2022夏休みの旅 4日目です。 1日目[ 前編 | 後編 ] 2日目 3日目
笛吹川を釣る 〜そして昼食へ〜
宿を出て釣り場に向かう前に、まずはウェーダーを履いてその他釣りに必要な装備を整えてからバイクに跨る。
日差しは既に強く、この後さらに暑くなることが予想されるので、涼しい格好でいざ川へと向かう。
今日は他にほとんど寄るところもなく釣りだけを楽しむ予定だから、それなりに釣れて欲しいぜ。
見たところ辺りに釣り人の姿は無し。今日は漁期の最終日だから結構人がいるかなと思ってたけど、今のところは平和そうだ。
ザーザー流れる川は水位も流れの速さも昨日と変わらず釣りやすそうだ。今年最後の釣りを堪能すべく、すぐさま川に入って竿を振った。
「さぁさぁ楽しい時間が始まりましたよ」と弾む気持ちで竿を振る。
川は冷たく日差しは暖か、こんな(私的に)グッドコンディションの中釣れなければウソだと思いながら川を遡っていくものの、しかしアタリは全然ない。
正確にはちょいちょい釣れるんだけど、どれも小さいものばかりで持ち帰りサイズは釣れない。
川の流れに逆行し、周囲の自然はみるみる姿を変えていくのに釣果はふるわないまま時間ばかりが過ぎていく。
なんかここには絶対いるだろっていう場所でも全く反応がないんだよね。
周りには誰もいないけど実は先行者がいるのか、それともこういう川なのか。朝にいいサイズが釣れたのは嬉しかったけど、さすがにもう一匹くらいは釣りたいな。
なんて思いながら遡っていき、写真は残っていないものの幸運にも食べごろサイズのヤマメを一匹追加し、笛吹の湯のあたりまで来たところで、もう昼食の時間になっていたので川からあがることにした。
この川は渓の表情が豊かで面白いんだけど、結局ここまで遡ってきて持ち帰りサイズの魚は釣れなかった。しかしまだ午後の部がある。とりあえずは体力回復だ!
ううむ、たっぷり釣りをした後の冷たい缶コーヒーは最高にウマイ。なんやかんやで結構汗をかいちゃったから尚更に。
さて、じゃあここからは昼休憩ということで昼食を食べに向かおう。
調べてみるとちょうどよくこの近くにラーメン屋があるのでもうそこで決定だ。あれこれ選ぶのも時間の無駄なのですぐさまバイクを走らせる。
昼食の時間と言ってももう13時をまわって14時近くなっていたのでやっているか心配だったけど、なんとかまだやってたみたい。
釣りの後のラーメンは冷たい缶コーヒーと同じく至福の一品となるのだ。
店内に入るとなんだか寡黙そうなご主人と、えらいにこやかな青年が「いらっしゃいませ〜」と迎えてくれた。お客は私一人だけだけど、カウンターを見るとさっきまで誰かいたっぽい形跡。
私は多少疲れもあったので、壁によっかかれそうな座敷に座ることにした。
ふうと一息ついた跡、油っ気が欲しかったのでとんこつ醤油のチャーシュー麺(800円)を注文。
するとご主人が私の格好から釣り人とわかったようで、「魚は釣れましたか?」と話しかけてくれた。
私「食べごろくらいのが2匹釣れましたよ」
ご主人「釣れたんなら良かった。笛吹川で?」
という感じで話をしていると、にこやか青年も話に加わって色々と教えてくれた。
お二人いわく食べるなら断然徳和川の魚が良いらしく、ご主人が言うには笛吹川とは水の綺麗さが違うとのこと。「徳和なら刺し身でいける」と言っていたけど、真偽はともかくそれほど水が良いことは間違いなさそう。
さらに最近は若い人たちがルアー釣りでやってくるけど、そういう人たちは釣れた魚を持って帰らないから魚影も濃いという。
そんな素敵な川にも関わらず、徳和川は道から釣りができる箇所があるようで、竿を出すにも簡単だという。実際ご主人と青年はそうして釣っているとのことだった。
店に渡し意外お客さんがいないもんだから、沢山喋ることができて色んなお役立ち情報を聞くことができた。
しかし一之橋館の女将さんも徳和川をおすすめしてたことを考えると、地元の人の間では徳和川の水質の良さは有名なんだろうな。笛吹川も十分澄んでいたけど、その比ではないような感じだ。
ここまでイイ情報を聞いてしまうともう徳和川にいかない理由はない。むしろ早く行きたくなってきた。まだ時間は多少余裕があるし、ラーメンを食べ終わったら徳和川へGOだ。
