[山梨] 山の斜面に立つ眺望良し居心地良しの民宿 由香里荘 [丹波山村]

山梨

8月の7・8日に奥多摩の更に奥にある丹波山村へ行ってきました。

夏と祭りが大好きな私は、毎年7月の終わりに催されている夏まつり丹波という祭りに行きたかったのですが予定があわず、一週間ほど遅れて行ってきました。丹波山村自体は以前から釣り目的で行きたいと思っていて、今回は当然釣り旅行です。

当日は朝7時に家を出て、思っていたより早い10時過ぎには奥多摩に着いていました。この日泊まる予定の由香里荘さんに予約の電話をした時にチェックインの時間を聞いたところ「いつ来てもいいよ」と言われていたのですが、あまりに早く着いてもしょうがないので少し奥多摩でぶらぶらしました。

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奥多摩駅

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提灯がずらり。13日あたりに祭りがあるようです

日曜なので登山者やキャンプ、バーベキュー目的で来ている人がそこそこで、これから帰ろうという若者達もちらほら。とりあえず川に行きたかったので奥氷川神社から坂をくだって川に降りました。

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川の様子

カンカン照りの中バーベキューの準備をしている人やなんらかのイベントでやってきた大勢の子供達、さらにはカヌーに乗る人達や鮎釣り師など色々な目的で河原に人が集まっています。しかし鮎釣り師の人は全然釣れている様子はありません。というか魚は全然いませんでした。

私はとりあえず川を横断して対岸でしばし夏を満喫した後あたりの散策に出かけましたが、もう何度も来ているので特に散策するところもなく駅前の店で釣りエサを購入し奥多摩湖へ向かいました。
道中特に混んでることもなく11時半くらいには奥多摩湖に到着。とりあえず事前に調べておいたのんきやというお店で昼食をとることにしました。

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店内の様子

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眺望は抜群

駐車場には一台も車やバイクはなく、私が一番乗りかと思ったのですが店内には既に一人のバイク乗りのおじさんが。ともあれ席は空いているので窓際の席に座らせてもらいましたがとにかく眺めが良いです。のんびり飯を食うには最高です。

とりあえずメニューを見ると色々あるのですが、一番基本的かと思われる手打ち中華そば(醤油)を注文。待ってる間に子連れの客や一人客などちょろちょろ入ってきたのですが大した時間もかからずにラーメンが運ばれてきました。

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手打ち中華そば

なんだかなんとも言えない独特な野性的な匂い(?)が香っていますが、個人的に中々好きな匂い。まずは汁を飲んで見ると「お、うまいっ」と思ったのですが食べ進んでいくとそれもすぐに飽きて普通な感じになっていきました。匂いからして結構濃いのかと思ったのですがそうでもなく、むしろチャーシューや麺自体に濃い味を感じます。まぁしかし食べ終わってみると「次はないかな」という感じで、私には少しあいませんでした。決してまずいわけではないのですが、特に二度目に繋がるような魅力は感じられませんでした。

店からでるとさらにバイク乗り二人が駐車している最中で、これからどんどん混んできそうな時間の前に店に入れてラッキーでした。
時間はまだ早いですが特にすることもないのでゆっくり丹波山村へ向かいます。

奥多摩湖の端っこをすぎたらもう丹波山村に入り「あれ、こんなに近いのか」とあっけなく思いましたが、そこからさらにしばらく行くと目的地に到着しました。道中あまり車に出会わなかったのですが、やはり皆奥多摩あたりで行楽を楽しむので丹波山村までは中々行く人もいないのでしょう。
まぁともあれ丹波山村にある道の駅丹波に到着しました。

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道の駅

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その横にある軽食屋

道中車をあまり見なかったにもかかわらず、道の駅の駐車場には結構な数の車とバイクがありました。皆おそらく丹波山村名物の「のめこい湯」目当ての人が多いのでしょう。加えて山も川も綺麗なところなのでツーリングにはぴったりですね。
私はのめこい湯に入るのは夕方にしようと思っていたので、まずは道の駅内を見てからあたりを散策することにしました。道の駅は農産物直売所も兼ねているので楽しみにしていたのですが、店内は案外狭くて地物の野菜もあんまり置いていなかったのが残念なところ。しかし今話題沸騰らしい鹿肉ソーセージなるものを発見したので帰りに買うことに決めました。

