[山梨] 設備充実の宿のやわらか湯 芦安温泉 / 温泉民宿よしみ [南アルプス市]

山梨

今年は平成最後の年。その平成最後の夏を長野をメインに旅してみようと七泊八日で夏休みの旅に行ってきました。
結果から書くと、図らずも去年と同じく「毎日違う温泉で湯治旅」みたいになっちゃったんだけど、一応今回の旅のテーマは特にありません。
一体どんな旅になったのか、よければ見てやってください。 [2日目]

宿に着いたところから読みたい人はこちら

初日は早朝四時に出発。この日の朝の気温は夏なのに異常に寒く、半袖といつも釣りの時に履いている風通しの良い速乾パンツという装備ではあまりに寒すぎる出だしとなった。しかもなぜだか私は今回の旅にあまり気乗りがしていなかった。理由ははっきりとはわからないけど、新しいことを色々と始めたばかりなので「こんなことをしていていいのか」というある種の不安めいた気持ちがあったためだろうとは思う。でももう宿の予約はとってあるし準備も万端なのでとりあえずは行くしかない。もし明日になっても同じような気持ちのままだったら今回の旅はやめようと思いながら原付を走らせた。

山梨は上野原まで年に何回か釣りに行くので道もわかるし、何時間でどれくらいまで行けるかもわかってるのでそこらへんはまぁ大丈夫。でもやっぱりめちゃくちゃに寒い!家を出て一時間もしないうちにもう腹の底からガタガタと震えがくるレベルで寒いので、雨合羽を着てなんとか寒さを凌ぎつつ、太陽よ早く昇ってくれと思いながらただひたすらに走っていた。

早朝に出発したので車もあまりおらず、7時半くらいにはもう大月市に到着していた。このころには完全に日が差していたけど、それでもまだちょっと寒い。というか冷え切った体がまだ温まりきっていないのでまだカッパは脱げない状態。でも晴れてくると心持ちはちょっと上向きになってきていた。

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笹子川で一枚。ちなみに原付もリュックも新調しております。この原付は3代目のジョグ。初めての長距離だけど頑張って欲しい

川を見ていると釣りをしたくなってくるけど餌も釣り券もないのでここは我慢。一応どこかしらで釣りを満喫できるように装備一式は持ってきているけど、どこかでできるだろうか。大体いつも満足にはできないんだよね。

さて、このまま行くと予定よりも早めに甲府あたりに着いちゃって特にやることもなくなってしまうので、少しペースを落として進む。甲州街道を甲府の方に進んでいくのは久しぶりだけど、記憶にあるほど山道ではなかったので快調だった。記憶の中では笹子トンネルあたりから結構山道な記憶だったんだけど(まぁ山道なんだけど)、思ったほどではなくて記憶のいい加減さに改めて気づかされるくらいだった。でもやっぱり山道を行くのは最高に気持ち良い。3代目のジョグもしっかりと危なげなく走ってくれているので、これは心強い。

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久しぶりに立ち寄った道の駅甲斐大和。しかし道の駅はしまっていた。残念

太陽のおかげで徐々に体も温まりながら進んでいくと、やっぱり予定より早く勝沼あたりに着いたので、体を暖める+時間調整のため温泉に入ろうと脳内会議で可決された。ちょっと調べてみると、都合よく近くの天空の湯なるところが8時から開いているという情報を得たので迷わずそこへ。しかも私がこの日の最初のチェックポイントに選んだ場所からも近かったので正に一石三鳥だ。

その天空の湯へと行く道の途中、さすが勝沼だけあって道沿いにはだいたい3軒に1軒はぶどう狩りやら直売所やら、そういった類の店が並んでいた。こんなに沢山あるんかよと思うぐらいあるので、もしここにぶどう狩りやらを目的に行くんだったら最初から行く店を決めないとめちゃくちゃ迷うよなぁとか思いながら、天空の湯のある方へ道を上がっていった。どうやらぶどうの丘というところの近くにあるらしいが、まさにその名にふさわしい土地と言える。

案内板はあるものの微妙にわかりにくく、少し迷いながらもグーグルマップの力を利用してなんとか到着。このころにはすっかり体も温まるくらいの気温と日差しになっていたけど、さすがに天空の湯というだけあるような場所に施設があったので楽しみにしながら行ってみた。

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駐車場より。眺めがよくて期待ができる

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どうやらここは入浴施設と宿泊施設、それにお土産(主にワイン)施設等が同じ敷地内にあるらしい。写真左が温泉でその横が宿泊棟、さらに右の建物は直売所になっていた。なかなかずるい場所にある直売所だ

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結構綺麗な建物。調べてみたら見た目の割に案外安値で泊まれるようだ。

まだ開店したばかりだというのに駐車場には何台か車が停まっていたので、すでに利用者はいるんだろう。宿泊者はもちろん無料でここを利用できるんだろうし混んでなければいいけど、と思いながら受付をすませ(600円くらいだったか)、案内されるまま2階の浴室へと向かう。さすがに天空の湯というだけあって1階に浴室はないらしい。楽しみだ。

脱衣所に行くとやはり既に何人かいたけど、今現在温泉に入ってるのは10人もいないくらいだった。浴槽もそこそこ広めでいくつかあるのでゆったりと入れそうだ。ただ残念なことに入浴客がいたので浴室や露天の写真はありません。というか、撮影禁止でした。気になる人はぶどうの丘のHPへどうぞ。