お役立ち情報を聞いた後は大きめなチャーシューが乗ったとんこつラーメンをいただく。
昨日はタテガミを気持ち悪くなるまで食べて脂分を補給したけども、やはりラーメンは塩気もプラスされてめちゃんこウマイ。
チャーシューも柔らかくジューシーで、スープも濃すぎないけど十分とんこつを味わえる。やっぱり旅の最中のラーメンは塩気+脂分+肉を一気に摂れるから最強だ。
地元民おすすめの徳和川へ
完食してご主人と青年にお礼を言うと、二人は「釣れたらいいですね」とにこやかに送ってくれた。
徳和川はほぼ店の目の前で笛吹川へと流れ込んでいるので、すぐに釣りに入ることができそうだ。早くいかねば!
ここからはカメラの調子が悪かったのでグーグルマップで。
右が今ラーメンを食べてきた中村屋さんで、徳和川は画面中央トンネル手前の、左手に折れる道沿い流れている。
道の先には徳和集落があるようで、そこまでの道のりはずっと川沿いを走るようになっている。確かに釣りはしやすそうだけど、今のところそんなに道から釣りが出来そうな感じはないかなぁ。
割と木々が鬱蒼としてる箇所が多いから、川に降りて竿を出さないと絡まりそうだ。
とりあえず川の全貌をつかもうと走っていくと、わりとすぐに集落に到着。
山の中の集落だからこじんまりしたあまり人気のないところから思いきや、見たところ大きめな駐車場やトイレもあったりして、ちょっと観光地化されてるような印象。
実際山登り風の人たちを何人か見かけたから、ここはどこぞの山へと登る入り口になってるんだろうな。一方釣り人は一人も見かけないけども。
なかなか雰囲気の良い集落を横目にさらに道を進んでいくと、木の標識には矢印とともに徳和渓谷と乾徳山という単語が書かれていた。
ここからさきは割と本格的に山へ入っていくような感じなので、今の私が釣りできそうなのは集落内くらいまでかな。でも集落内の川は結構深めに護岸工事がされていて川に降りることができなさそうだし、道から釣ることも厳しそうだ。何より一部工事してるし。
唯一釣りができそうな、微妙に私道っぽいところから竿を出してみるも特に反応はない(というか仕掛けを垂らせるポイントも限られてるけど)。
というわけで集落内は満足な釣りができそうにないと判断して、戻りながら川に降りられそうなところを探すことにした。
川は道沿いに流れているものの、高低差があったり大きな岩があったりして割と険しそうなところが多々あるから道から釣りをするのは正解なのかも。でもそれをやるには私が持っている竿よりももうちょっと長く、かつ提灯釣りっぽい仕掛けでやるのが良さそうだから今の私にはちょっと難しい。
幸い簡単に降りられそうなところがあったからここで釣りをしてみることにしよう。
ちょっと時間も押してきているから、今回は様子を見てみる程度の軽い釣りで終わることになりそうだけど、ここはまた来るべき価値がありそうだ。
というわけで川に降りて釣りを始めるも、上流側はすぐに険しくなっていて進めそうにない。
なので降りたところから時間をかけて丁寧に竿を振ってみるけれども、魚の反応は全くなし。まぁ時間も時間だからしょうがないかもしれないけど、あのご主人と青年の話で期待に胸を膨らませていただけにちょっと残念。その後多少釣り上がったり、逆に下ったりしたものの魚を釣ることは叶わなかった。
そうこうしているうちにもう時間は16時になろうかというところまできていたので、結局徳和川では何も釣れないまま竿を仕舞って宿へと向かうことにする。
ここでは坊主だったけど、新しい釣り場を知れたのは大きい。ここはまたいつか来ることになるでしょう。
寄り道しながら宿へ
さて、じゃあ休憩も終えたことだし宿へと向かおうか。
ここからは宿は結構近いから急ぐ必要もない。道中ふらふらしながらのんびり向かうことにしようじゃないの。
そうして山を下っていくと何やら直売所ののぼりが見えたので、何か良いものが売ってるかも知れないと道を逸れて直売所方面へ。
今日は釣りばっかして夜食をなんも買ってないから、ここでぶどうかなんかが買えたら最高だ。
売ってるものを見てみると、ピーマンやナス、ししとうやみょうがなど、新鮮そうな野菜たちがほとんど一皿100円で売っている。みょうがなんてスーパーで見かけるものよりも大きくてプリプリしてる。これはイイ直売所に出会った!