道の駅の裏手側のドアから外にでると、川をはさんでのめこい湯の建物があります。温泉には入りませんがまだまだ時間はたっぷりあるので橋を渡って行ってみることに。河原ではシートを敷いてのんびりしている人達や川遊びをする子連れの家族などが思い思いにひと時を過ごしていました。

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のめこい湯への橋

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橋からのめこい湯側

橋は立派ですが一度に複数人で渡ると割と上下に揺れて楽しいです。その橋の下には綺麗な川が流れていて良い環境。わざわざ橋を渡って温泉に行くというのも面白くて好きです。

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のめこい湯の横の河原より

のめこい湯の建物の脇をぐるっと周るように道があってその奥に駐車場があったので、直接のめこい湯まで車で来られるルートがあるようです。駐車場は広くないですが。
その後脇を流れる川で一休憩した後、原付に乗って村内を探検しに行きました。
道の駅から少し行くと村役場前の丁字路があるのでそこを曲がって村役場方面へ。

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曲がってすぐの橋から

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一個前の写真の右側に写っている丹波ヒュッテという宿

橋を渡ったらすぐ左にかなり気になる建物を発見。看板には「丹波ヒュッテ」と書いてあるので登山者達のための宿泊所の様ですが、もう営業していない感じです。このたたずまい、個人的にはかなり味があって好きなのでもう営業していないというのは非常に残念です。是非泊まってみたかった。
ちなみにこの丹波ヒュッテの道路向かいにお富さんという宿があるのですが、窓を全開にして道路に面した部屋で爆睡している宿のおばちゃんがいて最高でした。良い光景です。

村役場をちょっとすぎたところで道が分かれているのでとりあえず左折。どうやらグラウンドがあるようなのでそちらに行ってみました。

グラウンド方面に行ってみると開けた河原があり、やはりバーベキューなどをしている人達が。しかしそこまで混んでいるわけでもなく、のびのび楽しめそうです。

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そこらにかかっていた橋から

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その橋を渡ったところ

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河原

斜面に家を建てているだけあって中々面白い建物が結構あります。こういうところに住んでみたい。そんな建物に惹かれて橋を渡ってみましたがどうも原付では厳しそうなので引き返しました。
そこからさらにグラウンドを過ぎて行くと急坂があり、さらに非常にスピードの遅い軽トラが登っていくところだったのでひとまず引き返して、さっきの道の分かれ目をまっすぐ行ってみました。

しばらく行くと道が二股にわかれていて、小さく「←のめこい湯」とあったのでここから直接のめこい湯の駐車場に行けるようです。私は右の道を進みました。そこからまた少し行くと東キャンプ場があり、少しだけ場内を覗いてみたらここは民宿もやっているようで少し興味をそそられましたがそこはまたの機会に利用することにして、この東キャンプ場に続く道の手前を左折できたのでそっちへ行ってみました。

この道は完全にここらへんの住民用の細い道だったのですが、道の先に小さな橋がかかっていました。そこにあった看板には「この先は農道のため行き止まり云々」と書いてあったのですがとりあえず進んでみるとやっぱり行き止まりで、しかし道はないもののなんとなくそこから斜面を下って川に降りられそうだったので降りてみることにしました。

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降りてすぐのところ

どうやら対岸にあるのは甲武キャンプ場というところだったのですが、川を渡って近くに行ってみると管理人らしき無愛想なおじいさん以外人気はない感じ。しかし河原を歩いているとキャンプ場に続く階段からお兄さん数人が降りてきたので利用者はいるみたいでした。
川からは吊り橋が見えたので、吊り橋好きの私としては渡ってみたい衝動に駆られたので、恐らくキャンプ場内から行けるとアタリをつけて利用者でもないのに場内へ。途中さっきのおじいさんとは違う管理人のおじさんと目があって「ここから吊り橋には行けますか?」と聞くと「ああ、そこから行けますよ」と笑顔で快く教えてくれたので行ってみました。

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場内

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吊り橋

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良いところです

吊り橋はあまり揺れることもなかったのですが眺めは良かったです。橋の先の道からは山の上に続いていて何もなさそうだったので、管理人のおじさんに再びお礼を言って引き返しました。

