宿に着いたところから読みたい方はこちら
午前10時過ぎに三鳩楼を出発。幾分空気が緩んできている田舎道は走る車の影も少なく、ジワジワと照る太陽の暖かさも手伝ってとても気分良く走ることができる。今回の旅行はのんびりした道を走る機会が多くて楽しいけど、しばらくしたら山道を走ることになるから寒さには注意したいところだ。
途中から他の道と合流したことで交通量は増えてしまったけどそれでも快適なツーリングは続く。ただ走ってるだけだけど陽の光もあって体が少しずつ暖まってきたから、指先さえ保温できていれば山道でも大丈夫そうだ。
中は結構キレイで、直売所の他にも色んな施設が入ってそうな感じだった。
私のお土産バッグも酒が2本入ったことで重量がかなり気になっているところだけど、道の駅好きとしては気になるものはなるべく買っていきたい。
中をぐるりと回ってみると何やら梅干しが多く売られていたんだけど、ここいらの特産品なんだろうか。良さそうなものがあったら買いたかったけど、手頃なものは人工甘味料が使われたりしていたのでやめておいて(せっかくだから手作りっぽいのが欲しいので)、代わりに梅ジュースとなんとなく唐辛子味噌を購入。味噌は量にしてみたら高かったけど、デザインが気に入ったので買ってしまった。
ここで梅ジュースを飲みながら休憩するのもいいけど、ここから山道に入っていくのでせっかくだからその途中で休憩することにしようと道の駅を出た。
ここからは安中市へと抜ける渋川松井田線なる山道を通って行くことになるのだけど、いざ走ってみるとさっき走ってきた道とは打って変わって車通りは全くなく、かといって道が悪いわけでもないので、楽しいピクニック気分で坂を上っていく。
途中くらぶちこども天文台なる施設があって(空いてるけど人気は全くなし)、ちょっと気になって止まってみたところでなんとなく休憩することに。
木々のざわめきが満ちた山道での梅ジュース、非常にうまいっ。味はまさに梅で、甘さの中に際立つ酸味が頭をキリっとさせてくれる。ここでりんごをひとかじりでもすればなかなかワイルドでカッコイイんだけど、今はこれだけで十分だ。
天文台も少しばかり気になったんだけど、名前からして子供のための施設っぽいのでここはスルーしておこう。急いではいないけど、とりあえず先に進もう。
(後で調べてみたところ、この施設は宿泊もできるようでさらに風呂は温泉らしい。少し気になるのでいつか来ることがあるかもしれない)
ここから更に山深く進み、途中鶏舎の臭いに気が削がれつつも、やはり他の車を気にすることなく走れる心地よさは、寂しい山道峠道の数少ない利点と言える。
そんな道の沿道にようやく人が住んでいそうな民家が見え始めたころ、キラリと輝く日帰り入浴施設の看板を発見。ここはルートを決めるときに見つけて「入るか入らないかはその時次第だな」と思っていたけど、体も少しばかり冷えてきていたし、なにより気になる立地だったのでここは一つ入っていくことにした。
薄暗く舗装もボコボコな道はすぐに終わり、その先の明るみには場所に似つかわしくない(失礼だけど)真新しい建物が一棟。敷地の周りにはこれでもかというほどの幟がたっていたので、そこが砦乃湯だと言うのは明白だった。見たところ先客はいないかほぼいないくらいだろうか。とりあえず行ってみよう。
玄関前に一人のおじさんがいたので「お、先客か?」と思ったけど、私を見ると一礼して館内に戻ったのでどうやら職員さんだったらしい。なんだかのんびりとした感じだったのでまだお客さんもいないんだろう。これは楽しめそうだゾ。
外観から期待できる通り館内はピカピカの大清潔空間だった。見たところやはりお客さんの姿はなく、奥の誰もいない食堂からはテレビの音だけが穏やかに流れていた。とりあえず入ってすぐ左の受付で600円を払い(券売機だけど)、さきほどのおじさんに見送られて浴室へと向かう。
脱衣所もやっぱり新しくて清潔。ロッカーは100円返金式のもので、一つ一つが大きいので私のようなリュック持ちには助かるけど、夏と違って着ている上着やらがかさばるので結局2つ使う事になった。
「こりゃあ本当に貸し切り状態みたいね」なんて思いながら確認のために浴室を見てみるとやっぱり誰もいなかったので、誰かが来る前にさっさと湯を楽しもうじゃないか!
宿を出る前に体は洗っているので少しばかり長めに体を流してからすぐさま露天風呂へ。さて、ここの湯はどんなもんでしょうかっ。
外に出れば当然寒いのですぐさまザブン。湯は特に匂いというのはないがけど、中には白い湯の花が縦横無尽に舞い踊っている!内湯には湯の花があるのに露天になると姿が見えなくなる温泉がたびたびあるけど、ここでは露天でも沢山の湯の花が舞っていて温泉気分を盛り上げてくれるっ。
それに温度もぬるいということはないし、風景も山の中らしく木々に囲まれていていかにも温泉らしい。温まり過ぎたら岩の上に座って風を浴びてまた入って、とにかく今を楽しむことに集中できるのも貸切状態ならでは。肌もしっとり、というよりかはツルッとするし、ここは私が思っていた以上に良い温泉だ!「昼は何食べようかな〜」なんて考えながら、結局30分くらい入っていた。
あがって服を着ていると地元の人らしいおじいちゃん2人が入ってきたので、タイミングとしてはちょうど良かったらしい。体もものすごく温まったし、これならしばらくはホクホクしながら走れそうだ。
そんなポカポカ状態で施設前を流れる川を見ながらコーヒーを飲んで休憩したあとゆっくりと出発。ちょっとばかりお腹がすいてきたぜ。
砦乃湯をしばらく行くと今走っている渋川松井田線の名前にもなっている松井田に到着。とりあえずこの先富岡製糸場で有名な富岡に行こうと思ってるんだけど、せっかくだからその前にかの有名な妙義神社に行こうと思っているので少しばかり富岡方面とは逆方向へ走る。
正直特に妙義神社に行きたい理由というのも無いんだけど、でも今に続く山岳信仰の雰囲気の一端を感じるのは好きだから(というか神社が好きだから)行ったら行ったできっと得るものがあるだろう。周りには宿やら道の駅やらあるみたいだし、ちょっと楽しみであるっ。
あまり考えてなかったけどここいらは妙義山の麓なだけあって標高も高くて景色が良い(その景色はなぜか写真に収めてなかったけど・・・)。だからなのか平日の割に車の他にバイクも多くて人気のほどがうかがえる。私は日差しから隠れるようにトイレの影になってるところに原付きを停めた。
しかしながら施設自体はそんなに大きくないので直売所も小さめ。売られている生鮮品は美味しそう(特に写真にある梨)だけど、他には特にめぼしいものがなかったのですぐに神社に向かうことに。
信仰の山らしく大鳥居の両脇には宿が一軒ずつ営業している。妙義山は参拝客の他にも登山者やクライマーなんかが訪れる山らしいから、そんな人達も利用するんだろう。しかし、今の所クライマーっぽい人は見かけていない。
