友人との2泊3日旅行2日目です。 [1日目]
蓬莱館から出発し、今日の宿まではちょくちょく寄るところがあるものの、距離としてはさほどでもないので余裕がある私たち。昨日はちょっと遅めに宿に着いてしまっただけに、今日はちょっと早めに着いて皆でのんびりゆっくりしたいところだ。
天気は昨日と打って変わって気持ちの良い晴れで、当然景色も昨日とは違って見える。割と残っている紅葉が目を楽しませてくれるけど、やはりところどころ工事が多いのが残念なところではある。でもこればっかりはしょうがない。
さて、そんな中宿から近いところに個人的に寄りたいところがあったので、鬼熊にお願いして止まってもらうことに。「あいよ!」と返事する鬼熊は、晴れのせいか温泉で疲れが取れたせいか気分も上々と言ったところだった。
ここは予定にはなかったけど、見つけてしまったので寄らないわけには行かない。吊り橋好きだから!
向こう側には特に何もなかったけど、ツゲが珍しくはしゃいで吊り橋を揺らしまくる
うん、ここは安全な吊り橋だ。でも揺らそうと思うと結構揺れるからそれなりに楽しかった。橋の向こうには何かのフィールドがあるみたいだったけどよく覚えておりません。
そうして橋を往復した後、トンネル付近にある第一チェックポイントに向かう。一見工事現場っぽい雰囲気の場所だったけど、行ってみるとそれはあった。
いつもの鬼熊たちとの旅行なら湧き水汲み用にタンクを持っていくんだけど、今回は小田原集合だったのでさすがに持って行けなかった。なのでせめて少しでもということで私は水筒を持参していたのだった。
水はかなり透き通っていて相当な綺麗さ。そして今は時期も時期なのでさぞ水も冷たいかと思ったら案外そうでもなく(氷水くらい冷たいかと思ってた)、それは少々残念だったものの飲んでみないことには始まらない。ということでなぜかいの一番に水を汲んでいるツゲを待って飲んでみることにした。
私も水筒満タンに汲んで飲んでみると・・・・なんか粉っぽい?感じがする。別に濁ってるわけでもないんだけど、口当たりが妙に粉っぽい。ツゲも飲んでいたので聞いてみると「ウン…ソウネ」と言っていたし勘違いではなさそうだ。なんだろう、昨日の雨の影響なのか工事のせいなのか元々こうなのか・・・・よくわからないけど、満タン汲んだ割になんか心配だったのでその後飲むことはなかった。
なんと言っても名前がいいし、直売所は見ていて楽しいので寄らないわけには行かない。こうして来てみると思ったより小さな店だったけど、さて、中には何が売っているのかしら。
中に入ると意外に若いお姉さんが「いらっしゃいませ〜」と元気よく迎えてくれたけど、今は何か奥で作業中みたいだった。
その間に色々と物色していると、野菜やら加工品やら中々興味深いものが多かったものの、欲しかった柚子ジャムが売り切れだったので特に何を買うこともなく終了してしまった。ただ柚子一個が(たしか)50円でちょっと買おうかと思ったんだけど、これから寄るであろう直売所なり道の駅なりでもっと良い感じに売ってるかもしれないと思って買わなかったのはよくないところだと思う。
さて、これでこの早川町で個人的に寄りたいところは回ったのでこれからは昨日来た道を戻って行けばいいんだけど、実は昨日の夜にツゲと話していると、何か最近冒険心がムクムクと湧き上がってきているというようなことを言い出して、自らルートを提案してきたのだった。
そのルートとはここからほど近い所から入ることができる林道で、十谷峠と言われる峠を抜けて富士川町へ至るルートだった。ツゲいわく、戻ってきた道をただ戻るのではつまらない。ならこの細い道を行けば時間も短縮できるし何より楽しそう、と言いながらグーグルマップ見せてきた彼はどこか今までとは別人のようだった。こんなことは今までのツゲの口からは聞いたこともない提案だけど、しかし私も細い林道を進むのは大賛成なので二人で密かにこのルートで行こうと決めていたのだ。鬼熊にはまだ言ってないけど、彼の優しさ故にこういう提案を断ることはありえないのでまだ伝えていない。そして案の定彼の答えは「ヤバそうだけどいいヨ!」だった。
ということで来た道を少し戻り、ちょっとした集落から林道へ進んでいく。道は完全に一車線で細く、林道だけあって木々が生い茂って若干暗いけども、やはりこういう道を走るのは楽しいもんだ。鬼熊はスタッドレスタイヤということで道の小石やらなんやらに気を使ってかなり安全運転で、この調子なら峠を超えるには中々に時間がかかりそうだった。
ドキドキしながら走る鬼熊をよそに、私とツゲはかなり楽しんでいる
実はこの先に天空の里とか日本のマチュピチュとか言われている茂倉集落があるようで、そこも私にとってはこの十谷峠を通る上で重要なポイントだった。しかし登っても登ってもなかなか集落が見えず、「本当に集落あんの?」と鬼熊が訝しがりつつさっき下から見上げていた山の上の雪景色が近づいて来た頃、急に視界が開けて急斜面にたつ集落が現れた。
閑散とした集落内を進んで適当なところに駐車した後少し散策してみる。左の家の屋根の低さがこの集落の急な傾斜を表している
車から外に出てみるとさっきよりかなり高所に来ただけあって相当に寒く、そのためなのかこれが日常なのか住民の姿はほとんどなし(一人だけ掃除中のおじいさんはいたけど)。しかしこのある時点から時が止まったかのような建物群と寂しげな空気感はちょっとたまらないものがありますな。