その後原付で役場前の丁字路まで戻って左折し、この日の宿の前まで来たのですがとりあえずまだ宿には行かないで宿の脇の道を下って再び川に出て丹波山村営釣り場まで行きました。
釣り場にある休憩所やその周辺では人もそれなりにいて、釣りや川遊びなどを楽しんでいましたが、それでも混んでるという程ではなく過ごしやすそうでした。商店が充実しているとは言えませんが、やはり奥多摩よりもごみごみしていなくて楽しく過ごせそう。空も大きく開けていて気持ちいいです。

私はその村営釣り場脇から行ける滝を見に行きました。小さなせせらぎが狭い歩道を流れていて良い感じです。

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滝への道

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苔むした水車

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途中滝を見に行っていたであろう子供達と保護者の集団と挨拶をしつつすれ違い、先に進んで行くとあっけなく滝が現れました。思ったよりもすぐ着いてしまいました。

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展望台から

写真では小さく見えますがそれなりに高さのある滝で、近くには展望台もあり、登ってしばし滝を見て過ごしました。本流からこんな近いところに誰でも簡単に来られる滝があるのは良いですね。子供達も楽しそうだったし。

滝見物から戻ったあとはとりあえず村営釣り場に行く時に通った橋を渡ってそこに原付を止め、釣りの下見(釣りは翌日の朝からする予定)のために川を少し遡上することにしました。しかし喉が渇いていたので近くの自販機でマウンテンデューを買い休憩です。

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橋の下から村営釣り場方面

河原の石の上に座ってぼーっと辺りを眺めていましたが、つくづく良いところだと思いました。綺麗な川に高い空、そして山々に囲まれのんびりとした村の雰囲気は疲れを癒すにはうってつけで、何より観光客が多すぎないところが良い。皆もそんな空気を楽しんでいるように見えました。学童か児童館だかのイベントで訪れている沢山の子供達もいましたが、それも夏の1日には良く似合う光景でした。

そんなことを考えながら休憩を終えた後、川の遡上を開始しました。中々良さそうなポイントがちょくちょくあり、しばらく行くといかにも魚がいそうな淵があったのですが、そのすぐ近くに有る奥秋キャンプ場に来ているらしき二人の兄さんらが飛び込んだりしていたので「場合よっては釣りにならないかもな」と少し残念に思いながらもう少し川を遡ってから引き返し、ある程度の下見は済んだのでいよいよ宿に向かうことにしました。

この日宿泊予定の宿は村営釣り場の川向かいにあるのですぐに到着しました。この宿も斜面に建っているので造りが面白く、少しワクワクです。駐車場がちゃんとあるので原付をとめてすぐに向かいました。

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駐車場からの風景。目の前にあるのは中学校です

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この赤い屋根の建物が宿。道に埋まってるような感じです

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看板

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到着です!

まだ時間は2時30分くらいでしたが本日の宿、由香里荘に到着です。ドアは開け放たれていて、一声かけると女将さんが奥から出てきてくれました。どうやら女将さんは中国の方らしく、少し片言ですが会話をする上で特に問題はありません。それよりもニコニコとしていてとても感じの良い人でした。二・三会話を交わした後「じゃあ部屋は一番奥の部屋だからどうぞ。あ、冷たい麦茶用意するね」とキッチンに入っていったのでとりあえず奥の部屋目指して廊下を渡りました。

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玄関から。正面がご夫婦の部屋(リビング)で右がキッチン、左には廊下が伸びていて客室があります。

廊下を行くとつきあたりにドアがあってその横にトイレ、そしてその手前に襖が開け放たれた二間続きの部屋があったので「ここが客室か、大きい部屋を用意してくれたんだなぁ」と思って外を眺めていたら、女将さんが麦茶を持って現れ「こっちのお部屋だよ」と突き当たりのドアを開けてくれました。どうやら部屋を間違えてしまったようです。
促されるまま中に入るとこれが中々良いお部屋。眺めも広さも十分です。

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部屋の様子。なんか薄暗く写ってますが実際は結構明るかったです。

