今日は私の勘違いのために突発的に宿を決めたので、どこか寄るべきポイントというのもほとんどない。唯一入りに行きたい温泉が一箇所あるくらいで、後はもう野沢温泉まで行くだけだ。でも野沢温泉は見所が多そうなので、早めに着いて散策したい気持ちが大きいから今日はこのくらいの予定でちょうど良さそうだ。
台風は徐々に接近してきてるもののなんだかんだで晴れの日が続いていて、今日も今日とて快晴だ。こんな日は温泉に限る。
関温泉を出発して野沢温泉に行くにはいくつか山を越えていかなければならないんだけど、唯一の立ち寄りスポットに行くためにはちょっと南に下らなければならないので飯山街道をひたすら飯山方面へと向かう。
が、写真を整理していて気づいたんだけどその道中の写真を全くと言っていいほど撮ってなかったのでどんな道を通ったのかはお伝えできません。とりあえず、緑の多い川沿いの道をただひたすら走ったり川に入ったりしてました。
というわけで11時半くらいにこんなところに到着。場所は多分木島平村だと思う
この木島平村に私の今日唯一の立ち寄りスポットである馬曲温泉があるのでやってきたのであった。馬曲温泉は2年前の佐渡の旅の帰りに寄ろうと思ってやめたところなので、今日は野沢温泉とともに2年前の無念を晴らせる日。しかも馬曲温泉は眺めが非常によろしい温泉として有名なので、こんだけ晴れてるなら絶景がおがめるはずだ。そこで温泉に入って昼飯を食べて、それから野沢温泉に行くとしよう。
でもその前に道の駅があったので寄ってみた。なんだか新しそうな建物だ
駐車場は広いものの影がある場所がほとんどないので、建物の影になってる小さなスペースに原付を駐める。こんな肌を焼くような太陽の下に駐めたら我が愛車がどうなってしまうか、考えただけでも恐ろしい。
そうして私自身も涼を求めて道の駅の中に入ると最初のスペースではなぜかスラックラインの体験イベントをやっていて、そこを抜けてさらに奥に入ると
ん?なんか他の道の駅とは随分違った感じだな。普通なら入ってすぐに地場産の野菜がずらりと並べられてそうなもんだけど。ここではその代わりに急ごしらえされたようなエリアに(多分)地元のアーティストとかの作品が販売されていた。
これはちょっと欲しかったけど、無事持って帰れそうもなかったのでやめといた
ここが直売所。どうやら農産物の販売をメインにしているわけじゃないようだ
直売所が小さいのはちょっと残念だけど、多分他とは違ったコンセプトの元運営されてるんだろう。しかしこの客の少なさと言ったら少しばかり泣けてくるものがある。このくらいの時間だったらいくら平日とはいえもっと客がいてもよさそうなもんだけど、まぁ内容からして地元民は用がなさそうだからしょうがないか。館内も建物を有効活用してるとは言えない感じだし、これから頑張って欲しいと思います。
でもまぁ喉も乾いてることだし直売所に寄ってみると、なんだかトマトジュースを推している感じだったので1缶だけ購入。こういう普段買わないものを買うのも旅の醍醐味だ。
トマトジュースというとカゴメとかデルモンテくらいしか飲んだことないけど、これは思った以上にトマトだ。もう本当にトマトを絞ったまんまという感じで先に挙げたメーカーのものよりも明らかに濃い味がする。あとちょっと塩分が多めっぽいからこんな夏の日にはちょうどいいかもしれない。これはなかなか美味しいな。ただ、これも例によってあんまり冷えていないッ!なんでいつもこういうとこで買う缶ジュースはちゃんと冷えてないんだろうか。それだけは少し残念でした。
こうして道の駅を探索した後、相変わらず厳しい日差しの中出発。ここから馬曲温泉はもう目と鼻の先・・・とは言わないまでも結構近いので時間的にもちょうど昼時に着きそうだ。ただ、凄く眺めが良いということなんでどれだけ坂を登ることになるのかは少し心配だけども。
そうしてナビの通りに進んでいくこと20分ほどで近くまで来ることができた
道中は案外山の中という感じではなく(まぁ山なんだけど)、それなりに民家が並ぶ道を走っていくので想像とはちょっと違っていた。もっと何もない山道をグイグイ登って行ってその果てに馬曲温泉があると思っていただけに、安心した気持ちでこのまま行けそうなのはありがたい。しかも道中いくつか湧き水ポイントがあったので帰り道での楽しみもできた。ここはよほど水が豊富な土地らしい。
馬曲温泉というのはもっと秘境感のある温泉スポットだと思ってたけど実際は割と観光化された場所だった。道も全然きつくなかったし(ただし最後の最後だけはちょっと急だった)、これなら誰でも来やすくて良いかもしれない。しかし、そうなると問題は人混みだ。見た所満車ではないにせよそれなりに車が駐まっているので、落ち着いて絶景温泉を楽しむことはできるだろうか。でもまぁ、とりあえず行ってみよう。
建物の中に入る前に受付があるのでそこで料金を支払うと「内湯は建物の中の食堂奥にあって露天は外にあるから、内湯から行く時は一度服を着てから行ってください」ということだった。なのでまずは内湯から入ることにしよう。
入ってすぐのところには野菜が安く売られていた。美味しそうなナスだ
手前には土産物があったけど特に気になるものもなかったのでまっすぐ内湯へ向かう。食堂では兄ちゃんが一人で退屈そうにしてるだけ。これは案外すいてるかもしれない。
入ってみると先客は2名で全然すいていた。まぁここは露天が有名だから皆そっちに集中してるのかもしれないけど、まずは内湯を楽しませてもらおう。大体露天風呂があるところは内湯の方が湯が新鮮だったりするしね。
