身延山散策へ
2022夏休みの旅 2日目です。 1日目[ 前編 | 後編 ]
昇っていく太陽は徐々に空気を温めていき、今日もまた暑くなりそうな雰囲気をビンビンに感じながら長生館を後にした。
今日は昨日ほどの移動はもちろん無く、寄ろうと思っているスポットも少ないので宿には午後の早い時間に着くだろう。今日これから向かうのは、同じ身延町にある身延山だ。
今日も昨日と同じような強風の中走っていく。
旅2日目でもう長距離を走る必要もなく、ぐっすり寝て体力も十分だから「こりゃ温泉に入った後に走ったら相当気持ち良いだろうなぁ」とかぼ〜っと考えながら穏やかに走ることができて気楽でいい。
身延山は以前友人の鬼熊たちと参道の門をくぐって少し行ったところにある土産物屋に立ち寄ったことがあるくらいで奥まで行ったことはなく、そんなわけなので今日は有名な身延山の久遠寺を見ることが目的だ。ただし行こうと思ってるのはロープウェイでも行ける久遠寺の奥の院だけの予定だけども。
お店は開いてるけども、まだなんだか寝ぼけ眼な感じの参道をブイーンとあがっていく。
時間はあるからここらへんを少し散策してみたいけど、初めて来るところだから駐輪できる場所を探しているうちにどんどん上の方へ上っていってしまう。駐車場はあるんだけど、いまいちわからない。
マップを見るとこの門を潜って長い長い階段を上っていくと久遠寺に着くらしいけど、相変わらずスッと駐められそうなところはないから、しばらくこの巨大構造物を見てから再び走り出す。この門の左側裏手あたりに駐車場っぽいところはあったけど駐めていいのかいまいち分からないのでもうこのままロープウェイ乗り場まで向かうことにする。
しかしここからの坂がかなり急で、これはまずいとアクセル全開にしても20kmくらいしか出ない久々の急坂。ここまでキツイのは昔長野の遠山郷に行った時以来かもしれない。
しかも道半分を工事してるもんだから工事のあんちゃん達にノロノロとカタツムリのような速度で走る姿をチラチラ見られてるのが恥ずかしい。早く着いてくれ!
ここまで来ると若干気温は涼しく、しかもこれからさらに標高の高いところに向かうので一応上着を持って乗り場まで向かう。
駐車場にはそれなりに車もあるので乗り場にはそれなりに人がいるのかな。とりあえず今見えている範囲には数えるくらいしかいないけども。
ロープウェイで奥の院を目指す!
乗り場には家族や夫婦で来ている人たちが何組か待っている状態。
私がチケット(1500円)を買うと、あと十分ほどで次の便ですと教えてくれた。他の皆さんは当然それを待っているわけで、私もゆるキャングッズやらを見ながらその時を待つけど実は結構ロープウェイを楽しみにしてるので早く乗りたくてウズウズしている私だった。
そんなわけで待っていると係の人が案内を始めてくれて、位置的に私が一番近いところにいたので私が先頭でロープウェイまで通路を歩いていく。
目の前にそびえる山を見るとこれから結構な角度で頂上まで上っていくことが伺えて怖さ半分楽しみ半分な私。しかも私が先頭なもんだからもちろんゴンドラ(?)でも先頭を取ることができる!ありがてぇす。
ゴンドラ内では奥の院の解説なんかが流れながら、ウィーンとスムーズに頂上へと移動していく。あんまりこういうのには乗らないからなんかディズニーランドを思い出して結構楽しい。
けど一番前に陣取ったのは間違いだった。ちょっと考えればわかることだけど、こうして斜面を上っているわけだから目の前に映るのは当然山の緑ばかりで眺めがよろしくない。
一方後ろを見るともちろんそこは大パノラマで、一番うしろにいる人達は口々に「怖い〜」とか「わぁ〜」とか言いながら楽しそうにしている。全く浮かれて一番前を陣取ったばかりに、ロープウェイ素人を丸出しにしてしまった。
ゴンドラから降りるとそこは再び土産物売り場になっていたけど、そこはまぁ後回しにしてとりあえず外へ。標高の高いところに来たというだけでなんだかワクワクしている私。
これだけ高いところなだけあってあたりはとても静かで、そこはかとなく澄んだ空気が辺りを覆っているような、冬の早朝のような雰囲気が感じられる。
ここまではロープウェイ以外に徒歩でも来ることができるハイキングコースが整備されているようで大体2時間くらいの所要時間らしいけど、歩いてここまで来てこの景色を見たら相当気持ち良いだろうな。
ちなみにこの身延山の隣には赤沢宿というかなり趣のある宿場町を挟んで七面山という修験の霊山があるんだけど、いつかそちらにも行ってみたいと結構前から目論んでいたりする。
七面山には宿坊があるので、登山は得意ではないけどいつか宿坊に泊まりがてら霊山なるもののパワーを確かめに行きたいと思っております。
奥の院、思親閣を堪能す
身延山久遠寺は日蓮宗の総本山なだけあって、境内に入るとすぐ左側に日蓮上人の大きな像がお出迎え(写真は撮り忘れました)。ここでしっかりご挨拶をしてから参拝開始。
常香炉にお香を立てて煙を浴びてからしっかりとご挨拶。
いつごろからか私は氏神さんや地元のお寺以外の寺社仏閣では大切な願い事はしないようになったので、いつもどおり自己紹介+旅の安全だけを願う。大きな自然に抱かれた山頂のお堂なだけあって、なんだか清々しい気分!来てよかったよこれは。
前を歩いている家族連れが帰りのロープウェイがあーだこーだと言っている。
そういえば帰りの便の時間を確認せずに来ちゃったけど、帰りの時間を気にして急ぐのももったいないな。どのくらいのスパンで来るのかわからないけど、どこらへんは適当でいいか。ここの空気が気持ち良いし。
