ温泉へと向かうと
見た目は非常にシンプルながら、重厚な造りはお湯への期待感を高めてくれる。このタイルというか岩の浴槽も、お湯を貼った時に湯も岩も綺麗に映って結構好きだ。
そんな浴槽に期待を込めて颯爽とINしてみると、その温度たるやいたって適温で、体に優しくスルっと体を包んでくれるようだった。朝早くに起きて眠い目をこすりながら走り、燃えるような日差しを浴びたかと思えば嵐のような雨に打たれ、そんな艱難辛苦を乗り越えた果てに入ったこの薬師の湯の気持ち良さたるや、まさに至福の一言に尽きる心地よさだった。写真にはないけど窓からの眺めも鬼怒川が目の前に流れていて心地良いし、風の入りもよくて少し火照った体を冷ますのにもちょどいい。川治温泉、天晴れじゃないですか。ありがたいことに時間もたっぷりあることだし、時を忘れて存分に温泉を楽しんだのだった。
内湯には結局露天に続く道がなかったので、多分ここは一旦服を着てから露天に行くタイプの施設なんだろう。なのでとりあえず休憩室をチラ見してから、受付で露天への行き方を聞くことに。
休憩所。食堂はやっていないようだった。二階にも座敷の休憩所があったけどおじさんが寝てたので撮影はやめておいた
おばちゃんに「あの、露天にはどう行ったらいいんですか?」と聞いて見ると「扉をでてそのまままっすぐ行ってください。履物はこちらのを使ってもらってかまわないので」ということで、露天は一旦外になければならないけど、荷物はそのままに履物だけ借りて行っていいそうだ(まぁ当然か)。ということは向こうの橋のあたりにあるんだろうか。とにかく向かってみた。
事前情報でここの露天は周りから丸見えって書いてあったけど、来てみたらまさにその通りでこの時点で丸見えってのがよくわかる。隣に橋があるわ川向うには遊歩道と高層の宿が立ち並んでるわでもう見られ放題だ。しかもここは混浴らしいので、女性にはなかなかキツそうな感じだ。まぁ今日は平日でしかも雨なので歩いてる人もいないし先客もいなさそうなので十分堪能させてもらおう。まぁこのくらいなら周りに人がいても入るけど。
そしてこれが噂の露天!屋根があるのがなかなかありがたいし、何より景色が良い!霞がかってる川面が幻想的!
そしてこちらが半露天のほう。なんだかずっしりとした雰囲気でこっちに入るのも楽しみだ
脱衣所も完全に川の方に開けているので見られ放題。でもちゃんとカーテン付きの小部屋があるからこれなら女性も安心か。
しかしまだ露天には入ってないけど、ここまで来て思うのは管理が非常に良く行き届いてるという点だ。館内も浴室含め隅々まで綺麗で不潔なところが一切なく、露天にいたってもゴミが落ちてるようなことは勿論なく、落ち葉すらないような状態。こういうところは脱衣所のはしっこに落ち葉やら砂やらがたまってる場合もよくあるけど、当然のごとくそれもない。全てにおいてしっかり管理されていて、なんだか一人感心してしまった。温泉に入る楽しみを邪魔するようなものは一切許さん!みたいな意気込みが感じられるので凄く好印象だ。
とまぁそんなことは置いといて、早く露天に入りたい私はさっさと服を脱いで源泉100%のぬる湯へ向かう。期待に胸膨らませつつスゥっと入って見ると、今まで入ってきたぬる湯よりかは少し温かいものの、十分長時間入っていられそうな湯温だった。さっきこの施設の清潔さについて書いたけど、浴槽の底に何か沈んでたりするようなこともなくとっても快適。しかも一人で入ってる分には多少泳げるくらいには広いので、川を見てその音を聞きながらのびのびぬる湯を堪能することができる。更に言えば湯も源泉100%の掛け流しって言うんだから、もう最高だ。私はぶっちゃけ「ここに泊まればよかったかな」なんて思いながらも、釣りをしてるおっちゃんを見ながら存分に露天を堪能させてもらった。
さて、お次はすぐ向かいにある洞窟風呂のような岩風呂に入って見ると、こちらは内湯と同じくらいの温度でぬる湯ではなかった。けれどもぬる湯に慣れた体で温かい湯に入るのも結構気持ちよく、何よりこのズ〜ンとした静謐な雰囲気がなにやら居心地がいい。こちらも十分に堪能させてもらった。(温泉浸かってる状態からの風景とかも撮ってたんだけど何故か保存されてなかったのでそこらへんの写真はありません。残念)
そうして温泉に浸かっていると一人おじさんがやってきたので、じゃあ私はそろそろ出ようと服を着て館内に戻り、ジュースを飲んで少し休憩してから薬師の湯を後にした。するとさっき降っていた雨は大分小雨になっていたので、これならイケる!と判断して温泉街散策に向かうことにした。
施設の目の前にあった源泉汲み取り場。お湯は張ってなかったけど、蛇口をひねるとホースから源泉が出てくるんだろうか。湧出量が豊富なんだろうな
いい遊歩道。脇には民家も立ち並んでるけど、こんな景色の良いところに住んで見たいもんだ。観光客さえ気にならなければだけど