参道にはお店はあるものの商売っ気がないのが良い感じ。寂しいっちゃ寂しい感じではあるけどまったりしてていいじゃない。
人も多くないので自然の音を聞きながら上る境内の階段は実に気持ちが良い・・・・・が、寒い秋の日とはいえ陽は燦々と輝いてるし、何より階段をノンストップで上ってるからさすがに汗をかいてきた。しかも靴が保温性バッチリのブーツだから足元からどんどん温かくなっていく。マスクも熱いし、さすがに上着の前を全開にして歩くことにした。
さすがにこれだけ上ればうしろの景色もさぞ見応えがあろう。だから今はただ前を向いて歩くのみ。しかし喉が渇いてきた。ここらに湧き水はないものか。
第2の山門も立派だ。向こうを見るともう拝殿はすぐそこのようなので、ここらでひとつ風景を眺めながら一休みしよう。さすがに息があがっている。
今いるこの場所は高い石垣の上で柵も何もないので誤って落ちたらとんでもないことになってしまう。
しかし本当に眺めがいいから、ここで冷たいサイダーでも飲めたら最高なんだけどな。汗をかくことになろうとは全く想像していなかったよ。
重要文化財であるこの本殿はどうやら修復中らしく一部工事されているものの、この堂々たる威厳はさすがだ。黒を基調とした中に金と緑が軸として配色されているのも誇り高い感じで立派である。当初はなんとなく来ただけだったけど、これはひと目見ることができて良かったな。パシャパシャと写真を撮りまくってるおじさんが横にいるけど、それも納得の美しさだ。
失礼の内容、しっかりと参拝させてもらおう。
来るときに見たカボスはかなり気になったものの結局買わず、他の参拝客たちと足並みを合わせるようにして道の駅に戻った。結構喉が渇いていたので冷たいものが飲みたかったけど、間違えて温かいミルクコーヒーを買うという痛いミスを犯してしまったものの、それはそれとしてしっかり休憩して富岡の市街地へと向かう。時はすでに2時近く。お腹が空いたけど・・・・さてどうするか。
さすがにこの時間にしっかり昼食をとったら夕食にひびきそうだ。けどお腹も大分すいてきていて胃がモノを欲している。食堂で軽そうなものを食べるくらいにしようかしら。
事前の調査にて富岡市街地は古き良きレトロな食堂が多く点在していてある程度候補もあげていたけど、いざ着いてみるともう閉めているところが多いようだった。時間はすでに2時を過ぎているから場所柄しょうがないのか。もう道の駅あたりで軽く食べることにして、とりあえず散策しようかな。
富岡製糸場で有名なこの地も平日だからか観光客の姿はまばらでかなり閑散としている。しかしながらそれが昔ながらの面影を残す街の様子に合っていて、寂れ好きの私にとってかなり好奇心をくすぐる雰囲気となっている。ただ惜しむらくは、このレトロな町並みを十分に堪能できるほどの時間がないことだ。
しかしそんな中でも一箇所だけ見ておきたい場所がある。そこは本当に住宅街の中にあるから少しばかり迷ったけど、割とすぐに見つけることができた。
富岡製糸場ばかりが有名になっているけど、こういう銭湯こそもっと保全に力を入れてほしい。
見た目は普通の古いアパートっぽい感じで実際2階には人が住んでるようだけど、一階は銭湯になっているというちょっと変わった造り。まるで銭湯であることを知られまいすらしているようなひっそり感は、独特の味わいすぎて見つけた時に思わずニヤっとしてしまった。本当に残念ながら15時から営業なので入ることはできないけど、ここはいつまでも残っていて欲しいな。少なくとも、いつか私が入りに来るくらいまでは。
しかし富岡の街が、こんなに魅力的な路地が入り組んだところだったとは。ここらへんにも泊まりたい宿があるから、そこに泊まった際には絶対路地裏めぐりをして大正湯に入ってやる。とにかく今は、できるなら軽くご飯を食べてしまいたい。
と、そんなことを考えながら原付きを走らせていると、何やら道は右に折れているようだが、突き当りにどうにも気になる店を発見した。恐らく食堂の類ではない。しかし、店の前には素敵な休憩スペースがあるようだからそこで何か食べられるのかもしれない。「これは!」と思いながら進んでいくと
近くに来るとよりハッキリとわかった。ここは最高であると!
レトロっぽい店と対面に設置されたややおしゃれ目なお食事スペースは、私の理性を飛び越えて本能的に「ここで食う!」と即断させた。だってこれ、こんな素敵なスペースで食べなきゃ絶対損するじゃない。私の今のニーズにも合致してるし、これはツイている!ちなみに岡重肉店という名前らしい!
見たところ、たしかにここは肉屋だけど惣菜のほうがメインっぽい。店頭にはサインやらロケの写真やらが飾られていて有名店らしいことがうかがえるけど、今は時間も時間なのでお客さんもおらず、更にはお店の人すらもいない。まぁ、ゆっくり選ばせてもらおう!かなり迷いそうだ。
まゆコロッケやらえびかつやら食べたいものは沢山あるけど、初めて来た私としてはまず推しに推してるカレーパンはまず頼まなければならないだろう(確かに美味そうだし)。しかしそれだけではさすがに少ないから、カレーパンをメインに据えてのホルモン揚げをおかずとしていただこうか。ホルモン揚げも富岡の名物のようだし、カレーパンと同じ理由で頼む必要がある。
寒い旅の空の下空腹に耐えて走ってきたのでまだまだ食べることはできるが、夕食のためにここは我慢しなければならない。一応、上記の2品で最低限の陣容は整ったと言えるが、最後口の中に油っ気を残したままにするほど私はオイルジャンキーではない。店の横に飲み物が売っているので、カルピスも買っておくとしよう。
大きな声で呼んだら奥から出てきた店のご主人は、ぱっと見ぶっきらぼうな感じだけど嫌な感じはなく、「ここで食べて行きますか?」という質問のあとカウンターの横で注文の品を揚げ始めた。出来ているものをただ出すのではないところが嬉しい。そしてその待ち時間にこのスペースでワクワクしながらのんびりするのも凄く好き。
揚げたてだからアツアツのサクサク。既にソースがかかってるのもありがたい。
しかしホルモン揚げという名前だけど、実のところ中身はチクワなのでホルモンではないというところには注意したい。私はこれを事前に知ってたけど、知らずに食べていたらホルモン好きということもあってかなりガッカリしていたに違いない。でもこれは美味いゾ!ちなみに3本で120円です。
これはカレーも沢山入っててイイ!適当なところのやつだと古い油の嫌な味がしたりするけど、ここはそんなこともなく非常に真っ当なカレーパンだ。正直特別に美味いということはないけど、満足感もあるし食べて損はしないグッドな一品だと思う。200円で安いしね!
