[長野] 遠山郷のお祭り、御射山祭りへ! part2 [飯田]

長野

前回の記事の続きです。 [5日目] [7日目]

 

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夕方5時すぎに和田宿に到着。花火までは時間があるのでとりあえず今日の夕食をゲットしようとスーパーに行きましたが、目当ての豚ジン(豚ジンギスカン)にいいのがなかったので朝食用にカップラーメンを購入。豚ジンは前日泊まらせてもらったお店で購入することにしました。(このお店特製の豚ジン。量も値段もスーパーで売っているのより良い)
後で花火の前にかぐらの湯に入る予定なのでかぐらの湯の駐車場に原付を駐車して徒歩でお祭りを見に行きます。途中豚ジンを購入して昨晩お世話になったおばさんと話した後お祭りへ。

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ちょっと屋台で何か食べようと思っていたのですが店数も少なく屋台もどこの祭りでもみかけるような屋台だったので断念。御神輿を見るだけに留めました。
お祭り自体はとても小規模なもので、地域密着型といった感じで好感がもてました。御神輿は小さいながらも老人、若者、子供とそれぞれのお神輿があって皆楽しそうに威勢良く担いでいたのが印象的です。若い子たちが担ぐ御神輿をその家族の人たちが嬉しそうに眺めていました。

お神輿の行列には一人でやってる忌野清志郎風のチンドン屋さんもいて、後で聞いたのですがその人は趣味でチンドン屋をやっていて色んなところに出張してチンドンしてるそうです。(画像二枚目の左側にいる人です)
前日お世話になったお店のおじさんが言っていましたが祭りの規模は昔と比べてどんどん小規模になっていってるみたいで、確かにこうして見てみると祭りの規模はかなり小さく感じましたが、小さい故のある種内輪な空気がなんだかお祭りの雰囲気を濃く感じられる気がして楽しかったです。まぁそれは部外者の気楽な感想なのかもしれませんが。

お神輿の列を見送った後はかぐらの湯へ直行しました。花火大会は19時半からなので、大体1時間くらいはかぐらの湯でゆっくりします。

道すがら花火大会を見ようと思っているポイントを視察。席をとっている人たちは案外少なかったので大丈夫そうです。

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ビューポイントの橋の上。

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花火の打ち上げポイント。かなり近いです。

かぐらの湯は結構混んでいるかと思っていましたが案外客が少なく快適でした。恐らく花火大会の席取りなどをしているのでしょう。人がいないことをいいことにまったりしていたら時間がきたので花火ポイントへ向かいました。
既にあたりは暗く、橋に向かうと結構人が集まっていました。警備の人や消防団の人もいる中、皆んなレジャーシートや椅子に座って酒を飲んだりして楽しそうです。座れるところはあるだろうかと歩いていると結構良いポイントが空いていたので着席、花火があがるのを待ちました。

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画質悪いですが橋の上の様子。

良いポイントに座れたのは良かったのですが、打ち上げポイントが非常に近い。こんなに近くて大丈夫なのかと思っていると何やら町内アナウンスが聞こえてきました。どうやらこの花火大会は(他のところもそうかもしれませんが)花火を提供してくれた個人なり団体なりの名前をアナウンスで読み上げた上で少しずつ発射されていく形式のようで、アナウンス→発射の繰り返しです。私が今まで見てきた花火大会は一気に打ち上げていく方式のものばかりだったので意外でした。

しかし打ち上げポイントが近いだけあって自分の頭上で花火が炸裂していく様子は驚異の迫力です。しかも周りが山なので花火の「ドーン」という音の後に山に木霊する「ゴゴゴゴ」という地鳴りのような音がとにかく凄い。こんなにも腹と耳に響く花火は未だかつて経験したことがありませんでした。この音は動画には入っておらず残念でしたが、こういった場所ならではの現象でしょう。都会の花火とは全く趣を異にしていました。

みさやま祭り 花火大会

花火を見ていると大体は2、3発で終わるのですがたまに連発の時もあり、そういう時は頭上から花火のカスが落ちてきて、打ち上げポイントからは煙が襲ってきて私を含む橋の上の人たちは煙に包まれてしまいます。そんな事を繰り返しながら大体二時間くらい経った頃に最後の花火大連発が上がりました。もう周りの人たちの歓声もか細く聞こえるくらいの轟音と迫力で、空一面が色とりどりの花火で埋め尽くされました。そして最後にしだれ柳のように緩く弧を描いて下に落ちてくる大きな花火が上がり「おぉ〜!」と一人で歓声をあげていると、本当に私の頭上に花火が落ちてきてすんでの所で飛び退きましたが、もう少し遅かったら確実に直撃してました。周りの人たちも「危な〜い(笑)」「うおっ!」などと声をあげていて直撃しそうになったのは私だけだった模様。すぐに警備の人が「大丈夫ですか」と言って寄ってきてくれたものの、その表情はあんまり焦ってる様子でもなかったのが印象的でした。まぁよくあることなのでしょう、「はい、大丈夫です」というとまだ燻っていた花火の残骸を踏み潰して去っていきました。そんなこんなで、最高に楽しい花火大会は幕を下ろしたのでした。