そんな感じで品を見てると後ろから「いらっしゃいませ〜」とおばちゃんがやってきた。
どうやらこの直売所を運営してるおばあちゃんのようで、向かいの家に住んでいるらしい。
私の近くまで来ると「暑いね〜、朝は寒いのに」ととても愛想の感じで話しかけてくれた。
私「そうですね〜、さっきまで釣りしてたんですけど結構汗かきましたよ」
おば「そりゃ大変だったねぇ。魚は釣れたの?」
なんて話しながら昨日一之橋館に泊まったことを言うと
おば「あーそうかい、あすこはあたしの親戚なんだよ。ご飯おいしかったろ?」
と驚きの一言が。ということは一之橋館で食べた野菜はこのおばちゃんが作った野菜だったりしたのだろうか。世の中どこで誰が繋がってるのかわからなもんだ。まぁここは同じ地域内だけども。
そうして話しているとぶどうの試食を勧められたので食べてみると、これがパツパツに張りがあって果汁たっぷりのマジウマ巨峰だった。いくらでも食べていいよと言うから4つくらい食べちゃったけど、これはいくらでも食べられるぜ。
なので巨峰はもう即買い決定。二つ欲しいけど入れる場所もないから1つに諦め、代わりにもう1つ、おばちゃんオススメのみょうが(大きいのが5個くらい入って100円)を買うことにした。
香ってみるとみょうがの独特で爽やかな香りが強く、味噌汁にでも入れたらさぞ美味しかろう。夜食に食べる冷えたぶどうも凄く楽しみだ。
おばちゃんによると自分のとこで消費しきれない野菜を売ってるらしく、ぶどうの販売はなんと今日までで、来年は6月ごろから直売所の営業を始めるそうだ。
これは偶然に凄くイイ直売所に出会えた。私はおばちゃんにお礼を言って、近くに来た時はまた寄るよと伝えてその場を後にしたのだった。
場所はこちら↑
気分良く颯爽と麓へ降りたところで、特に喉も乾いてないんだけどなんとなくデイリーヤマザキ(遊漁券もここで買った)でコーヒーブレイクすることに。
ここでは店員の優しいおばあちゃんがレジ向こうに座ってて、ちょっと都会では見かけない光景だから気に入っている。
缶コーヒーを買って外のベンチでのんびりしていると、目の前に駐車してあるクロネコヤマトの配達員さんが戻ってきて、その時私に「釣れましたか?」と声をかけてくれた。
やっぱりリュックに竿をさしてると釣り人からの声掛けがたまにあって嬉しい。今日は色んな人と会話する機会があって楽しいぜッ。
私「そんなに釣れませんでしたねぇ。お兄さんは釣りするんですか?」
兄ちゃん「前はよく釣りしてたんですけど、配達員になってからは忙しくて行けてないんですよ。笛吹川で釣ってたんですか?」
私「そうすね、笛吹川で何匹か釣って、その後徳和川に行ったんですけどそこではボウズでした」
配達員の兄ちゃんは配達中にもかかわらず、割とのんびりした感じで話している。
その後の話によると兄ちゃんは西沢渓谷奥のダムの手前にある沢でよく釣りをしてたらしく、そこへのアクセス方法なんかを詳しく教えてくれた。
どうやら普段は綺麗すぎるのか魚が全然いないらしいけども、雨の後は入れ食いで良い型のが釣れるんだとか。でも釣り場まで結構歩くようだから、かなり興味があるけども、多分私が行くことはない(なかなか行けない)であろう場所かな。
そんな話をしている兄ちゃんはなんだか楽しそうで、来年は釣りに行けたらいいなと言いながらトラックに乗って去っていった。色々大変そうな感じだったけど、爽やかな笑顔の兄ちゃん、話してくれてありがとう。
というわけで良い時間を過ごせたことだし、いよいよ今日の宿へ向かうべく原付きを走らせる。
場所はかなり近いので、昨日通らなかった小道なんかをふらふら走っていたらすぐに到着!