そんなわけでお腹も多少ふくれた後、しばらくこの路地で休憩を楽しんでから道の駅に向けて出発。次に富岡に来たときにはまたここに来ることにしよう。
当初の予定ではここいらにいくつかある製麺所に寄って蕎麦でも買おうかと思っていたんだけど、中之条にてあの素敵な入れ物の蕎麦を買ってしまったので寄るのはやめた。他にもこんにゃくパークなる大型施設があったりするようだけど、お土産は地域の小さな商店とかで作ってるようなやつが好きなのでこれも除外となった。富岡あたりは他にも色々面白いものが発掘できそうなので、ちょっと今後の楽しみが増えた感じになったな。
じつはここに来る前に甘楽ふるさと館というところに寄ったんだけど、そこは宿泊・スポーツ他色々施設のような感じでお土産はあんまり売ってなかったので、すぐにその場を後にしてここに着いたのだった。
時間も時間だから惣菜系のものはあんまりなさそうだけど、地元のお土産も気になるので行ってみよう。
なるほど、やっぱり惣菜系は少なくなってるけど、お菓子系は少しばかりある感じだ。大福やら色々あるけど、甘物が並ぶ一角に地元のお店が作ってるらしいかりんとう饅頭があったので即これに決めた(私は昔茨城の笠間稲荷でかりんとう饅頭を食べてからこのお菓子のファンである)。
そうしてぐるり一回りしてから、やはりこれは必要だと言うことで例によってりんごジュースを購入。普通のりんごジュースの横に少しだけ高いのが売っていたのでそれを買うことにした。さて、その違いやいかに。
というわけで無事に夜食なども買ったことで、今日行くべきポイントの9割は回り終えた。最後に残るはただ1つ。それは宿に向かう途中、少しばかり道を逸れたところにあるんだけど、時間を考えると少しばかり急がないと危なそうだ。もともと私は宿に4時くらいまでには着いていたい人だけど今日は間に合わないのはしょうがない。それよりも暗くなって目的地にたどり着くのが困難になるのが嫌なので、ちょっとばかり急ぐことにしよう。
ここいらから次の目的地までスイ〜っと道がわかりやすく繋がってくれていたらありがたいんだけど、中々に小道が入り組んでいるので一端大通りに出てできる限り単純なルートで向かう。
景色はどんどん寂しくつまらなくなっていき、差す陽は次第に橙色へと変わっていく。このまま行けば暗くなる前に着くことはできるだろうけど、やはり万が一を考えてもう少し急がなければならないか。
くそ!どうやら急いでいたせいで本来左に曲がるはずの分岐を右に曲がってそのまま突き進んでしまっていたらしい。もう少ししたら日も沈んでしまいそうだ。急がねば!
そうして問題の分岐まで戻って正規のルート通り向かい、鮎川という川に沿った道を「はよせな!」と急ぎながら走ることしばし、なんとか暗くなる前に目的地一歩手前までたどり着くことができた。いやぁ、ここ数年の旅行でこんなに急いだのも久しぶりな気がするけど、とりあえず今は目的を果たさねば。
上の画像からも分かる通り、私の今日最後の目的地は弘法井戸という湧き水スポットだ。ここは数年前、どっかの記事で見てから気になっていた場所だから今回近くを通るので寄ることにしたんだけど、この山深くに続く急勾配の坂、かなりヤバい気がするゾ。。
私も今まで色んな坂を原付きで上ってきて、史上トップでキツかったのは昔長野の遠山郷で上った下栗地区の坂だけど、ここはもしかしたらあそこに匹敵するかもしれない。しかもこの坂は更に路面が凸凹しまくってるし。これは意を決して行かねばならん!
幸い今いる道には車通りはないので、十分に後ろに下がってからいきなりのフルアクセルで死の坂へと突っ込む。路面の凸凹から伝わる振動の激しさと勾配は見た目以上で、「これはヤバい!」と頭の中で赤ランプが点灯し始めたが時既に遅し。もしここで止まろうものなら、ブレーキなど無きに等しく坂を後ろ向きに下り落ちていくことになるだろう。もはや止まることは許されない!
勾配が緩くなることはなく、道もどんどん悪路となっていく山の急坂で、「早く着いてくれ!」と祈りながら突き進む。正直、いくら湧き水好きな私とはいえ「来るんじゃなかったぜ!」と半ば後悔し始めた頃、目の前が多少開けてきたことに希望を見出し原付きに鞭打って進むことしばし、ようやく地獄のような坂を越えて、目的の弘法井戸の目の前に到着することができた。
ここに来ることに寄って原付きの寿命がいささか縮んでじまったことだろう。。私の全身を駆け巡った焦燥もかなりのものだったけど・・・、その分到着した今の気持ちは相当に軽やかだ。開放感というべきか、とにかく上れてよかった!
辺りは静まり返って、かの有名な弘法大師が由来の湧き水にしてはなんとも寂寥とした光景だけど、あの建物の中にこそ求めていたものがある。これまでの気分とは打って変わって今はワクワクしている!