綺麗な紫陽花が咲く遊歩道には廃墟や準廃墟のような建物もちらほらあるけど、ここではそれが良くマッチしているような気もする。この奥に続く道も素晴らしい
その上はこんな(多分)廃ホテルだった。凄くノスタルジックな廃墟でいい感じじゃないですか。ツタが伸びて窓は割れて・・・・でも換気扇がガンガン回ってたのは少し不気味だった。
少し歩くと対岸にこういうものが。どうやらあっちの道は通行止めで行けないみたいだけど、あの三つの構造物はなんなんだろか
歩いていると小屋が見えたので行って見たら足湯だった。ここも綺麗で良いね
ふむふむ。ちなみにかわじいと言うのはいくつか前の画像にも写っているおじいさんの像のこと。川治温泉のマスコットだろうか
小屋をすぎるとこんな広場が。私が来る数日前くらいにここで龍王祭という祭があったようなのでその名残で提灯があるのかな
おし、じゃあ適当なところから原付を駐めてるとこまで戻ろうかな
お腹がすいてたらここでラーメンを食べて見たかった。良い通りにあるな
途中にあったお肉屋。物凄い良い匂いがしてたけどさすがにテイクアウトはやめておいた
というわけで遊歩道を一通り散策し終わった。その途中観光客らしき人を見たのは1組のカップルのみで、後は犬の散歩してる地元民くらいしか見なかった。でも景色も良い温泉街だから、週末やお盆なんかには結構混み合うんだろうな。川も綺麗だったし、私もいつかここに泊まって釣りでもしてみたいな。ただ、ぱっと見たところあまり泊まりたい宿はなかったけども。
さて、ここから湯西川温泉はもうそれなりに近くて、駅までだったらもう目と鼻の先くらいの距離だ。その駅近くには、私の曖昧な記憶によると水の郷という道の駅があって結構珍しいものが売ってるらしいのでちょっと楽しみにしていた。宿に着くまでの間の最後の立ち寄りスポット
なので、まずはそこに向かいたいと思う。ただ、向かうにしても今は雨は降っていないものの、これまでの感じからしてまた雨が降る可能性大なのでしっかりカッパを来て出発。
そして出発してから数分、もう少しで駅あたりに着くというところでやっぱり雨に襲われた(しかも強い)。これから国道を逸れて更に山道に入っていくというのに大丈夫なんだろうか。願わくば車の通りが少ないことを祈るばかり・・・・なんて思いながら早速国道を逸れて少し行くとすぐに道の駅が現れた。ここが水の郷だろうか、まぁとにかく結構強い雨で見通しもあまりきかないので雨宿りもかねて寄ることにした。全く酷い日に旅の初日を選んでしまったもんだ。
こんな雨の日でも採れたて野菜を売っていてしかも安い。夜食用に桃を買って行きたかったけど宿に冷蔵庫があるかわからないのでやめといたけど、こういうとこでは何かしら買いたくなるね。
そうしてちょっと野菜を見た後中に入ったんだけど(結構お客さんがいたので写真は撮りませんでした)、ここに来て何か違うと気づいてよくよくあたりを見たら、ここは私の目指していた水の郷ではなくて道の駅湯西川というところで、見たかった珍しいものは売っていなかった。ただ、栃木らしくレモン牛乳の乳液とかレモン牛乳ポーチとか売っててそれは少し欲しいとは思ったけど・・・・・まぁ明日また通るからその時まだ欲しかったら買うとしよう。
しかし、川治温泉からここに来るまでの間に車はあんまり見なかったんだけど、こうして道の駅に来ると人が沢山いるっていうのは割とよくあることだけど、いつもながらなんだか不思議な感じがする。ただ、今日みたいな雨が降りしきる日はこうして人が沢山いるのはなんだか心強いと言うか安心感があるので、走る気力も少しだけ湧いて来るというものだ。ここから宿まではもう少しあるので、頑張って走っていこう。
道の駅を出発すると、右に湯西川湖を見ながらも決して快適とは言えない山道を走る。車通りは幸いなことにほとんどなく、事故の危険は少なそうなんだけど、いくつもいくつもトンネルが連続して現れるのはちょっと怖かった。おまけにトンネル内は夏だと言うのに冬のように寒くて、最初こそ「うぉ〜気持ちいぜ〜!」なんて言いながらテンションも上がってたんだけど、途中からは「おいおい寒すぎるぞこれは・・・」と弱音を吐く始末だった。こんだけ涼しいトンネルも結構珍しい。でもしょうがないので寒さに耐えながらいくつものトンネルを抜け、特に危ない局面もなくやっとこさ水の郷に到着したのだった。
そして嫌な予感を抱いて中に入って見ると、売店へ続く道はシャッターが降ろされ完全閉店状態。「なんで!?」と思いながら営業時間を見るも、完全に営業時間内でなぜ閉まってるのか全くわからない。だけど実際にこうして閉まっている・・・。全く、今日は本当にツイてないな。まぁ明日も通るからいいっちゃいいんだけど、できればりんごジュースとかそういうのを買いたかった。
ただ幸いにもそうこうしている間に雨は完全にやんで、空には晴れ間も多少見え始めていた。これならもうカッパを着なくても宿までは大丈夫だろう。もうほんのちょっと走るだけで湯西川温泉街に着くしね。なので気を取り直して出発!