終了後のアナウンスによるとこの後盆踊りがあるらしかったのですが、旧木沢小学校にさきほどの皆さんが集まるとのことだったので私も小学校に戻ることにしました。街灯もない暗くて怖い道を走ること数十分、旧木沢小学校に到着すると、すでに車が何台かとめてあり、詰所に灯る明りの中何人かが喋っているようでした。

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「どうも〜」と戻ると、机に突っ伏しているおじさん、局長、その他数名(昼間にいた人逹+知らない人一人)が出迎えてくれました。
「花火凄かったでしょ」「いやぁあんな近いの初めてですよ」「でしょう。まぁこれからしばらくは山から動物がいなくなるだろうね〜」などと話をしながら私は花火前に購入した豚ジンを調理しつつ、局長からビールを貰って皆と乾杯して二次会(?)が始まりました。

今回の旅でこんなに沢山(というほどでもないですが)の人と酒を飲みながら楽しく話ができるなんて思ってなかった私はとにかくテンションがあがっていました。小学校の皆さんも酒が入っているせいもあってか非常に話に花が咲いて、私はよくわからない地元の話なんかにも混ざりながら楽しく話していました。
「何年か前に下栗の人たちが雨の降らなかった夏にカケ踊り(下栗に伝わる雨乞い踊りらしい)をしたら5分後に雨が降ってきたのはよかったんだけど、その日行われる予定だった諏訪子の花火大会が大雨で中止になった」とか「ここの子供達は信号機の存在を知らないから(ここいらは本当に信号機がない)教育の一環で意味のないところに一つだけ設置した」という話や、「みさやま祭りの花火大会は本当はダメなんだけど(周囲100m以内に民家があるところではやっちゃいけないとかなんとか)、昔からああいう風にやってるからその流れで今もやってる」などの面白話から「◯◯農園には気をつけろ」とかその他こことでは書けないような話、局長の過去や変人っぷりなどとにかく尽きることのない興味深い話を皆さん楽しそうに話してくれました。

しかしそうこうしているうちに年配の人たちから一人また一人と眠さに負けて帰宅していき、最後は私を含め4人に。それでも楽しい宴会は続きました。最後は霜月祭りについて詳しく教えてくれたのですが、どうやら霜月祭りは12月のうちに4箇所の神社でそれぞれ別の日に行われて、この旧木沢小学校の目の前にある神社でも行われるそう。しかし初めて霜月祭りに訪れる人にオススメなのは八重河内(やえごうち)正八幡神社で、ここでは舞を舞う人がかぶる面を実際にかぶらせてくれて儀式に参加できるらしく、しかもメディアであまり紹介されないためか他の霜月祭りと比べて人も少ないのでオススメだとか。私はこの時霜月祭りに必ず参加することを心に決めました。「来るときは世話するよ」とのことなので楽しみにしていようと思います。

まぁそんなこんなで時間は夜中3時に。私はこの日朝6時に出発予定でしたが楽しすぎてこんな時間になってしまいました。皆さんもそろそろ限界らしく、そろそろお開きの時間に。一人は車で帰宅、もう一人は小学校の仮眠室で寝て、最後の一人は私と後片付けをしました。

実はこの日仮眠室を利用するグループがいて既に使われてしまっていたので、「じゃあ校長室で寝るといいですよ、仮眠室なんかよりレアだしソファが気持ち良いですよ。」と勧めてくれたので校長室で「仮眠」を取ることにしました。ここの人たちもたまに使うみたいで折り紙付きの気持ち良さみたいです。しかし校舎内は真っ暗なので電気のスイッチの場所を聞いたら案内してくれました。

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片付けた後の詰所。

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二階へ続く階段横の通路。

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その先の廊下。

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仮眠場所の校長室。

暗〜い廊下を抜けて校長室へ。真夜中の木造校舎を歩くのは中々貴重な経験ですが一人ではかなり怖そうです。電灯のスイッチの場所を教えてくれたお兄さん(といっても私よりは年上)は「じゃあ怪我をしないで帰ってください、おやすみなさい」と言って帰っていきました。最高に楽しい時間が終わって最後は古い木造校舎に一人。宴の後の余韻が名残惜しかったですが横になったらすぐに寝てしまいました。

次回に続く