宿到着!
そう、今日泊まる宿は今回の旅の初日にもやってきた塩山温泉にある。
初日は宏池荘の公衆浴場に入りに来たけど、今日泊まる宿は
初日の記事でも歩いたけど、宏池荘の広めの駐車場からは横に小道が延びていて、その途中にあるのがこの温泉旅館大和だ。
実は昨日予約の電話をして断られたというのは、同じ塩山温泉にある井筒屋旅館というこの宿のほぼ道路向かいにある宿なんだけど、この大和旅館もネット上にあまり詳しい情報がなくて気になっていたので楽しみだ。
とりあえず原付きは屋根があるとこのはじっこに駐めて、すぐに宿へと向かう。
玄関を入るとすぐ右にフロントがあって、既におばちゃん(女将さん?)が座っていた。初めからフロントに誰かいるのは(私の経験としては)珍しい。早速「こんにちは〜」と声をかけた。
女将「いらっしゃいませ〜、今日は暑いですねぇ」
私「いや本当に暑いですね〜。そんな中今日ずっと釣りしてましたよ」
女将「あら〜それはお疲れ様です。よく釣れましたか?」
なんて着いて早々にちょっとした雑談。女将さんは凄く愛想が良くにこやかで安心できる人だ。
そこで宿帳をささっと書き、部屋の場所まで案内してもらう。館内は静かで、多分今日泊まる人もいなさそうな感じ。でもロビーではテレビが点いていて、なんだかいつもとちょっと違って楽しい雰囲気だ。
今日は素泊まりでの宿泊なので、女将さんの説明も少なめ。部屋に案内してもらうと、「お風呂はちょっと狭いですけどゆっくりして下さい」と笑顔で去っていった。
部屋にある備品たちに程よい昭和感があってとてもイイ。
部屋も広くきれいで、ブラシやおしぼりなど普段の旅ではあまり見ないグッズもあって宿の親切さを感じる。
布団がすでに敷いてあるのも嬉しい。だって到着早々寝転がって腰を伸ばす時が最高に気持ちいいのだから。
というわけで早速バフンと布団に飛び込み「う〜ん」とうなりながら思いっきり腰を伸ばす。
さすがにずっと釣りをしていたから疲れていたようだ。この時の気持ちよさ加減で身体の疲れ具合がだいたい分かる。
この状態のまま寝ることができたら最高だけど、今日は素泊まりなもんだからこれからやらなきゃいけないことがある。まず明日の朝食を買いに行って、そのついでに風呂上がりのコーヒーなども調達。そして程好きころに夕食を食べに行く。
この宿の食事を楽しめないのは残念だけど、どこかに食べに行くというのも個人的に新鮮だから楽しみだ。素泊まりで泊まるのなんて、今はなき秩父の千鹿谷鉱泉以来かしら。今日何を食べるかは・・・後で落ち着いた頃に考えよう。
大和の湯
旅初日以来の塩山温泉の湯。女将さんは風呂場は狭いと言っていたけどどれほどのもんだろうか。
いろいろと期待を抱きつついざ浴室へ!
