[長野] 急遽予定変更で岡谷市へ。そして我が家へ帰還! [岡谷]

長野

夏休み長野の旅7日目&8日目 [6日目]

朝6時にスマホのアラームが鳴り無事に起床。昨晩酒を飲んでしかも二時間ちょい程しか寝ていないのに案外スムーズに起きることができた。この日の朝は曇り。普段ならありあえない場所での起床に新鮮さを感じつつ、とりあえず顔を洗ってから詰所に向かい、昨日の残りの豚ジンを食べて朝食としました(朝食用に買っていたカップヌードルの存在を忘れていました)。
洗い物を終えたら支度をして旧木沢小学校を後にしました。しょうじきかなり名残惜しかったですが必ずまた来たいと思います。

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朝の様子。

この日は諏訪湖近くの辰野町でキャンプの予定です。辰野には蛇石キャンプ場という無料のキャンプ場があるので、そこでこの旅初めてのテント泊をしようという計画です。
とりあえずそこに行くまでに寄りたいところがあるので、まずは駒ヶ根に向かいました。遠山郷に来るまでの道を戻りながら駒ヶ根を目指します。朝はバイクや草花に朝露がつくくらいなのにあまり涼しくなかったので七分袖で軽快に走ります。駒ヶ根近くまで来ると陽もでてきていよいよ夏らしい天気と気温になってきました。やはり夏は暑くなくてはなりません。

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途中の道から。天竜川は綺麗ですね。

10時ごろには目的地に到着。最初の目的地は駒ヶ根にある大御食神社(おおみけじんじゃ)です。この神社には「美しの杜社伝記」という神代文字で書かれた社伝記が伝えられています。そしてこの社伝記と神社を代々守っている家系(宮司として)が、日本で現在でも続いている最古の家系、小町谷家であると言います。この小町谷家の家系を遡っていくと神話の世界に行き着くそうな。そんな歴史ある神社に行って少しでもその空気に触れられたらと思っていました。
到着したころにはカンカン照りでかなり暑かったですが、大御食神社は沢山の杉に囲まれ(美女ヶ森という)、割りかし涼しそうでした。神社は道沿にあり、民家が立ち並ぶ中に建っていました。

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立派な鳥居をくぐるとすぐ右に社務所がありました。境内には地元の散歩中のおじさんと、何やら蔵の中で何か作業をしている人しかいませんでした。

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神楽殿

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本殿

更にそこから階段を上がったところには本殿と神楽殿が。森の中に穏やかに、立派に鎮座している様子に安心感を覚えます。正直、当初私が思っていた程の大きさはありませんでしたが、周りの景色を見ればこれくらいの規模の神社の方が地元に根付いてる感じがして好印象でした。ほとんど誰もいない中、気持ち良くお参りです。
お参りした後は階段を降りて御神木の御蔭の杉を見ました。

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御神木。

画像ではわかりませんが実際は相当太く高い理派な杉です。この杉は三代目だそうですがその樹齢は1000年以上だとか。日本武尊がこの木の下で三日間に渡ってご馳走を振舞われたそうで、そんな事を想像しながら歴史あるものを眺めるのは楽しいものです。

御神木を眺めていたら首が痛くなってきたので、その後社務所に御朱印を貰いに向かいました。しかしどうも静まり返っていて人がいる様子もなさそうなのですが、近くまで行ってみるとご用の方はインターホンを、みたいなことが書いてあったので押してみると、扉が開いておばちゃんがでてきました。

「あの、御朱印をいただきたいんですが」と言うと、「御朱印ですか?」と少し驚いた風でした。どうしたんだろか、と思っていると「今神主である夫がまだこちらに来ておりませんので、あの、私の字でよろしければ書かせていただきますが」と大変恐縮そうしています。正直少し残念ではありましたが、おばあちゃんも神社の関係者であることには違いないのでいただくことに。「他の所はとても立派な字で書かれていますが、私はあまり字が上手くないのですいませんが・・・。」となんとも申し訳なさそうで、なんだか可愛らしいおばあちゃんです。
「慣れないもので少し時間がかかるかもしれませんが、少々お待ち下さい。」と奥へひっこんでいきました。社務所前の入り口前で待つ事5分程でおばあちゃんが御朱印を持ってきてくれました。「あまり上手くありませんが、昔夫が書いたものを見ながら書きました。」と謙遜していますが、書かれた字を見ると決して大胆な字ではありませんが、おばあちゃんを表したような細くて繊細で、しかも上手な字で書いてもらえていました。なんだか嬉しくなって、「十分お上手じゃないですか。」と言うと、「いえいえ、もうしわけありません。」とアセアセしながらお辞儀。このおばあちゃん、何かとお辞儀をしてくれるのですが、それが三つ指を立てた非常に綺麗なお辞儀で、育ちの良さをうかがわせます。