先客がいたんで中では撮影できなかったけど、浴槽はあまり大きくなくて大人4~5人分くらい。どうやら湯は弱アルカリ性単純泉で循環と掛け流し併用の塩素消毒アリらしいけど別に塩素の匂いは感じない。じゃあ浴感はということでさっさと体を洗って入ってみると、サラッとして入り心地の良い温泉ではあるものの特にこれといった特徴はないという感じがした。多分ここが人気なのは泉質じゃなくて、山の中という環境と眺めの良さからくるものなんだろう。でもここまで来るのに結構汗をかいたので、それでも十分気持ちよく入ることができた。
温度は適温なものの、あんまり長く入ってるとのぼせて露天を楽しめなさそうなので、早めにあがって露天に向かうことにした。温泉は大体わかったんで、後は有名な眺望のみ。一体どれほどのもんなのか、ワクワクしながら向かった。
水車小屋を折り返すと露天の小屋があった!これは味があって素晴らしい
小屋の中に入ってみるとこれからあがる人が2人いて、さらに開いてる戸の向こうにはハエたたきを持ったおばあちゃんの姿があった。どうやらそこらを飛んでるアブを退治するために参上したらしく、アブに文句を言いながらも戦いを終えてこれから帰還するところのようだった。まぁ多分他にも用事があってそのついでにアブ退治もしたんだろうけど、こういうゆるい感じが田舎の温泉っぽくてイイね。見た所案外人もいなさそうなので広々と楽しめそうだ。
というわけで戦士が去った後に早々と服を脱いで露天へと向かってみると、噂通りそれはそれは眺めの良い露天風呂だった。
こりゃ気持ちイイや
戸を開けて露天へ行くと、ビュウっと涼しい風と共に壮観な光景が目に飛び込んできた。ここまで原付で来たわけだけど、正直そこまで高いところまで来ていた実感がなかったのでちょっと驚いてしまった。なるほど、これは有名になるわけだ。
両側には山が迫っていて、その間の抜けから向こうまで見渡すことができるその光景には人工物がほとんど見えない。確かにこれはちょっと他にはない眺めだ。多分今日は運よく人も少ないので(この時先客が4人くらいいた)、このまま心ゆくまで楽しませてもらおう。
こんなんもあった
こっちの温泉は内湯よりもちょっとぬるめで更に入りやすく、何よりも谷を渡る風がビュンビュン吹いてるので、それが体が温まりすぎるのをを良い塩梅で抑えてくれる。ただ、高所なんで日差しは結構きつくて長いこと入り続けたら間違いなく日焼けするだろう。途中眺めを見るためにそこらの石に腰掛けたら熱くて座れなかったくらいだし。
あと写真に写ってる湯船の後ろは少し高くなっていて、そこには長方形の湯船もあった。その湯船のすみっこは良い感じに日陰になっていたんでへりに寝そべったりしたんだけど、それもまたなんとも言えない落ち着いた、優しい時間だった。
そんな感じで1時間ほど景色と温泉と風を楽しんでいるとそろそろお腹も減ってきたのであがることにした。結局最初から最後まで客が少なかったからよかったけど、どうやら週末になるとここは芋洗い状態が普通みたいだから平日に来れてよかった。先に入っていたおじいさん達が「最近もなんかの雑誌に載ったみたいだからな」と言ってたからこの先更に混むんだろうけど、休日になるとどうなるのか興味があるところではある。でもまぁとにかく、ここもやっぱり来る価値がある温泉でした。
その後食堂で昼食にしようと建物に入ろうとするとドアが自動で開かず「あれ、手動だったっけ?」と思いながら手で開けて中に入ると、店内はさっきよりも薄暗い感じになっていた。でも正直そんなに変化がなかったので大して気にせず中に入ると、お店の人と客のやりとりからどうやら停電しているらしいということがわかった。確かに扇風機も回ってないし明かりもついてない。これは面白いぜ!
と思ったものの「まてよ、じゃあ飯は食えないのか!?」と心配したけど、聞いてみると大体のメニューは作れるということだったんで馬曲定食(1200円くらい?)を注文。座敷で出来上がりを待つことにした。
この静けさ、小さい頃に田舎で味わったことがある。うまく言えないけど同じ静けさでも外と家の中ではまた質が違っていて、家の中の、しかもかつて田舎で経験したあの静けさは心が凄く安らいだのを覚えてる。今のこの食堂の空気はあの時に味わった空気になんとなく似ていて、どことなくノスタルジックな空気が落ち着く感じ。しかもそれが停電によってもたらされてるんだから、なんだか妙な面白みもあって楽しくなってきてしまった。座敷の奥ではおじいさんが爆睡してるし、そんなゆるい感じも居心地が良くて好きだ。なので私もおじいさんに習って寝ながら食事の到着を待つことにした。
そうして横になって目をつぶっていると、眠りそうになったところで「定食頼んだお兄ちゃんはこっちかな?」とおばあちゃんがやってきたので体を起こした。するとそれから少しして「ブー・・・・ン」という音と共に停電が復旧し、食堂は普通の食堂に戻った。
食べてみるとてんぷらも熱くてサクサク、食堂一押しの蕎麦は戸隠とほどのコシはないものの風味豊かでツユの味もよく、全体的にとても美味しくいただくことができた。食堂も静かでゆる〜い空気が流れる中食事ができたので大満足でした。でも満腹にはならなかったかな。
食後はもう一度露天に入りたい気もしたけど、野沢温泉の散策にも時間を割きたいのでここいらで出発。温泉で十分に温まったけど、食堂でだらだらしたおかげで適度に冷めていたのでここからの移動はまぁ大丈夫そうだ。
そうして出発後、来る時にちょっと気になっていた建物があったので少し見てみることに。
この建物は馬曲温泉に隣接してる素泊まり専門の宿のようなんだけど、この建物の雰囲気と眺めの良さはかなり捨てがたい。今日は野沢温泉に泊まることになってるから無理だけど、ここは今後泊まりたい宿の候補としてチェックしておかねば。温泉にもかなり近いし、夜にあの露天に入るのも最高だろう。しかも
これはいつか行くっきゃないな。その時はよろしく!