脱衣所にカゴが4つあったけどこれは確実に4人は入れない広さだ。宿の規模的に考えても結構ひかえめなサイズ感の浴室。しかし、今ここを利用してるのは私一人!貸切状態だからこそこのコンパクトさが逆に私専用っぽくて贅沢な感じもするッ。
しかし初日に入った宏池荘は水風呂もあったからこの大和旅館も冷温浴ができると思っていたけど、それは叶わなかったようだ。あれは気持ちよかったから、明日の朝はまた宏池荘に行くのもありかもしれない。
でもとりあえず今は目の前の温泉に全力投球だ。さっさと身体を洗って、扇形のこじんまりとした浴槽にたまった澄んだ湯を目指し足を伸ばす。
湯温は・・・、入れないほどじゃないけど割と熱めだ。すぐにのぼせる私では、このまま入ったら5分ともたないかもしれない。でも初っ端から薄めるのももったいないのでそのまま「ぐぅ〜」と多少力みながら首まで浸かった。これは・・・イイ!
でも宿の人が来たっていい。だってこんなに気持良いんだもの。
川がすぐそばを流れてるせいか風の入りも良いし、湯が熱めなおかげで一気に力と疲れが抜けた感じで気持ち良いし、浴室はコンパクトだけどかなり快適でございます!
あとちなみに温泉は夜は21時半まで、朝は6時から入れるらしいから、またあとでゆっくり入ることにしよう。
いやぁ非常に良い湯でした。
そしてこうして暮れ始めた町並みを眺めるのもまたしみじみとして素晴らしい。
でもこうしてはいられない。早いとこ明日の朝食を買いに行かないと店が閉まるか品がなくなっちゃうかもしれない。
朝食はここから近くのパン屋に買いに行くと風呂前に決めたので、さっぱりツルっとしたら身体に汗を吸った服を着てすぐにパン屋へと向かう!
買い出しから夕食へ
店内に入るとお客さんはおらず、パンも残り少なっている状態。
こういう時に買いたい物がなくて退店するのは非常に気がひけるけど、残ってるパンを見て回るとなかなかに好みなやつが残っていたので、きなこ揚げパンと安くなっていたあんずパンを購入。
これで明日の朝食の心配はなくなった!
なんてことはないんだけど、宿についた後に食料を求めて外に出るのはなんか楽しいな。いつものように散歩に出かけるのとは目的が違うからだろか。それにしてもパンも飲み物も無事買えたし良かった。
じゃあここからは夕食の店探しだ。
どうやらこの宿のすぐ近くに何店か居酒屋があるみたいだからそこにふらっと食べに行くのも良い。
でも他に面白い店があるかもしれないと調べていると、ここからちょっと離れたところに大盛りで有名だという店があるのを発見した。
離れていると言っても原付きでほんのちょっと走るくらいだ。この大盛りの店で一気に肉分を摂取するのは悪くない考えだ。しかもかつて大盛りで有名な店なんて行ったことがないから、自分がどこまで食べられるのか興味がある。
よし、夕食はここに決めた!今日はがっつりいく!
宿からちょっと離れてるのはわかってたけど、こういうところはちょっとでも市街地から離れるとすぐに暗く寂しい景色になるのね。さっきまでは街灯やら建物があって明るかったけど、辺りは一気に闇に飲まれようとしている感じ。
写真で見ると薄暗いような感じだけど実際はもっと暗く、最初は「本当にやってるのか?」と思うくらいだった。でも看板も店内も明かりがついている。ならばOKなはずとスタスタと店内に入った。
店内はなにかの賞状やらメニューやらがいたるところに貼られている。いかにも食堂という店内はそんなに広くない感じだ。
周りを見てみるとお客はまだいないようで、代わりにお店のおばあちゃんが椅子に座ってテレビを眺めている。私の姿を見た小さい女の子(おそらくご主人の娘さん)が「お客さん来たからおばあちゃんどかないとだめだよ〜」とリラックスしているおばあちゃんに注意していて、予想外に和やかな雰囲気に思わず笑顔がもれてしまった。
「いや、お気になさらず〜」なんて言っているとご主人が出てきて「いやすいませんね、お好きな席にどうぞ」と促してくれたので、なんとなく邪魔にならないように座敷の奥の席に座った。
色んなメニューがあるけど全部普通・大盛り・特盛・ヤバ盛りの4種類から量を選べるのか。
しかしヤバ盛りでも2000円を超えるメニューはほとんどないんだね。これは良心的!