思った通り温泉街までは雨に降られることもなく到着したけど、とりあえず散策とか撮影は後回しにしてまずは本日の宿に向かう。大して大きくない温泉街なので迷うこともなく、まっすぐ宿に到着することができた。
なかなかいいじゃないですか。ちなみにこの2枚の写真はあとで撮ったものです
駐車場に駐めて中に入ろうとすると、玄関脇の椅子におじいさんが腰掛けていたので「宿泊客かな」なんて思いながら「こんにちは〜」と声をかけると「どうも〜、今日お泊りの方?」と聞いて来た。このおじさん、どうやらこの宿のご主人だったらしい。「じゃ、どうぞ」と促してくれたので、ご主人と一緒に館内に入った。
ささっと宿帳に記載しながら雑談していると、ご主人が今日行われる祭りについて教えてくれた。
実はこの湯西川温泉は7月末から8月の始めまで、心かわあかりというぼんやりと光るスケルトンのボールを川に流すというイベントをやっていて、私はそれを見る目的もあって湯西川温泉へとやってきたのだった(まぁそこまで惹かれていたわけでもないけど)。ご主人曰く宿の前を流れる川に流すらしく、ここなら外に出なくても十分見えるらしい。私は出発の予定を2日遅らせたせいで気になる祭りを逃してしまっていたので、せめてこれくらいはという思いでここに来たという理由もあるんだけど、あんだけ雨が降ったら増水も確実だろうからちゃんとイベントが行われるかはちょっと不安ではある。今のことろ特に濁ってはいないけど、川はいきなり増水するからこれからはわからない。とりあえず「楽しみっす!」とご主人には返しておいた。
そうした祭りの説明の後部屋まで案内してもらうと、「今日は後一人しかお客さんいないから、良い部屋とっておきましたんで」とニヤリとするおじさん。ぱっと見はあんま喋らなさそうな感じだけど普通に良く話してくれるし、自然体で雰囲気の良いご主人だ。良い部屋をとってくれたことも感謝感謝だ。ではその良い部屋とは
逆側から見たところ。建物はちょっと古いけど十分綺麗にされてる
アメニティもバスタオル・フェイスタオル・歯ブラシ・浴衣とちゃんと揃ってる
ここまで頑張ってくれた愛車。彼のためにも雨に降られないことを祈る
いやぁ確かにこれは良い部屋だ。まぁ部屋自体はそんなに特別なものはないんだけど、広さもあるし冷蔵庫もあるし、景色も建物は見えるけど全然嫌いじゃない。エアコンはないけど、扇風機があるから風呂上がりとかもそんなに苦じゃないだろうし、そもそもそこまで暑くないので大丈夫だ。予約の時に泊まりたい宿がことごとくとれなくてここになったけど、この高房ホテルも良い感じじゃないか。個人的には割と好きな雰囲気で結果オーライだった。
ということでひとしきり部屋を見て回った後、ここまでの腰の疲れを癒すべくとりあえず寝転がる私。こうして長いこと原付に乗って宿についたら、温泉があろうがなんだろうが一も二もなくまずは腰伸ばし。これが最高に気持ちい瞬間で、更に無事宿に着いたと言う安心感を全身に感じられるひと時、安寧の時間。
そうしてしばらく体を休めたあと、楽しみな館内散策と温泉街散策に出かけた。普段ならすぐに温泉に入るんだけど、川治温泉で既に汗を流していたのでそんなに焦る必要もない。なので暗くなる前にまずは温泉街へと出発しよう。ちなみに夕食は18時30分なので、まだ余裕はある。
右側はこんな感じ。掃除機とかが普通に置かれているのがポイント高い
漫画が少しだけあった。ドライヤーもなぜかここにあるので、使いたい人は勝手に持っていってって感じなのかな
どうやらお孫さんとかが来てるみたいで子供の靴なんかがあった。ちなみにこのすぐ左には子供用自転車も
右側にはロビーがあるけど、ご主人や女将さんの休憩所にもなっていた
さて、とりあえずざっと高房ホテルの中の一部はこんな感じ。綺麗にされていつつもところどころ雑然としていて、その結果生まれた少し寂れた雰囲気が中々良い感じだ。ご主人達もここで暮らしてるという空気が感じられて個人的に過ごしやすい。ただ、やっぱりここはホテルではないかな。
そうして玄関まで降りてくると、さっきはいなかった女将さんがいたのでご挨拶。「ちょっと散歩いってきます〜」と言うと「これから散歩か、夕食には間に合うかい?」なんて会話から始まって少しだけお話させてもらった。なんだかカラカラとよく笑う女将さんで、ご主人と同じく自然体で好印象だった。
では散歩に出かけよう。ここは宿のすぐ横を流れる湯西川。川は濁ってるように見えるけどそれは川底の岩の色で、実際はかなり澄んでいる。風景も素敵だ
ここは何か釣れるんだろうか。とりあえずこの滑らかな川底エリアにはいなさそうだけど
温泉街に続く橋の上から。良い眺めの中、若者が川のほとりで物思いにふけっていた
橋を渡るとこういう感じ。温泉街の規模は小さいけど、お土産屋や飲食店は割と充実してる感じ。観光客もちらほらいた
進むと橋がかかっていたのでその上から。右に写ってるのは私が第二候補に選んでいた宿だけど、サッカーの合宿があるからと断られた宿だ。言っていた通り大勢の子供達の声がする。いいなぁ
橋の下はこんな感じ。澄んだ川が美しい。左の建物は公衆浴場なんだけど
そして今はこうらしい。残念だけど、またいつか再開する日を待とう
そしてこの公衆浴場の川向かいには、かなりわかりづらい写真だけど無料の露天風呂があります
この露天風呂、橋を降りて遊歩道から簡単にアクセスできるんだけど、脱衣所もなにもなくただ岩風呂がいきなり掘ってあるだけの超丸見え露天風呂だった。もう向かいの宿どころか遊歩道を歩く人や写真からもわかる通り橋を行く人にも丸見えで、横からも上からも覗かれ放題の野趣あふれまくり風呂だ。ただ景色が良いので入ったらさぞ気持ちが良いことだろう。ただ今の私にはここに入ってゆっくりしてる時間も装備もないので、明日の朝あたりに入ることにしよう。今は散歩を続ける!