さっさと体を洗ってまず内湯に入ってみると、お湯は案外ぬるめで長湯ができそうな湯温だ。時間もたっぷりあるしここで少々長めにゆっくりしていくのもイイかも。
壁には大きな文字で温泉について書かれている板がかかっていて、名湯だとかphが高めだとか色々書かれているけど、お湯自体にはそんなにトロっとしたというか肌がつるっとするような感覚はなかった。でもこれはなかなか気持ちの良い湯であることは間違いない。何より内湯には私の大好きな寝湯もあったので、例え景色の良い露天がなくてもこれだけで個人的な満足度は高い感じ。更に利用してないけどミストサウナもあったりして、値段の割には結構良い日帰り温泉だと思う。

寝湯はちょうど股間のところにジェットがあたって(しかも勢いが強い)あんまり落ち着かないものの、湯温がぬるめで気持ち良いので一人で結構な時間独占していたら眠くなりだしたので目を覚ますために露天へ。するとそこからの見晴らしがまた素晴らしい。写真を撮れなかったのが残念だけど、夜に入りに来たら街の灯と星がとても綺麗なことだろう。風も良い感じに吹き抜けていくのでここでも長湯ができそうだ。私は他のおじさんたちと一緒に湯に入ったり出たりしながらただただ景色を眺めていた。
露天と寝湯を交互に入りつつ、そろそろ出発するかと思って最後にまた露天に入って眺めを見ていると、なぜかジミー大西似のおじさんが景色に背を向けて私の目の前に陣取ったのでどこか残念な気持ちになってそのまま温泉を出ることとなった。

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脱衣所手前にあったマッサージ機。利用しようか迷ったけどなんとなくやめといた。景色はやっぱり良い

外に出てなんとなく宿泊棟の方へ歩いて行くと、奥には土産屋があって、その手前には見晴らしの良い「恋人の聖地」があった。

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ここが恋人の聖地らしい。露天からの眺めも大体こんな感じだ

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私とは一体誰なんだろか

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その横にはハート型の南京錠があった。二人の固い絆を南京錠に見立てているのかそうなることを望んでいるのか。ともかく今の私には全く関係ない場所なことは確かだ

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というわけで早々に土産屋へ行く

中には結構な数のワインが並べられていて、少しだけ地元の土産物なんかもあった。ワイン好きがここに泊まったらワインに困ることはないだろう。奥にはカフェもあるっぽかったので、複合施設としてここは中々良いかもしれない。周りにはコンビニとかは全くないけど。

特にワインを買う予定もないのである程度見て回ってから次の目的地に向かうことにした。温泉に入ったこともあってもう外は全く寒くなく、むしろ暑いくらい。これからの時間は早朝とはうってかわって暑さに苦しめられることになりそうだ。

次の目的地は山梨岡神社という、世にも珍しいキ神と呼ばれる神とも妖怪ともつかないものを祀っている神社だ。私は妖怪好きなので前から是非行ってみたいと思っていたし、そのキ神が描かれた神札もあるということなのでチェックポイントとしておいたのだった。これは結構楽しみだ。

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マップを確認しながら進む。裏通りを進むのは旅の醍醐味だ

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ちょっと迷いながらも到着。さっきの予想通り既に暑さに苦しめられていた

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行ってみると、予想に反して誰もいない。休日なので私と同じ趣味の人がいるかもと思っていたんだけど。でも静かで居心地は良い

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こういう石碑を読めるようになりたい

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社殿。後ろの山がこの神社の御神体のようだ

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なんとなく可愛らしい神楽殿。ここで舞われる神楽は是非見てみたい。あとこういう渡り廊下も大好き

残念ながら社務所は閉まっていたので神札はもらえなかったけど、とりあえず参拝はしっかり行って旅の安全と心のもやもやを取り除いてもらえるように祈願しておいた。こういうことが案外じわじわ効いてくるものなのだ。
しかしキ神という世にも珍しい神を祀っている神社だけど、それがわかるようなもの(案内板は除く)が全然ない。とりあえず見つけたものとしては

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この木札くらいか。次のご開帳はいつなんだろう

キ神は中国からやってきた一本足の神らしいけど、ちょっと調べると中国の伝承とは姿がちょっと異なるようだ。まぁここでは詳しくは書かないけど、日本で一歩足の妖怪や神といえば一本だたらや日照り神なんかがメジャーなところとしては思い浮かぶ。キ神はもともと降雨に関わる神だったとwikiに書いてあるし、この木札には雷除けと書いてあるように天候に関わっていてしかも一本足というところは日照り神と似ている。何か関係があるんだろか。

そんなことを考えながら日陰で「宮司さん来ないかな」と淡い期待を抱きつつ休憩し、十分に夏の神社の空気を味わってから出発。やっぱり宮司さんは現れなかったので、神札をもらうのはまたの機会となった。次はご開帳の時に来るとしよう。

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帰る時池を見たらすっぽんがいた

参拝を終えたらまだちょっと早いけど一応昼時なので、近くにある飯処を探す。山梨(の一部?)は鳥もつが有名だということで、鳥もつがうまいと評判らしい割と近くにあった鳥よしという店に行ってみるも旅行あるあるの定休日だった。なので「じゃあ適当に走って見つけた店に入ろう」ということで、暑くつまらない道を少し走ると見つけたこちらの店に入ってみることに。