近くに神社があったので行ってみた。厳島神社と同じく両部鳥居なだけに、水に関する由来があったら面白いかも
ここで神楽なんかが舞われたりするんだろうか。この集落の祭りがあったら是非行ってみたいな
境内から山を撮影。もう雪は目の前に迫っているだけにこれからの道のりが不安だけど、しかし綺麗だ
参拝後は集落内散策へ。全ての道が路地のようなものなのですんごい楽しい
こんな店や宿もない静かな集落に全くの部外者が歩き回ってるというのは住民もさぞ不安だろうと思うけど、歩いてみると本当に人が住んでるのかと思うほどなんの音も聞こえてこない。しかし見るからに廃墟というような建物もなく生活感もあるので、なんだか不思議な感覚があった。
しかし一方鬼熊は山形のどっかの村出身ということもあってこういう雰囲気はそんなに珍しいもんでもないらしく、それでも「さぶ〜」と言いながら私につきあってくれるのだった。
それにしても(個人的には)趣があって良いな。宿の一軒でもあってくれたら最高なんだけど
ここではどんな暮らしが営まれてるんだろか。これからの季節はかなりヤバそうだ
少し歩いてみてここは私的にかなり興味深い集落であることはわかったけど、しかしあまりに寒いのである程度周ったところで散策は断念することとなった。中でも装備が甘いツゲの冷えっぷりは深刻だったので無理はできないとの判断だった。後はまぁ今度夏にでも来た時に来させてもらいたいけど、ここは珍しい野菜や郷土料理があるそうなのでどうにかして食べさせてもらいたいな。
というわけで車に乗って先へ行きましょう。果たしてどうなることやら
集落からゲートを抜けて山道へ出ると、今までの道とは打って変わって落ち葉がものすごい落ちている。一応轍があるから車通りはあるんだろうけど、なかなかに先行きが不安な状況だ。そこから更に進むと今度はどんどん砂利が多くなってきて、車に飛び散った砂が当たる音も半端じゃなくなってきている。私も皆も「おいおいおい」「大丈夫かコレ」と笑いながらもちょっとずつ恐怖が募ってきている状況だけど、鬼熊は皆の命を預かっているだけにその目は真剣そのものだった。
道にも雪の影が見え始めて道路状況は更に悪くなっていくけども、車内は盛り上がりをみせているのだった
更にいくともうさっきまでとは世界が違ってしまっていた。でも凄く綺麗
しかしここからが本当にヤバイ道のりだった。雪が道に積もっていることで落ち葉も濡れて滑るし、砂利も大きさを徐々に増しながら遂には子供が体育すわりをしてるくらいのサイズの岩が道路上に落ちている始末。ここまでくると車が左右に揺れるなんてことは当たり前になってきていて、相変わらず盛り上がりをみせる車内にも恐怖の色がじわじわと忍び寄ってきているのだった。そんな中「コレガアジワイタカッタ」と人一倍楽しそうなツゲを尻目に「こりゃタイヤ交換確実だな」と鬼熊は楽しみながらも一人肩を落としていた。
それでもずんずん登っていくと崩落現場のようなところからの景色が綺麗だったのでここで一旦休憩。めちゃくちゃ見晴らしがイイ!
この奥行きある景色が素晴らしい。ただ、ここに立っているだけでガラガラと石が転げ落ちていく音がするのが恐ろしい
なんとなくパノラマ写真。この景色が見れただけでも来た甲斐があった
極寒の中ひと時の癒しを味わった後、やっぱりめちゃくちゃ寒いのでそそくさと車に戻って地獄へと突き進む。既にキラキラと粉雪が舞っている中、道が半分土砂崩れで埋まっている今日一番の恐怖ポイントを抜けて(土砂に乗り上げて通過しなくちゃならなかったから本気で横転するかと思った)、もはや笑うしかなくなっている私たちにこの先更なる笑いが待ち構えていた。それは
なんとここまで来て通行止めだったのだ!ご丁寧にゲートが閉じてある!!
もう本当に笑うしかない。これを見た瞬間車内は大爆笑だった。ここまであんなとんもない道を命からがら通って来たのに、ようやく山を下ろうというところでまさかゲートが閉じているとは。「マジかよ〜、なんだよこれはぁ!」と鬼熊がゲートをガチャガチャやるのも無理もない。彼からしたらここからまた神経をすり減らしてあの地獄道を戻らなければならないんだから。そして私もまた、こうして思わぬところで時間をロスしてしまったことで、予定がかなり押してしまった事を心配しなければならなくなってしまったのだった。というかそれよりも何よりも、ここが通れないんだったらもっと手前のとこで看板でも出しときなさいよ。これはあんまりだぜ・・・。まぁ楽しいけどさ。
ゲートの向こうは当然轍もなく雪が好き放題積もっていた。救いは日差しにキラキラと光る粉雪の美しさくらいか
ここで各々呪いの言葉を吐きつつ休憩をした後、これ以上ここに止まってもしかたないので覚悟を決めて道を戻ることに。車内では「ツゲがこの道を選ばなかったらこんなことにはならなかったのに」「これでタイヤがダメになったらツゲに請求するわ」と散々責められたツゲは、「モウコリタヨ…」とようやく芽生えた冒険心が縮んでしまったようだったけど、それでもまた盛り上がりながら道を下っていくのだった。
そして無事集落まで戻って来たところで集落を撮影するため停車。皆生きた心地を噛み締めていたことでしょう