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部屋の逆側から

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テレビは100円式です

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ベランダからの眺め

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眺め2

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麦茶

もうこの時点でテンションは結構あがってしまいました。眺めが良い畳の部屋、蝉の鳴き声に扇風機、そして冷たい麦茶に川の音。これぞ(私が思う)夏といったものが十分に揃っていて、既に宿に対しての満足度が急上昇していました。女将さんに「いやぁ良いお部屋ですね」と言ったら嬉しそうに笑っていてそこから少し雑談。
とりあえず夕食後に温泉に行くことを伝えると「食事の時間は7時くらいにしてその前に温泉に入ってきて後はゆっくりするといい」と言われたのでそうすることに。朝は早くに釣りに行くことを伝えると「お弁当もできるよ」ということだったので少し悩んでいたら「ゆっくり考えるといいよ」と笑っていたので後で朝食をどうするか伝えることにしました。

その後女将さんが部屋を後にしてからは自由時間。まだ四時にもなっていないので扇風機にあたりながら寝そべってゆっくりしました。なんという素晴らしい夏の1日。そんな風に思いました。

しばらくしてからアメニティチェック。布団のシーツやら枕カバーはあるのですがタオルや浴衣、歯ブラシが見当たらない。「安いからしょうがないか」と思っていたら後で女将さんが浴衣とタオルを持ってきてくれました。歯ブラシは言ったらくれました。

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なんとなく部屋を撮影。外は曇って見えますが青空です

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部屋にある注意書き

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浴衣とタオル。浴衣に宿名入りなのが良い

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部屋を出てすぐ左のトイレ

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ドアの内側に貼ってあった紙。ためになります

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私が泊まった部屋の前。左に洗面所、そして右は

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私が最初間違えた部屋

と、少しだけ写真を撮った後は再び部屋に戻って休み、ちょうど4時くらいになったら温泉に向かうため宿をでました。歩いて村内を散策しつつ行こうと思ったので早めの出発です。宿をでる時に女将さんがのめこい湯の割引券をくれて(割引料金分で購入という形)、それを持っていざ温泉へ。

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駐車場からの風景

とりあえず、事前の情報収集で村内に美味しい湧き水があるということだったのでそこに行ってみます。青梅街道沿いに目立つようにあるのですが、原付で通った時には全く気が付きませんでした。

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湧き水

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水は結構勢いよくでていて使いやすそう。実際住民の方たちが色んな形で利用しているようです。すぐさま持ってきていた水筒に汲んで飲んでみるとこれがなかなかうまい。温度はほどほどに冷たいくらいですがなんだか美味しく感じます。正直水の味なんてよくわかりませんが、でもとにかく美味しく感じました。
その後路地裏を散策。

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奥の街灯に丹波山村のマスコット、タバスキーが見える

路地裏をあるいていると「かめや荘」という宿があって中々気になったのですが周りに住民の方がいて、なんだか気まずかったので写真は撮影できず。しかしこの宿はもう営業していない様子。実に惜しい。
そのかめや荘に至る道の途中には「かどや旅館」があり、そこを抜けて青梅街道を歩いていると小学校がありました。

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小学校

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通学路

少し坂を登ると小学校に到着。その坂も中々に眺めがよく、こんな風景を見ながら登校できるのは本当に羨ましいと思いました。これなら校舎から見える景色もいわずもがなでしょう。子供達にとって良い環境です。それにしても山村にあるにしては中々立派な校舎ですね。
その後再び青梅街道へ。役場前の丁字路の手前にバス停があったので撮影。

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ちょっとした洞窟みたいなバス停。その奥には

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湧き水が。これ飲めるのでしょうか?かなり気になりましたが結局飲みはしませんでした。
そしてこのバス停の上には既に使われていなくなって結構な年月が経ってるっぽい建物があり、その脇に稲荷の小祠があったので翌日の大漁をお願いしておきました。