戸を開けてもそれ以上入ることはできない。戸のすぐ向こうには、清く澄んだ水が一段深くなった床一面にたたえられているのだ。
弘法大師伝説に由来する湧き水は日本各地にあって私もいくつか行ったことはあるけれど、ここまで説得力のある、ある種聖的な雰囲気が感じられる場所は初めてだ。薄暗い屋内に湧く地底湖のようなイメージの湧き水は、見るに清らかで息を呑むような迫力があった。あんな思いをしてまで来た甲斐は・・・、十分にあったようだっ。
しかしながらいくらこれが湧き水とはいえ、この水に水筒をザブンと入れて水を汲むのは少し憚られる。というかそんなはずはないだろう。ちゃんと水を汲む場があるはずなので、少し探してみよう。
建物の正面には川のようになって(多分)湧き水が流れているであろう場所があり、そこに蛇口とホースがあったので、これが水汲み場ということだろう。蛇口をひねるとチョロチョロと水が出たので、水筒を洗ってから満タンにためた。これを風呂上がりに飲むことにしよう。
せっかく来たので手を皿にして一杯飲んでみると、寒い時期だというのに水はそんなに冷たくはない。私のうまい水の判断基準は「冷たいかどうか」ということだけなのでこの弘法水は残念ながら当てはまらないけど、苦労してきたせいかなんだか美味く感じる。多分ここの雰囲気も合わさってのことだろうが、多分調べると何か言い伝えられている効能なんかがあったりするんだろうな。いや、これは汲みに来て良かった。
道を更に行けば向こうに民家が見えているから何かあるっぽいけど、さすがにもう本当に時間がないのでここらで宿に向かうとしよう。そのためにはあの道をまた行くことになるわけだけど、あの勾配は今度は逆の意味で危なそうだ。
先程までの気持ちはどこへやら、また再びドキドキしながら坂を下っていく。後ろの積荷のためになるべく振動しないようゆっくりと走り、ついにやってきた最初の(というか最後の)急勾配。
来た時は焦りを感じたこの坂は、下りとなると恐怖そのものだ。あまりの勾配に本能的に全力でブレーキを握ったが、それにもかかわらず流れ落ちるようにスーっと坂を下っていく様は、あたかも制御不能となった馬に乗るような気分だった。だってこのまま行けば先程通ってきた鮎川沿いの道(175号線)に飛び出して、運が悪ければ車に横から突っ込まれてしまう危険性が大なのだからっ。
そんな恐怖感と戦いながら、りんごを潰せるんじゃないかというくらいの力でブレーキを握り、もう止まることは不可能となった原付きに乗りながら、「頼むから車くんなよ!」とひたすらに祈りつつ半分死を覚悟しながら道路に飛び出すと、そこは神の計らいかそれともただ車通りの少ない田舎の道だからか、あたりには車の影すらなく、無事に坂を下り終えることができたのだった。
私はドキドキした心そのままに坂の方に振り向いて、「もうここへ原付きで来ることはないだろう」と、そして「生きてて良かった」と、心から思った。。
もう寄るところはないのでまっすぐ宿に向かう。こんな時間になって宿に到着するのは久しぶりだけど、夕食前にはたどり着けるのでもうそこまで焦る必要はないかな。
もう道は単純なのであっという間に八塩温泉エリアに到着。ここいらには温泉宿が三軒営業していて、そのうちの1つである八塩館はすぐに見つかった。ただ今日泊まる鬼石観光ホテルは見つからない。この八塩館の向かいくらいにあるはずなんだけど・・・と思って探していると
なんと鬼石観光ホテルは案内看板などもなく、大通りから路地に入るような細めの道の突き当りに「デン!」と存在していた。その不案内な感じと、知らない人が見たら一見廃墟のように見えそうなその佇まいに、私はいつものように胸ときめかせるのだったッ。
さっそく敷地内に入り込んで、以外に広い駐車場の端っこに原付を止めて(駐輪スペースのようなものはない)宿へと向かう。玄関からは暖かい光が漏れているけれど建物全体から感じられる物寂しい雰囲気に、自然と期待は高まっていく。
かつて団体客を迎えて栄えていた時代があったであろうこの雰囲気。お世辞にも今風とは言えない時代が香る空間。私は大昔からあるような木造の宿なんかが一番すきだけど、こういう私の体験としての記憶の中にある古い感じも大好きだ。若干薄暗いのも呼ばないと女将が出てこないのもまた良い。これは楽しそうな宿だッ。
しかしただここに突っ立ってても始まらないので、誰もいないフロントの向こう側に向かって「すいませ〜ん」と声をかける。誰もいないロビーに私の声が寂しく響くばかりかと思ったけど、「は〜い」と思いの外すんなりと女将さんが出てきてくれた。
宿の寂れっぷりに反して女将さんは明るく親切で、宿帳に記入しながら二言三言話すと、「雨が降るといけないから、バイクは屋根があるところに駐めてもらっても大丈夫ですよ」と言ってもらえたので、ありがたく原付きを屋根の下に移動させもらってから部屋に案内してもらった。
部屋に案内してくれている途中、夕食や風呂の説明などをしてくれる女将さん。話し方もハキハキしていてとても印象が良い。寂れた宿なんかは時にその雰囲気に比例するように凄く元気がない女将・旦那さんとか色々不親切な宿があったりするけど、ここは女将さんも愛想が良いし、場所場所に消毒液があったりしてちゃんとしている印象を受ける。今日は心地よく過ごせそうだ。
ギィ〜っとドアを開けると、長方形の部屋の奥には眺めの良さそうな窓が迎えてくれる、いたってシンプルな部屋がそこにあった。凝った装飾はないけれど、1人で使うには十分すぎる広さだし、とても清潔にしてあるのがよくわかる。私の好きな広縁もあって良い部屋じゃないか。
客室にこれだけの広さのあるベランダがついてる宿は、私のような安宿に泊まる人間からしたら珍しくて新鮮だ。朝、ここで伸びをしながらりんごジュースの一杯でも飲んだらかなりシャキっとしそうだな。
しかしこの景色からも分かる通り、この宿は少し小高いところに建ってたんだね。位置的にこの部屋は宿の裏手側で、向こうに町が広がっているらしい。明るくなった時の景色も楽しみだ。
こんな感じで部屋は個人的になかなか好印象。
宿のレビューなんかでは壁紙が剥がれていたり大きなシミがあったりして不潔で汚いとかボロ宿だとか言うものがあったけど、これまで見てきた感じでは不潔な感じはなく、確かに傷んでいるような箇所はあるもののボロ宿というほどでもない。部屋によっては傷みが酷いところがあったりするんだろうけど、とりあえず今のところボロ宿というほどではないというのが私の印象だ。
でもまだ廊下やら浴室やら色々見て回ったわけじゃないから、探検がてらちょっとそこらへんを意識して見てみようかな。温泉にも入りたいし。