ちょっと歩いて振り返りの一枚。道路脇に等間隔に灯籠があって、夜は良い雰囲気になりそうだ
奥まで行ってみるとこんな感じに。手作り感ばっちりの鳥居が素敵
この竹は何かと言うと、この時期この温泉街ではさっき書いた心かわあかりと一緒に竹の宵祭りというのもやっていて、夜にはこの沢山の竹に灯りがともってなかなかに綺麗な演出となるらしい。でもこの竹の宵祭りは週末だけなので今日は残念ながら祭りはなし。宿を出る時女将さんも「残念だけどしょうがねぇ」と言ってなぐさめてくれた。
さて、ここは散歩の途中見つけた美容院。この存在感たまりませんな。是非中も見てみたかった
お土産屋。この服を見るに、地元の服屋としての機能もあるんだろう。とりあえず今は入るのはやめといた
お土産屋には入らなかったものの、酒屋が一軒だけあったのでそこで栃木限定のゆずチューハイとチョコを買って散策を続ける。ここらへんはちょっと涼しいけど、さすがに汗をかいてきた。
道を戻ってきたところ。左に行けばすぐに宿があるので、今度は右に行ってみる
民宿河鹿屋。ここもさっきのサッカーの合宿の宿と同じく第二候補だったけど断られてしまった宿だ。次こそはっ
焼肉屋もあった。もし夕食が足りなかったらここに来るのもいいかもしれない
この先にも行ってみたけど徐々に建物がなくなってきたので、今日はこのくらいにしとこうと踵を返して宿に戻ることに。歩いてみた感じ温泉街としてはやっぱり小規模だけど、雰囲気のいい(短い)遊歩道もあるし綺麗な川もある。それが散歩するには結構丁度いいサイズ感でのんびりするには向いていそうで好印象だった。人もちらほらいたし、多分心かわあかりの時間になればもっと人も出てくるだろう。
橋まで戻って来たら橋の下に釣り人がいた。何か小さめの魚を釣ってて羨ましいぜ
で、最後に遊歩道を歩いて宿に戻った。ちなみにあの奥の橋の真下が露天風呂だ
宿に戻ってもまだ少し時間があったので、今のうちに次の宿の予約を取ろうと電話をする。私は夏休みの旅で宿の予約を取るときは大体前日にするんだけど、狙っていた宿の予約が取れないと結構時間を食うのでいつも少しばかり緊張する作業だ。もし狙っていた宿が全滅だった場合、新しく宿を探すところから始めなければならない。なのでいつも第3〜4候補くらいまで選んでおくんだけど、たまにその全てがダメな時もある。なので「頼むぞ〜」という気持ちでまず1軒目。
ちなみに私が泊まりたいと以前から一番に狙っていた宿は事前にもう閉業してしまっていると知っていたので、電話するのはある意味第2候補からとなった。
そうしてまず1軒目は、優しそうなおばちゃんが対応してくれたんだけど「団体さんが入っちゃってて」と断られ、続いて2軒目は「仕事関係の人達で埋まってる」とこれまた断られ、3軒目は前日だったために「お食事はご用意できないんですが素泊まりなら・・・・」ということで少し悩む。聞いてみると近くにご飯屋はないからどこかで買っていくしかないんだけど、私は宿に泊まるならその宿の料理を味わいたいと思っているのでかなり悩ましい。もしかしたらもう予約できる宿もないかもしれないし。しかもハキハキとして親切な女将さんは「ご飯とお味噌汁とちょっとしたお漬物くらいならご用意できますけど」とまで言ってくれている。ここは第3候補とはいえ結構泊まりたい宿だし・・・・なんて悩んでいると「ゆっくり考えていただいて結構ですよ」と優しく言ってくれたので「じゃあまた後でお電話させてもらいます」と返事して電話を切らせてもらった。
正直他にも泊まりたい宿はある。でも他はあと宿泊料が高かったり、場所がちょっと微妙だったりするので今後の予定を少しばかり変更せざるおえなくなるかもしれない。なので最後に残った第4候補に全てをかけて電話してみたところ、「はい、空いております」とのことであっさり予約を取ることができた。ここはちょっと(個人的に)値がはるので第4候補になっていたんだけど、まぁたまにはそれもいいかと思い直して予約をとらせてもらった。
すると女将さんが12000と13000と14000のコースがあるんだけどどれが良いかと聞かれたので、とりあえず一番スタンダードらしい13000円のコースにしてもらい、お礼を言って電話を切った。いやぁ取れた取れた、これで一安心・・・と思っていると、すぐに折り返して宿から電話がきたので出てみると「地鶏とか馬刺しはお好きですか?」と聞かれたので「馬刺しは大好物です」と答えると「地鶏のほうはそんなにお好きではないですか?」と更に聞かれたので「いえ、そんなことはないですよ、大好きです」と伝えると「そうですか、わかりました。ではご用意してお待ちしておりますので」とさっきと同じく愛想よく返事をしてくれて電話は終わったのだった。なんだかこういうケースも珍しい。多分苦手だったら他のものを用意してくれたんだろうけど、その心遣いがなんだか嬉しかった。ここは期待がもてそうな宿でよかった。