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建物

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お稲荷さん

これらを見終わった後は特に見るところもなかったのでのめこい湯へ向かいました。

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のめこい湯。ここからは翌日の写真です

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脱衣所

施設内は非常に清潔で、受付の方の接客も丁寧でした。休憩室も小さめながら綺麗にしてあり好印象です。
早速服を脱いで待望の浴場へ向かいます。この日は時間も時間なので行楽帰りの若者や、特に子供の集団が大勢いましたが湯船が満杯というほどでもありません。まずはシャワーで体を洗い(人が沢山使っていてもシャワーの出がよかったです)、早速温泉へ。
まず、入った瞬間にわかるぬるぬる具合に「おおっ」という感じ。以前行った秩父の千鹿谷鉱泉には少しおよばないまでも、結構なぬるぬる感です。美肌の湯と謳っているのは伊達ではないようです。
この日、男性客はローマ風呂、女性は和風呂だったのですが、このローマ風呂は浴場の中央に噴水型の複数人がぐるっと座れる椅子があり、背もたれから源泉がチョロチョロと流れています。その横の出入り口正面には源泉のあがり湯があり、あとはサウナや水風呂もあって設備は十分。内風呂は少し大きめで、温泉の温度はぬるめなのでいつまでも入っていられます。そしてその横には少し熱めの温泉も用意されていました。露天風呂は木でできた長椅子や謎の空間があり、そこで寝転がっているおじさんを数人みかけました。

まぁとにかくこのぬるぬるでぬるい内風呂はすこぶる気持ちが良い。周りの人たちも首まで浸かって気持ちよさそうにしています。それでもしばらく入っていると少しのぼせそうだったので、噴水型の椅子に座ったりして少し体を冷ましてからまた内風呂へ、というのを繰り返していました。露天風呂は内風呂と同じく結構人がいたので「まぁ明日の朝入ればいいか」と思ってこの時は入りませんでした。

しかし地元の人なのか観光客なのかわかりませんが、わざわざ大きく「あがり湯」と書いてあるにもかかわらず浴場に入ってきてすぐに手桶であがり湯をかける人がおおく、しかも立ったままかけるので、その体にかけた湯があがり湯のたまっているところにバシャバシャと入っていくのを何度も見たのでそれだけが少し不快でした。

そんなこんなでじっくり浸かっているともう時間は6時過ぎだったのであがることに。脱衣所にはしっかりとドライヤーもあるので、髪を乾かした後は温泉お決まりのコーヒー牛乳一気飲みをしてからのめこい湯を後にしました。ちなみに浴場内に飲料水(源泉ではない)が出ているところもあったので温泉に入りながら水分補給もできます。

温泉を後にしてからは、役場前の橋の上で風にあたりながら、橋下で釣りをしている釣り人を見て夕涼みをしてから宿に戻りました。

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夕方。橋の上から。

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部屋のベランダより

部屋に戻ったのは6時30分ごろでしたが、少し経ったら夕食を運んできてくれました。民宿で部屋食なのは珍しいですね。まぁ私のように一人客で、しかも他に宿泊客がいなかったからだったのかもしれませんが。

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夕食

肉が好きな私は料理が運ばれて来たとき「肉がない!」と思い少し残念でしたが、しかしながら野菜中心のこの夕食もなかなか美味しそうです。写真では伝わりにくいですが量もそれなりに多く、ご飯の他に素麺もあるので腹にたまります。
そんな夕食を前にして明日の釣りのために釣り券を購入したい旨を伝えると、女将さんが出て行ってからご主人がウエストポーチを手にしてやってきました。
ここでの釣りは初めてだと言うと色々と漁協が放流している場所などを教えてくれて、よく釣れると思われる場所もいくつか教えてくれました。が、ここら辺は中々釣るのが難しいらしく、釣り目的でここに泊まりに来る人もあまり釣ってはこられないそうな。しかし折角来たからにはそれなりに釣って帰りたいものです。それと今年の8月13日あたりは、最近行ったらしい護岸工事による魚への影響を考えて(結構な数が死んでしまったのではないかと心配して)村営釣り場前の橋から橋の間で結構な数の放流がなされるようなので釣り好きな方は是非行ってみてはいかがでしょうか。ちなみにでかいニジマスの放流もしているそうで、たまに釣れるらしいです。

とまぁそんな感じで話をした後に釣り券(1000円)を購入し、早速夕食にありつきました。
普段野菜をあまり食べない私ですが、どれも結構美味しく、かつ満腹になるまで食べることができました。ヤマメの塩焼きは少々焼きすぎな感じはありましたが美味しかったです。夜食を買って来なかったのを後悔していましたが、全くの杞憂に終わりました。ごちそうさま!