寂れた感じだけど蛇口をひねると水が出たので一応手を洗う。こういうのを見るとまず飲めるかが気になる私だけど、湧き水とかだったら是非水筒に入れていきたい。けどよくわからないからやめといた。
この奥にも廊下で続いた建物はあるものの、そこは広間的なところだったのでチラリと見て回ってから展望所へと向かう。ちょうどこの開基堂の目の前には展望所へと向かう道があって、そこからは
ここも良い眺めでしばらく足を止められてしまう。
何かを考える時俯瞰で考えろとかよく言われることだけど、こうしてリアルに俯瞰で広く世を見渡すのも心の健康には大切な気がする。
そんな考えもあってミニチュアみたいに動く車や川の流れを見ていると全然飽きないもんだから、気を抜くといつまでもベンチに座ってる可能性大。なので適当なところで頑張ってけじめをつけて展望所を後にする。
こんな感じで境内はあらかた見終わったけど、このまま戻るのもなんだか味気ないので休憩所にて缶コーヒーをいただく。
「まったくいい場所である」なんて思いながらのんびりしていると、入り口の門からなんだかきらびやかな着物を着た女の人が登場したと思ったらその横には和服で正装した男の人。見たところどうやら結婚をするお二人のようだけど、これからなのか終わった後なのか、さきほど参拝した思親閣へと向かっていく。
階段を一歩一歩ゆっくり上がっていくその下で、お坊さんがスマホでなにやら指示を聞いている姿もなんだか面白い。時代を考えれば当然だけど、マサイ族がスマホを使ってるのと同じくらいイメージが遠い組み合わせだからこれもまた良いものを見れた気がする。
さて、じゃあ土産物でも物色して、時間があったらだんごでも食べようかいと思いながら建物に入ると、係の人が「もう出発しますけど乗りますか?」と予期せぬ一声をかけてきた。
もう他のお客さんは全員乗ってこれから出発というところだったらしく、急に言われた私は冷静に判断できるわけもなく不本意にも「あ、じゃあ乗ります」と言ってしまい、土産物を物色することなく山頂を後にしたのだった。ちょっと残念。
かき氷と昼食を求めて
下界に下りると駐車場を出発したあとは、さっきできなかった土産物屋通りの散策。駐車場もよくよく見たらバイクでも駐められるところがあったので、相変わらず人の少ない参道をちょっとだけ歩く。
ここには宿坊はもとより旅館もいくつかあって、中でもこのいさご屋旅館は登録有形文化財で元遊郭というめちゃくちゃ興味深い宿。ここも泊まりたいリストに入っているけど、この宿はもちろん夜の参道やお寺の様子なんかも味わってみたいから近いうちに泊まりに行きたい。
と、そんな感じで歩いているとじわじわと汗がにじんできて、さらにお腹も空いてきたのでどこか喫茶店かなんかに入ろうと考える。
まぁもうほとんど昼時だから腹にたまらないもので涼しくなれるもの、それすなわちかき氷を探していると、ちょうどいいお店があったのでまっすぐに入店した。
蓮華庵というお店でかき氷(ブルーハワイ)を注文。下界はじんわり暑いからこの冷たさがめちゃくちゃウマい。
そしてかき氷を食べながらこれからのルートを確認。
今日はもう身延山の奥の院を見たことで後はもうほぼ寄るべきポイントはないという超スカスカプランなので、逆に自由っちゃ自由でもある。
こういう時は走りながら気になったところに適当に寄るというのが一番だけど、とりあえず今は昼をどこで食べるかという問題に直面しているのでいくつか定食屋などをピックアップしてから店を後にしたのだた。
こういう手作り感のある雰囲気、嫌いじゃない!どうやら定食屋らしいけど・・・というか実はここはかき氷食べながら店を探してた時に見つけてたんだけど(ここを通ったのは偶然だけど)、レビューによると結構ボリュームが多いということで今回は寄らないことに決めていた。
しかし実際建物を見るとちょっと怪しげな雰囲気が魅力的だな。ここは行きたい店リストに入れておこう。
下部温泉最奥の蕎麦屋、梅田屋
途中いくつかチェックしてた定食屋はあったものの、やっぱり蕎麦が食いたいと思いやってきたのは下部温泉。
実は以前下部温泉の奥地に蕎麦屋があるということを何かで見てチェックしていたので、今回ちょうどいいから今向かっているところなのだ。
なんだか温泉街にも川を眺めながら食べられる蕎麦屋があるみたいだけど、今日のところは奥地の蕎麦や。正直やってるかどうかわからないけど行ってみよう。
ここらへんは下部温泉最奥部だと思うんだけど、坂を進んで建物がなくなった頃に右手に立派な橋が見えてくる。グーグルマップを見るとどうやらこの橋を渡ったところにあるらしいけど、いざ渡ってみると
まっすぐ行くと林道?一体どこに繋がってるのかわからないけど、とりあえず蕎麦屋はそっちではなく左の道らしい。
なんか荒れてるというかこの先に本当に店なんてあるのかと思うような道だけど、本当にあったら秘境の店っぽくてなんかいいかも。マップを信じて行ってみよう。
おそるおそる進むとすぐに広い空き地みたいな場所が現れて、その奥に民家っぽい建物が見える。近づいてみると何やら池のようなものもあって看板もあるけど、これやってるのか?という感じ。
適当にバイクを止めて建物まで行ってみるけど人がいる様子はなく、それよりも入り口らしきものもなく戸惑う私。これはかなり良い立地なお店だけど、食べられなければ意味がない。
探しても入り口らしいところはないので建物の裏手側まで行ってみるとこの建物の隣にはもう一つ建物(民家)があって、道なりに進んでいくとようやく入り口を発見した。道路側ではなくその反対にあるとは、これはちょっと分かりづらいぞ。