それからしばし雑談。「最近は御朱印をお願いしてくる若い方が増えました。御朱印を集めるのが少し流行っているみたいですね。」と言っていました。そのように増えてきたこともあって自分が御朱印を書く事も多くなってきたが、私は字も汚いし本当は夫が書いた方が嬉しいだろうから申し訳ないとまたしても小さくなっていました。御朱印をもらいに来た人も8月は私が最初らしいですが、7月も若い女の人が一人できたとか。あとは9月に例大祭があって、そこでは色んな地域の人の催し物や神事が行われてとても盛り上がるとか旅の話などをして盛り上がったのですが時間の関係もあって次の目的地に行くことに。別れ際にはまた美しいお辞儀で送ってもらって、とても楽しい気分で大御食神社を後にしました。(ここの例大祭も訪れてみたいです)

次はここから程近いところにある光前寺へ向かいます。光前寺は猿神退治という伝説の中で、猿神を退治した早太郎という犬のお墓があるお寺で、そこで授与している早太郎の霊符を貰いに行きます。

長閑な田園地帯を行くと光前寺に到着。どうやら私が思っていたよりはるかに観光地化されていて、駐車場には大型バスが。参道には老人よりむしろ若者の集団の方が目立ちました。何かのツアーなのでしょうか、大学生位の人たちがガヤガヤと参道を行きます。私も駐車場に原付をとめて列に加わりました。
ここ光前寺は早太郎だけではなく光ゴケも有名らしく(観光客のほとんどは光ゴケ目的っぽかった)、私はそんなことは全然知らなかったのでちょっと驚きました。しかし光ゴケが有名とわかっても私は早太郎に一途だったので参道脇に生しているコケには目もくれず本堂へ。

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中々立派な建物です。軽くお参りをすませた後本堂の横にある授与所で早太郎の魔除け札を授与してもらい、墓を見学した後すぐに出発しました。

この後は夕食のためにとある川に釣りをしに向かったのですが、細い里川で丈の高い草が生い茂りとても釣りができる状態ではなかったので断念。その後他の川でも釣りをしたのですが特に大したものはかからず夕食は取れずじまいでした。この時既に15時ごろだったのでキャンプ場に向かうことに決めて原付を走らせました。

途中の箕輪町は割と発展していたのですが辰野の方に入るとコンビニもなく、かなり寂しい状況に。夕食を買いたかったのですが何も買えないままキャンプ場に向かうことになりました。
蛇石キャンプ場は渓谷の中にあるキャンプ場と聞いていたのですが、やはり近づくにつれてどんどん山の中へ入っていきます。真夏だというのにかなり寒く、上着を着ないと震えが走る程でした。キャンプ場に着く前に道の途中にある温泉施設で温泉に入っていこうと思っていたのですが、温泉施設前まで来て少し不安になってきました。「このままキャンプ場で一夜を明かしたら死んで(凍死)してしまうんじゃないか。」そんな考えが頭をよぎりました。テントやマットは持ってきてはいても、夏は暑いからということで寝袋はもってきていなかったのです。今こんなに寒いのでは夜はもっと冷えるだろう。それに耐え切れるほどの装備はない、ということで急遽キャンプ場はやめて他の宿泊施設を探すことに。

ちょっと戻って箕輪まで行けばビジネスホテルなどが少々あるものの、あまり気乗りがしません。民宿なども特に目ぼしいものはありませんでした。そうやって色々探しているうちに、「もうネカフェにしよう」と諦めた私はここから少し離れた諏訪は岡谷市にあるエアーズカフェに泊まることに決めました。そうと決まれば早速移動。もう薄暗くなってきているのでなるべく早めに到着しようと急ぎで岡谷市に向かいました。