というわけで無事宿がとれたので、さっきの素泊まりなら泊まれるという宿に申し訳ないけど断りの電話をいれて、あとはゆっくり夕食をいただく流れとなった。夕食の時間は18時半。だけどその時間を過ぎても夕食は来ず(ここは部屋食です)、45分くらいになってようやく「すいません、夕食をお持ちしました」とおそらくご主人の息子さんらしい方が夕食を運んで来てくれた。「食べ終わったら廊下に出しておいてください」とだけ言って部屋から出て言った後、ちょっと遅めになった夕食が始まった。
小鉢で色々。黒豆なんかは普段絶対食べないけど、なんだか普通より大きい気がする
いつも言ってる気がするけど、写真だと量が少なく見えるのはなぜだろうか。私はこれが運ばれてきた時「こんなに食えるかしら・・・」とちょっと不安になったけど、この写真ではあまりその気持ちになった理由が伝わらなさそうだ。でも実際これは量が多い。特にあの2人前くらい入ってる鍋がヤバイ。これは私の残さずの誓いを果たせないかもしれないな。。
とまぁそんことを考えつつも、朝に宇都宮でスタミナ定食を食べてからは水分しかとっていなかった私は結構お腹がすいていたので早速食べ始める。テレビを見ながらのんびりと食事・・・とは程遠く、バクバクと一通り食べてみるとどれも結構美味しく、左の膳の右下にあるきゃらぶきのようなものの味付けが最高に好きだった。鍋も少し薄味だけどそれだけに飽きることなくどんどん食べられたし、イワナは焼いてからちょっと時間がたってそうではあったけど頭まで食べられて良い。全体的に十分美味しく食べられた・・・・・けども、やっぱり懸念していた鍋は完食することができず、あと一人前分くらいの量を残して泣く泣く敗北を喫したのだった。美味しかったんだけどね、申し訳ないです。ごちそうさまでした。
外はもう日が暮れてきていた。さて、ちょっと休んでから温泉にでもいこうか
温泉へ至る道。もう一人の宿泊客の方はまだ部屋にいるようだったので今ならチャンスだ
奥は女風呂と貸切風呂。今日は男しかいないから2つとも開け放たれてる
男風呂の横になんだか怪しげな木像もある。なぜこんなものがここに
なんだか浴室前のエリアは掃除道具含め色んなものが置いてあって、しかもこういう宿によくある最低限の明かりだけをつけておく仕様も私としては馴染みがあって良い感じだ。やっぱり鄙び系の宿はこうでなくちゃ。
で、脱衣所はというとこちらもやっぱり古びてはいるけど汚いということもなく、風の通りも悪くなかったので問題ない。ただ、扇風機は壊れていたようでスイッチをオンにしても回らなかった。
浴室へのドアを開けると、ホワンと硫黄臭がする。川治温泉のほうは硫黄臭はなかったので、近くても若干異なる温泉なんだろうな。これはちょっと期待がもてそう。
早速温泉に入るべくささっと体を洗っていざ入湯してみると、湯は少し熱めだったのですぐのぼせる私は長湯はできなそうだ。でも透き通った優しい湯は、2年前に行った湯野上温泉の湯に似ている。あそこも同じく綺麗な温泉だった。
泉質はアルカリ性単純泉なので、温泉からあがると体がぬるっとして美肌の湯と言われているのがよくわかる。長く入っているとのぼせてしまうので、入っては出て入っては出てを繰り返したけど、その度に体がヌルっとして、旅の初日を飾るには優しくて凄くよいお湯だった。
ちょっとぶれちゃってるけど、浴槽すれすれまでたまってる温泉はなんとも贅沢な感じ。ちなみに窓の外には青色の電飾が光っていた
とにもかくにも気持ち良い。深さも多少あるので首までしっかり浸かれてイイ気分。やはり長く走った後は温泉が一番ね。川治温泉も良かったけど、湯西川温泉の湯も負けず劣らず良いものでした。
温泉から出た後、本日最後に残ってるイベントといえば先述した心かわあかりだ。イベントは20時半から始まるので、部屋でのんびりとやるべきことをやって20時15分くらいに宿を出た。
温泉街には夕方散歩した時には見なかった観光客の人たちがちょくちょく歩いていて、「ああ、やっぱりそれなりに泊まってるんだな」と言った感じ。皆ぶらぶらしながら川あかりが始まるのを待っているようで、係りの人っぽい人たちも見かけられた。でもサッカー合宿の子供達はいないのがちょっと意外だ。
ぶらぶら歩いてさっきも渡った露天風呂のある橋の袂から。写真には無いけど、露天風呂では若者集団が足を浸けていて楽しそうだった
うん、夜の散歩、人出もあってなかなか楽しかった。結構涼しいし、店を覗き見ながらぶらっとするのはいいもんだ。だが!例の心かわあかりが始まる気配が全然無いッ。橋の上にも親子連れとかカップルが見に来てたんだけど、あの写真にもあったスケルトンの光るボールが用意されてる様子すらない。係りの人は見かけるから、少し時間が押してるんだろうか。