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なんかチェーン店っぽい佇まいだけどどうなんだろう

12時前だけど何組か既に客がいた。促されるままに席につくと灰皿の上に伝票が置いてあり、他のテーブルにも置いてあったので多分ここは客が伝票に書くシステムなんだろうと察した。なんだかちょっと珍しい。
メニューを見ると定番的なメニューが列挙してあり、特に珍しいものはない。なので暑い日にはスタミナをということで焼肉定食を注文した。

待ってる間グーグルマップで宿までの距離を調べると、もう結構近いところまで来ていた。どうしようか、まだ寄るところはあるにはあるけど、それでもまだ時間は余りそうだ。まぁ早めにチェックインしてゆっくりするのもありっちゃありだし、今日の宿は川沿いだから釣りをするのもいいかもしれない。色々と悩むが、、、まぁ行くところを無理くり見つけるのもどうかと思うので、寄るべきところに寄ってそのまま宿へ行こうと決めた。

そうこうしていると焼肉定食がやってきた。ううむ

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これはうまそうだ

写真では少なそうに見えるのが常だから一応書くけど、これでも満腹になれるくらいの量は十分にあった。それに肉に絡んでいるタレがなんともご飯にあってうまい。ここはなかなかあたりだったようだ。

いつものごとく目をひんむいてバリバリ食べていると、横から「相席でもよろしいですか?」と店員さんの声が聞こえ、返事をしようと顔をあげたら店員さんが案内しているお客さんが「大丈夫です」と返事をしていた。「あ、俺には聞かないのね」とちょっと微妙な気持ちになったけど(相席は別にかまわないんだけど)、それでもバリバリと食べ続け、少しゆっくりしてから店を出た。

ここからは車通りの多い道を進むことになるから真につまらないんだけど、次のポイントに行くためにはしょうがない。食事中に「早めについて釣りでもしよう」と決めたので上州屋で餌やらなんやらを購入し(店員さんがすごくいい人だった)、道を少し戻る形で次のポイントへ向かった。ちなみにこれから向かおうとしているところはまたまた温泉で、山口温泉という温泉好きの間ですこぶる評価の高い日帰り入浴施設だ。ここは住宅街の中にあるらしいので道に迷いそうだけど、まぁ迷ったところで時間はたっぷりあるので問題ない。

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といいつつ実際は各所に案内板があったので全く迷いませんでした

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案内に従って行くと難なく到着。本当に住宅街の中にいきなりある温泉だった。というか、目の前のあの青い屋根の建物が山口温泉なのか?ただの民家に見えるけど、、、

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と思ったらその横にあるこちらの建物でした

既にお客さんはいる模様。完全にお昼時で、しかも今日は休日だからこれは空いている時に来たのかもしれない。まぁ何はともあれ、すごく楽しみだ。

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入り口にあったホワイトボードより。湯治向きの温泉とは、ワクワクするぜ!

入り口を入ると真正面に受付があったのでお金(500円)を払って風呂場へ。建物は中は少しだけ薄暗くてとても好きな感じだ。

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脱衣所。やはり先客がいたけど混んでなければなんでもOK

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こちらが内湯。お客さんがいたから写真は取れなかったのが残念

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温泉の説明。こりゃあ凄い温泉の予感がするぜ。湧出量が豊富すぎるわ飲めるわ肌に良いわ、更にぬる湯だわで良いことづくめじゃないか

温泉通もうなる温泉とはどれほどのものぞとすぐさま服を脱いで浴室へ躍り出ると、なんとも重厚な色調の浴室に湿気が充満していて少し息苦しい。でも最高の温泉という宝物の前には息苦しさなど瑣末なことなのでスーっと浴槽へ向かうと「ん?一部だけ白濁してる?」と一瞬勘違いしてしまったほど炭酸による気泡がプクプクと湧きあがってるのが目に入ってきた。別にジェットバスでもなんでもないのに、まさに炭酸ジュースをコップに入れた時のようにシュワ〜っと泡が舞い昇っている。今まで炭酸泉にはいくつか入ってきたけど、ここまでのは見たことがないぞ。

体は既に天空の湯で洗っているので掛け湯だけして入ろうと湯を浴びると、確かに絶妙なぬるさで入った後の気持ち良さを予感させる。そしていざ入ってみると、その予感通りばっちりぬるくて最高に気持ちが良いのだった。浴感もヌルヌルしていかにも肌によさそうだし、何よりさっき目に入ってきた細かい泡が気づいたら体中にみっしりひっついていて、もう毛という毛に泡が大量についているので体に白い藻が生えたかのように見えたくらいだった。ここは評判通り凄い温泉だ。やはり有名なところは有名になるだけのものを持っているということを実感させてもらった。

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次は露天風呂へ。雰囲気のある岩風呂だ

露天は風抜けもいいので息苦しさは当然皆無。しかも外だから湯温も内湯より更にぬるいので長湯にはもってこいだ。ということで時間も余ってるのでここでゆっくりしていこうと浸かっていたらいつの間にか一時間以上も経過していたのだった。ここはちょっと良すぎる温泉かもしれない。これで源泉を自由に持ち帰れて入浴料も500円なんだから素晴らしいとしか良いようがないし、もう地元の人が心底羨ましいよ。。毎日ここに浸かってたら半年後くらいには見た目が10代に戻ってるかもしれない。