その後難なく山を降りてきたところで時刻はもう12時のお昼時。蓬莱館を出てから既に2時間もたってるのに、まだ私たちは蓬莱館から10キロくらいのところをウロチョロしているのだった。この時点でもう早めに宿についてのんびりなんてのは夢と消えてしまったわけだけど、まぁこれから出来ることといえば少し急ぎ目に車を運転してもらうことくらいか。でもその前に私たちも大変な目にあってすっかりお腹が減ってしまっていたのでまずは食事が最優先。そこでツゲに店を調べてもらうと、すぐ近くにそば処アルプスという評判の良さそうな店があるとのことなので私たちはそこで昼食をとることに決めたのだった。
駐車場より。川向こうにも集落があって林道があるようだけど、もうそこに向かうような余裕はいろんな意味で無い
店内には数人の客がいるだけですぐに席に着くことができたので、お腹がすいている私たちは量の多い〜〜御膳系を注文。待ってる間テレビでは以前に特集されたらしいアド街の録画が流れていたのでそれを眺めつつ、これからのタイムスケジュールを一人考えているとすぐに注文の品が到着した。
ツゲが店の評判を見て決めたということで入った店だけど、食べてみると確かにこれはどれもこれも美味い。そばそのものも美味いんだけど、蕎麦つゆがちょっと甘めで旨味のある、今までにあまり味わったことのない美味しいツユで結構クセになる。天ぷらもサクサクで中には里芋の天ぷらという珍しいものもあって目新しい楽しさも嬉しい。更に炊き込みご飯は出汁がいいのかおかわりしたいくらいにウマかった。これは評判通り当たりのお店でございました。大変美味しゅうございました。
その後蕎麦湯を一気に飲み干して、「オイシカッタネ」と満足げなツゲに感謝して店を後にしたのだった。
そこからしばらくはどこに寄ることもないので、鬼熊の好きな曲を流しながらくだらない事をしゃべりつつ、かつ急ぎ目で車を走らせること数時間。特に車通りも激しくないので思っていたよりは早めに到着したのが
ここでは幻と言われる武川米が売っているので、ツゲに「買ってくと奥さん喜ぶよ」とまたもや適当なことを言って米を買わせるためにやってきたのだった。でもそのほかにもここには色んな面白い加工品やらなんやらが売っているので個人的に寄りたいところでもあった(私は以前長野旅行の時にここに来たことがあるのだ)。
しかしツゲに米を売りつける作戦は「オモイカラ」という理由で一蹴されたので、私は個人的に青大豆の豆腐と納豆を買おうと思ったけど、よくよく考えたら明日帰る時にもここら辺を通るだろうから買うのは明日にすることにした。他にも長芋が欲しかったんだけど、積まれた長芋の入ったダンボール達は全て予約済みだったので残念ながら諦めざるおえなかった。ここって長芋有名なのかな?
「レジが並んでたから」という理由で何も買わず。でも酒造は色んなものが売ってて立派でした
その後ちょうど道沿いにあっので、鬼熊たっての願いでサントリーの白州蒸留所に寄り道。ここでは見学なんかもしていて駐車場に受付があるんだけど、ただものを買うだけでも受付をしなければならないので鬼熊が人数分の受付を済ませ、広い園内を歩いていく。
ここの売店にはどうやらここでしか手に入らない酒があるらしくて鬼熊はそれを狙ってきたんだけど、店員さんが言うにはどうやら1日数本〜数十本くらいしか売っておらず、しかも午前中にはなくなってしまうということで鬼熊は撃沈。そして私はと言うと、何も買うつもりはなかったんだけど「これは売ってるのは見たことない」と言っていた梅酒と、海賊の格好をしたアンクルトリスのピンバッジを購入したのだった。
そしてここを出たら後寄りたいところは一件だけ。夜食用に馬刺しを買っていくために決めていた茅野市の店に直行し
なんだかんだでやっぱり16時を過ぎてしまったけどここで買い物が終われば後は宿に行くだけだ。鬼熊はさすがに疲れてきていたので「ちょっと寝てるわ」と車の中で待機。この少しの睡眠時間が効くらしい。
で、私とツゲは店に入ったんだけど馬肉が見つからず、誰もいない店内でしばらく「ウッテナイ?」「いや、あそこの張り紙に馬刺しと書いてある」なんて話した後に「すいませ〜ん」と声をかけると、奥からおじいさんが出てきたので馬刺しを200gほど頼み、無事夜食をゲットしたのだった(ちなみに200gで2000円ぐらい)。
そして鬼熊を「おい!いつまで寝てるんだ!」と叩き起こした後は急いで宿へ向かうのみ。実は途中にあった酒屋で鬼熊達は酒を買っていたので準備は万端だ。
こんな道を突き進み、なんとも冬の寂しい景色の中を進んで行くと、ここらへんは別荘地なのかオシャレな家が建ち並ぶ一画に出た。しかし季節が季節なので誰一人として人間の姿を見ることなく、かわりにある生物が大挙していた。
鬼熊が「おい!鹿だ鹿!しかもめっちゃいるゾ!」と叫んだので彼の視線の先を見てみると、なんと鹿のかなり数の群が別荘地を闊歩していたのだった。私も旅の途中で鹿を見たことは何度もあるけど、こんなに沢山の群を見たのは初めてだった。今は誰もいないとはいえこんな別荘地の真ん中に鹿が群をなして現れるとは。いつの間にか私たちは中々に自然豊かなエリアに来てしまっていたようだ。
焦って撮っていたのでブレまくり。その場にいた鹿の数はこれ以外にもまだまだいました