ロビーの奥、右側にのびる廊下を行き、椅子によって不気味に演出された洗面所を曲がるとすぐに脱衣所だった。
宿の規模から考えると脱衣所はかなり狭いから、沢山お客さんが泊まってる時なんかは色々気を使いそうだ。今日のところは誰もいない感じだからいいけどね。
しかしロビーを除いて宿全体がひっそりとして薄暗いのは気に入ったなッ。
いやぁ今は私一人だから広くて贅沢でいいね。ソープ類もちゃんとあるし床もぬるぬるしてないし、長寿湯は蜘蛛がいたけどそれなりにちゃんと清掃されている感じだ。
しかしそれよりもこの浴室の少しでも立派に豪華に見せようといったような意気込みが感じられる様相は、やっぱりかつての時代の空気を反映してるようで居心地が良い。
そんな貸切状態の風呂なのですぐに体を洗い、肝心要の温泉を味わうべくいざ入湯。
この温泉は八塩温泉といって、ホテルのHPによるとナトリウム―塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉とのことらしい。入ってみると温度はちょうどよくて、何より横長の浴槽なのでのびのび出来て良い!部屋でのんびりすることなく入りに来たから温かさで体がよく伸びてかなり気持ちが良いゾ!いつものごとく「ウグゥーー」と声が漏れてしまった。
この雰囲気と広さを独り占めできるのは気分がいいなぁ〜。今日は辛いこともあったし、こうして安心して湯に浸かれているのは何よりのご褒美だ。
しかし!入ってみて思ったけどなんだかあんまり湯に特徴を感じないというか、こういうのもなんだけどこれは本当に温泉なんだろうか。塩素臭がしないのは良い点だけど、特に肌がしっとりだとかツルンだとか、感じられるものがない。もしかしたら湧出量がかなり少ないのかもしれないけど、とにかくそこだけはちょっと疑問が残るところかな。
でもまぁそんな事を感じながらもしっかり湯を楽しみながら20分くらいであがった。換気扇のゴーという音を聞きながら入る今回の旅最後の湯はなかなかに趣深い。後でまた入りに来よう。
夕食は18時半ということでもうちょい待てば食事となる。フリーwifiもあるし、何か適当にグダグダしながらその時を待とう。
そんなことをしていると廊下からガラガラガラという押し車を押すような音が聞こえてきた。時間はまだ30分より10分早く18時20分。「もう来たのか」と思ったらドアを叩く音がしたので応えると、やはり夕食を持ってきてくれたのだった。こういう宿ではよくあることだし、お腹もすいていたのでむしろありがたい。
これは予想以上に質の高い夕食だ。料理はショボいかもとは思ってなかったけど、まさかこんなしっかりした膳が出てくるとは嬉しい誤算といった感じか。鄙びた宿だと大別して「鄙びているなりのサービス」を提供する宿と「鄙びているからこそしっかりしたサービス」を提供する宿があると思うけど、ここはその他の部分も含めて後者だったらしい。いや、それにしてもこれは嬉しいゾ。すぐに食べよう!
まずはキムチを食べてみると、辛さはあるものの旨味が効いた甘さがあってかなり私好みのキムチ。これはかなり美味い!さっき上でも書いたように、宿に来る途中に故郷キムチという店があってなかなか人気らしいんだけど、これがそこで売られているキムチだったらかなり欲しいな。
鮎も頭は駄目そうだったけどほかはちゃんと骨まで食べられるくらい良い塩梅で焼かれているし、小鉢の品々や天ぷらも一つ一つ手が込んでいるのが感じられる。温かく、冷たくあるべきものはしっかりそれが保たれてるし、それ故にどれも美味い!うどんなんかは柚子の皮が添えられてたりして、夏の夜にはぴったりの爽やかさだった。かなり満足度の高い料理で気持ちよく完食させていただきました。ごちそうさま。
食べ終わったらフロントに電話してくれということだったので電話をすると、間もなく女将さんともうひとり男の人が夕食を片付けつつ布団を敷いてくれた。一昨日泊まった林家旅館さんでも同じ形式だったけど、今までの経験から言うとあまり見ないタイプのサービスだ。
目の前で布団を頑張って敷いてくれてるのはありがたいんだけど、それを待ってる間がなんとなく所在ないというか少し気まずいというか、まぁ私も広縁あたりに移動しとけば良かったんだけど。
満腹状態で柔らかく膨れた布団に寝る幸せ、素晴らしいです。うるさい音もなければ虫に悩まされることもなく、後はテレビやスマホでもしながらダラッと過ごすのみの時間は最高だ。いつもは旅に本を持ってきても結局読まないことが多いけど、今回ばかりは持ってくればよかったな。
やはりというか、夏に行く10泊くらいの旅ですら最後には短かったと思うんだから、今回のような3泊4日なんて本当にあっという間だ。それでもこのご時世に少しでも遠出ができたのはありがたい。普段の旅なら今回のように沢山お土産を買うこともできなかったし、現地でりんごを買って家に送るなんて通常なら考えもしない行動だ。そういう意味では、今回の旅は短かったけれども色々と良い経験ができたと思う。
明日の帰りの道のりを思うと少しばかり気が重いけど、今はそんなことは忘れてひたすらだらけて楽しもう。
りんごジュースは大抵美味しいけど、今回買ったのはちょっとだけ価格が上のもの。一体どれだけうまいのか、ちゃんと冷えているので楽しみだ!
さっそく飲んでみると甘みも香りも新鮮なりんごジュースそのもの。冷えたジュースが甘みを残しながら喉を流れていくのが美味しく気持ちイイ。これはウマいりんごジュースである!・・・・が、今まで飲んできた600円台のやつと比べてどうかというと、私の舌ではあまり違いがわからない(すいません、、、)。
まぁこれも800円くらいで大きな価格差があるわけじゃないけど、飲む人が飲めばちゃんと違いがわかるのかも。しかしながら美味しいりんごジュースには違いないので大満足だ。
値札を見ると菓子工房こまつやというところが作ってるらしいけど、このかりんとう饅頭もまたかつて食べたものと同じように凄く美味しい。外カリカリ中しっとりというか、甘党な私には最適だし重さもちょうどいい。これはかなり買ってよかったな。一気に食べ終えてしまいました。
いやぁ最後に良い夜食を買えて良かった。思えば昨日も一昨日も、りんごもあったりしてなかなか満足度の高い夜食を揃えられた。宿の食事も含めて(まぁ三鳩楼は個人差がありそうだけど)、結果的に今回は食がサブテーマになっていた感があるな。帰ったら美味しそうな地酒や味噌もあるし、お土産を買えるっていうのは帰った後も旅の残り香を楽しめるから素晴らしい。今後は秋の原付き旅もやっていく価値が十分にありそうである!