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廊下の様子

温泉からあがって廊下の椅子でゆっくりと余韻を楽しむ。湯温はぬるめだけど、長く入ってることによって説明通り体はポカポカになっていた。ただ、源泉を持ち帰れることを知らなかったので「なんか空のペットボトルでもあればよかったなぁ」なんて思っていたんだけど

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真横にありました

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山口温泉親切すぎるでしょ。。このサービスはあんまり見ないぞ

これはとってもありがたい。私のように何も知らずに来た人でも源泉を持って帰ることができるこの心遣い。多分店主やその家族が飲んだものだろうけど、見たところしっかり洗ってあるみたいだしありがたいことこの上なし。私がもし車で来ていたら特大サイズをもらっていたところだ。今度友人の鬼熊に車を出してもらって来ることにしよう。ここは何度も来る価値がある温泉だ。

ということで源泉をくんで、受付で売ってるコーヒー牛乳を一気飲みした後出発。
その後またつまらない道を通っていると道の駅があったので寄ってみたが

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道の駅しらね。特にめぼしいものはなかった

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なぜかアンパンマンがいた

のでそのまま宿へ向かうことに・・・といきたいところだが、通り道なのである神社へ寄ってみることにした。
実は今日のメインイベントは南アルプス市にある若宮八幡神社にて行われる「お灯篭祭り」という祭りに行くこと。
どうやら名前にあるように綺麗な灯篭が売りの祭りのようで、夜になる前に準備中の祭りの様子でも見ておこうと思ったのだった。
ちなみに、この日は山梨の別の場所でも良さそうな祭りが行われていて、当初そのエリアの宿に予約の電話をしたんだけど断られてしまったので2番目の候補の「お灯篭祭り」に行くことになったという経緯がある。その宿は前々から泊まりたいと思っている宿なんだけど今まで三回ほど予約を断られていて(別に有名なとこでもないんだけど)、もういつ泊まれることになるのか全くわからないのが口惜しい。

というわけで若宮八幡神社へ行く。あたりはもう山がすぐそこに見えているような場所で景色も田舎っぽくなってきてなかなかよろしい。そんな中マップを頼りに行くと、ちょっとガヤガヤしてるとこがあったので神社についたとすぐにわかった。参道では交通を規制して祭りの準備をしている真っ只中だった。

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この門型の木組みは「ちょうまたぎ」というらしい。これは立派だ

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これに灯篭が飾り付けられる

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全部でいくつ建てられるんだろうか。それぞれ形は同じだけど管理(?)している組が違うようだ

原付を止めて行ってみるとあきらかに私だけ部外者だったので微妙に居心地が悪い感じがしたけど、でも特にじろじろ見られるということもなかったので邪魔にならないようにささっとだけ見学させてもらった。
正直祭りの準備をその日にやっていることに疑問をもったので(なんせ立派なちょうまたぎなものだから)「まさか祭りは今日じゃないのか?」とも思ったけど、ここは自分が得た情報を信じよう。ともかくこのちょうまたぎに灯篭が飾り付けられている姿はとても綺麗だろうから夜が俄然楽しみになってきた。やっぱり夏は祭りを見ないと始まらないしね。

そんな感じでさらっと見学したあとはもうさすがに行くところもないので宿へと向かう。今日の宿は芦安温泉というところでこの神社からも近い(というかこの祭りを軸にして宿を探した)ので到着までそう時間もかからないだろう。とりあえずマップを確認して出発した。

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どうでもいいけどこの薄い信号機は山梨に入ってよく見るタイプだった。私の住んでる東京では見たことがないので、何か理由があるんだろう

マップを見ながら進んでいくと、ふとガソリンが少なくなっていることに気づいたので宿に行く前にガソリンを入れようと少し逆戻りしたけど、こういうところはガソリンスタンド自体はあるもののやってない店が多いのが常ということでちょっとばかり時間を食ってしまった。やっとこ見つけたところで満タンにして、あとは何を気にすることもなく改めて宿へ。

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この道をまっすぐ行くと芦安温泉に着くみたい

芦安温泉は割と山あいにある温泉地みたいだけど道は全く問題なく続いているので難なく到着。

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芦安温泉郷は微妙にマイナー温泉地(勘違いだったらごめんなさい)っぽいらしいのでこの目で確かめてやる

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しばらく走ると建物が見えてきた。田舎によくある妙に立派な学校も備えているけど、この狭い範囲での生徒数はどのくらいのもんなんだろうか

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この少し高くなったところに建てられた平屋の趣は結構好き。ちなみに右の建物は今では営業していない日帰り入浴施設だった

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バス停と案内板。案外みどころはありそうか?案内板も綺麗で観光業にしっかり力を入れてそうだ

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待合所の百合の花。周りはプランターが沢山あったからこれも植えられたものだろう。こういうさりげなさは嬉しくなる

芦安温泉に着いてみると、まさしく山あいの温泉地で景色は好きな感じ・・・・と言いたいところだけどここまで来る間に工事現場がいくつかあって残念ながら景色はそんなによろしくなかった。川が流れてるのも本来ならポイントが高いんだけど、その姿は砂利や岩が多く荒れているのでそれに由来する工事だろうと思う。日曜だから観光客がほとんどいないのはいいんだけど、なんとも風情に欠けてしまっているのはもったいない。