この思わぬイベントによって一気に覚醒した私たちはテンションがあがったまま残りの山道を進む(ツゲは鹿が出るまで寝ていた)。「ここにこんだけ鹿がいるんだったら宿の周りは凄いんじゃないか?」とわくわくしている鬼熊は、しかし一転して車の心配をしなければならない状況に襲われた。
宿はすぐそこだけど、宿までの3kmほどは未舗装の砂利道なのだっ
またしてもここで砂利道。あの十谷峠で散々車が傷ついたのに、ここに来てまた飛び散った砂利が車の底をバチバチと削っていくのだった。さらに道も進むほどに凸凹で車体が揺れる揺れる。途中からはもう鬼熊は車のことは既に諦めていた。
そんな道を走ってあたりもすっかり薄暗くなったころ、目の前に大きなログハウス的な建物が見えてきた。ようやく、時間も押しに押して大体17時ごろになっての到着だった。
これから待っている温泉パラダイスを思うとテンションがあがる一向だけれども、この外の寒さは昨日泊まった早川町あたりの比ではない!肌を氷の風が吹き抜けていくような寒さにツゲもいち早く「ヤバイ!」と危機を察知したので、私たちは荷物を持って逃げこむように宿になだれ込んだ。
帳場に行くとすんごく愛想の良い女将さんが出迎えてくれた。開口一番「ようこそいらっしゃいませ。下の方で鹿に会いましたか?」と笑顔で聞いてくる女将さん曰く、あそこの別荘地あたりは鹿の頻出ポイントらしく、もちろんここらへんにも普通に現れるらしい。部屋の窓から見れたりしたらさぞ楽しいことだろう。
と、そんな雑談もそこそこに、早速部屋へと案内してくれる女将さんと従業員の若いお姉さん。廊下にはズラッと大量のドライフラワーが飾られていて心地よい空気包まれている館内だけど、そこらへんの撮影は後回しにしてまずは部屋だ。
女将さんが「もしここが狭かったらこちらのお部屋も空いてますけど」と言って山側の部屋を見せてもらったけど、眺めは最初に案内してもらった部屋の方がよさそうだし、3人で寝るにも全く問題なさそうなので部屋の移動はしないでおいた。その後お姉さんが宿の説明を色々してくれたんだけど、なんともたどたどしい感じの説明の仕方だったのでまだ入ったばかりの人なのかもしれない。
とりあえず夕食は17時半という若干早めの開始らしいけど、女将さんが言うには「まずはお風呂に入られてからがいいでしょうから、その後に食堂にいらしてください」とありがたい気遣いをいただいたので、まずはちょっと休憩した後皆で温泉に向かうことにしたのだった。
部屋にはストーブなんかもあったのでガンガンに温める。さすがに室内と言えどこのままでは寒すぎるからね
アメニティもしっかり全て揃っている。以前歯ブラシがないところにツゲを連れていったことがあるので、彼は安堵していた
窓からの眺め。かなりわかりにくいけどベランダは他の部屋と全て繋がっている。馬刺しや酒は冷蔵庫がないので外に出して冷やすことにした
こうして撮影している間、ツゲはストーブの前を陣取り鬼熊はまたしても一人でテニスのゲームをやり始めたので、私は恒例の館内散策へと向かう。ここはなんだか撮るものが沢山ありそうで楽しそうだ。そうしてその流れで温泉に行ってしまおう。
というわけで一階の土産物売り場と喫煙所へ。蒸溜所でアンクルトリスのピンバッジを買ったためか、ここでもピンバッジを買おうか悩む
なんかイギリスの童話に出てくる家もこんな感じで花々が飾られてたような
1階にもあったけど2階にも鹿の剥製が。ここらへんはやっぱ多いんだね
2階で鬼熊もウロウロしていたので合流。彼もこのドライフラワー達に感心していたみたいだ
その廊下をまっすぐ行くとささやかな休憩スペースが。右の開いてるドアが私たちの部屋だ
そして温泉に向かうためそこからさらに奥へ。ここは装飾の多い宿だ
ここら辺で2人の宿泊客とすれ違った。これまでかなりひっそりした雰囲気だったから宿泊客は私たちだけかと思っていたけどどうやら違うらしい。何やら山登りの話をしていたので明日登山に向かう人たちかもしれない。なんせここは天狗岳という山の登山道入り口にある宿のようなので。
通路の途中には沢山の置物やらが。ここは飽きさせませんね
そしてさらに行くと温泉なんだけど、その手前で鬼熊が「お、良いラウンジ!」と何やら嬉しそう
私も行ってみると確かに良いラウンジ!部屋もかなりあったかいし、ここは利用するしかない!
奥ではビリヤードと卓球も楽しめるようだ。これを見て今夜の予定は決定した!
まさかこんな素敵なラウンジが用意されているとは。ここを一回りして、私が言うより先に「じゃあ後で卓球だな!」と嬉しそうに言う鬼熊に私もツゲも完全同意。私としても卓球には腕に覚えがあるので、ここで彼らに格の違いを知らしめておきたいところだ。ただ鬼熊は負けず嫌いなので、ここは完膚なきまでにコテンパンにしてやらなければ。戦いは夕食後、ツゲが酔っ払う前だなと1人スケジューリングする私だった。
その後はこの大量の漫画から好きなものをセレクトしてゆっくり過ごすとしよう。しかし凄い量だ
脱衣所にはドライヤーもちゃんとあった。ちゃんと綺麗にしてあって好感が持てる脱衣所だ
脱衣所はもちろんそれなりに寒かったので、さっさと服を脱いで浴室へ向かう。でもまずは撮影を・・・・と思ったら蓬莱館と同じく凄まじい湯気で向こうも見えないほどだったので
これは後々撮った写真。この浴室の造り、自然が感じられてとてもヨイ!!