食後を終えてもまだ8時くらいだったので少し夜の散歩に行くことにしました。夜は当然だれもおらず、虫の声や山からの謎の鳴き声が響くばかり。そんな中橋まで歩いて行きました。橋のあたりは街灯があるので多少は明るいですがそれでもやっぱり暗く、空を見上げるととても沢山の星が輝いているのが見えます。自宅からそこまで時間もかからないに、こんな綺麗な空が眺められるのはやはり山奥だからでしょう。恋人なんかと来たらかなりロマンチックだと思います。来て良かったと心底思いました。

しばらく星を眺めた後宿に戻ってからは、せっかくなのでお風呂をいただくことにしました。お風呂は玄関入ってすぐの階段の下にありました。

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脱衣所

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風呂場

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脱衣所は非常に狭く、せいぜい二人同時でやっとくらいでしょうか。みたところ換気扇もなく扇風機もないので少々湿気が強いです。
お風呂は準天然温泉らしく、色々と効能が書かれていましたが写真には納めませんでした。どうやら夢の湯というそうです。浴場は岩風呂風で凝った作りになっていて、浴槽はピカピカしていて新しい感じ。シャワーは一つでしたが浴槽も体育すわりをしたら大人二人入れるくらいの広さなので十分でしょう。
とりあえず浴槽横の窓をあけて湯につかりました。もう既に温泉に入っていたので格別な気持ち良さはありませんでしたが、それでも結構気持ちよかったです。それでふと正面を見たら

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壁にこんな注意書きが

おそらく女将さんが書いたであろう注意書き。「きおつけてください」「中レバーでシヤワー」という文字列の誤字が可愛らしい。字も上手いとは言えない字なのでちょっと子供っぽい感じがまた可愛いです。何より壁に直接書いてあるのが良い。民宿はこういうところがたまりません。

などとほのぼのしていると、少しのぼせてしまいそうになったのでお風呂から上がって部屋に戻りました。
部屋に戻ってからは少し携帯でネットを見た後に歯を磨いて就寝しました。

朝は4時くらいに起きて、少し明るくなってくるのを待ってから出発。朝食は弁当ではなく、9時ごろにお願いしておいたのでそれなりに釣りが楽しめそうです。

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朝のベランダ

はじめは村営釣り場前の川から始めることにしました。私の他に釣り人はおらず私が一番乗りです。嬉しくなりながら糸を垂らすとすぐに22・3センチのヤマメがヒット。幸先の良いスタートです。一匹目のヤマメを釣った後上流を見ていると知らぬ間に釣り人が一人来ていました。その釣り人が釣り下がってきたので少々ムっとしつつも、一匹目以降その付近では釣れなかったので釣り下がってくる釣り人を追い越して更に上流で釣っていくと二匹目三匹目と時間をおいて釣れ、前日兄ちゃんらが飛び込んでいた淵でも少し小さめのを釣ることができました。
その後更に上流に行くに従ってアタリは減っていきましたが、ここぞというポイントでは引きがあるものの掛けることはできず、しばらくあがったところにあったポイントで結構大きめな、恐らくヤマメに糸を切られたのを終了の合図として宿に戻りました。時間が惜しかったので写真は撮ってませんがヤマメ計4匹の釣果。バラしたのも釣れていればもう3匹くらい増えたでしょうが、悔しながら腕が悪かったです。小さいのはそれ以上に釣れました。
宿に戻ってご主人に釣果を話すと「なかなか良い方だ」と言っていたので、やはり釣るのは難しいところのようでした。

部屋に戻って少ししたら朝食が運ばれてきたので満を持しての食事の時間です。この時既に9時ごろでした。

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朝食

朝食も野菜中心でしたがこれもやっぱり美味しかった。じゃがいもの煮たやつは昨日の余りものだそうで、よかったらどうぞということでもらいました。左にある鰹節が乗ってる小鉢は、なにやらオクラのようにネバネバした何かしらの野菜で、名前はわかりませんが美味しかったです。結構お腹が空いていたのですがそれでも十分満腹に足る量があり大満足です。

朝食後は少し部屋で横になって休憩してから宿を出ることにしました。

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部屋から

宿を出るときに女将さんから「これからまっすぐ帰るの?」と聞かれたので「温泉にはいってから帰ろうと思います」と言うと「じゃあ温泉の割引券買ってくか?」ということで二枚目の割引券(400円)を買ってから宿をでました。最後までニコニコしてくれていた女将さんとご主人、ありがとうございました。