なんてことを思いながらとりあえず温泉地を奥へと進む。今日の宿は既に発見していたけどとりあえずこの辺りを散策してからにしよう。

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ここに泊まろうかとも思ったけど窓から川が見えないっぽかったからやめた

途中釣りに適した場所を探しながら山を登っていくとちょっとした休憩所があったので休憩することに。この川は堰堤がいくつもあるので本来なら好ポイントが多いことになるけど、渓相を見る限りあまり期待はできなそうかもしれない。堰堤の多さと河川敷に広がる砂礫を見ても、この川は砂利を運んでくる暴れ川であることは間違いなさそうだし。

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もうすぐ宿に行くけど一休憩

ここで「降りられそうなところはあるかしら」と川を見ていると黒い軽がすぐ側に止まって、しかし車から降りてくることもなくそこにいたのでなんとなく監視されてるような気分になったのでその場を立ち去ることに。するとその軽もどこかへ行ったのでますます怪しいが・・・、とりあえず考えてもしょうがないので散策を続けた。
ここより更に上に行くと温泉宿があったりするみたいだったけど、妙に勾配のある坂だったので万が一のことを考えて引き返しすことにした。帰りは来た道とは違う道で戻ることにしたけど、その道がまあ凄かった。

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高台(というのもおかしいか)にある民家をすり抜けて進んでいくとこんな道が。落石から守るためだろうけどもいきなり現れたのでびっくり

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ただの山道なら別に驚きもしないけど、そこらに民家が並んでいる中でのこれだからある意味面白い。しかも坂の勾配もキツめだし。川の状況を考えるとここらへんの山は崩れやすい地質なんだろうな

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そこを抜けると見晴らしの良い道だった。このルートは刺激的で良いね

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こんな祠もあって

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こんなQRコードも。よくわからないけど何かのアプリで楽しみながらスポットを巡ったりするんだろう

という風に少しだけあたりを散策して元の場所に戻ってきたので、その流れで宿へ向かった。宿は思ったより綺麗で新しそうだけど、さて中はどうなっているだろうか。宿の前のちょっとした空間に原付をとめて、ちょっとワクワクしながら玄関を開けた。

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入ってすぐの様子

「すいませ〜ん」と声をかけると右側の部屋から女将さんが「は〜い、いらっしゃいませ〜」と愛想よくでてきてくれた。
宿に泊まる際のしきたりである宿帳に色々記載していると「今日はもう登られてきたんですか?」と聞かれ、一瞬「?」マークが頭に浮かんだけど、多分私の姿を見て登山者だと思ったんだろう。「いや、登山者じゃないんですよ。今日は祭りを見るために泊まりにきました」と言ったら意外だと言う顔をしてたけど、祭りについて聞いたら女将さんは全然知らないようだった。それなりに地元では有名な祭りだと思ってたけど、やっぱり山間部と市街地ではあまり関わりもないようだった。

というわけで部屋に着くまでの間に門限とか聞いてみると「門限はないんで大丈夫ですよ。じゃあお帰りは何時くらいになりそうですか?」と聞かれるも、祭りが何時までやってるのかわからないので「多分10時くらいですかねぇ。よくわからないんですよ」と答えたら玄関の明かりはつけといてくれるとのこと。温泉も24時間入れるみたいなので色々助かった。

部屋に入ると広さはそれほどでもないものの、全体的にとても綺麗で過ごしやすそう。女将さんは「浴衣、大きめのに取り替えますね〜」と気を使ってくれたので、それもまたまたありがたかった。

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こじんまりしてるけどとても綺麗だ

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さらに短い廊下の先には

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洗面所もあれば

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トイレもある!

建てたばっかりなのか改装したばっかりなのか、全て新しめの設備充実民宿で中々珍しい。これは快適に過ごせることも間違いなさそうだ。

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キャスター付きテーブルは非常に味のある形

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アメニティは揃っている。ちなみに布団は自分で敷きます(民宿だから当然)

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窓からの様子。これで川が荒れてなかったら最高なんだけど

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もう一方の窓より。こっちの眺めも嫌いじゃない

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ちょっと宿の中も見てみよう。これは部屋からでてすぐの様子

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左は階段で

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まっすぐ行くと客室があるけど、その手前に冷蔵庫もあった。これは凄くありがたい

部屋の設備といい冷蔵庫といい、この宿は客が気持ちよく過ごせるように心遣いが行き届いている。部屋にあったキャスターつきのテーブルだって布団を敷く時とかに便利だし、更に24時間温泉に入れるんだからとにかく「ありがとう。。。」という他ない。

そんな感じで恒例の宿チェックを一通り終えると、普通なら真っ先に風呂場に行くところを今日はまず釣りへと出かけることに。
降りられそうなところはないかと川を見ながら走っていると、一見どこからでも降りられそうな川なのに案外降りられる場所がなかったのでそのまま走ることしばし、なんとか川につながるルートを発見したので行ってみた。