上の写真では浴槽に蓋がいてあるけど、これは湯温が下がらないように20時か21時くらいになると蓋をするとのことでこの通り。はじめに入った時はもちろん蓋はなく、一面湯気で真っ白だった。
で、その横には立ちシャワールームが。最初は鬼熊と「なんであんなのがあるんだろう」と言っていたけど、後々そのありがたさを思い知ることになる
で、シャワーのもう片方には打たせ湯・・・というか軽い滝行ポイントのような場所も設けられていた
ここは鉱泉だけあって源泉温度が低いのは当然なんだけど、それにしても時期が時期だけにこの滝は冷たすぎる。せっかくだから一度は打たれなければと思うけど、どうかなこれは・・・。
で、浴槽と浴槽の間には源泉が溢れてくる槽が。やはりこれも冷たい
というわけでこんな感じの素晴らしい浴室に入ったはいいものの、湯気が充満しているとはいえ裸はさすがに寒すぎるので、皆で「しゃぶいしゃぶい!」と言いながらすぐさま体を洗った後いよいよ温泉へと飛び込んだ。
浴槽は2つあって入り口側がぬる湯で奥が熱湯。とりあえず私と鬼熊は何も知らずぬる湯の方に入ったんだけど、このぬる湯が蓬莱館にあるような冷たいぬる湯ではなくかなりあったかめのぬる湯だったので、体が冷え切っていた私達にとっては最高の温度だった。もう体が溶けて湯と一体化してしまいそうなほど、体を包み込む温さの安らぎは半端じゃない!鬼熊も「ぐわ〜〜」と言って早くも伸びきっている。このある種洞窟的な浴室の雰囲気といい、凝った内装は今まで入った温泉の中でも結構上位にくるんじゃなかろうか。
その後ツゲは「ウ~~」と1人気持ちよさそうに奥の浴槽に入っているので、私たちもその気持ちよさにあやかろうと移動すると、手前の湯も十分温かかったんだけどこちらは更に温かく、しかしかと言って熱すぎるということもなくてこっちもまた最高に気持ち良い。なるほど、こっちと比べると確かに手前はぬるい。これはこっちで十分温まってぬる湯に入るとかなり良さそうだ。
しかしこんな素敵な空間と温泉を友人達だけで独占できる幸せ。みんなもすっかり生気を取り戻したようだし、この宿にしたのは正解だったみたいだ。これから夕食が待っているけど、この調子なら夕食も期待できそうだ。その夕食ももう少しで始まろうとしている。
そんなわけで時間が時間だけに長湯はできないので、しっかり体を温めてから温泉を出て食堂に向かう。さすがによく温まっただけに温泉からあがっても全然大丈夫だった。
食堂には既に何名か先客がいたけど、どうやらひとり客は他のひとり客の方々と同じテーブルらしく、私たちのテーブルの隣がそうだった。
食堂は天井からこれまた沢山のドライフラワーが下がっていて、なんだか独特なヨーロッパのフォークロア的雰囲気。そんな中客は浴衣を着ているんだから和洋折衷もいいところだ。こういった空間で食事をするのも珍しいので自然と気分もいい。
席に着くと鬼熊とツゲはビールを注文し、私も一杯だけもらってから食事を開始。女将さんも残りの料理を持ってきてくれながらにこやかに話しかけてきてくれて料理の説明もしてくれる。
手前のは天ぷらに鶏そぼろ入りのあんかけをかけたもの。これが元料理人の鬼熊も納得するほど美味い
そしてホイルの中身はニジマスの味噌ホイル焼き。味噌の旨味が十分なので、淡白なニジマスにはとてもよく合う
もちろんご飯も具沢山の汁物もあって量的にも十分すぎるほど。ローストビーフやポテトサラダ(みたいなの)もあるかと思えば酢の物系もあるしで、色々と舌を楽しませてくれる。お腹すきすきのツゲも「ウマイナ〜」と満足そうで、一方鬼熊は食べながら料理の勉強をしているのか、良く見てしっかり味わっている様子。そんな中流れている地元のテレビ番組を見ながら、私たちはのんびりお腹を満たしていくのだった。
ウマウマと頬張る鬼熊。しかし食堂の奥のソファ席は魅力的だなぁ
そうして食べてる間も女将さんがちょくちょく話しかけに来てくれたりした。話によるとこの宿のすぐ横にヒカリゴケがあるらしく、「よかったら明日見に行ってみてください」と言ったのを聞いて、「朝行ったらヒカリゴケが光ってるかわからないのでは?」と素人考えで思ったりしたけども、この極寒の中外に出るなんて天地がひっくり返ってもしてはならない事なので言う通り明日の楽しみにすることにした。なぜか鬼熊はヒカリゴケに興味津々だったし。
その後皆完食し、思っていた以上にお腹がパンパンに膨らんだ状態で食堂を後にすることとなった。まさかこんなに満腹になるとは、これだったらしばらくは卓球はできそうにないかな。しばらくは部屋とかでダラダラするしかなさそうだけど、それもまた良しだ。夕食が早かった分、夜はまだまだ長いんだから。
食後、さっきよりも更に満腹度が増してきた私たちは、部屋でちょっとした腹痛に耐えながらダラダラし、私はそれでも温泉に入りたいと1人温泉を満喫。そして部屋に戻ったら彼らも多少腹がこなれてきたようだったので、いつの間にかラウンジの漫画を持ち込んで読みふけっている鬼熊を残して、私とツゲは卓球をするためラウンジに向かった。
さて、では卓球をしますか。まだ体調が完璧ではないので無理しない程度に
卓球台はビリヤード台横にあって、このビリヤード台をどけて卓球台を出すのかと思いきやビリヤード台は重いし畳んだりできるようなものでもなくどうやっても動かせそうになかった。じゃあどこで卓球を?と2人で首をかしげながらも、「コレヲドカセバ….」とビリヤード台横の椅子たちを眺め始めたツゲだったが、他に人がいないとはいえ勝手に椅子を端っこにどかすのもどうかと思われる。でもその間にもツゲは勝手に椅子をどかし始めたので「じゃあ宿の人に聞いてくるから待っててくれ」とツゲを待たせて私は一階に向かった。
ちょうどい帳場奥では宿の人たちが食事中だったらしく、それでも対応に出てくれたさっきのお姉さんは、ありがたいことにラウンジまで一緒に来てくれた。その間少し話したところによると、「私はこのシーズンだけアルバイトで来てるのでよくわからないこともあるんですけど、他のお客様はビリヤード台を卓球台にして遊ばれているようですよ」と言っていた。
なるほど、だからお姉さんはちょっとたどたどしかったのか、と思いながらも、それよりも個人的には卓球台で卓球がしたかったのでラウンジまで来てくれたお姉さんには感謝だった。
ただやっぱり卓球台を出すのは難しそうで、椅子をどこかに寄せるのもお姉さん的に困った感じに見受けられたので、「じゃあビリヤード台で大丈夫ですよ、どうもすいませんでした」とお姉さんに謝った後、私たちはビリヤード台にネットを張って卓球をすることにしたのだった。
幅がないのでネットは少し垂れ下がるけどしょうがない。これはこれで楽しそうだ!