そうして気になる宿をチェックしたところで再び出発。ここからはもう野沢温泉に行くだけなんだけど、その前にもう一つ、来る前に幾つか発見していた湧き水ポイントに寄らなければ心置きなく野沢温泉に行くことができないので、最後に水を汲んでから向かうことにする。
その湧き水の一つは道をただまっすぐ下って行くとあるはずなんだけどなぜか見つからず、じゃあもう一つの方へ行こうと思ったらどの道沿いにあったのか微妙に思い出せず、発見するのに少し苦労してしまった。しかたなく馬曲温泉に向かった時のルートをなぞるようにして走っていたら見つけることができたけど、全く予想外のところで手間取ってしまった。
でも湧き水があれば少しの苦労なんて無問題。水量も豊富で水場もしっかりしてる
どうやらこの湧き水は賀茂清水というようだけど、いかんせん案内の状態がひどく、解読するには目が疲れそうだったので由緒を知ることなく水を汲むことにした。まぁこの先そんなに飲むこともないだろうけど、とりあえず水筒満タンにした後にコップで飲んでみるとこれが冷たくて結構ウマイ。湧いてるのが完全に道沿いだからわかりやすいし、これなら汲みに来る人も多いだろう。工場の真横というのはちょっと風情にかけるけど、これはなかなか良い湧き水であった。
そうして湧き水を汲んだ後は今度こそ本当に野沢温泉に行くだけだ。ここからなら距離も大したことはないし、道としてもほとんど一本道に等しいのですぐに到着できるだろう。
湧き水を汲んでから30分もたたないうちに野沢温泉に到着した。もうちょっとかかると思ってたんだけど、まぁこれなら先に宿に向かっても問題なさそうだ。去年蔵王に行った時みたいに迷子にならなきゃいいけど。
こんな道をしばらくまっすぐ行くと少しずつ観光客らしき人が見え始め、更にナビに従って行くと
こんな寂れ気味の通りを見つけた。どうやらこの温泉街の途中に宿はあるらしい
そこから少し坂を下ったらいけしょうはあった!
温泉街とはいうものの特に店とかもない通りを下って行くと本日のお宿こといけしょうが現れた。最初「あれ、どっから入るんだ?」と思ったけど入り口は通りから見て裏側にあるらしく、逆に駐車場が道沿いにあった。なのでちょっと坂になってる駐車場に駐めようとしたところ、宿の横の建物の前にいたお兄さんが「〜〜さんですか?どうぞこちらに駐めてください」と愛想よく話しかけてくれた。どうやらこの人が宿のご主人らしい。
どうやらここで洗濯してたらしい。というかこの洗濯場なる建物、かなりそそられる・・・
ご主人の後について宿に向かう途中「あの洗濯場って使っても大丈夫ですか?」と聞くと「温泉で洗うだけなんですが、大丈夫ですよ」とのことだったので、後で服を洗濯させてもらおう。楽しみが一つ増えたゼッ。
この宿はもともとあった古民家を改築したものなんだろうか。なんだか建物自体は古そうだけど外壁や屋根なんかは綺麗だし、ボロっとした感じは一切ない。私はボロいのが好きだけど、でもこの宿は建物の雰囲気を見るにとても期待できそうだ。
モノトーンが映える内観はよく掃除が行き届いているようでピカピカのツルツル。その中に若干洋風な雰囲気を醸しつつも、やはり和を本質としてるところが素晴らしい。比率でいったら3:7くらいの感じだろうか、これは予想以上に素晴らしい宿の予感!
突き当たりの右と左に客室があって、私の部屋は左の部屋のようだ
部屋としては狭い。お一人様用といってもいいくらいの広さだけど、そんなことは全く問題にならない程の圧倒的存在感をたたえる部屋!私の好きな低い窓に、まるで屋根裏部屋のような斜めの天井!そして壁と屋根を支える立派な柱や梁!それらが狭い部屋に詰め込まれて、なんだかここにいるだけで子供の頃のワクワクした気持ちが蘇ってくるようだ。
それでいてちゃんとエアコンもあればさらにはフリーwifiなんかもあるしで、もうこの時点で私の心は大満足。素晴らしい・・・この一言に尽きる!