店内は薄暗くかったけども「すいませ〜ん」と声をかけたらおばちゃんが「はい〜」とやってきて薄暗い店内の明かりをつけてくれた。
見たところお客さんは誰もおらず、お店はおばちゃん一人でやってるらしい。
玄関横の広間に入ると「天ぷらとかお蕎麦とかしかないですけど、いいですか?」と言われたが、私もそれ目当てで来ているので全く問題なし。なんかこの雰囲気、凄く美味しい蕎麦が出てきそうな気がする。
ここは凄いなぁ。お客さんが誰もいないっていうのはあるけど、虫の声や池の噴水の音ぐらしか聞こえてこなくてめちゃくちゃリラックスできる。開放感もあって凄い落ち着く店内だ。
女将さんは隣のキッチンで支度をし、私はみょうがをつつきながら宿へのルートを確認した後はただ景色を見ながらぼ〜っと蕎麦の到着を待つ。
相変わらず辺りは平和で、場所が場所だけに通る車なくてなんだか非日常感が強い。
昔小さい頃に田舎の畳の部屋で過ごしていた時のことを思い出すような懐かしい感覚。そんな温かい雰囲気に浸っていると、なんだかじんわり瞼が重くなってきていつの間にか寝てしまっていた。
すると「お客さん、天ぷらができましたよ」という優しい女将さんの声で目が覚めた。なぜか「ああ、すいません」と謝る私の前にはできたての美味しそうな天ぷらが一盛り。お蕎麦もすぐ来るとのことだった。
山菜のことはあんまりくわしくないけどユキノシタとみょうがはわかる。あとは正体がわからず、特に赤紫っぽいさや付きの豆は今まで多分食べたことがない山菜な気がする。
とりあえず最初にユキノシタを食べてみると、もちろん衣はサックサクだけどユキノシタ自体が多少厚みのある葉っぱだからか食感がふんわりしていて面白い。味も苦味とか青臭さは一切なくてかなり美味しい。これは油断したら蕎麦が来る前に全て食べつくしてしまいそうだ。
なのでできるだけゆっくりと、私にしては超スローペースで食べていると「どうもおまたせしました〜」とお蕎麦が登場。天ぷらもまだ残ってるしいい感じだ。
もうひと目でわかるうまそう感。
蕎麦がのってるものが普通のすだれではなく竹、そして蕎麦つゆが入っているそば猪口も竹!これが山奥蕎麦屋のおもてなしかっ。
蕎麦も微妙に幅が不均等だったりして手打ち感があるのがまた良い。こういう可愛げは好きだ。
というわけでさっそく薬味を入れて食べてみると、蕎麦つゆがまずちょっと甘めで美味しいんだけども、それ以上に口の中に広がる竹の香りがとっても爽やかで、頭の中で風鈴がチリーンと鳴ったような感じがした(?)。
噛めば蕎麦のコシも程よく、またこちらも香りがいい。ここの蕎麦は香りが売りの一つと言っていいかもしれんッ。ウマいッ!
蕎麦を完食したらもう2時も近くなっていたので食後にゆっくりすることもなく退店。
寝ていて気づいてなかったけど、天ぷらが出てくるまでにそれなりに時間がかかっていたようだ。それでも旅の途中ではほとんどすることがない昼寝が出来たからなんだか頭も冴えている。よし、これより宿へと向かう!
いざ山の湯!
ここからもまた昨日通った道を逆走していく感じなので特に寄るところもない、というか寄れたら寄るくらいのところが一つあるけど、あとはもうほとんど宿へと一直線という感じだ。チェックインの時間もちょっと早めからOKみたいなので何も心配することはない。
まぁ直売所に来たといっても夜食は既にある(昨日買ったぶどう)ので買うものはないんだけど、直売所好きとしてはなるべくなら見ておきたい。というわけでやってきました中富直売所。店の前にはなぜかアンパンマンがいる。
なるほどなるほど、やっぱり何も買わなかったけど、それでも結構面白いものがある直売所だったな。
最近旅の間にりんごジュースを買ってないからそれは欲しいっちゃ欲しいけど、実はまだ昨日買った缶ジュースが残ってるからね。今日は残り物で過ごします。
これまでは強風吹き荒れる富士川沿いを走ってきたけど、今日泊まる宿は山の湯という名の通り山の中、それも大柳川渓谷という風光明媚な大自然の中にあるので、十石入り口という丁字路を曲がって山の中へ突き進んでいく。
村には小さなキャンプ場とか廃校になった小学校に泊まれる施設なんかもあったり、更には日帰り温泉もあるからここいらで泊まるのも全然アリな感じ。周囲も自然ばっかだし、家族連れに優しそうな雰囲気もあって良い場所だ。
でも私が泊まる宿はまだまだ奥にある。バイクも頑張ってくれることを祈る。
道はしっかり舗装されていて走りやすく、今の所坂がキツイようなところもないけど、道の先に見える集落の様子を見るとここからがちょっとキツそうな気がする。完全に山の斜面に開かれた集落は斜めに家々が並んでいる。
とりあえずこの集落は後で散歩がてら来るだろうから今はそのまま通過して宿へと一直線。
予想通りこの集落あたりから坂がキツくなってきて部分部分で危ういところはあったものの、特に問題なく進んでいく。
途中頑張っているサイクリストを追い越したりしつつ、坂道走りは距離に比べてなんだか長いこと走っているような気分になってくるもんだから「まだ着かないのかッ」と思いながら走っているとようやく坂の途中に看板が見えて、簡素な門のような入り口が姿を現した。
辺りを見ると相当に高い場所。さすが山の湯というだけのことはある場所に建つ本日のお宿にようやく到着した。
山の湯で過ごすひととき
山々の間を縫ってはるか向こうまで臨める素晴らしいロケーション。これは既に期待以上!