というわけで夜食を存分に楽しんだらいきなり眠くなってきたので、スマホで動画を見ながら耐えきれなくなったところで就寝。特にアラームもセットしてないけど適当なところで起きるでしょう。最後の夜は目一杯眠ろうじゃないの。
昨夜は一度も目覚めることなくこの時間まで熟睡していたせいか寝覚めはスッキリで元気いっぱい。今日もまた快晴のようだし、一日を生きる気力が湧いてくるっ。
この両手いっぱいに広がる景色を見ながら冷たいりんごジュースを体に流し込む。至って平和に見える世界。今日も私は幸せだ。
脱衣所に着くとドアは空いていて誰かの服もないので今回もまた貸切状態なようだ。今日で旅も終わりだから最後までゆるい時間の中で過ごせるのは幸せだ。温泉の感じがしないというのは少し残念なところではあるけども。
こうして明るい時間に入ってみると、昨日うっすら見えていた通り外は草木が生い茂っていて、さらに浴室には贅沢に石が使われているもんだから雰囲気はさながら露天に近い。枝葉が日光をほどほどに遮っているから室内の光は柔らかくて、夜とは大分違った温泉の姿を拝めるのは楽しいところだ。
それでも湯の質は変わらないので肌の感覚はそのまんまだけど、この空気感は旅の終わりを惜しむには十分な魅力があるように思える。帰ればまたしばらくは温泉や鄙びから離れた生活になるから、今は無心で湯を楽しもう。
その後部屋に戻ってりんごジュースを飲んでいると電話が鳴って朝食の準備ができたとの連絡があった。今度は部屋食ではなく廊下斜め向かいの部屋らしい。もう準備は出来ていて好きなタイミングで食べに来て良いというありがたい形式だったけど、もうお腹も空いていたのですぐに食事処へ向かう。
するとその斜め向かいの部屋のドアは空いていて、言っていたとおり食事が用意されていた机の手前、私の部屋のすぐ前から見える位置で食事をとっている他の宿泊客の姿を発見。
おじさんが1人で朝食にありついている姿に「いたのか!?」と嬉しさと驚きが入り混じった感情を覚えたものの、部屋はシーンとしていてこのまま私も食事をするとなればなんだか気まずい雰囲気になりそうだったので、一旦ここはスルーして朝の散歩がてら外に出てみることにした。さすがに男2人で食器の音だけが響く中食事は気まずすぎる。
しかし風呂上がりなもんだから外の寒さが染み入るようで目が冴えるね。サンダルを履く足先からジワジワと冷えてくるのも背筋がのびるようで最初のうちは気持ち良い。
大正時代頃の女性は、冬の間はかじかんで赤くなった足先が可愛く見えるからと素足で下駄を履いていた(人もいた)というのを本で読んだことがあるけど、それをなんとなく思い出しながら散歩していた。
そういえば道路向かいにある八塩館の手前くらいにあじさいの里なる行楽スポットがあるみたいだけど、そこに通じているのだろうか。人が気持ちよく歩いて行けるようには見えないけど、まぁそういう娯楽のごときものも一応あるということだろう。
と、ここらへんでそろそろ体も冷えてきたので宿に戻ることにしよう。もうお腹も大分すいてきてるから、まだおじさんが食べてたとしてももうかまわん。挨拶して少し話せば気まずさも消えるだろう。ということで食事処へ向かう。
小鉢も多くなく少なくなく、朝の落ち着いた胃にちょうど良さそうな感じの朝食。見た目にも食べごたえがありそうだけど、実際に食べてみても一つ一つ味が良い!昨日の夕食の満足度を裏切らないクオリティで、私の好きな温泉卵があるのもかなり嬉しいところだ。
まぁどれがどんなふうに美味しいかは忘れちゃったけど、全体的に安定した美味しさで箸が進んだのは覚えてる。それを普段見ないような朝ドラをぼ〜っと眺めながら、時には外に目を移しつつゆっくり食べる朝食は最高だった。目の前に大きく窓が開かれているのも良いところだ。
そうして何も考えず食べ続けて完食した後、最後にデザートがわりに残しておいたりんごジュース。部屋で飲むことが多いけど、こうして朝食の場に用意されているのは珍しい。果たして味やいかに。
飲んでみると繊維状になたりんごの果肉が一緒に口の中に入ってきた。香りも味も濃く、私が昨日飲んだものとはまるっきり違う!これはウマい!
昨日買ったやつもちょっと高いやつだったけど、これは更に上をいく品なんだろか。そういえばフロントでりんごジュースを売ってたけど、もしかしたらあれなのか?いやはや、これはかなりウマいりんごジュースである。最後までとっておいてよかった。
こうして食べ終わって時刻は8時半くらい。私はいつもチェックインギリギリまでいるのであとゆっくりできるのは1時間ちょっとというところだ。
ここからの時間がいつも悩ましい。本当なら満腹になったところで布団に飛び込んでもう一眠りしたい。でもそうするともう温泉には入れないし、温泉に入ってから寝たんでは時間も少なくて起きるのが辛くなってしまう。チェックイン10時は早すぎる・・・といつも思う。かつて泊まった福島の井戸川温泉はチェックアウト16時という恐らく日本一の滞在可能時間を誇る宿だけど、そこまででもなくても11時くらいがスタンダードになってくれたら嬉しいと私は思う。。だって二度寝したいじゃない。
しかし今回は寝ずに再び温泉に入った後、部屋で景色を見ながら旅の終わりを惜しむことにして、時間ギリギリまで物思いにふけりながら過ごしたのだった。
食器の音も途絶えて再び静まり返ったロビーでフロントに声をかけると、今度は奥からご主人がでてきて雑談をしながらの精算となった。昨日女将さんはマスクをしていたけど、ご主人はノーマスクでの対応で、しかも最後にはマスクをプレゼントしてくれたのにはちょっとツッコミたくなってしまったけど面白かった。
人柄は女将さん同様良い人そうで、「どうぞ気をつけてお帰りください」と見送ってくれた。ここらへんはあまり来ないところだから次にいつ来ることになるかわからないけど、良い宿だからこれからも頑張って欲しいな。短い旅の最後の宿にはしんみりできる居心地の良い宿だった。
※ネット上のレビューでは大満足という声もあれば最低だという声もあるとても振れ幅の大きい宿でしたが、いざ自分が泊まってみると確かに老朽化は否めない感はあるものの汚さや居心地の悪さというものはなく、宿の方の人当たりも良くご飯も美味しい、とても満足できる宿でした(個人的に古びたものが好きだからという面もありますが)。
記事内でも書きましたが、利用した人の中にはボロ宿という人もいるようですが、私が見た限られた範囲内での印象は「まだボロ宿ではない」といった感じでしょうか。ノスタルジックな宿くらいな印象です。広めのベランダと眺めの良い景色、wifiもあるし、私は結構好きな宿でした。
八塩温泉には後2軒宿があってどちらも良い雰囲気なようなので、いずれそちらも泊まりに行ってみたいと思います。
八塩温泉 鬼石観光ホテル : 一泊二食付き (GoToトラベル利用で)7300円(税込) 通常11500円
公式サイト
ネギさんこんにちは!