窓からの眺め。誰かが歩いてたら間違いなく目があうだろうけどそれがなんだというのか
これなら良い一晩を迎えられそうだ。実は今日の宿の予約を取る際に一番の候補に考えていた宿には断られてこちらのいけしょうになったんだけど、それがある意味最善の結果をもたらしたのかもしれない。いやぁヨカッタヨカッタ。
というわけで部屋の紹介はほどほどに、部屋に到着するとご主人は「もうちょっと大きめの浴衣をご用意しましょう」と言って新しい浴衣と一緒に茶菓子も持ってきてくれた。更に「野沢温泉は初めてですか?」と聞かれ「そうです」と答えると、街のマップを用意してくれて外湯の場所やおすすめポイントも教えてくれた。
黄色いペンで印をつけながら説明してくれた。心遣いがありがたい。親切なご主人です
話によると温泉街はそんなに大きくないのでゆっくり見て回っても30分くらいで周れるらしい。でも外湯は13箇所あっていくつかは温泉街の外にもあるので、くまなく散策しようと思ったら30分では足り無いかも。でもまぁどちらにせよ、思った以上に野沢温泉という土地は広くはなさそうだ。
更に「外湯は熱いですけど水で薄める事もできますので。たまにガンコジジイみたいな人が怒る時もあるので、うめさせてくださいと断って水を入れてください」「ここから一番近い熊の手洗湯は一番ぬるいので大丈夫です」だそうだ。ご主人の人柄から「ガンコジジイ」という言葉が出たのが意外で笑ってしまったけど、確かに地元の人は熱いのに慣れてるだろうから外部の人間が断りもなくうめたら気分はよくないだろうな。そこはちゃんと礼儀をわきまえるようにしよう。
そんな感じで色々な説明と雑談を終えたら少しだけ休憩して温泉街散策に出かける事にした。温泉にも入りたいけど、こんな熱い中散策してたら汗だくは必至だろうからその後に入る事にしよう。
お茶とお茶菓子美味しかった。お茶っ葉を掬うスプーンもオシャレ
出発前に宿を少し探検したらこんな部屋もあった。ここはエアコンもないし泊まる用の部屋でもないっぽい
書き忘れてたけどアメニティは浴衣・歯ブラシ・タオルが揃ってるけど、そのうち歯ブラシとタオルは洗面所にある。実はこの宿には風呂がなく、そのためヒトップロ浴びたい時には外湯に行く事になるんだけど、その際にはこの洗面所にあるソープ類とタオルを持って行くというシステムになってるそうだ。そういえば去年泊まった湯ノ花温泉の民宿山楽でもそういう感じだったと思うけど、こういうのは面倒でもなんでもなく温泉街らしいスタイルで結構好きだ。後々、たっぷり楽しませてもらおう。
では、とりあえずの探検は終わったので温泉街散策にでかけよう。玄関には雪駄が出ていたので、折角だから履いていくことにする。
洗濯場の札。ってこれ私は本当に使っていいのか?まぁ宿のご主人がいいって言ってたから大丈夫だろうけど
とりあえず宿から一番近いところにある外湯、熊の手洗湯方面から行こう。ちょっと歩くとすぐに着いた。まさに目と鼻の先
最近建て替えられたのか、わりかし新しそうな湯小屋だ。中からは楽しそうな雑談が聞こえてくる
その目の前には温泉卵を作れる箱があった。源泉温度75℃って、多分熊の手洗湯も同じ源泉だろうけど本当に一番ぬるいのか?これは心してかからなければならないかもしれん
ここも蔵王と同じく路地が楽しい温泉街っぽいな。ワクワクする!
適当に歩いてたらいつの間にか野沢温泉名物の麻釜にやってきた。ご主人にマップをもらったものの全く見ないで歩いているので適当に歩いてたら着いたって感じだ(ご主人ごめんなさい)。ただその方が面白いし、もし道に迷ったらマップを見ることにしよう。
それで、麻釜には来たんだけど左の方に更に登っていく道があったので、先にそっちに行ってみることにした。
さらに奥に続いてる。しかしこの山城屋さんの屋根に続く梯子が気になる
坂を登ると外湯があって(写真は後ほど)、そこからまた別の道を下っていく途中にあったこの宿。先に書いた最初に予約の電話をして断られた宿とはここのことだったんだけど(出かけるのでおやすみとのこと)、玄関の扉が全開で明らかに人がいる感じだった。まぁだからといって嘘をつかれたってわけじゃないだろうけど、なんとなくちょっと残念な気持ち。まぁ次回また電話させてもらおう。
私が最初麻釜について抱いていたイメージは草津の湯畑のような感じで、その周りに店がひしめいてる中心地的な感じだったんだけど案外そうでもなかった。でもその分金の匂いがしないというか素朴な感じで好印象だ。さっき実際に麻釜を使ってる地元の人もいたし、観光化されていても実際に生活の一部として使われてるというのはいいことだ。
じゃあ更に散策を続けましょう。麻釜のすぐそばには商店が並ぶ通りがあってぜんまいがいっぱい売ってた。名産なのかしら?
その道を進んでいくと足湯があったりしたんだけど、そこから更に行くと大湯があった。やはりここが一番混むらしい
普段ならこうやって神社を見つけたら参拝する私なんだけど、ここらで既に汗だく+慣れない雪駄で歩いてるせいで指の股が痛くなってきてるので断念した。まぁ後でまた散策するだろうし、今はスルーさせてもらおう。
近くには立派なお寺も。しかしここも今はスルー。ただ綺麗な水が印象的だった
そしてまたも素敵な路地が。こりゃ野沢温泉は1日いたくらいじゃ楽しみ尽くせそうもないな
どうやらここら辺が温泉街の中心地っぽい。観光客もちらほら見かけるし
外湯の一つ、河原湯発見。もう自分がどこにいるのか全くわかってません
旅館案内所。この建物にも泊まってみたいけど宿じゃないのが残念。というか今思えばここに寄っておけばよかった
さらに散策を続けるとこんなものも。そりゃゴミを捨てられたら怒るよ
野沢温泉を散策してて思うのは、入り組んだ街並みと素敵な路地の多さに加えて街中を流れる水がとても綺麗だということ。さすがに良質な温泉が湧いてるだけあって水そのものもとても澄んでいて輝いている。おまけに水量も豊富なようで、街中のちょっとしたところに小さな滝があったりするので凄く散策のしがいがある。歩いていてとても楽しいのは観光地として大きなポイントだろう。ただ、雪駄のおかげで指の股に続いて足の裏まで痛くなってきたのでちょっと辛くなってきたッ!