そんなメニューをざっと見てすぐに牛ホルモン定食に決めた・・・のはいいけど問題は量だ。考えるまでもなくヤバ盛りは無理だけど、大盛りの店に来て普通盛りを頼むのもつまらない。
迷っていると女将さんが来たので「大盛りって結構量あります?」と聞いてみると「そうですねぇ、それなりにあると思いますけど」とのお返事。曖昧な返事だけど、そりゃこのくらいですと具体的には言えないよな。
つまらないことを聞いてしまったと反省しつつ、自分は食えると信じて大盛りを注文した。
待っていると一組二組とお客が入ってきて店内は一気に賑やかになった。常連さんもいるみたいだけど、初めて来るって人も多少はいるっぽい。隣に座った4人組は、渓流釣りの話で盛り上がっている。
そうこうしていると女将さんが私の夕食を持ってきてくれた。一体どれほどの量なんだろか。期待と不安でワクワクするっ。
こりゃ友達と来てたら絶対笑ってただろうな。キャベツの千切りは塔のようにそびえ立ってるし、その足元に湖のように広がる牛ホルモン炒めは皿からはみ出さんばかりに盛り付けられている。
私は食事の回数は多めだけど一回の食事で食べる量は月並みだ。こりゃとんでもないことをしてしまったのかもしれない。
覚悟を決めてホルモンを食べてみると、大盛りで有名な店であっても味をおろそかにしているわけではないことがわかる。たまねぎと共にしっかり甘めのタレが絡んだ、非常に良い味のホルモン炒め。これはご飯がすすむッ。脂分も多いからさっぱりとしたお新香やスープがありがたい。
キャベツの塔を崩しながらもホルモン炒めに集中して餓鬼のごとく貪ることしばし、ホルモン炒めを3分の2ほど食べ終えたあたりから一気に腹がきつくなってきた。座敷であぐらをかいて、ちょっと前のめりになりながら食べるのもつらくなってきた。隣の楽しそうな釣り談義も遠くに響くBGMのように聞こえる。
しかし外食では可能な限り残さないことを信条としてる私としては、ここで音を上げるわけにはいかない。ここで再び覚悟を決め、悲鳴を上げる胃の叫びを無視して食べ続けてなんとか無理やり完食したのだった。
食べ終えた時には汗をかきまくりで腹もかなりキツかったけど、なるべく平静を装って店を出る。こりゃ今これだけ腹がふくれてたら、この後は更にヤバい自体が待ち受けてるだろうな。。しかし、私は完食した!とても美味しかったですごちそうさま!
痛みに耐えて就寝 〜そして出発へ〜
風を浴びて汗は完全にひいたものの、部屋に戻ると予想通り腹がさらに痛くなってきた。満腹度でいうと腹15分目くらいだろうか。かつて宿の食事で無理をしたことはあったけど、ここまでになったことはない。今日は限界を超えてしまったらしい。
さらにしばらくするといっぱいになった胃で圧迫されたのか心臓まで痛くなってくる始末。息を吸うたびに心臓が「痛い!」と言っているような気がする。まったく無理はするもんじゃないぜ。。こりゃ夜食は絶対に食えないな。。
そんな中でもしっかり温泉は入り、やるべきことをやるものの、一向に腹の調子はおさまらないので本日は早めに床につくことにしよう。心臓まで痛いのはちょっと怖い。寝ることで回復することを祈る。おやすみなさい!
今日の朝もまた快晴。窓の向こうからはやわらかな朝日と涼しげな川の音が入り込んでくる。
そんな爽やかな朝、問題の私の腹の具合は昨日と比べて大分へこんで苦しさはすっかりなくなっている。ただ心臓の痛みは消えておらず、息をすると少しズキンと痛むという状態はそのまんまだ。
まぁめちゃくちゃ痛いわけではないからいいけど、旅の間はこういうちょっとした気を散らすような要因でも旅の楽しさが変わってきてしまうから、この後痛みが消えることをただひたすら祈るのみだ。
それ以外は体調は悪くない。よし、早速温泉だ!