目的のエアーズカフェに到着してもすぐには入りません。ナイトパックは22時からだったのでしばらくは時間を潰さなければなりません。それまでは夕食を食べた後に風呂に入ろうと決めました。夕食はさんれーくと言うファミレスで、風呂はネカフェの横にあるロマネットという温泉に入りました。ロマネットはローマ風の大きな風呂があって中々居心地がよく、地元の人たちで賑わっている様子でした。時間も十分あるので心ゆくまで温泉に浸かってからネカフェに移動しました。
ネカフェで一晩過ごすなんて何年ぶりでしょうか、なんだかワクワクしながらも受付をすませしばらく触っていなかったパソコンで色々調べた後にダイの大冒険を読んでから就寝しました。他にあまり人もおらず中々快適でした。

夏休み長野の旅8日目

朝6時半ごろ起床。メロンソーダを飲みながら少しゆっくりした後出発です。最終日のこの日は特に予定もなくただ帰るのみ。しかし一箇所だけ行きたい場所がありました。そこはここからほど近い場所にある温泉、菅野温泉です。泊まったネカフェから近いのですぐに温泉付近まで到着しましたが、温泉の入り口がどこにあるのかよくわかりません。少し探したら細い路地に入り口を発見。早速朝風呂へと向かいました。

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菅野温泉入口

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通路の中に温泉が。

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なんと不思議で味のある場所にあるんでしょうか。事前に調べて是非行きたいと思っていた温泉なのですがやっぱり来てよかった。早速中へ入ると中央に番台があり、そこにはおばあちゃんの番頭さんが。なんだか懐かしい作りに嬉しくなりながらも脱衣所へ向かいました。

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脱衣所手前の休憩部屋。右奥が番台。

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脱衣所。

脱衣所に行くと既に三人くらいおじいさんが入っていました。朝早いというのに人はいるものです。人がいるので風呂場の写真が撮れないのを残念に思いましたが、まぁそれはしょうがないので早速を服を脱ごうと思いましたが荷物のリュックをどこに置いたものか。脱衣所にはロッカーがなくカゴだけなのでどうしようかと思っていたら番頭のおばあちゃんが「リュック預かっておきましょうか?そこらに置いといても不安でしょうから」と番台の中にリュックを置いてくれました。
心配事もなくなったのでお礼を言って風呂場へ直行、いつも通りさっさと体を洗って湯船へ。ここは風呂場の真ん中に楕円形の浴槽があります。私の住む東京では見かけない形なのですが昨晩入ったロマネットも規模は違いますが同じ構造でした。ここいらでは割とメジャーな様式なんでしょうか。
まぁでもそんなことより今は目の前の温泉です。この風呂場は上の方に小さな明かり取りの窓があって朝の陽が爽やかに注いできます。そんな中程よい温度の温泉に浸かって朝のひと時を過ごすのは本当に気持ちが良い。田沢温泉でも思いましたが地元にこんな温泉があるのは羨ましい限りです。

さて、もっと温泉に浸かっていたいのですがこの日は長野から直で我が家へ帰るため結構な移動時間になるのであまり長居もできません。まぁ体もあったまって十分満足できたので、風呂から上がっておばあちゃんからリュックを出してもらい温泉を後に。しかしちょうど番台の目の前にコーヒー牛乳が売っている自販機があったのでコーヒー牛乳を購入して温泉前の椅子に座って休憩しました。

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温泉前の休憩所。

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通路にはツバメの巣がいくつかあり、数匹のツバメが飛んでいました。

やはり温泉後のコーヒー牛乳は最高です。ここはなくならないで欲しいなと思いながら菅野鉱泉を後にしました。

その後は道の駅に寄りながら真っ直ぐに帰宅。大体17時前くらいには我が家へ到着しました。最後に泊まったのがネカフェだったのが少々残念でしたが、全体的に素晴らしい旅になりました。やはり夏は最高です。家に帰ってからもしばらくは旅の余韻に浸って何度も今年の夏休みを思い返していました。来年もまた長い事どこかに行きたいと、そう思うのでした。

ではこれで夏休み長野の旅編終了です。読んで下さった方々、ありがとうございました。