私も橋の上で少しばかり待って見たものの、他の人もちりぢりに帰って行ってしまったので「今日はやんないのかな」と少し残念に思いながらも宿前まで戻り、椅子に座ってまだしつこく粘っていると、もう一人の宿泊客のお兄さんが帰って来たので「今日はやんないんですかね〜」と話しかけてみると「今日は中止みたいですよ、おばちゃんが言ってました」と残念なお知らせを伝えてくれた。いやぁ、中止ならアナウンスでもしてくれればいいのに。やっぱり今日はツイてない。残念だけど、そのまま部屋に戻ったのだった。
部屋に戻り側、そういえばトイレを撮ってないと気づいたので撮っておきました
その後部屋に戻り、再び温泉に入ったりまた散歩に行ったりして寝るまでの時間を有意義に過ごした私。イベント中止は痛手だったけど、ここで思うように過ごすのも癒されて良い気分だ。やはり温泉宿は川沿いに限る。
温泉街ではほとんどのお店がしまっている中、スナック一軒だけ営業していた。スナックなんて行ったことないけど、こういうとこのスナックってどんな感じなんだろか
そして部屋に戻ったら晩酌の時間。今日は酒屋さんで買ったゆずチューハイだ
部屋に冷蔵庫もあるのでキンキンに冷えた酒が飲めるのはありがたい。私は普段酒は飲まないけど、こんな時くらいはちょっとばかり飲むこともあるのだ。
で、いざ飲んでみるとまさしくゆずの香りと味がしっかり伝わるなかなか美味しい味で、広縁で景色を見ながら飲むには強すぎずちょうどイイ。私はすぐ酒がまわるので、今日はぐっすり眠ることができそうだ。ただ、私は甘党なのでもうちょっと甘い酒を買えばよかったとも思いはしたけど。
というわけで、この後寝そべってダラダラしながら就寝したのだった。
そして翌日、なんだか妙に熱くて目がさめると、日光がちょうど顔のあたりに直射していて熱さのあまり目が覚めたようだった。こんな目覚めは初めてだと思うけど、今日はすっきり晴れた天気から始まってちょっと嬉しかった。
時計を見ると6時半で、朝食は8時からなのでまずは温泉に行こうと半開きの目で浴室へと向かった。
朝から温泉に入れる幸せ、これぞ旅の醍醐味だ。朝と夜では当然室内の雰囲気も違って、湯も更に澄んで見える。非常に気持ちええです。でも相変わらず熱めなので、今回も出たり入ったりを繰り返して十分温泉を堪能させてもらった。
いきなりだけどこれが男湯前にあった木像。しめ縄が張ってある割にはテープで貼り付けられた紙がいかにもお粗末でアンバランス。なんでこんなものがあるのか後で聞いてみようかな
温泉からあがって部屋の広縁で体を冷ましていると、サッカー合宿の子達がコーチらしき人と一緒に散歩しているのが見えた。皆ユニフォームを着てるからこれからどっかで練習でもあるのかもうしてきたのか、いずれにしてもその散歩姿が気持ち良さそうだったので、朝食までまた一眠りしようかと思ってたけど私も散歩に出かけることにした。やっぱり朝の散歩はしないとね。
今回私は利用しなかったけど、ここでのんびりするのもよさそうだ
昨日帳場の前にあった湯西川温泉マップを見てみると、昨日私が途中で引き返した川向こうの道を行くと吊り橋があるということを知ったのでまずはそこへ向かう。ただし、散歩とはいいつつもちょっと距離がありそうだったので原付で向かった。
吊り橋は私の想像とは違ってしっかりした吊り橋だった。もうちょっとスリルのある橋ならよかったな
吊り橋からの眺め。水が恐ろしく透明で見惚れてしまう。釣りしたいポイントだな〜ここは
下流の様子。良い眺めである・・・と思ってたら何やらおじさんが川でなんかしてる
見てみると明らかに釣りではなく、何か川から拾って入れ物に入れてるようだった。ここで何か採れるのか?なんだか凄く気になったけど声をかけられる距離でもないので見るだけにとどめておいた。
堰堤をアップで。水深もそんな深くなさそうだし、泳ぐにはちょうどよさそう。泳ぎたいぜ。。
橋を渡りきると向こう側に広場が見えて何やら施設もある。でもまだ営業はしてないようだったので
その後更に上流側に行ってみると、さっき橋の向こうにあった広場への入口があって、そこは平家の里という施設だとわかった。後で知ったことだけど、ここは冬にはかまくら祭りなんかが催される場所でなかなかに見所のある観光スポットらしかった。けど私が行った時には当然営業時間外だったので、こっちの方面の散策は終わりにして宿へと戻った。
平家の里の手前にあた橋から。ここも良いポイントだけど、アクセスしやすいから実はそうでもないかも
宿に戻ると今度は原付を置いて温泉街散策へ。朝は人がいるかしら。
涼しいから歩くのも気持ち良いね。でも町には地元民らしき人しか歩いてないな