この宿は結構昔からチェックしてた宿だからかなり楽しみにここまで来たけど、まさかこれほど高所だとは。走ってる時はバイクを気にしてたから全然気づかなかった。こりゃ素晴らしい一晩になりそうですよ。
じゃ、早速荷物を持って行ってみようかッ!
目の前の戸を見るとどうもフロントらしきものが無い様子なので階段を下ってみると、下の階の戸の向こうにフロントと女将さんの姿が見えたので声をかける。
女将さんはハキハキとした愛想の良い方で、「どうもいらっしゃいませ〜」というお迎えの言葉の後すぐに部屋に案内してくれた。どうやら客室があるのは最上階で、最初に見えた戸の向こうらしい。
廊下はなんだか洞窟っぽいというか、このまま鍾乳洞にでも繋がってそうでちょっとした冒険感があるかなり好きな雰囲気。女将さんの説明に寄るとこの道の先に温泉があるらしい。
女将さんは「夕食は18時、朝食は7時半からで下の食堂までお越しください」などなど最低限の説明だけをして去っていった女将さん。ここは良い感じでほっておいてくれるスタイルのお宿っぽい。
清潔さ、広さ、眺め、設備、どれをとっても(個人的には)何も言うことがない。ここのHPを見ておもてなしにとても力を入れているような雰囲気を感じていたけど、既に部屋の様子だけで高得点。ここで一晩過ごせるのは相当嬉しい。ちなみにトイレも部屋にあるのでわざわざ外に出る必要もない。
これは早めにチェックインして大正解だ。ずっと来たかった宿だけに感慨も一入。
部屋も広々なのでまずは大の字に寝て「う〜ん」と腰を思いっきり伸ばしてからお茶を一杯。
部屋に到着したこの安堵感はいつもいつも最高なひと時だけども、リラックスしきらないうちに面倒なことは終わらせておくべくまずは明日の宿の予約取り作業だ。
ここで決めていた宿が取れなかったら一気にめんどくさくなってくるんだけども、電話をすると平日だということもあってかトントン拍子で予約完了。これで今日のタスクは終了した。
ちなみに本来はこの山の湯で2泊しようと思っていて出発前にそのつもりで電話したんだけども、その時の天気予報では今日と明日が台風による雨になっていたために2泊をやんわり断られた経緯がある。
というのもこの大柳川渓谷は強い雨が降ると結構すぐに通行止めになってしまうらしく、そうなると宿から出ることができなくなってしまうために(とても申し訳無さそうに)お断りされてしまったというわけだ。残念ではあるけれど、これはもう自然のことだからしょうがない。そしてもし明日雨が降らなくても、それも同じくしょうがない。
というわけで無事宿の予約もとれたことだし早速温泉に入りに行こうか。
今んとこまだ他のお客さんはいなさそうだから貸切風呂が楽しめそうなんで必要なものを持ってすぐに出発!かなり楽しみだ。
女将さんの話によるとここのエリアには眺めの良いオススメのトイレがあるということなんだけど、それは写真の左側にあって
さすがに一押しのトイレだけあってこだわって造られた感じがビシビシ感じられる。立地を最大限活かそうという意気込みが素晴らしいです。後で利用させてもらおう。
温泉は外に出たところにある小屋にあるようで、手前が男湯、奥が女湯ということらしい。
私はこういう脱衣所浴室が別棟になってる造りが結構好きだ。一体どんな温泉が待ってるのか期待値がグッとあがる。
小屋自体がそこまで大きくないので脱衣所も小さめ。一度にある程度余裕を持って使えるのは3人くらいまでかしら。
とはいえ今は見たところ利用者は0!この脱衣所も温泉も広々自由に使える!
HPを見た限りこの先はいきなり露天風呂のはず。そのために本館から小屋までの移動の間に景色もあえて見なかった。さて、露天風呂の実力はいかに!
脱衣所を抜けると体中に感じるこの開放感、素晴らしい!
露天とはいえ屋根も壁もあるけど、前面は山々を縫うように眺められる大展望。この眺めはかつて訪れた長野の馬曲温泉を彷彿とさせる。シャワーも外側に設置されてるから大自然に体を晒しながら洗うことができる。こりゃ凄いところですよ。
浴槽から湯が流れ落ちているところは成分によって変色している。
HPによると源泉は緑礬泉で、鉄を含んでいるということで変色しているんだろう。緑礬泉って今まであんまり入ったことがない泉質な気がするけど一体どんなもんなんだろか。いや、でも今はそんな細かいことはどうでもいい。とにかく入るべし!