いいです。今回のお宿も素敵ですー。
入り口のホテルの文字もなんか歴史かんじます。
昔ながらというか、変わらないというか。
懐かしいかんじです。
岩岩しいお風呂もなんだか懐かしいですよね。
食事も美味しそうで落ち着くお宿ですね。
妙義山は何年か前登りに行きましたが、
怖かった印象しかない。
ギザギザの山を登る人居るんですよー
登山マップや看板なんか見ると危険マーク多くて
怖いです。
私達は初心者コースを行きましたが、
これで初心者なのかとおののきました。
神社は寄れなかったのですが、
また行く機会の時にお参りしたいです。
つい先日、父方のおばあちゃんのお墓参りに行ってきました。
みなかみ町久しぶりで懐かしかったです。
高橋の若どりは時間的に行けなかったです。
次回リベンジします!
しかし群馬はほんとに美味しいものや良い温泉多いですよね。
十六夜さんどうもこんにちは( ^ω^)
>いいです。今回のお宿も素敵ですー。
本当に懐かしい感じでした。多分だからこそああいう宿が好きなんだと思います。
宿の人の温かい感じや料理の美味しさを考えると、頑張ってより良くしていこうっていう気持ちが伝わってきて好印象でした。
お風呂も本当に温泉なのかは謎でしたけど、良い浴室で十分楽しめましたし。
心残りは、あの美味しかったりんごジュースを買っておけばよかったところでしょうか。
>妙義山は何年か前登りに行きましたが
僕もネットでちょろっと画像を見たくらいですが、さすが修験の山だけあってかなり危険そうな山ですよね。
トレッキングする十六夜さんがおののくんですから、初心者コースとはいえ難易度が他より高いのは確かですね、恐ろしいところです。
私が次に行くとしたら妙義スカイパークでパラグライダーをする時でしょうか。神社はとても良かったです・・・・が、夏はキツいと思うので良き時に楽しんできてくださいね。
>父方のおばあちゃんのお墓参りに行ってきました。
いいですね、私は東京生まれ東京育ちなので、私が見知らぬ田舎に行って感じる懐かしさと十六夜さんが感じている懐かしさは違うものだと思うと、羨ましいかぎりです。
高橋の若どり残念だったですね、次回は是非(笑)私は次は骨つきのを食べてみたいです。それも買ってすぐのものをっ。
しかし十六夜さんの言う通り群馬は良いところですよね。まだ行きたいところが沢山あります。次は沢渡温泉や積善館、片品村あたりにも行ってみたいです。
尾瀬の山小屋も行ってみたい気もしますが、なかなか難しそうです。歩荷の人と話をしてみたい。
ネギさん、こんにちは。
またまた激渋の旅館に泊まられましたねー!
昭和感いっぱいのロビー、お風呂の天井のお花、大変魅力的です。八潮温泉と言うのも知らなかったです。
Wi-Fiあるし、いいですね。泊まりたい。
クチコミは価値観が人それぞれなので、あまり参考にならないですよね。特に安い宿は、古さぐらいは仕方ないと思っちゃいます。高い宿なら文句言いたくなる気もわかりますけど。
今年になって、緊急事態宣言が出たり、まだまだ自由に旅行できなくて、都民はツラいですね。
もう自宅に帰られたということなので、もうこの旅も終わりかと思って寂しくなりました。
毎回、宿だけでなく、道の駅、湧水情報も参考にさせてもらってます。車の時は私も湧水汲みます。10Lのタンクと2Lのペットボトル2本積んでます。笑
湧水でごはんを炊くと全然違う。旅館の白飯の美味しさはこれか!と納得しますね。
今週末に高崎に出張なので、老神温泉に泊まろうと計画中です。遅くなるので残念ながら素泊まりになりそうですが、久々に1人温泉楽しみたいと思いますー。
亀鶴旅館か楽善荘で迷い中です。
では、また旅日記更新楽しみにしておりますっ!
まいらーさんこんにちは( ^ω^)
>またまた激渋の旅館に泊まられましたねー!
あの温泉も湧出量が少ないのかなんなのか、とにかく記事に書いてある通り温泉感はなかったですけどその分雰囲気でカバーできてる感じでした。後2軒ほど同じ源泉の宿があるみたいですが、そっちの方はどうなのか気になるところです。
クチコミに関して、特に悪い系のクチコミはあまり「その通りだった」と思ったことがないので(楽天トラベルにせよ食べログにせよ)、あくまで参考程度が良いように思います。私が色々とあまり気にしない性格なのもありますが、この鬼石観光ホテルさんは良い宿でした。
今回の記事の最後、書いてる時のテンションで物凄いあっさり終わってしまったので、旅の終わりの記事の締めくくりとしてはちょっと反省です。記事も一日ですべて書いてるわけじゃないので、その時の気分やテンションで文章のテンポや雰囲気が変わっちゃうんですよね。
>毎回、宿だけでなく、道の駅、湧水情報も参考にさせてもらってます
私も鬼熊達と旅行に行くときはタンクを持っていきますが(最近は迷惑がられますが)、原付きで湧き水スポットに行くときはいつも「もっと汲んでいきたいのに」と思ってます。
ご飯もまいらーさんの言う通り、良い水が湧いている、流れている所の飯は美味しいですよね。長野の山上旅館のご飯も美味しかったし。
しかし記事中にある弘法の井戸はもう行きたくないですね(笑)車でも結構辛いんじゃないでしょうか(軽なら特に)。でもあの雰囲気は一度体感する価値はあると思います。
>老神温泉に泊まろうと計画中です
ちょっと見てみましたが、亀鶴旅館は若干おしゃれ目にリフォームされた宿のような感じで、楽善荘は昔ながらといった感じなんですね。どちらに泊まられたとしても羨ましい話です(笑)
私も老神温泉の大蛇まつりなるものを見たくて泊まろうと思ったことが何回かありましたが未だに行けずじまいです。鄙びたところだと聞いているので期待しているんですが。
予定としては明日あたりに泊まられる感じですかね、是非とも楽しんできてくださいッ。こんなご時世だけれど、気をつけつつ息抜きも必要ですから( ^ω^)私もどっか行きたいです。
ネギさん、
返信ありがとうございます。
結局、亀鶴旅館さんにしました。1階はリフォームされてましたが、私が泊まったのは2階で、2階はまだ手つがずな感じでなかなか味わい深かったです。笑
帰りに楽善荘で日帰り入浴と思ったら、土曜日はお休みとのことで入れずでした。涙
老神温泉、鄙びてます。気に入ったので、次回は楽善荘さんに泊まろうと思います。
そんなお祭りあるんですね!