朝の湯は昨日最初に入った時と同じく熱い。
けど朝のだれきった頭と身体をシャキっとさせるにはこのくらいがむしろ適温ッ。
朝の日差しも浴室全体を照らすわけでなく、適度に薄暗くて最高だ。熱い湯に肌がピリピリと張りつめていくのを感じながら、モウモウと昇る湯気を朝日が優しく照らしてキラキラと輝いている。なんちゅう幸せな時間だ。。でも熱いのは苦手なんで、結局15分もたたずに上がることになってしまった。
この後はいつもどおりチェックアウトの時間までだらだら過ごすか。
朝食がないのはこれまた残念だけど、その分時間に余裕ができているので二度寝するのもイイ。
でもまずは朝食だ。心臓は痛いけど、お腹はもう朝食を求めている。
うん、揚げパン美味しいな。なんてったって揚げパンは私の好物だから、こうして朝に食べられるのは幸福でしかない。
あんずパンも甘くてフルーティで朝に丁度いい。あのパン屋さんで買って正解だ。
パンも甘いやつだったのにさらに甘いデザートまでいただく血糖値急上昇の朝食。でもたまにはこんなのもイイ!
巨峰はあのおばちゃんが自慢してたとおり果汁たっぷりの肉厚で非常にウマい。この巨峰もシャインマスカットも、こんなウマいものが安く手に入る山梨は本当に羨ましいぜ。この甘みを流し込む温かいお茶もまた素晴らしい。今日も元気に移動できそうだっ。
食後はテレビのBGMをバックに今日のルートを確認する。
実は本来なら今日で度は旅は終わる予定だったんだけれども、昨日原付きで宿に向かう途中「これで帰るのはなんか物足りないなぁ」なんて考えていたら、ハッと前から泊まりたいと思っていた宿があったことに気づいたので、昨日急遽宿の予約をしたのだった。
人気がある宿なので楽天トラベルで見てみたら満室になっていたものの、とりあえず電話してみたら「狭いお部屋でしたら一部屋空いておりますけど」とのことだったので無事予約に成功したのだった。
その宿はちょうど帰り道の途中にあるので都合が良い。今日は我が家へと近づきつつ、この旅最後の宿泊というわけだ。
誰もいないフロントに声をかけると、すぐに奥から女将さんが顔を出した。
精算しつつ昨日のように雑談を交わすと、これから私が行こうとしている場所のルートを調べてくれたり、ちょっとした情報を教えてくれたりして相変わらず親切な女将さんだ。
「お気をつけていってらっしゃいませ〜」と笑顔で送ってくれた女将さんを背に宿を出ると外は昨日と同じく温かい陽気。きっとまたこれから暑くなっていくことだろう。
今日は眺めが良いところを通るからこのままずっと晴れていることを祈る!
そして結局宏池荘の公衆浴場は行かなかったので、これはまたの機会に再訪するぞ!
※ 今回泊まった旅館大和は食事付きだと2~3日前に予約しないといけないということで今回は素泊まりだったものの、館内は良い感じにレトロかつ清潔で、女将さんの人柄も良くて凄く居心地が良い宿でした。
部屋ももちろん綺麗で、耳心地の良い程度に川の音が聞こえてくるのも嬉しいポイント。
川沿いということで虫も多いんじゃないかと思っていたけど、夜は小さな羽虫がちょっと現れたくらいだし、虫よけベープもあったので全く問題なし。
私のように素泊まりする場合でも、歩いていける範囲に居酒屋はあるし、さらにもうちょっと行けばコンビニやスーパーなんかもあるので利便性は悪くないです。
なかなかゆっくりできて良い宿なので、近くに行った際はぜひ選択肢の1つとして考えてみてください。
塩山温泉 旅館大和 : 一泊素泊まり 5,650円
釣りはなんだか残念でしたねー。でもまたまた素敵な宿見つけましたね!ネギさんが素泊まりなのレアですね。扇型のお風呂好きです。小さい方が落ち着くしお湯が新鮮だから良いですよね。まだもう一泊するんですね。楽しみです。
実は、長生館と温泉民宿山の宿を予約しました。来月行ってきます。ネギさんルートですね^_^
近くの佐野川温泉や、十枚荘温泉、静岡の平山温泉などまわりたいと思ってます。楽しみです!