たまらず一気にジャボンと湯に入ると湯は(私にとって)多少熱めだけども適温で、適度に広さ深さのある浴槽だから体をだらんと肩まで湯に浸かると、自然に「ウィ〜」と声が漏れてしなしなと力が抜けていくようだ。とんでもない気持ちよさですよこれはッ!
さて、湯の感じはと言うと特段温泉らしい匂いはないものの、なんだか肌にさっぱりした感じが残る、なんだかスカッとした浴感。実は昨日指に切り傷が出来てしまったんだけど、その部分にじわ〜っと沁みてなんだかすぐに治っちゃいそうな感じもある。こりゃ今日は何度も入ることになりそうだ。夕方、夜と景色の移り変わりが凄く楽しみ。
というわけで30分ほど貸切状態で楽しみまくった後湯からあがる。
風通しも良いからしばらく浴槽の縁に座って体を冷ましたけど、まだまだ体は芯からポカポカしている。
客室があるところが最上階だとしてここは2階なのか1階なのかよくわからないけど、ともかく下の階に行ってみるとそこは食堂(?)エリア。左側と右側の部屋は広間というか休憩室みたいになっていて、ここで食事をいただくらしい。
これは素晴らしい休憩所。ソファやら木のオブジェやら、なんだか仲間たちで作った秘密基地感があってつい休憩したくなる。もし2泊できてたならここで本でも読みたかったけどな。屋根があるから雨でも平気だし。
一番下の階に行くとそこはご覧の通り、洗い場やトイレがあるようだけど見てみると奥に内湯があるようだ。私はここは露天しかないと思いこんでいたので少しびっくり。一体どんな内湯なんだろ。
特に女将さんに案内もされなかったから、ここはもう今は使われてないのかなと思いながら浴室を見てみると、しっかり湯も張られていてちゃんと入ることができるみたい。
こっちは露天とは違って岩の壁だけども、窓からの景色も含め露天と統一されたデザインでイイ感じ。どっかで入るタイミングがあったら入ろうかな。ていうかこっちも21時半までなのかな。
というわけで建物の全体像はわかったけども、一番下の階に来てみるとそこからさらに山の斜面を下っていく道があることに気づいた。渓谷には遊歩道があるようで、宿からの道を下っていくと遊歩道に繋がるらしい。これはもしかしたら釣り場まで下りることができるかもしれないから後でチェックしに行こう。今は風呂からあがったばっかりだから汗はかきたくないぜ。
十谷集落と遊歩道散策
そうして散策も終わったので部屋に戻り、今度は外の散策に向けてリュックを背負って出発。残念ながら宿には自販機がないので、風呂上がりのためにコーヒーを買いたいという目的もあって、さきほど通過した下の集落へと向かう。
集落にはなぜだかちょっと大きめな駐車場があるのでそこへ駐車する(残念ながら写真撮ってませんでした)。こういった場所には珍しいけど、ここは観光的に有名だったりするんだろうか。ちゃんと自販機もあるから帰り際ここで買っていこう。
集落内はメインの通り意外は石畳になっていて、脇に並ぶ家々は古いものも新しいものもあり、歩いていて人っ子一人いないけど不思議と寂しい感じはしない集落だ。お店や宿もあったり、更には川沿いにキャンプ場もあるみたいだから案外人が来るところなのかもしれない。
でもそうじゃなかったとしてもこの集落はなんだか居心地が良くて好きだな。
なんだろここは。左に受付のように見えなくもないプレハブはあるけども、見た感じ小規模な一組だけのキャンプ場っぽいけどよくわからない。
これはこれで楽しそうだけど、周りが全て民家だからちょっと気を使いそうではある。
タープが張られてたりしてちょっとオシャレな感じはあるけど、この謎な感じも含めて面白い集落だ。
そんな感じで集落内を散策し、見かけた人といえば草刈りをしているおじちゃん一人くらいなもんだったけども、なんだかところどころ気になる部分があって面白い集落だった。
よく歩いたおかげでじんわり汗もにじんできたし、そろそろコーヒーを買って宿に戻るとしようかい。
ううむ、歩いて汗をかいた後に山々に抱かれながらの甘い甘いコーヒー、スペシャルだね。ここならいつまでも座っていられそう。
でも多少日が落ちてきたからゆっくりもしてられない。本当に暗くなってしまう前に遊歩道を散策してみなければ。鬱蒼としてるところは空が多少日が落ちただけでも結構暗くなるから、行くなら今のうちだ。
道はもちろん舗装なんかはされておらず、至って普通の遊歩道、ハイキングコースといった感じ。しっかりした靴じゃなくても問題なく進めるからいいんだけど、ただ不安なのは川の音がかなり下の方から聞こえてくること。これ、川まで下りることできるのか?