さて、朝ののめこい湯はやっぱり人は少なく、昨日とは比べものにならないくらいゆっくり過ごせました。風呂は日替わりで男女が入れ替わるようで、この日は和風呂。前日はローマ風呂とのことでした。和風呂の方はローマ風呂のようなぬるい内湯ではなかったのですが、露天風呂は涼しい風もあって長湯できました。昨日のように子供たちも若者達もいなかったので広々と施設を使うことができて大満足です。

そんな風に温泉に浸かっているともう11時半くらいになっていたので温泉からあがり、道の駅で目をつけていた鹿肉ソーセージを買ってから帰路につきました。

しかしこの旅最後のプランである湧き水汲みが残っているので、奥多摩駅までの途中にある「境の清泉」という湧き水ポイントに寄って水を汲んできました。

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白髭トンネル脇の道を行くとあります。看板もないので注意

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こんな道を登っていくと

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坂道が現れ、その下に湧き水があります。激坂注意

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坂を下ると広場があり

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その隅っこに境の清泉があります

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少し手を濡らしてみると驚くほど冷たい!早速水筒に入れて飲んでみるとやはり冷たくて美味しい。今まで色んな湧き水を飲んできましたが、その中でも一番美味しかったかもしれないくらい冷たくて美味しいです。水汲み場の前には小さなワサビ田もあり、水が綺麗であることを証明しています。

水を汲んでいると一人のおじいさんが車で水を汲みに来たので少し話をしてみると、青梅から月に一回水を汲みに来るそうで、いつもは更に上の方にある湧き水ポイントで汲んでいるらしいのですが、最近は渇水のためここに汲みに来ているそうな。おじいさん曰く、この境の清泉の水は腐ることがないと言っていました。実際飲んでみるとそれも納得できるほどの力がこの水にはあるように感じられました。とにかく美味しい。ここら辺に来るときにはまた立ち寄ることになりそうです。

おじいさんとの話に花を咲かせた後はもう帰るだけなので、少しの間このあたりの集落を散策した後帰路につきました。帰りも大体5時間もかからずに帰ることができ、これにて今回の旅行は終了となりました。


※ 丹波山村は本当に良いところで、車でなら奥多摩から大して時間もかからないのでのんびりした行楽を楽しみたい人にはオススメです。丹波山村自体も、道の駅やのめこい湯など、施設が綺麗に保たれていたり、村内の各地にマスコットのタバスキーなるキャラクターがいたりして観光に力をいれている風が見受けられました。由香里荘さんもとても居心地がよく、さらに眺めも良いので夏の旅行にはうってつけだと思います。部屋にエアコンはありませんが、エアコンなんて必要ないくらい夜も涼しかったです。とても満足度の高い宿でした。由香里荘さん以外にもキャンプ場や民宿などもいくつかあるので是非行ってみてくださいね、きっと優しい時間が待っています。私もできることなら夏の間にもう一度いきたいと思います。

民宿 由香里荘:一泊二食付き6500円 (私の場合、のめこい湯割引券二枚購入で7300円)
住所:山梨県北都留郡丹波山村2027
電話:0428-88-0624

  1. オーツ より:

    私もこの部屋に泊まりました。
    ブログ記事にそんなことを書きましたので、よろしければご笑覧ください。
    2022.10.10 http://o-tsu.seesaa.net/article/492332074.html
    2022.10.9 http://o-tsu.seesaa.net/article/492298482.html
    2022.10.8 http://o-tsu.seesaa.net/article/492249042.html
    2022.10.7 http://o-tsu.seesaa.net/article/492219505.html

    • ネギ ネギ より:

      オーツさんはじめまして、コメントありがとうございます( ^ω^)

      由香里荘さんに泊まられたんですね。記事、読ませていただきました。私のブログへのリンクも貼って頂いてるようでありがとうございます。
      記事を読んでいてなんだか懐かしい気持ちになりました。相変わらず宿泊代が安いようですが食事がなんとも美味しそうで、私の時は野菜ばかりのメニューだった記憶があるんで羨ましい限りです。
      由香里荘さんは宿の感じも良いですし、丹波山村自体もなんだかのんびりして平和な感じなのでゆっくりできますよね。最近は新しいお店も出来ているようですし、また行きたくなりました。

      それでは、これからもちょいちょい記事をアップしていくので良ければ時々覗いてやってください