やっぱり温泉と言えば卓球!ということで開始早々いきなり盛り上がる両者。ツゲは私が卓球強者だと知らなかったので私によって随分左右に振り回されながらも「ウフフ」「アハハ」と楽しそうな様子で、私も久しぶりの卓球はなかなか燃えるものがあった。でも下に落ちたボールを拾う時だけはお腹がかなりキツくて苦しかったけど。
そうしていると鬼熊も運動がしたくなったのかのっそりと現れてまずはツゲと試合開始。彼も彼で久しぶりの卓球は楽しいと見える。
技でもってツゲを翻弄する鬼熊。ツゲは連戦な割にまだまだ元気そうだ
もうラウンジに人がいないのをいいことに大盛り上がりで卓球に熱中する私たち(大声は出さないようにしてたけど)。私も途中ツゲと交代して鬼熊と戦ったけど、長いことやってなかったせいか勝ちはしたもののコテンパンにすることはできず、最後の方には「イ〜ヒヒ!」と笑いながら戦う彼に押され気味になってしまうという体たらくだった。
そんな風に數十分も運動していたら全員汗をかくほどとなってしまったので、多少疲れた私たちは卓球を一時中断して汗を流すために部屋からバスタオルを持ってきて皆で温泉へと向かう。卓球をしてすぐに温泉、これこそが卓球のある温泉宿の良いところ!私たちはテンション高めで浴室へと向かったのだった。
温泉にはまたもや誰もいなかったので、今回はかけ湯で汗を流してすぐさま温泉へドボン。相変わらず良い温度なので運動後のヒトップロにも最高だ。
その時「よし、じゃあ行くか!」と何かを決意した鬼熊は、体が十分温まった勢いでシャワー横の滝へまっすぐに歩いて行った。まさか、運動後でテンション高め+温泉で温まったからといって、あの氷と表現しても過言ではないような温度の滝へ向かうとは、寒がりの私には狂気の沙汰としか思えなかった。しかし鬼熊は「よ〜ほっほ!」と変な笑いをあげながらバシャバシャと数秒滝行を行い、「ぐえぇさびぃ!!」と身を縮ませながら温泉へと舞い戻ったのだった。すごいぜ鬼熊!なんでそんなことをしようと思ったのかはわからないけど、とにかく凄い!
そしてそれに感化されたのか、続いてツゲまでも「ヨシ!」と滝へ向かっていった。普段ならそんなことをするタイプではないんだけど、ツゲは案外やるときはやる男なのだ。鬼熊も「いけいけ〜」と応援する中、ツゲは躊躇する風もなくスッと滝に入り、「ウ”~~」と声にもならぬ声をあげて無事滝行をクリアしたのだった。その顔には明らかに苦痛の色が浮かんでいたけども、滝行の後の温泉は格別なのか、湯に浸かってからはまさに至福といった面持ちだった。
では最後に残された私はというと、ここで死んでは皆に迷惑がかかるとあっさり滝行を諦めた。だって私の体は鬼熊やツゲに比べて明らかに脂肪分が少ないから、あんな冷水を一瞬でも浴びようものならひとたまりもないんだもの。ただでさえ寒いのは苦手だというのにわざわざ地獄を見る必要もなし。情けないけど、私は我が身が一番かわいいのだ。
さっきは体しか洗ってなかったからここで髪を洗うことにした。しかしこれを使ってみてわかった。浴室は湯気が充満してるとはいえ寒いので、向こうの普通のシャワーを使っていたら一度に全身にシャワーを浴びられないから背中とかが寒いまま。でもこっちは一度に全身に湯を流すことができるから湯を出している限りは寒いところがない!なるほど、だからこの立ちシャワーがあるのか!と大変勉強になったのだった(まぁ他にも腰の悪い人のためとか色々あるんだろうけど)。
その後部屋に戻ればお楽しみの馬刺しの時間。ついでに鬼熊達は同じく外に出しておいたビールをひっこめ、まだ多少お腹は満たされているものの晩酌を始めることにした。
食堂からつまようじと醤油をもらってきていたので早速いただきます。だけども外が寒すぎたのか馬刺しは半分凍ったような状態で、ビールは凍る寸前のようにキンキン中のキンキンに。外なら冷蔵庫がわりになるだろうと思っていたけど、予想を上回って冷凍庫レベルにまで気温が下がっていたらしい。恐ろしいところに泊まりに来てしまったもんだ。
でも馬刺しはやっぱり美味しかったです。再び酒が入ってみんなも上機嫌
そしてなぜかたまに冷風を浴びにいくツゲ。一瞬開けただけでもかなり寒いッ
蒸留所で買ったアンクルトリス海賊ver。良い土産になりました
その後皆でゲームをしたり漫画を読んだり再び温泉に入ったりして夜が更けていった。最後はじゃんけんで布団を敷く係を決めて、順々に眠りについたのだった。
じゃんけんに負けたツゲが皆の布団を敷いてくれている。私は一足先に寝ることにいたしましょう
そうして翌朝、実はヒカリゴケを見にいくために6時半に起きようと皆で決めていたんだけど、私を除き皆全く起きなかったので私は1人朝一の温泉を味わい、そして部屋に戻ってくると彼らはまだ夢の中だった。
なかなか目覚めない彼らだけどそれもしょうがない。だって布団は気持ちいいんだもの
でも食事の時間もあるので冷風でもくらわせて起こしてやろうと窓に近づいたら、なんと窓が凍っていた。。
でも景色は綺麗。暖かい季節なら外に出てアイスコーヒーでも飲みたいところだ
その後窓を開けっ放しで「起きろ起きろ!」とひと暴れしたらようやく起きた鬼熊達。外の光景を見て目を覚ますといい
寒い風にあたって多少顔つきがしゃっきりしてきたころ、もう朝食の時間は始まっているので(朝食は7~8時半の間なら好きな時間に行っていい)食堂へと向かう。昨日腹一杯食べたけども今はもうお腹がすいている。こんな寒いんだからしっかり食べておかないと。