廃業してるのかと思ったらやってるっぽい。このアジト風な怪しい雰囲気、たまらんね
野沢温泉はそこらの土産物屋とかで集印帳なるものを買ってスタンプを集めると何か景品がもらえるそうだけど、今回はそれらを全部周るのはキツそうなのでやめておいた。スタンプ集めるのにあくせくするのも嫌だし、これもまた次回のお楽しみにすることにしよう。
そこらへんの民家でこういうことしてるんだもん、たまりませんよ
歩いてると下校中の小学生に出会った。いいとこに住んでるね君たち・・・
更に歩くとこんな(多分)ペンションも。さすがにこの外観はちょっと浮いてる
そして更に外湯発見。これは他とちょっと造りが違って面白い。後で入りに来たいけど、もう道が全くわからない
もう汗だくと足の痛みも極まってきていたのでここらで一休憩することにした。道沿いには花が豊かに咲いてすぐ足元には輝く清流、これは休憩するしかないでしょ!というわけで水の流れに足をつけてみるとこれがまたキンキンに冷たくて、2日目に寄った尾白川渓谷の水を思わせる冷たさだった。戸隠の水も同じくだったけど、本当こんな暑いのによくここまで水が冷えてるもんだ。おかげで足の痛みも汗も、むしろ心地よく感じられるくらいだ。水が豊かというのは本当に素晴らしいことなんだなぁと実感いたします。
という感じで小学生に挨拶されたりしながら(怪しくてごめんなさい)10分ほど休んでまた散策に向かった。足の裏もなんとなく水ぶくれになりそうだし、そろそろ宿に戻った方がよさそうかな。
ということで最後までマップを見ずにフラフラしてたら幸運にも宿に帰ることができたけど、足の裏の一部はもう水ぶくれになってしまっていた。これは温泉に入ったらすぐに絆創膏を貼らなくては。
洗面所からタオルとソープ類をとってなるべく身軽にして熊の手洗湯へ向かう。この汗をかきまくったシャツはさっぱりした後に洗濯させてもらうとしよう。しかし、こうして温泉入りに行くのはやっぱ風情があっていいもんだ。
そしてすぐに到着。この時入ってる人がいたんで写真は翌日のものです
入るとおじいさんが一人熱い方に入っていたので、私ははじっこで体を洗ってからぬる湯に入ってみた・・・・が熱い!叫んで飛び退くほどではないにしろ、到底長湯はできない温度。個人的にはもうちょっとうめたいところだけど、一番ぬるいと言われるこの湯をうめるというのはなんだか悔しいので頑張って入ることにした。でも、2~3分入ってからあがっての繰り返しになりそうだ。
でもそうは言っても泉質はさすが野沢温泉とでも言おうか、湯の中には白い湯の花が舞っていて硫黄の匂いがしっかり香ってくるのはさすがだ。源泉もざばざばと流れ込んでくるのでもちろん新鮮だし、何より入るととてもしっとりさっぱりする。これは最高に気持ちがイイぜ・・・・。
と、そんな感じで出たり入ったりを繰り返してると息子連れのお父さんが入ってきた。そして息子の服を全部脱がせ終えたところで
息「おしっこ行きたい」
父「え〜、ここにはトイレないよ。さっき行っておけばよかったのに」
息「おしっこ行きたい」
父「すいません、ここらへんにトイレってありますか?」
じい「ないねぇ、この隅でやったらいいや(排水溝を指差すじいさん)」
息「できないよ〜、トイレトイレ!」
じい「じゃあ外の川でやるしかないな」
というよくあるちょっとしたトイレ騒動もあったりしたけど、こういうのもまぁ微笑ましいもんだ(結局子供には湯が熱すぎてすぐに出て行っちゃったけど)。
しかしこの後のじいさんの行動にはびっくりした。私が浴槽のヘリに座って温まった体を冷ましている時、じいさんも湯からあがって浴槽の外に座ってたんだけど、何気なくふとじいさんの方を見たらなんと座りながらおしっこをしていやがりました。まぁそこが浴槽の外+湯がオーバーフローしてるからおしっこは湯と共に排水溝へ流れてったんだけど、他に人がいるというのによく堂々とこんなことができるもんだ。地元の人っぽいけど、こんなのを見せられたら温泉に入るのがなんだか不安になってしまうし何より汚い。おまけにその後温泉からあがる時にはよだれまでたらしてるし、野沢温泉最初の1湯で最悪の客に出会ってしまった。今まで色んな温泉に入ってきたけどこんな経験は初めてだったのでびっくりしてしまった。。
とまぁそんなことがあったので、私はなんだかこれ以上入っている気が起きなくなってあがることにした。まぁ私はすぐに気持ちが落ち着く方なので、ちょっとしたらもう気にしてないだろう(そして実際その通りだった)と、そのまま宿に戻って涼んでから洗濯場へ向かった。これがまた初めての経験だから凄く楽しみだ。
一見完全に浴槽に見えるんだけどここは入浴不可の洗濯場。槽も二つに分かれてるけど、多分源泉が流れ込んでる手前でシャツやらパンツやらを洗って、奥では下着類なんかを洗うんだろう(多分)。いやしかし、源泉が豊富だからこそできるこの使い方、贅沢じゃありませんか。温泉で洗った服が乾いたらどうなるのかも興味があるし、これはいい経験だ。早速洗わせてもらおう。
湯は相変わらず熱いから、これなら汚れなんてすぐ落ちそうだ。どうやら洗濯は洗剤がなくても十分に汚れが落ちるみたいだし、しかも今洗濯に使ってるのは古よりの名湯なんだから、むしろ家で洗濯した時より綺麗なはず(適当)。これで乾いた時に硫黄の匂いがしたらもう満点だな。後でまたバスタオル(旅行の時いつも持ち歩いてるやつ)でも洗わせてもらうとしよう。
洗濯を終えて宿に戻ってもまだ時間はあるので、次は湧き水を汲みに行こうと思い立った。散策してた時に湧き水っぽい箇所はいくつかあった(けどのめるかはわからない)し、これだけ水が綺麗なんだから汲めるところはあるはず。
ということでご主人に「ここらへんで湧き水が汲めるところはありますか?」と聞いてみたところ、さっき貰った地図にまたまたペンで印をつけて教えてくれた。有名な湧き水ポイントが二箇所あるようで、どちらも「皆さん結構汲みに行かれますよ」とのことで人気がある湧き水らしい。とりあえずそのうちの一つは宿からまっすぐいって一回曲がれば到着するところだったので、早速意気揚々と行ってみることにした。
温泉街を突っ切って行くとすぐに到着。ここがご主人が教えてくれた六軒清水だ
名前も六軒ならコップの数も六つ。何か意味があるんだろうか。しかしユルい手書きの看板が見事だ
この水瓶の苔むした感じ、そしてコップの多さ、これはうまいに間違いない!水量も豊富だし、これは期待が膨らむ!