朝市もあるみたいなんですけど、4/20〜でした。
地元のおかあさん達の手作りドレッシングがあるらしく、買いたいです。
今は、1人で行動だとまだマシかもですね。
大人数だと警戒されそう。ネギさんのお友達との旅行記が楽しいから好きなんですが、今はなかなか行けないですよね?四万温泉の山ばとは何度も読みました。ステーキの攻防がめっちゃ笑う。あと、いつもツゲさんのセリフ(⁈)だけ、半角カタカナなのがツボです。
私も毎年2回くらい一緒に旅行する友達が3人いますが、去年2月に金沢行ってから全然行けてません。
まいらーさん、どうもです( ^ω^)
>結局、亀鶴旅館さんにしました
なんだかぱっと見は民宿っぽい外観だから、手つかずな2階はそれはそれで良さそうですねっ。
旅行に行きたくなっちゃうから最近はグーグルマップを見ないようにしてるんですが、亀鶴旅館さんと楽善荘さんを見たついでにその近辺を見てたら案の定旅行に行きたくなってしまいました。
日帰り入浴の件は残念でしたが、まいらーさんはここで温泉を楽しんだのだなぁと思うと羨ましく思います。
楽善荘さんは私も結構気になりますね〜。教えてくださって感謝です!
>朝市もあるみたいなんですけど
朝市の存在は知りませんでした。
私もそのドレッシングみたいな、地元のおばちゃんが作ったなんとかみたいなやつとか凄い好きなので、俄然老神温泉に行きたくなりました。
それも地元の人のためのっぽい感じだったら尚良しです。
>今は、1人で行動だとまだマシかもですね
そうですね〜、実はこの秋旅行の後にツゲと一回旅行に行ったので近々投稿予定ですが、鬼熊とかも含めてとなると中々行くのは難しそうで私も残念なんです。
しかしステーキの攻防という文言に私も笑ってしまいました(笑)。私は大の肉好きなので、ああいう時はなんとかして少しでも利を得ようと頑張るセコい人間なのです。ツゲは酒飲みで酒で腹が膨れるからまぁいいんですが、もしツル天が体調不良じゃなかったら危なかったでしょう。
なんだか今年も旅行は慎重に考えないないといけないような雰囲気ですが、私もまいらーさんも早く皆で旅行行きたいですよね。個人的に今年も夏休みの長期旅行ができなかったらちょっと心にキそうです。
ネギさん
お久しぶりです
GWいかがですか
わたしはえーと ごにょごにょ してますw
>その不案内な感じと、知らない人が見たら一見廃墟のように見えそうなその佇まいに、私はいつものように胸ときめかせるのだったッ。
(本文から引用させてもらってます)
まさにそれなです
わたしも去年泊った福島の湯本にある白鳥温泉 春木屋旅館さんがまさにそれで見た瞬間胸が熱くなりました
あと石鎚山登山のため愛媛に遠征したときに泊った国民宿舎 古岩屋荘さんもまさにもうなんともいえない枯れっぷりを見せてました
こういう胸をこがすような佇まいが好きな人は好きなんだけどわかってくれる人が少ない淋しさがありますね
また次の更新まってます
ましゅさん、返事が遅くなってしまってすいません、コメントありがとうございます( ^ω^)
ごにょごにょが気になりますが・・・(笑)、私のGWはどこにも行かず(行けず)で残念なもんでした。今年は一体どんな感じになるのやら心配です。一応旅の計画くらいはたてておきますけど。
>>わたしも去年泊った〜
そうですね、鬼熊やツゲなんかはそういう宿を楽しんでくれてますけど、自分だけの旅行でそういう宿にすすんで泊まる人はあまり身近にいないですね。あんなに楽しいのに。
旅行に行くときはいつもビジネスホテルだっていう友人もいて、それはもったいないといつも思ってます。
しかしましゅさんが書かれている2軒の宿、ちょっと画像検索してみましたけどちょっとレトロな感じで良さそうですね。小さい宿と大きい宿では同じレトロでも味が違うので、胸が熱くなるのもわかります(笑)
愛媛のほうは知らないのは当然ですが、福島に白鳥温泉というのがあるのは知りませんでした。結構チェックしていたはずなんですが。浴室が好きな感じです。
ついさっき記事を更新しました。また長くなりそうだったので前後編ですが、前編は宿到着までです。すぐに後編を書こうと思ってるので、しばらくお待ちくださいませ。
ネギ様、はじめまして。
鬼石観光ホテル、10年近く前に利用した事があります。
結構、レビュー評価が分かれる宿ですが、程よい寂れた感と昭和レトロが混在して個人的には
好きな宿でした。
赤城温泉の本陣をご存じですか?
ぜひ、ネギさんのレビューを読んでみたい旅館です^_^
それでは、季節の変わり目故にお身体を大切に!
taka4crさんはじめまして。コメントありがとうございます( ^ω^)
私もああいう宿の風情は大好きです。個人的にベランダがあったのもちょっと新鮮で、しかも眺めも悪くなかったので気に入っています。
ただひとつ、あそこが本当に温泉なのかは気になるところですが(笑
>>赤城温泉の本陣をご存じですか?
去年の夏の旅で、台風が来てなかったら泊まろうと思っていた宿です。
以前からチェックしていた宿でやっと行くことができると楽しみにしていたんですが、台風が来ていたので予定を早めることにしたため泊まることができませんでした。。
凄い楽しそうな宿っぽいんで私も是非行きたいんですが、、、私のためにも早めに行こうと思います。どうもありがとうございます( ^ω^)