この缶で作ったクルクル回るやつも田舎でたまに見るね。結構好きです
昨日は見えなかった猫が悠々と寝そべっていたので写真を撮らせてもらった
でもあんまり人に慣れてないのかすぐにどこかに行ってしまった。温泉街に猫というのもいいよね
橋を降りて左には蕎麦屋もあって、階段を登ってみると小さなお寺もあった
そしてここが露天風呂。石畳が終わってるところからさらに行くとすぐに到着する
さて、実は私はこの露天風呂に入ろうと思っていたのでしっかりバスタオルを持ってきていた。周りには誰もいないし、ここは日陰なので今はまだ涼しくて入るにはちょうどイイ感じ。なので早速服を脱ごうと思って服の置き場所を探すと、今まで気にしてなかったけど足元には蟻とヤスデがちょろちょろしているのに気づいてしまった。こんなところに服を置いたら蟻とヤスデが服に侵入して気持ち悪いことになりそうだ。というか蟻はまだいいんだけどヤスデはかなり嫌だ。。
なので少しでも虫たちが少ない場所を探したけどどこもそれなりにワラワラしてるので、こりゃイカンと入浴を諦めて足湯を楽しむだけに止めることにした。ここに入りに来るときは、何かカゴとか少しでも虫を回避できるものを持って来るのがよさそうだった。
ここで当ブログ初のパノラマ写真を一枚!周りはこんな感じになっているッ。
ここまで記事を書いて今更だけど、実はこの旅行の前にデジカメを新調していたので、ここまでの写真は全て新しいデジカメの写真となっていることを今更ながらお伝え申し上げます。以前からデジカメを新調したいと書いていたけど、それがやっと実現してからの初の旅行が今回なのだった。なのでまだ全然使いこなせてないんだけど、このパノラマ写真が撮れる新機能だけはおさえておいてよかった。これで旅の写真もよりわかりやすく伝えられるはずなので、今後もバシバシ使っていきたいと思います。
そんなこんなで足湯を楽しんだので宿に戻ろう。そろそろ朝食の時間だ
部屋に戻るともうすぐ朝食の時間で、ダラダラしていると今度は時間ちょうどに朝食を持ってきてくれた。その朝食とは
朝食は夕食とうってかわってテレビを見ながらのんびり食べる。やはり朝はローカル局の番組に限る。
それで朝食はというと、味の濃いもの薄いものがバランスよくあってもちろんどれも美味しい。下にあるじっくり漬けられた沢庵もご飯にあうし、大根おろしとシラスもあっさりしていてこれまたご飯に合う。朝食もまた全部大変美味しゅうございました。
朝食後は最後の温泉を存分に楽しみ、出発の支度を整える。今日は宿までそんなに遠くはないけど、朝からこの日差しだから熱中症には気をつけなければならないので、こっそり冷やしておいた水を水筒に入れて準備は万端整った。後は清算するだけだけど、いつもながら宿を出るときっていうのは後ろ髪を引かれる思いだった。
清算する前にベランダというか屋上に出る扉が気になっていたので行ってみた。ここも眺めがよくて気持ち良い
上流側。あの簡易的な橋が、多分心かわあかりでボールを流す場所だったんだろうな
清算しに帳場へ向かうと、女将さんがちょうどロビーにいたのでご挨拶。
私「どうもお世話になりました〜」
女将「どうもありがとうございました。今日も暑そうだね〜こりゃ」
私「今日は死ぬかもしれませんね」
女将「あはは!気をつけて行きなさい」
なんて会話をしながら清算終了。女将さんは今日もカラカラと笑っていて元気そうだ。
そんな女将さんと少しばかり話してみたところ、昨日の心かわあかりは川が少し増水していたので中止になったということを聞いた。う〜ん、普段の川の様子は知らないけどそんなに増水してるようには見えなかったけどな。でも女将さんが「すぐそこは川底が滑らかで安全だから子供もよく遊んでるよ」と言っていたので、本当はもっとゆったりとした流れの川なんだろうな。まぁまた夏に来ることがあったら次こそは見せてもらおう。
そうした雑談の後、しっかりお礼をして宿を後にする。日差しはさっきよりさらにキツくなっていて、油断してたら本当に熱中症になりかねない感じだ。私はしっかりワークマンで買ったアームカバーを装備してから、玄関前まで見送りに出てきてくれた女将さんに挨拶をして今日の宿に向けて出発した。
※ 今回泊まった高房ホテルさんは、ホテルというよりは旅館、下手したら規模の大きめな民宿といった感じだったけど、中の少し鄙びた雰囲気といいご主人夫婦といい、なかなか好みの宿でした。立地も良くて部屋からは川の音も聞こえるし、温泉の湯も新鮮で凄く気持ちがよくて、とても過ごしやすかったです(ちなみに虫は全然いませんでした)。ただ夕食は結構多いので、私のように残さずの誓いをたてている人は心して行かれるといいと思います。良い宿でした。
高房ホテル : 一泊二食付き 7650円
ぬぁぁーっネギさんが栃木に!しかも地元!