まいらーさんこんばんは( ^ω^)
>釣りはなんだか残念でしたねー
釣りは駄目でしたがラーメン屋の店員さんや配達員さんに良い情報を聞かせてもらえたんで救われました(笑)
徳和川はまた行きたいですね。民宿もあるみたいですし。
本当は釣った魚を塩山温泉の湯治宿で焼いて食べようと思ってたんですが、大和さんも良い宿で良かったです。
あんなに小さな浴槽は久しぶりでしたが、狭いっていうのもそれはそれで良いものですよね。扇形の浴槽、私も好きです。
どんな食事が出るのか紹介できないのは残念でしたが、なんだか美味しそうな食事がでてきそうな感じなので、もし行くことがあったら代わりに食べてきてほしいです(笑
>実は、長生館と温泉民宿山の宿を予約しました
おお、本当に私と同じルートですね、なんか嬉しいです( ^ω^)
長生館から山の宿はかなり近いので、近場を十分観光できて良いと思います。
ちなみに長生館のある集落内に製麺所があるんですが、美味しいのでかなりおすすめです。記事では書いてませんが私も買って帰りました。
>近くの佐野川温泉や、十枚荘温泉、静岡の平山温泉などまわりたいと思ってます
そこらへん、計画を練っていた当初は回るつもりだったんですがどの宿も予約がいっぱいで駄目でした。。温泉宿でも普通の民宿でも、結構良さそうな宿が多いんですよね。
もしかしたらもう知ってるかもしれませんが、佐野川温泉近くにあるそば宿福いちという宿にかなり良さげな風呂があります。ここもまた私のときは予約が取れませんでした。
日帰りで入れるかはわかりませんが、よかったらそこも回るルートに入れてみてください。そして目一杯楽しんできてくださいッ。
平山温泉は最高ですよ♨
それでは、次の記事は只今執筆中なのでもうしばらくお待ち下さい。多分5月中にはUPできると思います〜。
ネギさん、こんにちは。
来週なんでいろいろルート調べ中なんですが、十枚荘は日帰りやっでませんでした。大滝温泉の文勝館も日帰り不可で。もう全部泊まるしかないなー(^^;)
そば宿ふくいち知らなかったです。もう宿は決めてしまっているので、食事と日帰り入浴で聞いてみたものの、撃沈でした。
ネギさんの前のブログで見た下部温泉のせせらぎ荘も見たら閉業でした。泣
コロナもあって、閉業や日帰り不可増えましたね。本当に悲しい。
続編楽しみにしてます。5月もあと2日ですよ。笑
まいらーさんこんばんは( ^ω^)
結局5月中にアップできませんでした、すいません(笑
でも4分の3は書けてるのでもう少しですっ。
まだまだ宿での日帰り入浴は厳しいんですねぇ。そう考えると長生館は日帰りのカップルかなんかがいたんでゆるかったんですね。
そば宿ふくいちも残念でしたが、ここはそのうち確実に行くので記事をお待ち下さい(笑
せせらぎ荘は割と前から閉業しちゃってましたね。私が泊まったのもギリギリだったのかもしれません。女将さんの料理が凄く美味しかったんですが。
文勝館は私も泊まろうと思っていたんですが駄目だったので長生館にした経緯があります。
日帰りはコロナのために不可なのかもしれませんが、あそこは工事の人たちが泊まる宿になってるみたいで泊まるのも厳しそうでした。
私も忙しくてなかなか旅行にいけていませんが(でも釣りには行ってますが)、今年の夏こそ真夏に旅ができるように頑張りたいと思ってます。
久々に祭りを堪能できる旅がしたいですね。夏が待ち遠しいです。
まいらーさんは今頃旅行中でしょうか。なるべく雨が降らないことを祈ってます。