食堂には夕食の時とは違って先客は1人。女将さんによるとその他の一人客の人たちはさっき宿を出てこれから登山に向かうらしく、窓を見たら重装備で登山口に向かっていく人たちがいた。私は登山はしないけど、冬山に登るなんて考えただけでも恐ろしい。登山が趣味の人にしかわからない何かがあるんだろうけど、私は多分一生冬山に登るなんてことはないだろう。そんなことを洩らすと、ツゲは無言で頷くのだった。
しかし朝の食堂もいいもんです。朝の地元のニュースはなぜか結構好き
食べていると鬼熊が「食べ終わったらヒカリゴケ見にいくか!」と提案してきたけど、このまま外に出ては命に関わると思ったので温泉で温まってから行こうと主張した結果食後の予定はその通りとなった。
朝食はそれぞれとても美味しく、納豆も生卵もあったので私としては珍しくご飯2杯をいただいて、食後はコーヒーをご自由にということで優雅でのんびりとした朝食となった。本当ならテラス席で一杯いきたいところだけど、ちょっと季節が遅すぎた。
そして食後に温泉へ。外から差し込む光が幻想的で、夜とはまた違った素敵な空間に仕上がっていた
朝食前にも入ったけどやっぱりこの温泉は最高だ。この温泉にも後数時間でおさらばしなきゃならないと思うとなんとも寂しい気持ちがよぎってくる。ならば今は友人達とこの瞬間を楽しむのみ!ということでまたしても貸切状態の温泉で今日の予定やら夜中一番いびきがうるさかった奴についての話なんかをして、体を十分に温めた。あとなんとなく源泉を飲んでみたらうす〜く温泉らしい・・・というかちょっと渋みのある味がした。
どうでもいいけど関係者専用らしい外への出入り口にはなぜか漫画雑誌が。アルバイトの人たちが持ってくるんだろうか
ということで一向は服を着替えて外の散策へ向かう。これは浴衣で行かなくて大正解だ
宿周りにはヒカリゴケもあるけど、宿を出て左に行くと源泉が湧いて池になっているところがあるらしいのでまずはそこへ向かう
その途中昨日は気づかなかった湧き水(?)ポイントが。周りはバキバキに凍ってるけどそれが美しい
夜中はマイナス何度までいったんだろうか。というかこれは飲める水なのか非常に気になる。後で聞いてみよう
そこらへんに横たわっている気には霜がびっしり。これ私たちの車大丈夫なのか?
そして少しばかり歩くとすぐに到着。なるほど、何か周りとは違う雰囲気だ
これは綺麗だなぁ。水(鉱泉)の色といい周りの凍った植物といい、なんかちょっとファンタジック!
これは見に来てよかった。規模こそ小さいものの、この一画だけ妖精が住んでるような幻想的な雰囲気がする。霜がつきまくってるものの周りの植物たちが枯れているのとは反対にここの植物達は緑を維持してるし、成分が固まったものであろう底の白さも源泉のパワーを思わせる。夏だったら更に美しそうだ。鬼熊とツゲもこれにはシャッターを切る指が止まらないようだった。
夏だったらここに入ったりすることもできるのかな。ともあれ美しい景色をありがとう
その後十分に池を鑑賞したあとはヒカリゴケへ。ヒカリゴケはどうやら細い道を山の方に登って行った途中にあるらしい
先頭を歩いていた鬼熊が「あ!鹿のウンちゃんだっ」と指差したところを見ると道のど真ん中に真新しい鹿のフンが鎮座していた。姿は見えないけどやはりここらへんにもいるようだ。どこかから出てきてくれたら嬉しいけど。
案内に従って歩いて行く。場所はすでに宿の真裏だ
そしてヒカリゴケ現場にはすぐ到着した。ちなみに黄色いのはスプレーか何かの模様
ヒカリゴケの群生地に到着はしたものの・・・・一体どれがヒカリゴケなのかわからない。鬼熊は木のウロのようなところを指差して「ここ光ってるよ」と言っているけど私には全く光ってるようには見えず、ツゲも「ン〜?」とよくわからない模様。やはり夜に来たらよかったのか・・・・でも夜にこの道はちょっと危険だし寒いし・・・。まぁ一応ヒカリゴケが視界に入っただろうということで私とツゲは納得したのだった。
戻ったらあの寒さから帰って来たばかりというのに鬼熊がコーヒー牛乳アイスを食べ(食べさせてもらったらおいしかった)、もう時間も少なくなって来たので最後に再び温泉に入ることに。
今度はぬる湯にじっくり浸かりながら話していると、今回の宿は鬼熊とツゲ的にもかなり気に入った宿のようで私も嬉しくなる。私がここを選んだ理由としては、1泊目がボロ宿だから2泊目は綺麗なとこに(もちろん私が気になった宿で)ということだったけど、その判断は間違ってなかったようだ。でも鬼熊が言うには「そんな気を使わなくてもネギが選んだとこならどこでもいいよ。なんだかんだ楽しいし」と言ってくれたので、次からはボロ宿連泊でもいけそうだ。ただ次に旅行に行くときはとうとうツゲが選ぶ番になりそうだけど。でもそれも楽しみだ。そんなことを話しながら最後の唐沢鉱泉を楽しんだ。
館内では従業員の人たちがあくせくと部屋の片付けをし初めているので、私たちもそれに倣っていそいそと準備へ。ここではシーツやら枕カバーやらは分けて片付けておく必要があるらしかったので、これからの運転を任せる鬼熊には休んでもらって私たちが片付けをすることにした。
そうして準備を整え清算へ。最後女将さんに「昨日は卓球で盛り上がられたようで(笑)。ゆっくりできましたか?」と聞かれたので「最高でした、また来ます!」と言うと、凄く嬉しそうな笑顔を返してくれた女将さんの顔が印象的だった。ここに泊まりに来る人は女将さんに会うのを楽しみに来る人も多かろう。そのくらい愛想の良い優しい女将さんだった。