下りていくと割とすぐ遊歩道まで着いたけど、やっぱり川までは着かなかった。
音はまだまだ下の方から聞こえてくるから遊歩道を上流側に歩いてたら川に近づいていくかと思いきや全くそんな気配はなく、むしろ川は下へ、遊歩道は上へ向かっているような・・・。
そうしているうちに道はどんどん暗くなるわ汗かいてくるわなもんだから、「こりゃ川まで下りれないな」と判断して宿に戻ることにした。下流側に歩いてたらまた違ったかもしれない。
おじさんと遭遇。そして夕食へ
ヒィヒィ言いながら宿まで戻ったころにはもう全身汗だくになって、着てるシャツが背中にぺっとりひっついてしまっているレベルだった。空はもう夕暮れが迫っている。よし、ある意味丁度いいからこのこのまま温泉に直行して汗を流しがてら夕日見風呂だ。
荷物を置いて湯小屋へ向かい、額を流れる汗をぬぐいながら戸を開けるとそこには着替え中のおじさんが一人。早く温泉に入りたいとばかり思っていて、先に入ってる人がいる可能性なんて全く考えてなかったものだからちょっと驚いてしまった。
とりあえず「あ、どうも〜」と声をかけると、おじさんは凄く人当たりのいい感じで「もうちょっとであがるところですから」と体を拭いている。露天風呂ではおじさんの友人が一人入浴中らしい。
すると続いておじさんが色々話しかけてきてくれた。
おじさんは駐車場のバイクを見たのか、その持ち主が私だと分かっているらしく、
おじ「バイクでどちらから来られたんですか?」
と聞いてきたので
私「東京からですが、昨日下部温泉の近くに一泊して〜〜」
と答えるとちょっと驚いた顔をしていた。
続けて「おじさんはどちらから?」と聞いてみると、おじさん二人は八王子から釣りのためにここまでやってきたらしく、今日は渓谷を流れる大柳川で20cmくらいのがそれなりに釣れたとのこと。明日はまた釣りに出るために、今日はここで一泊するんだとか。
全く、川にすらたどり着けなかった私からするとなんて羨ましい話だろう。「大きくはないけど数は釣れたよ」と言ってるおじさんの顔は満足げだ。話を聞いていると良い時は尺を超えるイワナなんかも釣れると言っていて、昔から大柳川に通っているベテランのようだった。
私は「さっき宿から遊歩道まで下りたけど全然川まで着かなかったス」と未だ流れ続ける汗を拭いながら悲しみを滲ませると、おじさん曰くここらへんは結構な高低差があるから下流のキャンプ場から入るのが一番スタンダードな方法だと教えてくれた。宿の前の道をもうちょい上がると下りられるポイントもあるんだけど、そこはロープが必要だったりしてちょっと危険だという。
おじさんの話は面白くて笑ったり感心しながら聞いてたけど、しかし私より随分年が上そうなこのおじさんが渓谷の急斜面をロープで上り下りしたりして川を遡って釣りをしてるんだもんな。やはり本当の渓流釣り師というのは凄い。私はそこまでできないし、ましてやいつも一人で釣りをしてるからおじさんに及ぶべくもない。一人で川に深入りするのは怖いもの。
そんな感じで割と長いこと話をしてると温泉に入っていたおじさんの友人が脱衣所に戻ってきた。こちらのおじさんは今話してるおじさんよりも年上みたいで、若干おじいさんと言ってもいいくらいの人。「この人は僕の師匠で達人だよ」と笑って紹介してくれたけど、確かに釣りが上手そうな感じで人も良さそうなニコニコ顔。このお二人、とても感じが良い。
その後そんな達人に釣りのアドバイスをいただいたりした後おじさん達は去っていったので、私もここでやっと服を脱ぐ。思いがけず楽しい雑談ができたけど、まだ夕日は拝めるだろか。
いや、実は向こうの山の山頂あたりにうっすら日の名残り見えるけど、私が期待していた赤く暮れゆく空ではなかった。それが見られたなら一段と素晴らしい温泉体験になっただろうが、しかしそれでもやはりこの露天風呂はイイ。心地の良いノスタルジアが心を満たすようだ。
しかしあまりに穏やかな空気なもんだから眠たくなってきてしまったので、20分くらい入ったところで湯から上がることになった。
部屋に戻ると時刻は17時過ぎで、夕食の時間は18時。まだ時間はあるから明日のルート確認やらなんやら色々していると17時50分に食事の用意ができたとお声がかかったので、下の階へと向かう。
夕食はもう野菜山菜ばかりの超ヘルシーメニュー。肉といったら甘露煮のヤマメくらいだ。これらのほとんどがご主人と女将さんが採ってきたものなのかしら。さらにせかせかと台所と食事処を往復している女将さんによるとこの後さらに蕎麦なんかも出てくるという。今日は体内デトックスの日になりそうだ。
しかし一番手前に置かれた漬物の種類豊富なこと。正直どれなんだかよくわからないけど、右から食べていくとまぁあっさりした酸味があって、食材の風味もしっかり感じられるとても美味しい品々。一つだけかなり苦手なものがあったけど、素朴でありながら丁寧に仕込まれた感じがして良い箸休めにもなる。
近くで拾ったという栗も甘いし、ヤマメの甘露煮は驚くほど柔らか。これは山の幸を十二分に味わえる良いメニューだ。ここでも宿のご主人や女将さんのこだわりが感じられる。
濃い味の甘露煮と油っ気のある天ぷらのおかげでご飯もすすむ。
正直最初見た時は野菜ばっかりなもんだから腹一杯になるか不安だったけども、後半は肉じゃがのジャガイモを食べるのに必死なくらいだった。でもその合間に食べる蕎麦はツルッとしててのどごしが良いし、全体的に色々とバランスが良い。非常に満足度の高い夕食でありました・・・が、ふきのとう味噌はちょっと苦手でした。でもしっかり完食!ごちそうさまでした。
食後から就寝までの自由時間
食後はワイワイ楽しそうなおじさんたちの声を背に部屋に戻り、満腹になっていよいよ本格的に重くなってきた瞼を閉じてしばらく仮眠。あたりは既に暗く、なんの音も聞こえない。ぐっすり眠った。
目覚めると外は相変わらず暗く静かで、寝入った時から時間が進んでないような感じだけども時計を見るともう20時を回っていた。
外を見ると集落の明かりがポツポツと山肌に光っていて趣深い景色に様変わりしている。これは・・・ぜひとも温泉に入ってこの情緒のある景色を味わわなければならない!すぐに向かおう!