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川は綺麗なんだけど、やっぱり砂礫でいっぱいだね

今回はただの水にも入れる靴なのであまり無理はできないけど、大して厳しい箇所もなさそうなので大丈夫そうだ。「釣れたら宿でやいてもらおうかな」なんて思いながらワクワクして竿をだし、糸を垂れるんだけど・・・全然釣れない!
よさそうなポイントは各所にあるものの、渓流につきもののハヤの姿すら見えず、ただただ上流に登っていくのみ。工事の関係なのかもともと魚はいないのか、結局何も釣れずに適当なところで釣りを終えることになってしまった。もっと上流に行けば釣れるんだろうか。なんにせよ私が釣った場所では魚の気配は皆無だった。ここは死の川なのかもしれない。

何の成果もなく宿に戻り、ここからがある種問題の時間だった。今日の出発時点から頭にあった「旅に気乗りしていない気持ち」がまだぬぐいきれていなくて、翌日の宿をとろうかどうかがとても悩ましかったからだ。朝方よりは多少その気持ちは弱くなっていたものの、もしこのままこの気持ちが残り続けるようならただ辛いだけの旅になる。しかし折角の夏休みだし、どうしたもんか。。。
そんな風に考えながらも、こういうある意味弱気になっている時っていうのは大体寝不足が原因であることを私は経験的に知っていた。前日というか今日というか、ともかく3時間くらいしか寝ていないので今日たっぷり寝たら明日はどうなってるかわからない。よし、とりあえず明日の気分次第で全て決めよう。明日の宿はとる!

そんなわけで二日目に泊まろうと決めていた宿(ここは凄く行きたい宿なのだ)に電話したら、何の問題もなくあっさりOK。女将さんが「8500円と9500円と10500のコースがありますけど、どれにしますか?」と聞かれたので、折角だから10500円のコースにするという太っ腹っぷりも見せた私なので、もし明日気持ちが回復しなくて帰ることになっても最高の一夜が約束されるはずだ。願わくば、旅の続行を望むところだけど。

その後少ししたら夕食の時間(18時)になってお声がかかったので、一回の食堂へ。ここでは一体どんな食事を出してくれるのか。

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食堂の様子。あっさりした食堂だ

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そしてこれが今日の夕食

一目見て好きなものが多い夕食だったので大喜びな私。塩焼きも馬刺しも陶板焼きも嬉しいし、ぶどうなんかもついてるあたり山梨らしい。ご飯とかを女将さんがもってきてくれた時「お魚はイワナです。嫌じゃなかったら頭から食べられますんで」と笑顔で説明してくれたんで「もちろんいただきます」「馬刺しも大好物なんです」と余計なことを付け加えてしまうくらい喜んでいた。

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うめぇっす

大きいテレビでニュースを見ながらゆっくり食べる。宿の食事というのはなぜかいつもよりゆっくり食べてしまうのが不思議だ。きっとせかせかした毎日から抜け出したのを体がわかってるのかもしれない。祭りにも十分間に合いそうなので、味わいながら食べてもちろん完食。大変美味しゅうございました。

夕食の後は祭りに繰り出す前にヒトップロ、ということで風呂場へ。風呂場は一階の突き当たりにあります。

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脱衣所の様子

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やっぱ設備が新しいね

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分析書。硫酸塩泉らしい。去年から何かと縁がある泉質だ

脱衣所は狭めだったので全体がうまく撮れなかったけど、扇風機もあるしドライヤーもあるので私的には完璧。では肝心の浴室はどうかということで、ささっと服を脱いで突撃した。

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おお、やっぱり狭めだけどここもやっぱり新しい感じ

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ソープ類もしっかりある

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冷たい源泉をドバドバ入れることができる。ちなみに飲泉可

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湯も澄んでいてよろしい感じ

もうぱっぱと体を洗って湯に浸かってみる。今日はここまで来る間に2湯も入ったけれど、釣りをしたりして疲れもある程度たまっていたので最高に気持ち良い。温度もちょうど良いし、しかも今日は他に泊まる人もいないので貸切状態。思う存分ゆっくりできる。幸せ。
浴感は去年福島とかで入ってきたような硫酸塩泉よりは弱いものの、さらっとしていて肌がしっとりするのがわかる。強い泉質ではないので長湯するのがちょうどいいくらいかもしれない。今はそんなに時間がないからしないけど、帰ってきた後か明日の朝、源泉を多めに入れてぬるくしてから長湯するのもよさそうなので楽しみが一つ増えたのが嬉しい。
ある程度温まってから源泉を飲んでみると大して変わった味もせず、まぁ水ではない感じくらいの感想だったけど、長湯して時折飲むということができるのでこれはありがたい。まぁなんにせよ、とても気持ちが良い温泉だった。

温泉からあがって、結局宿を出たのは19時40分だった。これは別にダラダラして遅くなったわけではなく、規模はそんなに大きくなさそうな祭りだったのであまり早く行っても色々と持て余しそうだったからこの時間になった。どうせなら祭りの最後までいたいので、このくらいがちょうどいいだろう。

宿の人に一声かけて出発したけど、一つ心配なのは道の暗さだ。まぁもし真っ暗でも帰ってくることはできるけど、明かりがあるかないかでは気持ちの面でも安全面でも違う。なので「街灯がちゃんとついてればいいけど・・・」と思って出発したけどなんとか大丈夫そうな感じだったので、さっさと祭りを目指して出発した。

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いくぜ!