そうして女将さんに見送られて宿を出るとき、鬼熊が指を刺すところを見てみると
今マイナス6度だったら昨夜は何度だったんだろか。そんな中野ざらしにされていた車は、そして車内に置いたままのみかんはどうなってるのか・・・・一行は楽しみにしながら車の下に向かうと
私は散歩中に見た湧き水を汲んでから車に向かったんだけど(冷たくてかなり美味しかったです)、そこには全体に氷が張った車の姿があった。鬼熊は「こりゃしばらく出発できないな」と暖房を全開に効かせてワイパーも動かしたんだけど、確かにこのままでは前が全く見えない。
なんてたって窓がこんなことになってるんだから。でも結晶が凄く綺麗
その後車内もあったまってフロントガラスの氷も溶けた頃、ようやく車を動かして出発。車内置いてあったみかんはというと、カチコチとは言わないまでも6~7割凍ったような状態で、口に入れたら氷を食べてるようだった。でも凍ったミカンが売っているように味は大変おいしい。それを食べながら、私たちは夕方には無事帰路についたのだった。
最後に、帰りに寄ったおすすめの店などをダイジェスト的にどうぞ
一番目は渡辺製麺所。七味つきの半生そばセットを買ったけど香りが良くて美味しかった
二番目、イリセン寒天工場。私は知らなかったけど長野の茅野市あたりは寒天で有名らしい
私はこれを56g購入。おまけで50g分の料金にしてくれた。買うならこれが一番お得らしい。他に生寒天も購入。どれも健康的で買ってよかった
三番目、たてしな自由農園。ここは規模の大きな直売所のようなお店なんだけど、売ってるものも種類が豊富で楽しい
ポップの説明文が面白い。確かにこれは見たことがないので買ってみたけど、結構おいしかった
私は鹿のすき焼き定食(1800円くらいだったか)を注文。正直もっと少なくてショボいのを予想していただけにこれは驚いた
肉もきのこも沢山(きのこは少し食べちゃってます)。これが牛肉と同等かそれを凌ぐぐらいうまかった。他にも面白い料理が沢山あるし、なにより美味いのでこの店はかなりオススメです
※ 今回泊まった唐沢鉱泉、時期が時期だけに非常に寒かったけれども、その分温泉の良さを存分に味わえて大変満足できる一晩になりました。浴室の内装の良さはかなりのもので、湯治場とはまた違った、とても凝った浴室はそれだけで旅の思い出になるものだと思います。夕食もたっぷりで美味しいし、正直別で頼めるいのしし鍋とかも食べたかったんですけど、それまで頼んでたら完食できたか怪しいので結果オーライだったのかもしれません。あとは充実したラウンジに卓球もついているので、あそこでのんびりと連泊しても飽きないどころかむしろ連泊したいと思ったくらいでした。ですが宿までの3キロは砂利道で少し急な坂もあったりするので、個人的に原付で行くには厳しいかも。車で行くにはとてもオススメな宿でした。
唐沢鉱泉 : 一泊二食付き 13350円(税込)
ネギさん
あけましておめでとうございます
レポ楽しみにしてました
2日目は唐沢鉱泉さんでしたか
うーん想定外でした
もしかしたら近くの十谷荘さんか十谷温泉山の湯さんかなと思っていたのでした
十谷峠のあの道よく行かれましたね
わたしもいまはなき源氏の湯さんに行くときにナビであの道が指示されたのですが
あまりに道が怪しいのと枝なんかで車を傷つけて引き返して帰ってきた思い出があります
そのときは茂倉の里山までたどり着かずにでした
しかしネギさん達がいったあの通行止めゲートのところの雪景色はすごいですね
まさに車でスタッドレスでないといけない秘境
でもあんだけ進んで通行止めで読んでいて笑ってしまいました
唐沢鉱泉さんはまだ泊ったことはないです
わたしは登山も少々するのですが八ヶ岳登山と合わせてこちらのお宿は夏に泊まるかなと
考えております
それと帳場にあった「トイレのみ・・・」はまさに山の宿
多くの登山者がここを通過するのがわかります
それにしてもこちら標高が高くブログにも書かれているとおり外が-6℃とは恐ろしい
1日目、2日目とほんといい宿チョイスしますね
読んでいてとても行きたくなります
>ましゅさん
どうも、コメントありがとうございます( ^ω^)
十谷温泉は一応候補にあったんですけど、2日目にしたらあまりに近すぎるのでやめてしまいました。でも私も行きたいと思ってる温泉地ですから今後行くこともあると思います。
しかし十谷峠は本当にヒドい道でしたね。ましゅさんが行かれた時もひどかったようですし、あれがあの林道の平常なんでしょうね。あそこでもしゲートが開いてたとしたらそれはそれでヤバかったかもしれません。本当に雪景色だけが救いでしたが・・・原付で行かなくて本当に良かったです。友達と行っていたからこそアレを楽しめたんだと思います。
ましゅさんも登山をされるんですね。山小屋には温泉が売りのところも多々あるみたいですが、そういうところにも行ったりするのでしょうか。
唐沢鉱泉さんも私たち以外登山客って感じでしたし、時期がくれば混みそうですね。私がまた行ったとしたらやることは釣りくらいのもんでしょうが、ゆっくりするにも良いところのように思います。夏はかなりよさそうですし、登山も楽しみですね。
今後も気になった宿はどんどこ行きたいと思っているので楽しみにしていてください。頑張ります( ^ω^)