脱衣所を抜けると思いの外暗く、明かりといえば露天風呂の目の前に一本立っている街灯のみ。壁を見てみると確かに照明はなく、光源は一つだけだった。でもこの暗さ、非常にイイ!
街灯には光を求めて飛び回る虫がチラホラ。そういえばここはこんなに開けてるのに床にも湯にも虫の姿が見えないのは時期のせいだろうか。普通なら蛾とかアブの一匹や二匹いそうなもんだけども。
しかし街灯の周りをふわふわ飛んでる虫を見たりしながらの入浴、こんな素敵な温泉が東京の横にあるとはありがたいことだ。あまりに静かだから耳をすますと「ゴゴゴ…」という山の音も聞こえてくる。
山は夜に動くと昔どこかで聞いたことがあるけど、この音を聞いたのも昔泊まった長野の富士屋以来かも。こう静かだと、色んな事が頭に浮かんできてちょっとセンチな気分になってくるぜ。
その後あのおじさん達も酔っ払ったのか温泉に入りに来る様子もなく、結局入浴時間ギリギリまで温泉を楽しんでから部屋へ戻る。
ここからはもう本当にやることがないのでテレビを見たり動画を見たりいつも通り。台風の影響の雨も、予報を見たところ今日これからも明日も降らない様子で、明日もなんの問題もなく移動できそうだ。まぁ雨じゃないからみたまの湯に行くこともなくなったけども、代わりに鰍沢町でのとある探索に集中できそうで今から楽しみだ。
相変わらずぶどうはウマい。この調子だと今日で全部なくなるから明日もどっかいいとこがあったら買わないといかん。それにプラスして馬刺しのコウネも出来るなら買いたい。明日は今日よりはちょっと長い距離を走るから良さげな精肉店をチェックしておかねば。しかしぶどうはウマい。
そんなこんなで自由な夜を思うままに過ごして12時頃に就寝。明日は温泉から日の出を見たいから早起きしなくちゃ。女将さんが「日が昇ってくるのは6時半くらい」って言ってたからそれに合わせて起きられればいいけど。なのでちゃんとアラームをつけて寝床に入った。
気持ちの良い朝の朝風呂。そしてヘルシー朝食
朝はアラームが鳴る前に目が覚めた。スマホを見ると時刻は5時15分でなかなか早い時間に自然に目覚めてまった。外を見ると予報通り雨は降っておらず、しかし時間が早いために日の出でもなんでもなく薄暗い。というわけでもう一度床に入ってアラームが鳴る前再び寝た。
雲は多いけども雨は降らなそうだし、何より涼しい風が優しく吹き抜けて寝起きの頭がパッと澄んでいく。素晴らしい朝、そして今から更に素晴らしいことに温泉が待っている。日が昇りそうな今のんびりはしていられない。すぐさま温泉へ向かうべし!
さすがに山間部だけあって雲の流れが早く、もう辺り一面曇り空になってしまった。でもそれは逆に言えばまた雲が流れ去るのも早いということ。ゆっくり湯に浸かっていればまた日が見えてくることだろう。
う〜ん、朝の力が抜けた体には熱い湯が一番効くぜ!昨日の朝風呂はぬるくてシャキッとはできなかったからようやく味わえたこの感覚。やはり朝風呂はイイ。そしてやっぱり景色もイイ。
そんな中昨日のおじさんも朝風呂に入るべくやってきたもんだから更に楽しい温泉タイムがスタート。またしても釣り談義に花を咲かせ、ここ以外にもおじさんオススメの釣りスポットなんかを教えてもらったりして朝からいい気分。
寡黙な人だったらこういう場所ではちょっと気まずいけど、このおじさんのような人だったら楽しい入浴が更に楽しくなるから今やってきてくれたおじいさんに感謝だ。
そして話してるうちに日の出はばっちり見えはしたものの、おじさんがいる前で写真を撮るのもなんなので写真は撮れずじまいとなった。でも、朝から楽しい話ができて元気一杯となりました。
その後しばらく地元のテレビ番組を見た後、朝食の時間(7時半)になったので食事処へ向かう。
女将さんは昨日のようにせかせかと台所と食事処を行き来してるけど、私を見かけると元気に挨拶してくれて部屋に促してくれた。本当に丁寧で気持ちの良い人だ。
夕食の時もあった漬物たちの他に、朝はサラダや酢の物やらが並ぶ。もうお腹も大分空いてるから一気に、といこうとしたけどもこんな穏やかな朝に急ぐのももったいない。ゆっくりいただこうじゃないか。
食べ始めるとおじさんたちもやってきて、私は納豆を食べながら挨拶をする。さすがにこれから釣りに行くだけあって準備万端という格好をしてるのが羨ましい。向こうの部屋い入ったおじさんたちは、軍人の食事のようにもくもくと食べている様子だ。
しかし朝食も野菜ばかりだけどやっぱり美味しい。割とあっさりしたメニュー郡の中、卵を思いっきり濃くしてたべる卵かけご飯も最高にウマい。量も適量で、完食することろには腹8分目くらいになっていて大満足な朝食でした。でもやはり油っけが恋しいので今日は絶対に馬刺しを買うぞと心に決めたのだった。
名残惜しい出発
ここは食事中に布団を片付けてくれるタイプのお宿だったか。
個人的に食事の後に布団でごろっとするのが好きだからちょっと残念だけど、そこは宿の事情もあるだろうからしょうがない。代わりに畳で寝転がりを楽しみながらチェックアウトまでダラダラだっ。