いつも思うけど、知らない道を初めて行く時はなんだか結構時間がかかって走ってるような感じがするけど、一度でも通って道のりがわかると二度目からは走った距離が短く感じられるものだ。今回もそれと同じで、芦安温泉から市街地まで「なんかすぐ着いたな」という感覚のもと到着。そしてそこから神社まで向かうわけなんだけど、これがまたなんだかおかしい。
普通なら祭りとなればその周辺に提灯が吊り下げられたり祭囃子が聞こえたり、そして当然それなりの人出もあるはずなんだけどそのどれもが全くなく、誰もいない真っ暗な道が続くばかり。「あれ?やってないのか?やはりあれは今日準備して明日が祭りということだったのか?」とめちゃめちゃ不安になる私。もし祭りがやっていなかったらこの南アルプス市で一泊した意味がまるでなくなってしまう!

そんな不安を抱きながら神社の近くまで来てみると、交通整理っぽいおじさんがいきなり現れたので「お、これはもしや!」とさらに進んでみると、私の不安をよそに祭りは盛大に執り行われていた!歓喜と安堵に包まれた私は交通整理のおじさんに「バイクとめられるとこありますか?」と聞いて案内された場所に無事原付を駐めることができた。

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やっててよかった。。しかし神社に近づくまで本当に人っ子一人いなかったし何も聞こえてこなかったし、一体どういうことなんだ

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おお〜、良い雰囲気だなぁ〜

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皆楽しそう

「ちょうまたぎ」が祭りを華美に演出しているその脇でタープをたてて地元の人たちが酒盛り。なんとも伸びやかで素敵な空間じゃないですか。今回も私のような観光目的の人はいなさそうだけど、地元の人たちが老いも若きも祭りに繰り出している姿は日本の夏を感じさせるには十分すぎる光景だ。やっぱり祭りは良い。

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これは綺麗だ。本当に。

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こういうのは他のところではちょっと見たことがないな

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灯篭が華やかで情緒的。来て良かった

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しかし結構な人混みだなぁ。皆楽しみにしてたんだろうな

「ちょうまたぎ」をじっくり見つつ、祭りの空気を体に存分に受け止めながら進んでいくと、境内手前でなにやら催し物が行われていた。昼頃見に来た時に何やら大きなトラックが駐車していたのが見えたけど、こういうことだったのか。トラックの荷台とその前面のエリアを舞台にして、何やら楽しげな音楽とともに踊っている一団がいた。

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「よさこい舞羽」というチームの踊りだった。衣装も音楽も沖縄と中国が混じったような感じで、こういうのには普通あまり惹かれない私だけど、ノリがよく楽しげで結構気に入ってしまった

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ちっちゃい子も頑張ってます

踊り子さんたち皆楽しそうに踊っていて見てる方も楽しくなってくる。こういう出し物があるんだったらもう少し早くきてもよかったなぁ。人混みに混ざってしばらく鑑賞させてもらった。

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じゃあ、社殿の方にも行ってみよう

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この参道の美しさたるや・・・

一つ一つのちょうまたぎを潜るごとにいちいち観察してしまうくらい興味がつきない美しさ。こんな祭りが地元にあったら自分の地元を胸を張って自慢できそうだ。大々的に他県とかからも観光客を呼ぶには規模も小さいし観光地でもないわけだけど、他ではあまり知られぬ祭りにはこういう心に響く出会いがあるから面白い。このお灯篭祭りも十分に魅力的で、そして心に響く祭りであることは間違いない。

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境内の参道の横は広場になっていて、シートを敷いて酒を飲んだり中高生の青春模様が展開されていたり、皆様々に楽しんでいる

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遅れたけどとりあえず参拝。明日気分が晴れてるようにお願いした

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そしていったん境内からでて屋台が並ぶ通りへ。店は特に変わったものはなかった

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最初に歩いて来た道

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風流だなぁ

しかしもう本当に毎回書いてる気がするけど、こういう祭りに一人で来ると楽しさと共に哀愁にも似た気持ちを味わうことになるのが常なんだよね。そう、それは「彼女と一緒ならもっと楽しいだろうに」という気持ち。周りには着物姿の女性が多いだけに(浴衣姿は素晴らしい)、そんな中に一人旅のおっさんが混じってる時点でこれはもう避けがたい感情なのだ。はぁ、なんともはがゆい。

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にぎやかでいいっすね

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そんな中バシバシ写真を撮る私

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絵になる祭りだね、本当に

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このフォントもイイ

その後再びよさこい舞羽のパフォーマンスを見る。もう最後の方らしく、舞台では周りの観客も(主に子供)巻き込んで楽しそうに踊り、それが終わると次の催しに移った。これがどうやら最後の催しらしく、最後を飾るのは抽選会だった。私は知らなかったけどどうやら社殿目の前にたてられたタープでうちわを配っていて、そのうちわに書かれた番号を読み上げられると当選、ということらしかった。
舞台では司会者と町長(だったと思う)が箱の中からボールをガサっと取り出し、そこに書かれた番号を読み上げている。景品もなかなか良いものだったので、皆結構盛り上がっていた。

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一人で何枚もうちわを持っている人も

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そして全ての景品が出終わると、観客に向かってボールを投げて皆必死になって取ろうと頑張っていた

盛大にボール投げが行われた後はもうこれで終わりかと思いきや、司会者の人が「これから花火があがります!後ろをご覧ください!」と最後の一仕事という感じで発したので後ろを振り向くと、しばらくしてほど近いところから花火があがりだした。

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キレイ!だけどよく見えない!