ってことで、写真もほぼほぼどこかわかります。
大丈夫でしたか?
地元民としては栃木の人ってぶっきらぼうな人が多いので心配です。
悪気は決してないのですが、人見知りというか、あと田舎だから口調がキツイ…
あと、あと、ぜひ食べていただきたかった川治のコロッケ!
めっちゃ美味しいんですよ!キャベツメンチ!
通ると絶対買います。もし、またお越しの際はぜひ!
川治は小さい頃よく温泉行ってました!
湯西は地元ながら無いのですよー、福島などに行く通過点でなかなか…
鬼怒川、川治、湯西川はちとさびれてますが、大型連休の時はやはり人が多い、観光地なんだなぁと思います。
https://yamap.com/activities/4177741
ネギさんが途中通った龍王峡を先日歩いた記録です。良かったら見てみてください。
次のお宿も楽しみにしてます!
>十六夜さん
どうも、コメントありがとうございます( ^ω^)
以前からのコメントで十六夜さんが栃木住まいなのは知っていましたがあそこらへんが地元なんですね。前に十六夜さんから教えてもらった温泉とかにも行きたかったんですがあまりの暑さと雨で結局行けませんでした。他にもいくつか行こうと考えていた場所に行けなくて残念な初日でした。
>栃木の人ってぶっきらぼうな人が多いので心配です。
全然大丈夫でしたよ。今回も今までも特に気分を害されたことはないです(笑)。でも口調がキツイっていうのはちょっとわかるかも
>川治のコロッケ
ああ、あれはやっぱり美味しいコロッケだったんですね、食べ歩きでもいいから買えばよかったです。。記事にも書きましたけど匂いががいかにも美味しそうでしたもの。次は必ず買います!しかしわかってはいるんですが、やはり旅行では気になったものはできる限り買うなり見るなりした方がいいですね。
>川治は 小さい頃よく温泉行ってました!
温泉街が地元にあるなんて本当に羨ましいことです。湯西川温泉は駅からも遠いし川治温泉とそんなに泉質も変わらなさそうだから地元の人はあえて行く必要もないって感じでしょうか。東京育ちの私としてはどこも良いところでした。
次にあそこらへんに行くとしたら加仁湯か八丁の湯に行く時になりそうです。
>龍王峡
記事見させてもらいました。ああいうところだったんですね、本当に行けなかったのが悔やまれますが、もしあの日晴れていたらそれはそれで行けなかったかもしれないと写真を見ながら思いました(笑)。
龍王峡はああいうハイキングコースがメインの観光地なんですか?川に降りられたりはするんでしょうか。気になります。
こんにちは!!
お返事ありがとうございます!
ネギさんの記事を見て、おもむろに暇だったお盆中湯西川の道の駅の温泉に入ってきました。
道の駅はたまに寄って野菜を買ったりするのですが、温泉に入ったことが無くて、川治の薬師の湯と迷ったのですが、
薬師の湯は今の綺麗になる前、むき出しの岩風呂に屋根があって、男女の境が竹を割って並べただけの仕切りしかないワイルドな温泉だったような気がします。
女湯も植木と竹垣のみの目隠しで正直向かいの旅館から見えていたと思います。
その時は私も子供で、父が休みな週末一時期毎週行ってました。
行く度に男女の仕切りの竹垣が壊れてるところと修復されてるところとあって・・・
ワイルドですよね、温泉の料金も、箱があってお気持ちを入れてとの案内でした。
川沿いの混浴はあれは昔から変わらないです。
そんな話をお盆中実家で話したら、なつかしいねぇと。
私は温泉の帰りに買ってもらうジュースが楽しみでした。マウンテンデューとかメローイエローとか。
話が逸れましたが、湯西川の道の駅の温泉もすごく良かったです。
ほんのり硫黄臭だけど体には残らない感じ、さっぱりキュッとするお湯でした。
>龍王峡
渓谷の景観を楽しんだりと、散策がメインでしょうか。一箇所川へ降りられる場所があったと思います。
ネギさんの写真で作り途中の道は杉並木の老朽化で保護するのに側道を作っている途中なんです。
ゆくゆくは杉並木は通れなくなるかも。
雪や台風なんかで倒木があり通行止めがしょっちゅうで・・・。
なんか地元だからかずらずら長く書いてしまってすみません。
次のお宿も楽しみにしてます。