なんて言いながらまた温泉に入ったりちょっと寝たりしてチェックアウトギリギリまで過ごし、いつもどおり10時ぴったりにフロントへと向かう。おじさん達はもうだいぶ前に出発したようだった。
精算時、お金を払っていると女将さんから2泊を断ってしまった件について謝られ、私も嫌な思いをしたわけでもないので「全然大丈夫ス」なんて言っているとちょっとした雑談となった。
女将「お客さんのあのバイク、下道でずっと来られたんですか?」
私「はい、でも昨日は下部あたりから来たんで大した距離じゃなかったですけど」
女将「あ、そうなんですね。今度泊まられる方もカブで来られるんですよ。何度か泊まっていただいてる方なんですけど、いつもカブで。最近原付きで来られる方多いですよ」
とのこと。なんか私がいつもお世話になっているバイク屋の人も「最近原付乗る人が多い」って言ってたけど、私が旅してる中で原付で旅行してるような人って全然見たことないんだよな。まぁ多いって言っても絶対数がそもそも少ないだろうから合わないのは当然かもしれないけども。でも女将さんもこういてるわけだしやっぱりどこかにはいるんだろうな。
そんな感じで今日のプランとか宿とか色々話した後、明るい女将さんに見送られて出発。
空はさっきよりも雲が晴れて雨なんて全く振りそうもない空模様で一安心だ。今日はちょっとした探索もあるし泊まりたい宿にも泊まれるしで楽しくなりそうだ。願わくば店でちゃんと美味しい馬刺しが買えることを祈りながら、愛車のエンジンを掛けて宿を後にした。
※ 名前通り山深いところにある山の湯さんは記事内にある通り美味しい食事、眺めの良い温泉、人柄の良い宿の方々などなど、ほとんど不満なんて見つからないくらい素晴らしい宿でした。
食事にも建物にもこだわりが至るところに感じられ、掃除も行き届いて館内はいたって清潔。雑多な休憩所は居心地が良いし、俗世間から離れてゆっくりするにはベスト中のベストだと思います。
あと書き忘れていましたがドライヤーは部屋にあるので風呂上がりに髪を乾かしたい方も大丈夫。必要なものは揃っています。
昔からチェックしていた宿だけに大満足な一晩でした。山梨で一泊する際にはとてもオススメなお宿です。どうぞ一度行ってみてください。
温泉民宿山の湯 一泊二食付き : 10,750円
ネギさん、こんにちは。
こちらの宿も良さそうー!ネギさんの宿センサー本当にすごいです。周りにネコちゃんもたくさんいていいなあ。同じルートで行っちゃおうかな。笑
いさご屋旅館もいいですね。私、木造3階建が大好物なんで、3階に泊まれたら素敵^_^温泉じゃないのが残念ですね。
私は年始に伊豆に行ってきました。下田の千代田屋旅館さんに泊まったんですが、素晴らしかったです。温泉も良きですが。ごはんがとにかく美味しい!女将さんもフレンドリーだし、ネギさんも気に入ると思います。もし伊豆旅の機会があったら検討下さい。
あ、ここで出されるわさび漬けは私食べれたし、気に入って譲ってもらったほどです。ネギさんもイケると思いますよ。
更に途中のあずさ気まぐれ売店という直売所で見つけて追加したほど。
話逸れましたが、また次の旅話楽しみにしてますねー!
まいらーさんこんばんは、返事が遅くなってしまってすいません。
山の湯さんのHPから凄い良い宿感が出てますからね、以前から行こう行こうと思ってました♨
あの猫が多い集落には古民家の宿があるようで、そこは温泉宿ではないんですがとても良さそうな感じがします。猫好きでしたらそっちのほうがいいかも(笑
でもあの露天風呂は味わってもらいたいです。
>>いさご屋旅館もいいですね
私も木造宿大好きです。3階から参道を見下ろせたら最高ですよね。温泉街の通り沿いの宿とか大好きです。木造では2階建てですが、宮城の鎌倉温泉が私が一番好きな造りです。
>>下田の千代田屋旅館さんに泊まった
見てみましたが、温泉で川沿い、建物自体も凄く良い感じですね。この里山っぽい風景で海鮮が出るのはさすがです。ヤギがいるのも面白いですね♨
伊豆はなかなか行く機会がないからチェックポイントが増えるばかりですが、そろそろ行きたいですね。千代田屋旅館さんもチェックさせてもらいました( ^ω^)ありがとうございます。
というかわさび漬け苦手なまいらーさんでも譲ってもらうほどとは、これはかなり気になりますね。いまだかつてわさび漬けを美味しいと思ったことがないので千代田屋旅館さんに行く時が楽しみです。
>>霊泉寺の遊楽で
女将さんめちゃくちゃ可愛いですね(笑)こういうやりとりができるのがやっぱり旅の醍醐味ですよね。個人的にそれだけで宿の評価がグッとあがります。
>>全部作るのは大変だもの
まったくもってそのとおりです。私は冷めたおかずが出てきても大して気にしない人間なので、美味しければ買ってきたものでも全然大丈夫です♨細かいことは置いといて、その時を楽しむだけです。
でもそんなまいらーさんだからこそ、女将さんも安心してバラしたのかもしれないですね(笑
長生館のおばあちゃんも親切で可愛らしい人だったので是非行ってみてください〜