広場は木が多いので花火があまり見えず、周りも「見えないよ〜」と悲しむ声が。とりあえずここにいても見えないままなので花火のほうに近づいていったらなんとかそれなりに見える場所があったのでそこで観覧することにした。

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花火まで見られるとは、いと嬉しや

まぁ祭りの規模も規模なのでちょっと打ち上がっただけで終わっちゃって、周りの子供達も「もう終わっちゃった〜」と残念がってたけど私としては思わぬサプライズでちょっと嬉しかったりした。もう二度と会うこともないであろう人たちと一緒に同じ花火を見たんだと考えると、なんとも言えない気持ちになった。そんな気持ちの中、お灯篭祭りは終わった。

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花火が終わり、皆それぞれの場所へ帰っていく

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この後若い連中の中にはもう一ドラマあるやつもいるんだろうなぁ

「良い祭りだった!さて、帰ろう!」と思って歩いていくと、まだ人混みも収まっていない中もう既にちょうまたぎの解体が始まっていて驚いた。これから大人たちは酒盛りが遅くまで続いて、片付けは明日にでも・・・ということでもないらしい。今までの雰囲気とは対照的に妙にせっせと片付けているのが面白かった。

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片付けに入るのも作業のスピードも早い。そしてそんな中普通にちょうまたぎを跨いでいく人たち

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こういうのも珍しいからしばらく見てから帰ろう

なんて思っていると段々見ているのも邪魔っぽくなってきたのでそのまま帰ることにした。祭りの帰りは寂しいもんだけど、この時はどこか夢の終わりみたいな気持ちになったのを覚えている。そして気づいたら、旅に気乗りしない気持ちも大分薄らいでいたのだった。

帰り道、今までとは打って変わって暗い道を帰る途中、コンビニで夜食用にチョコシューを買って無事宿に戻ることができた。
そこからはもう何をするでもなく、風呂に入ったりテレビを見たり、十分のんびりしてから就寝した。

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なかなか疲れた。おやすみなさい

翌朝、朝食は8時にお願いしていたのでその時間に食堂へ向かう。今日も良い天気そうで、食堂に夏らしい日差しが差し込んでいる。そして肝心の「旅を続けるかどうか」だけど、私の予想通りぐっすり眠ったら大分例の気持ちが薄らいでいた。まだ多少その残滓は感じられるけど、時間が経てば消えてしまうだろう程度に感じられる。やはり睡眠不足は大敵なのだ。
さて、そうなれば今日も思いっきり遊ぶために朝食をたらふく食べなければならない。ということで

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いただきます!

私の好きな温泉卵もあって素敵な朝食。右のささがきごぼうみたいなのが案外固くて苦労したけど、ご飯も珍しくおかわりしたりして全て残さずいただきました。やはり朝食も美味しかった。

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食後外へ。こりゃあ暑くなりそうだ

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そしてまだ時間はあるので、昨日計画していた源泉でぬるくしての(ちょっとだけ)長風呂も楽しんだ。朝から最高

私は大体チェックアウトギリギリまでいることが多いんだけど、今日はちょっと早めに出発。寄りたいところがいくつかあるので、あんまり遅くなってもよろしくない。というわけで、早々に荷物を整理して清算へ。

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お世話になりました

清算していると女将さんが「50ccで来られたんですね」とちょっと驚いた様子で「高速に乗れないから大変でしょう。結構疲れるんじゃないですか?」とちょっと会話が弾み、出発前に楽しい雑談をすることができた。最後に「お気をつけて。またいらしてください」という言葉を受け気持ちよく宿を出て、昨日とは対照的に、ちょっとワクワクしながら出発したのだった。


※今回泊まった温泉民宿よしみさんは、女将さんの人柄もさることながら、宿の設備が新しく清潔で、とても過ごしやすい宿でした。小さい宿だけど、だからこそできる心遣いということなんでしょうか。民宿=設備も古くてサービスもいまいち、と思ってる人もここなら大丈夫かもしれません。温泉も24時間入れるので安心です。ちなみに喫煙者の方は、館内全て禁煙なのでご注意を。外では吸えるようですが。ともかく、小さいながら良い宿でした。

温泉民宿よしみ : 一泊二食付き 7700円

  1. アキ より:
  2. アキ より:

    空欄で書き込んでしまいました。スミマセン。
    初めまして。
    ひょんな事から…地元の温泉を調べていた時に〔井戸川温泉です〕ネギさんのブログを発見!私も民宿や鄙びた温泉好きなので楽しくブログを読ませて頂いてます。更新されるのを待っていたのでついコメントしちゃいました。 これからも楽しみにしてます! 福島県も沢山温泉があるのでまた来て下さ~い。

  3. ネギ より:

    >アキさん
    初めまして、コメントありがとうございます。
    更新されるのを待っていたなんてありがたい言葉をもらえて嬉しい限りです。妙に長い記事ばっかですけどこれからもよろしくお願いします!
    福島県は良いところだし、入りたい温泉も泊まりたい宿もまだまだあるので必ずまた行かせてもらいますね( ^ω^)井戸川温泉もいい温泉宿でした。地元のアキさんが羨ましいです。