まずは水筒に汲む前にコップで一口飲んでみると、まるで氷を口に含んだかのように冷たい!ここの水が冷たいことはわかっていたけど、飲んでみるとそれがより一層よくわかる。雑味がどうとかはよくわからないけど、とにかく飲みやすくて余計な味がせず、ヒエヒエで非常にうまいということは確実だ!戸隠の水と肩を並べるほどに!それがこんな汲みやすい街中に湧いてるんだから素晴らしいね。満タンに汲んで温泉に入った後でがぶ飲みしよう。それがいい!
そしてさらに二杯ほど飲んで水筒に汲んでから、ちょっと寄り道しつつ帰ることに。ここまで原付で来たんだけど、やっぱり原付は非常に楽でございます。
外湯、まつば乃湯。ここも惹かれる造りだ。後で・・・来られるだろか
ここにも洗濯場があったけど、雰囲気は宿横のほうが上だな。というか洗濯場っていくつあるんだろう
そうして帰る途中、温泉街の店で夜食(コアラのマーチ)を購入して宿に戻った。もう時間も夕方だけど、時間が経つにつれて観光客が多くなってきたような気がする。それも案外若い人も多い。これは、夜の雰囲気もまた楽しみだ。
宿に戻ると夕食の時間ももうすぐなので、その時間までやることをやって待つことにする。その中で翌日の宿の予約をした時、泊まろうと思ってた宿が楽天では満室だったんだけど、電話で聞いてみるとあっさりOKでほっと胸をなでおろす。その際「何かお嫌いなものやアレルギーはありますか?」「う〜ん、苦いものが苦手です」「多分でないと思うので大丈夫ですよ(笑)」と親切で面白い感じのおばちゃんだったので、明日の宿もさらに楽しみになった。私が泊まるくらいの値段の宿だと好き嫌いとかアレルギーの事を聞かれる事も少ないので、これは良い宿の予感!予約が取れてよかったよかった。
なんてやってると夕食の時間になってお声がかかったので1階の食堂へ向かった。部屋から出るともう既に炭で何かを焼いてる匂いがしている。これはなんぞと期待しながら食堂へ行くと
食堂も落ち着いた雰囲気で良い。ちなみにもう一組の客は感じの良いご夫婦だった
これ以外にももちろんご飯と味噌汁もついてきた。ちなみに右の椀は味噌汁みたいだけど中身は緑豆をムース状にした何かで、白い包みはサーモンときのこのバター焼き。イワナは「お嫌じゃなければ頭から食べてください」とおばあさんが目の前で串からはずしてくれた。もちろんそうさせていただきますとも!
なんだかどれもオシャレで美味しそうなのでどれから食べるか迷っちゃうけど、とりあえずサーモンのバター焼きから一通り全て食べてみたところ、これがまたそれぞれ見た目通りにすんごく美味い!民宿でも食事がおいしいところは沢山あるけど、ここは今まで泊まった中でもトップクラスに美味いよッ。イワナの焼き加減もいいし、ちょっとしょっぱめの野沢菜はご飯にベストマッチ。刺身も手を抜かずに鮮度と質がいいのを出してくれてるし・・・・まぁ例によってこれ以上は一品一品紹介しないけど、これは民宿で出される料理としては(いや、旅館を含めても)かなりハイレベルだと思う。どれもこれもウマいス!もちろん、完食させていただきましたッ。素晴らしい夕食をありがとう!
そして部屋に戻る時「ごちそうさまでした〜」と一声かけると「お粗末様でした〜。まだデザートがあるんですがどうされますか?お部屋で食べていただいてもかまいませんが」とのことだった。どうやらデザートが運ばれてくる前にごちそうさまをしてしまったらしい。ただこのまま戻ってまた席につくのもちょっと恥ずかしかったので部屋で食べる事にしました。
この柿がやたら甘くてかなりうまかった。まだ時期じゃないのに柿が出てくるとは意外だったけど、うまければ細かい事はどうでもよし。更にポットに入ってたお湯は冷たい水に交換してくれたりしていて、この宿の心遣いには本当に頭が下がる思いだ。飯もうまけりゃサービスもいい、ここは最高ですな。
食後は少し休憩してから、近場にある外湯巡りに出かける事にした。外湯を全ては周れないものの、せめて温泉街にあるいくつかくらいは入っておきたいしね。ということで浴衣姿で夜の外湯めぐりに出かけましょう。
これから連続して温泉に入るので、のぼせないようにそれぞれ短めに入ろうとなんとなく思ってたけど、ここの湯は先客のおかげかぬるくなっていてとても入りやすかった。ただ結構水を入れたであろうせいかあまり匂いなんかはせず。でもこの温度は最高だ。これならいつまでもはいっていられるゾ・・・としょっぱなからまったりしちゃたけど、掛け流しだから当然徐々に熱くなってきたのであがることにした。やっぱりぬるいのはいいけどそれはそれで成分も薄まってるってことだから、この湯の真髄を感じるためにはまた熱い時に来なくちゃならないだろうな。
1湯目から割と温まっちゃったけど、それだけに外に出た時の気持ち良さは格別だ。ただこのまま入っていくと絶対のぼせそうだから次からはほどほどにしなければ。
さて、そんな足で次に向かったのは熊の手洗湯・・・・というか間違いで熊の手洗湯に来ちゃったんだけど、中に人がいてそのまま引き返すのもなんか失礼な気がしたんで少しだけ入ってから次に行くことに。温度は前回と特に変わらずだったけど、地元のおじさんはやっぱり熱い方に入っていた。凄いもんだぜ。。
それでは次の外湯へ。ここは麻釜の湯だけど、後でまた通りそうだからその時に入る事にしよう
滝乃湯は麻釜より奥の人気のないところにあるので先客はいなさそうだ。というか周りに歩いてる人もいないし。
ここもこじんまりしてるけど木とタイルの組み合わせが渋くていいな
管理している人たちの名前が書いてある木札。さすが外国人にも人気の野沢温泉だけあって、何人かそういう名前が見受けられる
一応掛け湯してみるとここも割と入りやすい温度になっていて、先客が薄めてくれていたようだ。ただそれでもここは硫黄の匂いが強くて、白濁した湯には黒い湯の花(最初ゴミかと思った)が待っているので、今のところ温泉感は一番あるかもしれない。入ってみると浴感もやわらかくて体になじむような感覚があるし、(今は)温度もちょうどいいし、ここはいいゾ!とりあえずここが今のところの暫定トップだ!
そうして今回も思った以上に良い温泉だったために少しばかり長く入ってしまったので、適当なところで気持ちを切り替えて次に行くことに。やはり湯船が小さいと温度が戻るのも早いのでまたしても温まり過ぎてしまった。しかもポカポカが持続するから外に出ても汗をかく。次に行くまでにいい感じに冷めてればいいけど。
夜の散歩はいいもんだと思いながら麻釜を見つつ商店街の方に歩いていくと、なにやら祭囃子が小さく響いているのに気がついた。「これはまさか、どこかで祭りでもやってるのか!?」とテンションがあがったけど人通りを見てもそんな感じはないし、何より祭りがあるなら提灯だとかポスターなんかがそこらにあるはず。じゃあ一体これは・・・・・と音のする方に行ってみると
音のする方に吸い寄せられて社殿近くまで来ると、祭囃子はあの灯りがついてるところから聞こえてくる。やはり祭りではないみたいだけど、ちょっと離れてるところから見ていると中で獅子舞が舞っているのが見えた。そうか、9月ごろからは全国的に獅子舞が奉納される祭りが多いから、ここでもその稽古をしているところなんだと納得した私。
外湯めぐり中に祭囃子の音が聞こえてくるなんて、なんとも情緒的で気分がいいじゃないか。でも、できれば間近でその稽古を見てみたい。こうして伝統を受け継いでる人たちが羨ましい。でも部外者の私がいきなり訪問するなんてできるはずもなく、心地よさのなかにも羨望の念を抱きつつ、次の外湯へ向かうことにした。
次に訪れたのは一番有名な大湯。だけどそのために先客も多くて写真は撮れなかった。
とりあえず中に入ってみるとおじいさんやら若そうな人やらが入っていて「これならぬるいだろう」とたかをくくって掛け湯してみると、そんな淡い期待を粉砕する熱が皮膚を焼いてくる!さすがに人がいるから叫び声こそあげなかったものの、この人たちは一体どういう体をしているんだ。。試しに我慢して肩まで入ったものの1分も入っていることができず、でもそれにしては体が十分に温まったので「もう入るのはやめとこう。。ちょっと体を冷ましてからでるか」と思って床に座っていた。すると若そうな人が壁にたてかけてあった湯もみ板で湯をかき回しだして(湯もみ板があるなんて気づかなかった)、その後「これなら少しは・・・」と思って入ってみたらやっぱり熱かったのでもう諦めて大湯を後にした。
まさかこんなに熱いとは、熊の手洗湯が一番ぬるいというのはその通りらしい・・・なんて思いながら次に向かったのは宿からも近い横落の湯だ。ここは大通りの目の前だしそんなに熱いってこともないだろう。
ここはさすがに建物の一階(半地下)にあるだけあってそういう雰囲気だ
ここにきてもう体も結構温まってきたから外湯めぐりは最後にしようと思ってたので、それにふさわしい湯であることを祈って浴室へ。ここは皮膚病に効くということで有名な湯らしいから、ものによっては最後の仕上げにぴったりかもしれない。
というわけでもう散々温泉に入ってきたので掛け湯せずに入ってみたところ、ここにきて「ジャッッ!!」と叫ぶほどの熱が足を焼いた!さっきの大湯どころでじゃない、もう一度入って確かめなくてもわかる。これは人が入れる温度ではない!なんだか足を入れた瞬間「ジュッ・・・」って音が聞こえた気がするほどに。。
最後の湯が激アツとは、これでは仕上げどころか全身に湯を浴びることすら難しい。なのでこういう時の手段として、桶の中で水と温泉を割って体にかけるという最後の手に出たんだけど、これもちょっと疲れるので適当なところでやめて横落の湯を後にすることにした。しかし、これをもって今日の締めくくりとするのはあまりにひどすぎる。後でまたどこかに行こうと心に誓って宿に戻った。
そして宿に戻ってしばらく地元のテレビなんかを見て過ごした後、ちょっと眠くなってきたので寝る前に本当の締めくくりとして、割と近くにある真湯へ行くことにした。
植物なんかもあって、管理者が違えば湯小屋の雰囲気も変わるんだなぁと感じる
試しに掛け湯してみたところ、横落の湯ほどではないにせよ熱かった。なので日本の蛇口から水を投入し、しばらくしてから桶でかきまわしてみると底から白と黒の湯の花が大量に舞い上がってきた!
黒い湯の花は滝乃湯にもあったけどその量は比べ物にならない。多分似たような泉質だけど源泉は違うんだろう。硫黄の匂いも濃いし、これはかなり期待できそうだ。
温度もちょうどよくなったのでいざ入ってみると、その湯の花の多さを実感できる。かきまぜる前はちょっと白濁してるくらいだったけど、こうして入ってみるともう足すら見えなくなるくらいの有様だ。この白と黒の湯の花はどういう成分が固まったものなのかわからないけど、黒い方は指ですりつぶすと灰色の雫に変わる。まるで灰みたいだ。
温度もちょうどいいから最高に気持ちいいし硫黄の匂いも強いし、これは数ある野沢温泉の湯の中でもトップクラスじゃないだろか。全部入ったわけじゃないから本当のところはわからないけど、多分そんな気がする。私的にはここと滝乃湯が泉質としては一番気に入った。
そうしてしばらくの間素晴らしい湯を堪能してあがってみると、もう身体中の毛という毛に湯の花がつきまくっていた(汚い表現ですいません)。おまけに頭から湯をかぶったりもしたもんだから髪の毛にもかなり絡みついていたので、桶に水をためて頭を洗うはめになってしまった。ここまで湯の花がつく温泉というのも今まで入ったことがない。今日の締めくくりとしては、期せずして最高の湯に入ることができたようだ。
こうして真湯を味わったら後はもうやることはない。もうそれなりに眠くなってきていたし、コアラのマーチでも食べてから寝ることにしよう。そうして私は、軽い晩酌の後就寝した。
翌朝は雨だった。どうやらようやく台風が私に追いついて通り過ぎていくところみたいだけど、外は別に普通の雨といった感じで風も強くない。予報によるとこれから晴れてくるようだし、今日のルートを行くのも問題なさそうだ。
しかし起きたはいいものの朝食まではまだ時間があるので熊の手洗湯に行き、そこらを少し散歩した後朝食となった。
宿の人が配慮してくれたのか、夕食の時と座る場所が反対側になっていた。まぁ別に変えなくてもらわなくても問題なかったけど、そういう気配りがあるのは嬉しいことだ。庭を見ながら食べるというのもよさそうだし。
朝食にしては品数も手の込みようもやはり他とは違うゾ。焼き魚も鮭じゃないし(なんだたのかは忘れました)、私の好きな温泉卵もしっかり用意されている、これは最高だ!
早速食べてみると、これはもう言うまでもなくウマイ。特にハンバーグがやたらとウマイ!これだけでご飯を何杯でも食べられそうだ。温泉卵も濃厚かつ温泉風味がしてタレとか塩なんかをかけなくても十分すぎるほどの存在感を発揮している。その他のおかずも言わずもがな、どれもこれもおいしいのが凄い。ご主人かおばあちゃんか、誰が食事を作ってるのかわからないけどきっとどこかで修行してきた人なんだろう。夕食の時にも書いたけど、これは民宿のレベルを超えている。朝食も素晴らしいものをありがとうございました。ごちそうさまです。
食後は野沢温泉最後の一湯に滝乃湯を選んで散歩がてら入浴しにでかけた。雨はもうやんでたけど、それでもやはり暑い。滝乃湯につくまでに汗をかいてしまった。
着いてみると誰もいないのになぜか全開になってる扉。しかも女の湯のほうのドアノブと紐で結ばれてるし、これはどういうことだ。
まぁ中の構造的に全開にしてても見えないからそのままにして(風の通りもいいし)中に入る。体はさっき洗ったのでそのままスーっと足を入れてみると、これがまた地獄の釜のように熱かった。そう、ここはただでさえ入る人が少なそう+朝である+もともと源泉が熱いので、おそらく先客もまだいなかったであろうこの時間の湯温は熱くて当たり前だ。そんなことは今までの経験上わかりそうなものなのに、全開の不可思議なドアに気を取られてそれをすっかり忘れていた・・・ということにしておこう。。ともかく、今のままではとても人が入れる温度じゃない。
というわけで蛇口をフルで捻って水を入れるも一向に入れる温度にはならなかったので、またしても水で温泉を割って掛け湯をするはめになってしまった。でも風が程よく入ってきて、しかも誰もいないので爽快感はある。あまり良い手段ではないけど、案外気持ちよかったので結果オーライということでそれなりに温まって宿に戻ることができた。
その後真湯にも行きたかったけど時間もあまりなかったので諦め、宿で子ども科学電話相談を聞きながらダラダラしたり色々準備したりして、10時ごろ精算に向かった。そこでご主人と天気のことを話したりした後、最後にポケットティッシュをいただいて出発。まだ野沢温泉を堪能しつくしてないから、今度は二泊くらいする予定で訪れることにしよう。
※ 今回泊まった民宿いけしょうは、建物の雰囲気や食事、サービスなどどれをとっても十二分に満足のいく宿でした。外国人が多いだけあってフリーwifiがあるのもありがたかったし、なんの文句もありません。中には宿に風呂がないことを不便に思う人もいるかもしれませんが、実際泊まってみるとそんなことは大した問題じゃないことがよくわかるはずです(ただ、誰にも邪魔されずに一人ゆっくり入りたい、という人には向かないと思いますが)。
宿の人もとても優しくて親切だし、次に野沢温泉に来る時は是非また泊まりたい宿となりました。その時は、宿の人ともっとお話をさせてもらいたいと思います。オススメです。
民宿いけしょう : 一泊二食付き 9700円
毎回すみません。
今回のお宿すごく素敵!!!
あのようなお家に住みたいです!
坂道と入り組んで密集した建物と町並み!
いいですね、そして湯めぐり・・・
最高ですね!
>十六夜さん
どうも、コメントいただけて嬉しいですよ、いつもありがとうございます!それなのにいつも返事が遅くてすいません。
いけしょうは当ブログの「あまり知られてない民宿」という(名ばかりの)コンセプトには当てはまらない宿なんですけど、どうしても泊まってみたくて行ってみました。それがもう大当たりで、私もあんな家に住めたらと思うばかりです。野沢温泉もまだ素敵な路地がありそうですし、次はお祭りの時にでも行きたいもんです。十六夜さんも行かれる時は一泊以上がよろしいかと思われます( ^ω^)肌がモチモチになりますよ
>>前回のコメントについて
お寺に10年もとは、これは(少なくとも私の交友関係から見て)特殊だと思います。巫女さんのバイトをしたことがある人はいても、寺務員さんをしていたという人に出会ったことがないですから。しかもお寺で働くというのも中々ハードだと聞いたことがあります。きっと巫女さんもそうなんでしょうね。
厚かましいようで申し訳ないんですけど、もし嫌じゃなければ、いつか働いていて心に残ってる話などなど聞かせてください。そういう知らない世界の話を聞くのが好きなものでッ。